最新情報

  • 2016年5月24日 · · · 鹿島建設が不法投棄で書類送検
  • 2016年5月20日 · · · 廃棄物処理制度専門委員会(第1回)を傍聴してきました
  • 2016年5月17日 · · · 新著「廃棄物処理法の重要通知と法令対応」が出版されました
  • 2016年5月16日 · · · 環境省、委託基準の検討業務を外注予定(官僚は忙しいのだ)
  • 2016年4月27日 · · · 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成25年度実績)
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    鹿島建設が不法投棄で書類送検

    「規模の大小を問わず、建設工事の元請の工事管理能力が落ちてきている」とよく聞くようになりましたが、
    ゼネコンとしては有り得ないレベルの杜撰な不法投棄事件です。

    2016年5月19日付 朝日新聞 「余ったコンクリを不法投棄の疑い 鹿島と社員を書類送検

     校舎の建て替え工事で余ったコンクリートを現場に埋めたとして、警視庁は19日、大手ゼネコン鹿島と同社社員の男性(30)を廃棄物処理法違反容疑で書類送検した。男性は「後で取り除くつもりだったが、整地する時に忘れていた」と供述しているという。

     生活環境課によると、男性は、東京都中野区の明治大学付属中野中学・高校の校舎の建て替え工事で現場監督を務めていた2014年1月16日、下請け業者に指示して、工事で余ったコンクリート約560キロを現場に埋めて捨てた疑いがある。埋められたのは校舎の外階段の下部にあたり、捜査を受けて除去したという。

     同課によると、現場にはほかに袋詰めされたモルタルなど約1600キロも不法に埋められていた。同年5月、匿名の告発文が警視庁に届いて発覚したという。

     鹿島は「多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびするとともに、施工管理の徹底と再発の防止に努めます」としている。

    ゼネコンの人事体系は存じませんが、30歳で現場監督というのはよくあることなのでしょうか?

    ゼネコンという後ろ盾があることを良いことに、非道無法な工事を指示していたのであれば、法律の無知という単純な話では済まず、鹿島建設のコンプライアンス態勢に根本的な問題がありそうです。

    興味深いのは、2014年1月の不法投棄事件が、同年5月に警視庁に匿名で告発されている点です。

    おそらく、公益心に燃えた情熱的な人物がやむにやまれずに告発をしたというよりは、
    「告発されたくなかったら誠意を見せろ」と要求した勢力があったのではないでしょうか。

    不当要求をキッパリと拒否したのであれば、そのこと自体は素晴らしいと言えますが、
    報復に(?)告発をされ、法的なペナルティを被ることになり、深刻なクライシスに発展してしまいました。


    建設業に関連している方は、今一度この本を熟読していただき、あなたと会社が危機に陥らないようにご注意ください。

    廃棄物処理法の重要通知と法令対応

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    2016年5月24日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    廃棄物処理制度専門委員会(第1回)を傍聴してきました

    2016年5月19日に東京で開催された、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(以下、「専門委」)(第1回)を傍聴してきました。

    最近はペーパーレス化推進のためと称し、「前日の夜までに資料をアップロードするので、それを持参するかタブレットその他で見なさい」と環境省は言うのですが、
    前日から東京のホテルに待機している人間には、資料を印刷する手立てがありません。

    しかし、少部数ながらも当日資料を配布していることを、2月の循環型社会部会傍聴の際に知ったので、今回はそれを当て込んで手ぶらで会場に赴きました。

    早めに到着したことが功を奏し、無事資料を入手できましたが、支え無しに定規を立てられるくらいの厚さで、約1.5センチメートルというところでしょうか。

    resume

    ただし、資料の大部分(およそ99.9%)は私にとって不要な物でした。

    資料は、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第1回)の開催についてにすべて掲載されていますが、

    私にとって見るべき価値のある資料は、「資料3-2 廃棄物処理法施行状況調査の主要な結果について」だけでした。

    その資料のどこに着目したかは、後日詳細を書きたいと思います。

    今回は、専門委の開催趣旨や、委員から出された主な意見を速報としてご紹介します。

    そもそもなぜ開催されたのか

    2009年の専門委では、廃棄物処理法の問題点について頻繁に議論が行われ、その後の2010年改正に反映されました。

    前回の法改正から5年を経たことを受け、今回の専門委も、法改正を視野に入れて検討を行うそうです。

    しかしながら、第1回目の議題は、議事次第

    (1)廃棄物処理法の施行状況等について
    (2)その他

    書かれてあるとおり、現在の廃棄物処理法施行状況の概説のみとなっていました。

    議事の概要

    開始早々70分近く連続で、環境省の2人の課長が淡々と資料説明を行いましたので、自分にとって既知の情報ばかりということもあり、睡魔と闘うのが大変でした。

    いえ、正直に告白すると、最初から睡魔と闘うことを放棄して、力を温存するためにも睡眠学習の場とさせていただきました。

    傍聴者のみならず、事務局側の方も数名睡眠学習を実施されていましたので、その場にいた人の間では、夢という潜在意識レベルで廃棄物処理法施行状況の共有が進んだことは言うまでもありません。

    今回の専門委のメンバーは、「資料1 中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会廃棄物処理制度専門委員会 委員名簿」に掲載されていますが、「佐々木委員」「島村委員」「高岡委員」「田崎委員」は欠席で、計11人の委員が出席していました。

    「施行状況」に対する質問は多数出ていましたが、独断と偏見で気になった発言要旨のみを挙げます。

    なお、委員の方は全員早口だったため、当方のメモ書きが追い付かなかった場面も多々あり、発言内容の正確性は担保できませんので、個別の発言者は明示せず、委員A・B等と記しておきます。
    後日環境省から、正確な議事録が公表される予定ですので、そちらもご参照ください。

    (委員A)
    ・電子マニフェストのデータは、各自治体において監視指導に活用されているのか?

