廃棄物管理の実務

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昭和56年7月14日付環産第25号 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律解釈上の疑義について」

 【廃棄物の処理及び清掃に関する法律解釈上の疑義について】

公布日:昭和56年7月14日
環産第25号

(厚生省環境衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長から警察庁保安部公害課長あて回答)

 昭和五六年六月一七日付警察庁丁公害発第八四号をもって照会のあった標記について、左記のとおり回答する。



 貴見によることとして差し支えない。


昭和56年6月17日
警察庁丁公害発84号

(警察庁保安部公害課長から厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長あて照会)

照会事項

 蒲鉾、ちくわ、てんぷら等の食料品を製造する過程において生じた残渣物が、処理施設に流入して沈殿し、でい状になった物、及び浮遊物(スカム)は総体として産業廃棄物である汚でいと解してよいか。

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廃家電の不法投棄状況(平成20年度)

 2010年2月2日に、環境省から「平成20年度廃家電の不法投棄等の状況について」が発表されました。

 発表内容の詳細


 環境省の発表によると
  • 廃家電4品目(エアコン、ブラウン管式テレビ、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機)の平成20年度の不法投棄台数の合計は119,381台
  • 平成20年度は、前年度(121,128台)と比較して1.4%の減少
  • 市区、町、村それぞれの不法投棄台数を比較したところ、依然として町村部で単位人口当たりの不法投棄台数が多い傾向に
  • 自治体における廃家電の不法投棄対応費の平均値は、581千円(前年度比7.5%減)


 今回ご紹介する統計は、平成20(2008)年のデータです。
 2008年といえば、夏のリーマンショック以前の資源価格高騰に伴い、鉄スクラップが史上最高値を更新していた時期です。

 2008年当時は、鉄その他の金属部品が大量に使用されている家電リサイクル法対象品目が、「雑品」と称して、鉄くずの回収業者のところに持ち込まれるケースが多くなっていました。

 そのため、「リサイクル意識が向上した結果不法投棄が減少した」わけではなく、「値段をつけて引き取ってくれる業者に廃家電が持ち込まれたため、不法投棄される量が減った」と考えるべきだと思います。

 リーマンショック後の平成21年の不法投棄データがどうなっているのか、引き続き推移に注目していく必要があります。

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2010年2月 8日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:統計・資料

かながわクリーンセンター、クレハ環境へ事業譲渡

 産経ニュース 廃棄物処理事業団、クリーンセンターを約15億円で譲渡

 神奈川県、横浜市、川崎市が出資して設立したかながわクリーンセンターが、経営不振のため、クレハ環境(福島県)に事業譲渡されることが決まったそうです。

 かながわクリーンセンターの施設概要 を見てみると、日量70tの焼却炉が3基、破砕機2機、汚泥の脱水施設1機、選別施設などの大変立派な施設内容となっています。

 これらの施設一式が15億円で買えるのならば、安い買い物と言えなくもありませんが、問題はイニシャルコストに見合うだけの収益が見込めるかどうか・・・

 焼却炉が3基もありますが、1基は常にメンテナンス用で休止すると思われますので、実情はフル稼働で2基の同時運用といったところでしょうか。

 それでも、日量140tの焼却量というのは大した量です。

 現在、焼却処理に回る産業廃棄物の量は年々減っており、逆にリサイクルに回る量が増え続けていますので、この状況下では、かながわクリーンセンターの処理能力は大きすぎると言わざるを得ません。

 かながわクリーンセンターの事業内容をそのまま継続するだけでは、設備の減価償却もままならないのではないかと思われます。


 クレハ環境側は、そんな事情を百も承知で買い手として手を挙げたものと思いますが、場合によっては、焼却炉の閉鎖や縮小、新設備の設置など、柔軟な事業設計が必要になることでしょう。

 従業員の継続雇用や災害廃棄物の受入れ義務など、経営の重石となる条件が多いので、黒字化するのには長期間かかるものと思われます。

 クレハ環境には、民間ならではの効率的な経営戦略を期待したいところです。

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2010年2月 5日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:news

虚偽の許可申請で暴力団組員を逮捕

 産経新聞 山口組系組員を逮捕 廃棄物処理法違反容疑で大阪府警

 実際には勤務していない人間を従業員として偽って許可申請を行い、不正に収集運搬業の許可を受けたために、暴力団組員が逮捕されました。

 暴力団関係者は収集運搬業を営むことができない欠格者であるため、素直に(?)許可申請をすると、確実に不許可となります。

 なぜ行政が暴力団関係者の素性を知ることができるかというと、種明かしをすれば

 各行政から、都道府県警察本部に対して、許可の申請者が暴力団関係者に該当するか否かなどを個別に意見照会しているからです。

 行政自体には暴力団関係者のデータベースはありません。
 あるのは各警察本部です。


 このような事情は、その筋の人ならほとんど知っている話であるため、報道された事件の容疑者は、あえて幽霊社員をでっち上げ、自らは申請書の表に出ることなく、許可申請を進めたものと推測できます。