    (委員B)
    ・産業廃棄物の流入規制を11自治体がまだ行っており、廃止する予定もないとのことだが、環境省からその11自治体に対し、廃棄物処理法では定められていない流入規制を見直すように引き続き働きかけをしてもらいたい。
    ・ダイコー事件は極めて特殊なケースであり、他の善良な処理業者に大きな負荷がかかるような制度改変は避けていただきたい。

    (委員C)
    ・適正処理推進のためには、「廃棄物該当性」がキーワードと思う。
    ・一般廃棄物と産業廃棄物の区分を考え直す必要がある。具体的には、産業廃棄物処理業者の処理施設で、一般廃棄物の業許可なしに一般廃棄物の処理をできるようにすべきだ。

    (委員D)
    ・流入規制を行っている自治体の名称を教えてほしい。
    ・中間処理許可の対象に「選別」を認めていない自治体が多いが、環境省としてはそれをどう考えるか?

    (委員E)
    ・不適正処理は排出事業者等のコストとしてどのように認識しているかが根本にあると思う。

    (委員F)
    ・優良認定業者を増やすためには、認定を受けるメリットが重要となる。
    ・優良業者に委託をした排出事業者については、(不適正処理があったとしても)刑事責任を免責するようにすれば良い。
    ・優良認定を取消すタイミングは、許可の更新申請時しかないというのも問題だ。

    (委員G)
    ・自治体においては、マニフェストの情報は不適正処理を是正させる際に活用している。
    ・総合判断説を適用して判断をしているが、実際には「有償売却できるか否か」を重視している。
    ・しかし、(廃棄物ではないが)建設残土のように、有償売却はできないが、取引市場が形成されている物もあり、リサイクル推進のためには規制緩和をした方が良いケースも多い。当専門委でじっくりと議論して欲しい。

    今後の検討方針

    環境省の説明では、「2016年中に専門委の報告書を取りまとめたい」とのことでした。

    そのため、場合によっては、月2回程度専門委を開催する可能性もあるとのことでした。

    直近の予定としては、「資料4 本専門委員会の今後の進め方(案) 」に書かれているとおり、
    6月中旬と6月下旬にそれぞれ1回ずつ、「関係者からヒアリング」を行うとのことです。

    また、一番重要な情報かもしれませんが、今後の検討テーマとして

    (1)適正処理の更なる推進
     昨今の廃棄物処理を巡る状況を踏まえ、適正処理の確保、廃棄物処理における有害物質管理及び、市況により廃棄物該当性が変動するものの管理等について検討が必要。
    ・排出事業者責任の在り方及び廃棄物処理業者による適正処理を確保するための制度的対応の検討(「ダイコー事案」再発防止策を含む。)
    ・廃棄物処理における有害物質管理の強化策の検討
    ・市況により廃棄物該当性が変動するものや、有害性の高い物品に、管理のための一定の基準を適用できるようにする制度(違法な不用品回収業者対策を含む。)の検討
    ・電子マニフェストの更なる普及措置の検討

    (2)廃棄物処理法に基づく各種規制措置の見直し及び優良な処理事業者の更なる育成に係る措置
     各種規制措置の見直しの検討や、優良な廃棄物処理業者がより競争力を向上させていくための取組等を推進していくことが必要。
    ・規制の合理化の観点から見直すべき措置の検討
    ・優良な事業者の更なる育成の観点から取り組むべき措置の検討

    (3)廃棄物の排出抑制等及び廃棄物処理分野における温暖化対策の強化
     排出抑制、リサイクル等を推進するとともに、廃棄物処理分野の温暖化対策の一層の強化が必要。
    ・廃棄物の排出抑制、リサイクル等のための追加的方策の検討。
    ・廃棄物分野において、地球温暖化対策として考えられる取組及び制度的対応の検討。(※廃棄物処理法の法目的の枠内でどこまで行うことができるのかは留意が必要)

    (4)廃棄物等の越境移動の適正化に向けた対応
    廃棄物等の越境移動を適正化するためには、それぞれの廃棄物等の性状に応じて、潜在汚染性の顕在化を最小にしつつ、潜在資源性の顕在化を最大にするような管理の方法を模索していくことが必要。
    ・国内外で発生した二次資源(使用済鉛蓄電池、電子部品スクラップ等)について、我が国の誇る環境技術の先進性を活かしつつ、非鉄金属のリサイクル等資源循環を着実に進めるための輸出入規制の在り方の検討。
    (※バーゼル法との関係について留意が必要)

    が挙げられています。

    次に法律改正が行われる内容としては、上記の4テーマに絞れそうです。

    もちろん、今後の検討によって変わる可能性もありますが、このまま行くと、
    「排出事業者責任の強化」「優良な処理業者の更なる育成」が主流になりそうです。

    昨日の専門委では、上記のテーマはほとんど話題になりませんでしたが、興味深い内容が多々含まれていますので、引き続き専門委での検討状況を注視したいと思います。

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    2016年5月20日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2016年改正

    新著「廃棄物処理法の重要通知と法令対応」が出版されました

    このたび、5冊目の著書となる「廃棄物処理法の重要通知と法令対応」が出版されました。

    テーマは「通知」という、何の変哲もない直球ど真ん中です(笑)。

    通知は過去(昭和45年以降)からの行政運用の集大成ともいうべき知識体系ですので、今回は、元山形県職員で現BUN環境課題研修事務所主宰の長岡文明先生にご無理をお願いし、「通知の位置づけ」や「規制改革通知」等の執筆をしていただきました。