 ちなみに、今回のような虚偽申請は、平成17年の廃棄物処理法改正によってはじめて刑事罰の適用対象となりました。

 つまり、平成17年以前は、虚偽申請をしても違法ではなかったのです。
 
 現在では、虚偽申請は、無許可営業と同様の「5年以下の懲役若しくは1000万円の罰金、又はこれの併科」という廃棄物処理法でもっとも重い罰則の適用対象となっています。

 書類をちょっと偽造するだけで、不法投棄と同じ罰則が適用されることになるわけですから、処理企業と行政書士は気をつけなくてはならないポイントです。

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2010年2月 4日|コメント (0)トラックバック (0)

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山梨県知事明野処分場の稼働延長を表明

 読売オンライン  処分場稼働延長を表明:山梨

 当ブログ関連記事

 山梨県明野処分場の問題

 山梨県明野処分場差し止め訴訟の結果


 赤字35億円というのは、現在発生している赤字ではなく、最終処分場を予定通り5年半で閉鎖した場合に見込まれる赤字です。

 現在の搬入量は、当初計画の10%以下とのことですので、当初計画がずさんすぎたと言わざるを得ないようです。

 産業廃棄物は日々発生し続けるものであるため、山梨県内で発生した廃棄物の受け皿として明野処分場を設置する以上、5年半という短期間ではなく、10~20年といった長期的な供用をするのが本来のあるべき姿です。

 そこを無視して、「とにかく操業したい」という一念で、地元と無理な合意をしてしまった県側の責任を無視することはできませんが

 山梨県は、一度最終処分場のあるべき原点に立ち返り、あえて「火中の栗を拾う」決断をして、供用期間延長のお願いをしていくべきだと思います。

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2010年2月 3日|コメント (0)トラックバック (0)

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昭和55年11月10日付環整149・環産45号 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正等について」

【廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正等について】


公布日:昭和55年11月10日
環整149・環産45


(各都道府県各政令市廃棄物行政主管部(局)長あて厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長・産業廃棄物対策室長連名通知)


 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(昭和五五年条例約第三五号)が第九一回通常国会において承認され、昭和五五年一一月一四日から日本国について効力を生ずることとなり、同条約の発効に伴い必要となる国内法制の整備を主な内容として海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(昭和五五年法律第四一号)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和五五年政令第二五五号)及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(昭和五五年厚生省令第四四号)等関係府省令が公布され、その一部を除き昭和五五年一一月一四日から施行されることとなつた。これらの施行については、環境庁及び運輸省からも別途通知されるところであるが、廃棄物の適正な処理に資するため、なお左記の点に留意の上、その運用に遺憾なきを期されたく通知する。