    そのため、この本は単独執筆ではなく、長岡先生との共著になります。

    あえてご紹介する必要はないかもしれませんが、長岡文明先生は現代日本で最高の廃棄物処理法伝道師です。

    過去からの通知の変遷を知っている人は、長岡先生の他にも多数いらっしゃるかと思いますが、わかりやすく、かつ正確な筆致で廃棄物処理法の肝を語ることができるのは、長岡先生以外にはいないと断言できます。

    私は、「廃棄物処理法第21条の3(建設廃棄物の処理に関する例外)」と「下取り回収」の2つについて、論点を執拗に(?)掘り下げて解説いたしました。

    建設関連の仕事に従事している人や、下取り回収に関心がある人には自信を持ってお奨めできる本です。

    執筆時には、現役の地方自治体職員の方を読者と想定して書き進めました。

    法令や通知に書かれた内容だけに基づき、独断や解釈を極力排除して書きましたので、行政との折衝時に、説得力の高い参考文献として使っていただけると幸いです。

    長岡先生ファンの方にもマストな一冊です(笑)。

    この本が売れたら、他の重要通知を解説するというシリーズ化の予定もありますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

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    2016年5月17日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:活動記録

    環境省、委託基準の検討業務を外注予定(官僚は忙しいのだ)

    2016年5月13日付で、環境省から「平成28年度産業廃棄物処理委託基準の検討業務 [総合評価落札方式] 」が公表されました。

    通常なら入札情報を当ブログで取り上げることはしないのですが、法令改正に関係しそうな案件であるため、初めて取り上げます。

    公表ページ自体は通常の入札情報を掲載しているだけですが、
    そこからリンクしている「仕様書等」に、「産業廃棄物処理委託基準の検討業務」と、実務的にも影響がありそうなテーマが挙げられています。

    仕様書の詳細を下記に転載します。

    1.業務の目的
     平成22年に改正された廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という )が施行されてから本年4月で5年が経過し、附則に基づき、政府において廃棄物処理法の施行状況について検討する必要がある。これを機として、生活環境保全上の支障の発生の未然防止を更に推進するために、我々の生活の変化・多様化に伴う廃棄物の質、量、排出状況、処理状況等の変化を踏まえ、廃棄物をめぐる社会情勢の変化に即した制度の整備を行う必要がある。

     本業務はこの整備の一つとして、廃棄物処理法で規制されていない有害物質に着目し、廃棄物処理法に基づく排出事業者の産業廃棄物の処理に係る委託基準(以下「委託基準」という。)について検討することを目的とする。

    「社会情勢の変化に即した制度の整備を行う必要がある。」というくだりに、ほんの一瞬期待をしてしまいましたが、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の区分に手を付けるわけではなく、あくまでも特定の有害物質を含んだ産業廃棄物の委託基準の検討を行うだけのようです。

    もうこの2段落だけで鮮やかに期待を裏切られてしまいましたが、念のため、仕様書の詳細も見ておきます。

    2.業務の内容
    (1)情報伝達義務をかける必要性が高い有害物質の抽出
     各法令(以下①~⑨を想定)で規制対象とされている有害物質(千数百物質)について、各法令における規定や取扱いを整理した上で、これらの有害物質のうち、委託基準として、その含有有無について情報伝達義務をかける必要性が高い有害物質を抽出(数百~千数百物質を想定)する。
     また、バーゼル条約附属書Ⅰに掲げられている有害廃棄物及び附属書Ⅲに掲げられている有害特性と、各法令の有害物質及び廃棄物処理法で規制されている有害物質との関係についても対照表等で整理すること。
     なお、本業務については平成28年7月29日までに中間報告を行うこと。
    ① 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成十一年七月十三日法律第八十六号)に規定される第一種指定化学物質【約460物質】
    ② 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年十月十六日法律第百十七号)に規定される第一種特定化学物質【約30物質】
    ③ 毒物及び劇物取締法(昭和二十五年十二月二十八日法律第三百三号)に規定される毒物及び劇物【約500物質】
    ④ 労働安全衛生法(昭和四十七年六月八日法律第五十七号)第五十七条に規定される表示等の義務がかかる物質【約100物質】
    ⑤ 労働安全衛生法第五十七条の二に規定される文書の交付等の義務がかかる物質【約630物質】
    ⑥ 特定化学物質障害予防規則(昭和四十七年九月三十日労働省令第三十九号)に規定される特定化学物質【約50物質】
    ⑦ 有機溶剤中毒予防規則(昭和四十七年九月三十日労働省令第三十六号)に規定される有機溶剤等【約50物質】
    ⑧ 消防法 (昭和二十三年七月二十四日法律第百八十六号)に規定される危険物【約50物質】
    ⑨ 高圧ガス保安法(昭和二十六年六月七日法律第二百四号)に規定される高圧ガスが充填された容器等
    (2)有害物質を含有する廃棄物の処理における留意すべき事項の整理
    上記で抽出された有害物質については、厚生労働省が公開する「GHS対応モデルラベル・モデルSDS」等を参考にして、その物性や有害性等からの物質群(1つの化学
    物質に対して重複可)に区分する。さらに、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン第2版」(平成25年6月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部)添付資料3に示される「特別注意事項」、参考資料5に示される「対策」等を参考にして、有害物質を含有する廃棄物の処理に当たり廃棄物処理業者が留意すべき事項を物質群毎に整理する。
     なお、検討に当たっては、関係者ヒアリングを実施し(対象者:排出事業者・廃棄物処理業者等、対象地:国内、回数:2回、人数:2名程度を想定)、現在の廃棄物実態を踏まえて行うこと。
    (参考)廃棄物情報の提供に関するガイドラインについて
    http://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/index.html
    (3)廃棄物処理制度専門委員会の資料案の作成
     上記委託基準化に向けて、中央環境審議会の下に設置される廃棄物処理制度専門委員会に提出する資料案(主に上記の業務成果をまとめたもの)を作成する。
    (4)その他
     上記の検討に当たっては、電話、メール等により有識者(2名程度)の意見を聴取しつつ、環境省担当官の指示に従い、作業を行う。

    検討の対象となる化学物質が千数百種類もあり、そのうち、排出事業者と産業廃棄物処理業者の間で情報共有を図った方が良いと思われるものを2017年3月までに抽出する、というのですから、なかなかハードな業務に見えます。

    形式的には入札の形を取っていますが、事実上委託先は1社に内定しており、その1社に仕様書を書かせたのではないでしょうか?(笑)。

    何を契機としてこのような検討を進めるのかはわかりませんが、WDSの記入項目に新たな化学物質が加わるようなイメージでしょうか?

    「法律上の規制対象物質を増やす」場合は、有識者による審議会を招集し、そこに諮問をするべき(実際、そうされています)ですが、
    今回のケースでは、「委託基準の検討業務」とされながらも、実質的には「委託基準」ではなく、「有害な含有物質に関する情報提供方法」の検討のように見えます。

    もしそうなのであれば、今回の委託業務は、規制行為そのものではなく、ガイドライン的な指針をまとめるだけに過ぎないため、環境省内ですべてを検討する必要は無いとも言えます。

    1社でも多くの企業が入札し、委託料が1円でも安くなれば良いのですが、「総合評価落札方式」だからそれも難しいかな?

    結局のところ、化学物質のスクリーニングと、情報提供の必要性に応じたカテゴライズ業務のようなので、手間は掛かるものの、高度な化学知識までは要らないように見えます。

    そうなると、化学専攻の現役大学生にアルバイトで取組んでもらうのが一番安くつきそうです(苦笑)。

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    2016年5月16日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2016年改正

    産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成25年度実績)

    2016年4月8日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成25年度実績)について」が発表されました。

    1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

    産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも200施設減少しています。

    前年度よりも施設数が増えたのは、
    「汚泥の焼却施設(+2 【前年度の施設数との比較、以下同様】)
    「廃油の油水分離施設(+2)
    「廃酸・廃アルカリの中和施設(+3)」
    「廃プラスチック類の破砕施設(+56)」
    「木くず又はがれき類の破砕施設(+21)」
    「PCB廃棄物の焼却施設(+1)」

    前年度よりも増えた施設がある一方で、減少した施設の数がはるかに多いため、産業廃棄物処理施設全体では200施設の減少となっています。

    また、許可証の能力を施設ごとに合算した数値で見てみると、
    「汚泥の脱水施設」「汚泥の乾燥施設(天日)」「廃酸・廃アルカリの中和施設」「廃プラスチック類の破砕施設」「木くず又はがれき類の破砕施設」「PCB廃棄物の焼却施設」「その他の焼却施設」の7施設については、前年度よりも処理能力が増えています。

    2.産業廃棄物処理業の許可件数(≒処理市場の飽和度)

    事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。
    kyoka25

    2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減しています。

    3年連続で許可件数が対前年度比で微減し続けていますので、新規参入が少なくなっているのかもしれません。

    3.取消処分件数の推移

    torikesi25

    こちらも「許可件数」と同様に、平成23年度から許可取消件数が激減しています。

    その理由は、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

    しかしながら、許可件数とは異なり、許可取消処分件数は3年連続で増え続けています。

    その理由としては
    ・自治体が許可取消を厳格に行うようになった
    ・市場からの不誠実な業者の強制退場が進んだ
    と、様々なものが考えられます。

    4.最終処分場の状況

    kyoka25syobun

    最終処分場の残存容量(埋立可能な容積)は減少し続けていますが、そこに埋立てる量も年々減少しているため、最終処分場全体の残余年数は少しずつ伸び続けています。

    頻繁に設置される施設ではないものの、埋立可能容量が数十万立方メートル以上の大型処分場が少しずつオープンし始めていますので、今すぐ最終処分場が逼迫するということもなさそうです。

    もちろん、各地にくまなく最終処分場があるわけではないので、地域レベルにおいては、既に最終処分場が逼迫しているエリアも実際にありますが。

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    2016年4月27日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:統計・資料

    愛知県はダイコーの許可をいつ取消すのか?

    羈束行為となる許可取消」の続きです。

    羈束行為となる許可取消では、

    「法第7条の4第1項または第2項」や「法第14条の3の2第1項(第四号部分のみ除く)」に該当し、ある自治体から廃棄物処理業の許可が取消された場合、「他の自治体も、その業者の許可を取消さねばならない」

    と書きました。

    2016年4月18日付で、岐阜県三重県がダイコーの産業廃棄物収集運搬業許可を取消しました。

    いずれの県も、許可取消の理由を、ダイコーが無断で産業廃棄物の積替え保管行為をしたことが「無許可変更」に該当するためとしています。

    岐阜県の取消理由を以下に転載

    4取消理由
    当県が、法第18条によりダイコー株式会社から報告を求め、第19条により同社が海津市内に賃借している倉庫に立入検査を行ったところ、同倉庫に保管されている物は、同社に処分委託された産業廃棄物で、同社が同倉庫に運搬し保管したものであることを確認した。
    当該行為は、産業廃棄物の積替え保管行為に該当するところ、当県が許可した同社の産業廃棄物収集運搬業の事業範囲には積替え保管を含んでいないことから、同社は法第14条の2第1項の規定に違反(事業範囲の無許可変更)し、法第14条の3の2第1項第5号に該当する。