第一 全般的事項
 1 海洋投入処分に係る規制の強化
  (1) 海洋投入処分を行うことができる廃棄物の範囲の改正
   ア 一般廃棄物のうち廃駆除剤の海洋投入処分が新たに禁止されることとなったこと。
   イ 産業廃棄物についても廃駆除剤の海洋投入処分が新たに禁止されることとなったこと。
   ウ 産業廃棄物のうち水銀、カドミウム、これらの化合物又は油分を一定基準を越えて含む汚でいは、従来、固型化した場合には海洋投入処分することができたが、今後は禁止されることとなったこと。
   エ 産業廃棄物のうち銅、亜鉛、これらの化合物又はふっ化物(以下「銅等」という。)を一定基準を超えて含む燃えがら、汚でい、廃酸、廃アルカリ、鉱さい及びばいじんは海洋投入処分が禁止され、廃酸及び廃アルカリを除き、固型化した場合に限り海洋投入処分ができるものとされたこと。
    なお、特定の施設から排出される銅等を含む汚でいにあっては、昭和五五年一〇月一四日から一年間暫定的な判定基準が適用されるものであること。
  (2) 廃棄物の排出に関する確認制度の創設
    海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四五年法律第一三六号。以下「海防法」という。)上一定の金属等を含む廃棄物であって固型化したもの及び最大経一二メートル以上の廃棄物を海洋投入する場合は、その排出計画が基準に適合することについて海上保安庁長官の確認を受けなければならないものとされたこと。
 2 洋上焼却に係る海防法上の規制制度の創設
  (1) 産業廃棄物のうち、水銀若しくはその化合物を一定基準を超えて含む汚でい又は廃酸若しくは廃アルカリ及びカドミウム若しくはその化合物を一定基準を超えて含む汚でい、廃酸若しくは廃アルカリ又は廃プラスチック類は洋上焼却が禁止されることとなったこと。
  (2) 廃棄物の洋上焼却を行う場合の焼却海域及び焼却方法に関する基準が定められたこと。
  (3) 油又は一定の金属等を含む廃棄物を洋上焼却する場合は、その焼却計画が基準に適合することについて海上保安庁長官の確認を受けなければならず、また、これらの廃棄物の焼却設備については、運輸大臣の検査を受けなければならないこと。
  (4) 焼却設備を設置する船舶の船長又は海洋施設の管理者は、焼却記録簿を備え付け、一定の事項を記録しなければならないこととされたこと。
 3 洋上焼却の処理法上の取扱い
   船舶における廃棄物の焼却は、今般新たに海防法上の規制を受けることとなったことが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「処理法」という。)においては、次のとおり取り扱われるものであること。
  (1) 船舶において廃棄物の焼却を行う場合の処理法第八条第一項又は第一五条第一項に規定する届出は、廃棄物の積込みを行う場所及び焼却後の廃棄物の取卸しを行う場所を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市にあっては、市長とする。以下同じ。)に対してそれぞれ行わせること。なお、都道府県の区域に属する水域において焼却を行う場合には、当該区域を管轄する都道府県知事に対しても行わせること。
  (2) 船舶において廃棄物の焼却を業として行う場合の処理法第一四条第一項に規定する許可は、焼却処分業について必要であること。この場合の許可の申請は、(1)と同様に、廃棄物の積込みを行う場所及び焼却後の廃棄物の取卸しを行う場所を管轄する都道府県知事に対してそれぞれ行わせ、都道府県の区域に属する水域において焼却を行う場合には、当該区域を管轄する都道府県知事に対しても行わせること。
  (3) 焼却後の廃棄物については、処理法の基準にしたがって処理が行われるものであること。
第二 処理法施行規則の改正に関する事項
 1 一般廃棄物処理施設の技術上の基準及び維持管理の技術上の基準の改正
  (1) ごみ焼却施設の炉温について
   ア 連続燃焼式のごみ焼却施設について、主要な燃焼室の出口における炉温をおおむね摂氏一〇〇〇度以下にする規制をはずしたこと
   イ 改正の理由は次のとおりであること。
    (ア) 海防法上、一般廃棄物のうち廃駆除剤を洋上焼却する場合に火災温度を摂氏一二五〇度以上とする基準が定められたので、これとの調整を行う必要があったこと。
    (イ) 排出ガス中の窒素酸化物の量について、昭和五二年の大気汚染防止法施行規則の改正によって排出基準が設定されたので、炉温により間接的に窒素酸化物の排出を規制する必要がなくなったこと。
   ウ ただし、一般的には、今後ともなお、窒素酸化物の排出量の抑制、炉の耐久性等の観点から、炉温をおおむね摂氏一〇〇〇度以下にすることが望ましいものであること。
  (2) ごみ焼却施設の排出ガス中のばいじんについて
   ア ごみ焼却施設の煙突から排出されるガス中のばいじんの量の具体的基準を廃止したこと。
   イ 改正の理由は、従来の基準は大気汚染防止法施行規則第四条別表第2による排出ガス量等による区分を、一施設ごとの二四時間当たりの処理能力に換算して定めていたものであるが、今回、海防法において洋上焼却の場合につき、ばいじんの排出基準が別に定められたので、これとの調整を行う必要があったためであること。
   ウ 改正後の処理法施行規則第四条第一項第七号ハ及び第四条の二第一項第五号の「排出されるガスによる生活環境保全上の支障」の有無の具体的判断は、ばいじんの量については陸上においては大気汚染防止法の基準によって、洋上においては基本的には海防法の基準によって行うものであり、したがって陸上においては実質的な変更は行われないものであること。なお陸に近い海域において焼却が行われる場合にあっては、陸上への影響を考慮する必要があるので、大気汚染防止法の基準を準用して判断されたいこと。
   エ 昭和四六年一〇月二五日環整第四五号通知「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について」第四8を次のように改める。
    8 規則第四条の二第一項第一号から第一四号までのごみ処理施設の維持管理基準は、新たにごみ処理施設に破砕施設及び圧縮施設の維持管理基準を加えたこと。
      また、大気汚染防止法又は他の公害防止関係法令による基準が適用されるごみ処理施設にあっては、これらの基準の遵守を目標に維持管理を行わなければならないこと。
 2 海洋投入処分に係る帳簿記載事項の改正
  (1) 事業者、一般廃棄物処理業者及び産業廃棄物処理業者の帳簿記載事項を、海洋投入処分の場合には受入れ又は処分年月日に替えて船舶に積み込んだ年月日、処分方法ごとの処分量に替えて積み込んだ船舶の名称及び船舶ごとの積込量としていた取扱いを改め、他の処分の場合と同様にしたこと。
  (2) 処理法施行規則第一四条第四項及び第五項に規定する事業者及び産業廃棄物処理業者の年度報告において、処分方法ごとの処分量を記載させることとなっているので、これと取扱いを合わせて負担の軽減を図ったものであること。
  (3) なお、この改正は昭和五六年四月一日から施行されるものであること。
 3 産業廃棄物処理業の許可の技術上の基準の改正
  (1) 銅等を一定基準を超えて含む汚でい等の海洋投入処分するための処理を業として行う場合にあっては、新たに当該汚でい等の処理に適するコンクリート固型化施設その他の処理施設を有することが許可の要件とされたこと。
  (2) これは、前記第一の1(1)エの改正に伴うものであること。