    さて、許可取消を行うためには、許可取消の根拠条文を示す必要がありますが、「法第14条の3の2第1項第5号に該当」と示されています。

    (許可の取消し)
    第14条の3の2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。

    一 第14条第5項第二号イ(第7条第5項第四号ロ若しくはハ(第25条から第27条まで若しくは第32条第1項(第25条から第27条までの規定に係る部分に限る。)の規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号トに係るものに限る。)又は第14条第5項第二号ロ若しくはヘに該当するに至つたとき。
    二 第14条第5項第二号ハからホまで(同号イ(第7条第5項第四号ロ若しくはハ(第25条から第27条までの規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号トに係るものに限る。)又は第14条第5項第二号ロに係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
    三 第14条第5項第二号ハからホまで(同号イ(第7条第5項第四号ニに係るものに限る。)に係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
    四 第14条第5項第二号イ又はハからホまでのいずれかに該当するに至つたとき(前三号に該当する場合を除く。)。
    五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
    六 不正の手段により第14条第1項若しくは第6項の許可(同条第2項又は第7項の許可の更新を含む。)又は第14条の2第1項の変更の許可を受けたとき。

    2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が前条第二号又は第三号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。

    五 前条第一号に該当し情状が特に重いときの「前条第一号」とは、「法第14条の3第一号」を指しますが、具体的には以下のとおりとなります。

    第14条の3 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、期間を定めてその事業の全部又は一部の停止を命ずることができる。

    一 違反行為をしたとき、又は他人に対して違反行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、若しくは他人が違反行為をすることを助けたとき。
    二~三 (略)

    つまり、ダイコーの違反行為(無許可変更)が、「その情状が特に重い」と両県に判断されたために、産業廃棄物収集運搬業の許可が取消されたということになります。

    ちなみに、情状が特に重いか否かは、都道府県の判断(裁量)となりますので、無許可変更をすると自動的に許可取消が行われるわけではありません。

    無許可変更で罰金刑が科された場合は、廃棄物処理法違反という刑事罰を根拠に許可取消を行いますので、都道府県は必ず許可を取消さねばなりません。

    岐阜県及び三重県の「情状が特に重い」という判断が適切かどうかはさておき(個人的には適切と思います)、両県による許可取消が行われた以上、他の自治体もダイコーの業許可を取消さねばならなくなります。

    それが、冒頭でご紹介した、

    「法第7条の4第1項または第2項」や「法第14条の3の2第1項(第四号部分のみ除く)」に該当し、ある自治体から廃棄物処理業の許可が取消された場合、「他の自治体も、その業者の許可を取消さねばならない」

    という部分です。

    しかしながら、この記事を書いた2016年4月25日現在、愛知県はダイコーの産業廃棄物処理業許可の取消をまだ行っていません。

    廃棄物処理法で上記のように書かれている以上、愛知県もいつかはダイコーの業許可を取消すのは確実ですので、現在は許可取消の決裁中ということなのでしょう。

    奇しくも、2016年3月30日付で三重県が許可取消をした処理業者に対し、愛知県は2016年4月18日付で、

    平成28年3月30日付けで三重県知事から、法第14条の3の2第1項第5号に該当することを理由として、同項の規定に基づき産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分を受けた。

    という理由で、許可取消を行っています。

    年度末の人事異動に伴う混乱という事情を斟酌すると、先行した許可取消から約10日後に、追随した取消を行う計算になりましょうか。

    手続としてはそれでも問題はないと言えますが、
    すでに愛知県が発出した改善命令をダイコーが履行していない以上、
    他の自治体に追随した取消ではなく、少なくとも、改善命令違反が確定した段階で速やかにダイコーの許可取消を行うべきだったのではないでしょうか?

    前代未聞の不祥事事件を起こしたのは、他ならぬ愛知県が許可を出した産業廃棄物処分業者であったのに、他の自治体の処分に追随するというのでは、自治体としての主体性が欠けていたという批判を受けても仕方がない結末です。

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    2016年4月25日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:行政処分

    羈束行為となる許可取消

    タイトルに難しい漢字を使っていますが、「きそくこうい」と読みます。

    羈束行為とは、「一定の要件に該当する場合に、行政庁が一定の行為をしなければならないこと」(Wikipedia)を指しますが、業許可の取消にもあてはまる部分があります。

    許可取消の場合、「都道府県知事は、欠格要件に該当した事業者の許可を必ず取消さねばならない」という原則があるのを、多くの方がご存知だと思います。

    廃棄物処理法の条文で言うと、法第14条の3の2となります。

    (許可の取消し)
    第14条の3の2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。

    一 第14条第5項第二号イ(第7条第5項第四号ロ若しくはハ(第25条から第27条まで若しくは第32条第1項(第25条から第27条までの規定に係る部分に限る。)の規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号トに係るものに限る。)又は第14条第5項第二号ロ若しくはヘに該当するに至つたとき。
    二 第14条第5項第二号ハからホまで(同号イ(第7条第5項第四号ロ若しくはハ(第25条から第27条までの規定により、又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、刑に処せられたことによる場合に限る。)又は同号トに係るものに限る。)又は第14条第5項第二号ロに係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
    三 第14条第5項第二号ハからホまで(同号イ(第7条第5項第四号ニに係るものに限る。)に係るものに限る。)に該当するに至つたとき。
    四 第14条第5項第二号イ又はハからホまでのいずれかに該当するに至つたとき(前三号に該当する場合を除く。)。
    五 前条第一号に該当し情状が特に重いとき、又は同条の規定による処分に違反したとき。
    六 不正の手段により第14条第1項若しくは第6項の許可(同条第2項又は第7項の許可の更新を含む。)又は第14条の2第1項の変更の許可を受けたとき。

    2 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が前条第二号又は第三号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。


    「イ」や「ロ」が多用されており、なおかつ一般廃棄物処理業に関する条文を多数準用しているため、暗号のごとくに意味がわかりにくい日本語になっています(苦笑)。

    おそらく、この条文は、廃棄物処理法の中で最も難解な条文に入りますので、一読しても意味がわからなかったとしても問題はありません。

    ポイントとしては、廃棄物処理法第14条3の2という一番大きな箱の中に、「第14条第5項第二号」や「第7条第5項」といった、より小さな箱が入れ子状に入っている状態を思い浮かべていただくと良いでしょう。

    暗号解読のコツは、出現頻度の高いキーワードに着目することですが、上の条文には、「法第14条第5項」が頻出しています。

    「除く」とか「限る」という用語も多数使われていますが、結局のところ、「法第14条第5項」に該当した時点で、その産業廃棄物処理業者の許可は必ず取消されることになります。

    別の言い方をすると、都道府県知事は、処理業者が上記の要件に当てはまっていることに気づいた時点で、その業者の許可を必ず取消さねばならないのです。

    では、2番目の入れ子である、法第14条第5項を見ます。

     都道府県知事は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

    一 (略)
    二 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
    イ 第7条第5項第四号イからトまでのいずれかに該当する者
    ロ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号 に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)
    ハ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの
    ニ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
    ホ 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
    ヘ 暴力団員等がその事業活動を支配する者

    2番目の入れ子の中には、「法第7条第5項第四号」というもう一つの入れ子が入っていることがわかります。

    3番目の入れ子である「法第7条第5項第四号」は少々長い条文となりますので、今回お話ししたいテーマに絞って引用します。

    廃棄物処理法第7条第5項
    市町村長は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

    一~三 (略)
    四  申請者が次のいずれにも該当しないこと。
    イ~ハ (略)
    ニ 第7条の4第1項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第2項若しくは第14条の3の2第1項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第2項(これらの規定を第14条の6において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第41条第2項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合(第7条の4第1項第三号又は第14条の3の2第1項第三号(第14条の6において準用する場合を含む。)に該当することにより許可が取り消された場合を除く。)においては、当該取消しの処分に係る行政手続法 (平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があつた日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第8条の5第6項及び第14条第5項第二号ニにおいて同じ。)であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)
    ホ~ヌ (略)

    カッコ書きがやたらと多いので、さらに簡略化します。

    廃棄物処理法第7条第5項
    市町村長は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。

    一~三 (略)
    四  申請者が次のいずれにも該当しないこと。
    イ~ハ (略)
    ニ 第7条の4第1項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第2項若しくは第14条の3の2第1項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第2項又は浄化槽法第41条第2項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者
    ホ~ヌ (略)

    再び「第14条の3の2第1項」に戻るという無限ループぶりを発揮していますが、
    「法第7条の4第1項または第2項」や「法第14条の3の2第1項(第四号部分のみ除く)」に該当し、ある自治体から廃棄物処理業の許可が取消された場合、「他の自治体も、その業者の許可を取消さねばならない」ことを理解していただければ十分です。

    さて、前置きだけで非常に長文になってしまいましたので、本当に言いたかったことは次の記事で書きたいと思います(笑)。

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    2016年4月20日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:行政処分

    罰則から見る委託基準の詳細Vol.4(産業廃棄物の委託基準)

    罰則から見る委託基準の詳細Vol.1
    罰則から見る委託基準の詳細Vol.2 
    罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準) の続きとなります。

    委託基準に関する罰則の最後として、産業廃棄物の委託基準の詳細を見ます。

    廃棄物処理法第26条の罰則は下記のとおりで

    第26条  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

    一 第6条の2第7項第7条第14項第12条第6項第12条の2第6項第14条第16項又は第14条の4第16項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
    二~六 (略)

    赤字で書いた条文は「委託基準に適合しない狭義の委託基準違反」、青字で書いた条文は「廃棄物処理業者のみに適用される再委託」に関する罰則でした。

    このうち、「第6条の2第7項」については、「罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準)」で解説をしましたので、今回は、「第12条第6項」と「第12条の2第6項」の詳細を見ます。

    廃棄物処理法第12条第6項
     事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。

    廃棄物処理法第12条の2第6項
     事業者は、前項の規定によりその特別管理産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。

    産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の違いはありますが、内容的にはまったく同様の条文です。

    委託基準の詳細は廃棄物処理法施行令に定められています。

    (事業者の産業廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)

     廃棄物処理法施行令第6条の2 
     法第12条第6項 の政令で定める基準は、次のとおりとする。

    一 産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第6条の4までにおいて同じ。)の運搬にあつては、他人の産業廃棄物の運搬を業として行うことができる者であつて委託しようとする産業廃棄物の運搬がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。
    二 産業廃棄物の処分又は再生にあつては、他人の産業廃棄物の処分又は再生を業として行うことができる者であつて委託しようとする産業廃棄物の処分又は再生がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。
    三 輸入された廃棄物(当該廃棄物を輸入した者が自らその処分又は再生を行うものとして法第15条の4の5第1項の許可を受けて輸入されたものに限る。)の処分又は再生を委託しないこと。ただし、災害その他の特別な事情があることにより当該廃棄物の適正な処分又は再生が困難であることについて、環境省令で定めるところにより、環境大臣の確認を受けたときは、この限りでない。
    四 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。
    イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
    ロ 産業廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
    ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力
    ニ 産業廃棄物の処分又は再生を委託する場合において、当該産業廃棄物が法第十五条の四の五第一項 の許可を受けて輸入された廃棄物であるときは、その旨
    ホ 産業廃棄物の処分(最終処分(法第十二条第五項 に規定する最終処分をいう。以下同じ。)を除く。)を委託するときは、当該産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力
    ヘ その他環境省令で定める事項
    五 前号に規定する委託契約書及び書面をその契約の終了の日から環境省令で定める期間保存すること。
    六 第6条の12第一号又は使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律施行令(平成25年政令第45号)第4条第一号の規定による承諾をしたときは、これらの号に規定する書面の写しをその承諾をした日から環境省令で定める期間保存すること。

    上記のうち、一号から三号までは、委託先が産業廃棄物処理業者等であるかどうかや、許可内容が適切かどうか等の、「委託先事業者の適格性」に関する規定が置かれています。

    第四号は、産業廃棄物処理委託契約書に書かねばならない法定記載事項の規定です。

    「環境省令で定める書面」とは、「廃棄物処理法施行規則第8条の4」で定める書面となり、「許可証の写し」等となります。

    「ヘ その他環境省令で定める事項」は、「廃棄物処理法施行規則第8条の4の2」で定めるその他の法定記載事項となり、「契約の有効期間」や「委託料金」その他となります。施行規則第8条の4の2の全条文を引用すると若干長くなるため、条文の詳細を知りたい方は、施行規則を参照していただくか、拙著の該当部分をお読みいただく、あるいは筆者が登壇するセミナーをご受講ください(笑)。

    第五号は、委託契約書の保存期間で、「廃棄物処理法施行規則第8条の4の3」により、「(契約終了日から)5年間」と定められています。

    第六号は、「廃棄物処理法施行規則第8条の4の4」により、委託先処理業者等が再委託をすることを承諾した場合に、その承諾書を「5年間」保存しなければならないと定められています。

    以上が産業廃棄物に関する委託基準ですが、特別管理産業廃棄物の場合は、次のような規定が置かれています。

    廃棄物処理法施行令第6条の6
    法第12条の2第6項の政令で定める基準は、次のとおりとする。

    一 特別管理産業廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を委託しようとする者に対し、あらかじめ、当該委託しようとする特別管理産業廃棄物の種類、数量、性状その他の環境省令で定める事項を文書で通知すること。
    二 前号に定めるもののほか、第6条の2各号の規定の例によること。

    特別管理産業廃棄物の処理委託の場合は、「あらかじめ文書で通知」という部分がミソとなります。

    通知すべき内容は、廃棄物処理法施行規則第8条の16で、下記のとおり定められています。

    (特別管理産業廃棄物の処理の委託に係る通知事項)

    廃棄物処理法施行規則第8条の16
    令第6条の6第一号の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。

    一 委託しようとする特別管理産業廃棄物の種類、数量、性状及び荷姿
    二 当該特別管理産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項

    なお、「罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準)」でも書きましたが、「あらかじめ」というのは、「委託契約締結時」ではなく、「特別管理産業廃棄物の処理委託をするたび」を指すというのが筆者の考えです。

    以上で、罰則から見た委託基準の詳細の解説を終了します。

    本の1章分のテーマになるくらいのボリュームとなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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    2016年4月18日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:委託基準

    犯罪の自白

    ダイコーの食品廃棄物転売事件の余震はまだまだ続くようです。

    特に、事件発覚のきっかけとなった壱番屋にとっては、批判の風向きが変わりかねない大きな余震が発生しました。

    2016年4月9日付 株式会社壱番屋発表 「本日の一部新聞報道について
    1ban

    壱番屋がプレスリリースで言及している中日新聞の記事は下記のようです。
    2016年4月9日付 中日新聞 「無許可で一般廃棄物処理 ダイコーに壱番屋委託

    事件の発覚後、初めて本紙の取材に応じたダイコーの大西一幸代表(75)が「残飯は一般廃棄物で『受け入れられない』と壱番屋に指摘したが、やらざるを得ない圧力があった」と語った。本紙の取材に、壱番屋は委託を認めた。

    1面に掲載されるだけあって、記事としてはかなり長いものになっていますが、当事者の片方の言い分しか掲載されていないため、週刊誌やタブロイド紙のような趣があります。

    壱番屋がわざわざプレスリリースしたのは、「一般廃棄物の受託を強制した」と書かれた部分に憤慨したものと思われます。

    当社が、ダイコーに対して本社社員食堂の生ごみの処理を委託していたのは事実ですが、委託に当たって無理強いしたという事実は一切ございません。

    しかしながら、世間にとっては、そこはどうでも良い部分です(苦笑)。

    強制していたかどうかが重要なのではなく、一般廃棄物を無許可業者に出していたことが問題の根幹なのです。

    仄聞するところ、どうやら壱番屋は自社の事を「不正業者ダイコーの悪事に巻き込まれた可哀想な被害者」としか認識していないようです。

    社員食堂の生ごみという一般廃棄物を、一般廃棄物処理業の許可を持たないダイコーに委託していた理由がふるっています。

    1.ダイコーは食品リサイクル対応(堆肥化)をしており、環境対策上より望ましいと思われ、
    2.当社の担当者からダイコーの担当者に、工場に隣接する本社社員食堂から出る生ごみも合わせてリサイクル処理が可能か聞いたところ、可能である旨の返答があり、
    3.当社の担当者も、別の産廃業者からの移管であり、ダイコーもその資格(一般廃棄物処理)を有すると思い込んでしまったこと、によるものです。

    いずれも理由にならないただの言い訳でしかなく、小学生が強制的に書かされた反省文の体をなしています。

    すべて法律上の問題点がある言い訳ですが、一番悪質なのは、3の「一般廃棄物処理の資格を有すると思い込んでしまったこと」です。

    ちょうど、一つ前の記事「罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準)」で、一般廃棄物の委託基準の詳細を解説したところですが、相手の許可内容を確認せずに一般廃棄物を委託するということは、排出事業者としてもっともやってはいけない犯罪です。

    広報対応としてはありのままの姿をさらけだすことが正解と考えているのかもしれませんが、この発表内容では、犯罪事実を満天下に自白していることにならないでしょうか?

    また、中日新聞の記事では、ダイコーが一宮市まで残飯等の回収に行っていたと書かれています。

    ダイコーは食品リサイクル法第11条の「登録再生利用事業者」でしたが、登録再生利用事業者に一般廃棄物収集運搬業の許可取得不要という免除措置はありません。

    maff
    ※出典 農林水産省公表資料

    そのため、壱番屋から圧力があったかどうかはさておき、自ら一般廃棄物の回収を行っている以上、一般廃棄物処分業のみならず、一般廃棄物収集運搬業に関しても無許可で行っていたことになります。

    ダイコー事件は、食品廃棄物を転売したという点においては非常に特殊なケースですが、
    排出事業者の意識や不正業者の隠ぺい工作といった、世の中に潜む普遍的な問題点を浮き彫りにしていますね。

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    2016年4月14日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:委託基準

    罰則から見る委託基準の詳細Vol.3(一般廃棄物の委託基準)

    罰則から見る委託基準の詳細Vol.1
    罰則から見る委託基準の詳細Vol.2 の続きとなります。

    今回は、法第26条の委託基準違反に関する罰則についてです。

    第26条  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

    一 第6条の2第7項第7条第14項第12条第6項第12条の2第6項第14条第16項又は第14条の4第16項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
    二~六 (略)

    上の条文で、赤字で書いた条文は「委託基準に適合しない狭義の委託基準違反」、青字で書いた条文は「廃棄物処理業者のみに適用される再委託」に対する罰則となります。

    今回は、第6条の2第7項の一般廃棄物の委託基準の詳細を解説します。

    廃棄物処理法第6条の2

    6 事業者は、一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合その他その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第七条第十二項に規定する一般廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する一般廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。
    7 事業者は、前項の規定によりその一般廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。

    このうち、法第6条の2第6項の部分については、無許可業者等へ委託をしてはならないという規定で、「罰則から見る委託基準の詳細Vol.2」で解説したとおりです。

    法第6条の2第7項の具体的な基準は、廃棄物処理法施行令第4条の4に書かれています。

    (事業者の一般廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)
    廃棄物処理法施行令第4条の4

     法第6条の2第7項の政令で定める基準は、次のとおりとする。

    一 他人の一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生を業として行うことができる者であつて、委託しようとする一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。
    二 特別管理一般廃棄物の運搬又は処分若しくは再生にあつては、その運搬又は処分若しくは再生を委託しようとする者に対し、あらかじめ、当該委託しようとする特別管理一般廃棄物の種類、数量、性状その他の環境省令で定める事項を文書で通知すること。

    一の「他人の一般廃棄物の運搬又は処分・・・を業として行うことができる者・・・に委託すること」という部分は、先に書いた「法第6条の2第6項」で既に禁止されていることですので、「法第6条の2第7項」に関連する「施行令第4条の4」に改めて書く必要は無さそうですが、重複をさせてでも、一般廃棄物の委託基準として明記したということになりましょうか。

    二の「事前の書面による通知」で伝えるべき内容としては、廃棄物処理法施行規則第1条の19で下記のように規定されています。

    (特別管理一般廃棄物の処理の委託に係る通知事項)
    第1条の19 令第4条の4第二号の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
     一 委託しようとする特別管理一般廃棄物の種類、数量、性状及び荷姿
     二 当該特別管理一般廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項

    これは特別管理一般廃棄物のみに関係する規制なので、一般廃棄物の処理委託をする際には無関係となります。

    日常的に特別管理一般廃棄物が出そうな事業所としては、感染性廃棄物が発生する医療機関等が挙げられます。

    特別管理産業廃棄物についても、同様の情報提供義務が定められているため、ご存知の方も多いと思います。

    さて、ここで問題となるのが、「あらかじめ」という用語の位置づけです。

    「契約の際」に、特別管理一般廃棄物の性状や数量等について情報提供しておけば、「あらかじめ」通知したことになるのかどうかという問題です。

    「性状」に関しては、ほぼ一定した状態に収めることも可能なので、契約時に情報提供することも可能かもしれませんが、
    「数量」に関しては、やはりある程度変動することが予想されますので、「取引(=処理委託)」のたびに、書面で情報提供せざるを得ないと考えられます。

    また、そもそも一般廃棄物については、書面による委託契約書の作成・保存が義務付けられていませんので、契約書の作成自体が行われないケースもあるかもしれません。

    以上のように考えると、契約時ではなく、取引のたびに書面で情報提供する必要がある、と考えるのが妥当と思われます。

    もし、その情報提供を怠ると、廃棄物処理法第26条の刑事罰の対象になるかもしれない
    ということが、本日お伝えしたい豆知識でした。

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    2016年4月12日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:委託基準

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