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2010年2月 2日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:通知・先例

畜産農業の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)

問6 農家が副業として豚を飼養する場合であっても、その豚に係る家畜ふん尿は、令第1条第10号に規定する産業廃棄物に該当するか。

答 自家用以外のものは、事業内容が畜産農業に該当すると考えられるので、令第1条第10号に掲げる産業廃棄物である。
 飼養頭数については、とくに問わないが社会通念上、自家用とみなし得る場合は除かれるものである。
 なお、豚以外の家畜についても同様に解されたい。

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2010年2月 1日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:疑義解釈

家畜ふん尿の定義(昭和47年1月10日付環整2号通知より抜粋)

問5 家畜ふん尿の処理施設において生じた汚でいは家畜ふん尿か。また、処理後の放流水についてはどのように考えるのか。

答 設問の処理後の汚でいは、汚でいとして取り扱われるものである。なお、処理後の放流水については、廃棄物処理法においては、処理基準が課せられていない。

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2010年1月29日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:疑義解釈

山梨県明野処分場建設差し止め訴訟の結果

 毎日.jp  県環境整備センター:建設差し止め請求など、住民側主張退ける--地裁 /山梨から記事を抜粋・転載します。

 関連記事 山梨県明野処分場の問題

 

 北杜市明野町浅尾の廃棄物最終処分場「県環境整備センター」の周辺住民が、県に対して同センターの設置許可取り消しを求めた訴訟と、事業主体の県環境整備事業団に建設・操業の差し止めを求めた仮処分申請について甲府地裁(太田武聖裁判長)は26日、住民側の請求を棄却・却下した。

 仮処分決定によると住民側は、廃棄物には有害物質が含まれ、飲料水や大気、土壌を通じて健康を害すると主張したが、地裁は「健康を害するとは認められない」と判断した。

 また、訴訟で住民側は「県は設置許可を出した際に地元住民の同意を得ておらず違法」などと主張したが、判決は「住民同意は設置許可の要件としていない」などとして住民側の主張を退けた。

 横内正明知事は「廃棄物処理法に基づき適正な手続きを行ってきた。処分場設置の正当性を認めていただいたと考えている」とのコメントを発表した。

 裁判という、法律に則って白黒をつける場面では、どうしてもこのような判決になってしまいます。

 最終処分場を設置することで、それまでは何もなかった環境に、何らかの環境負荷を与えるようになることは間違いありません。

 具体的な環境負荷としては、搬入車両の通行に伴う騒音・振動・粉じん、浸透水の発生など様々なものがあります。

 このような環境負荷を、周辺の生活環境に害を及ぼさないようなレベルにまで低減することによって、産業廃棄物最終処分場の設置が認められることになります。

 明野処分場は、山梨県が主体となって設置した処分場ですので、上記の最低限の基準は問題なくクリアしているはずです。

 法律的に白黒をつけるならば、「白」と言わざるを得ないレベルです。


 しかしながら、「最低限の基準を満たしていること」と「周辺住民の安心感」とは、全く異質の評価軸にあるため、最低限の基準を満たしているからと言って、住民が安心して今までどおりの生活を続けていけるという保証にはなりません。

 住民側のもっとも大きな懸念は、「廃棄物処理技術の安全性云々」といったことではなく、「この先どうなるのか・・・」という漠然とした不安にあると思われます。

 その意味では、山梨県知事の「正当な施設として認めてもらった」という発言は、住民側の怒りを増幅させるだけで、不安の解消には役立っていません。

 行政側は、裁判の結果と関わりなく、粘り強く事業の必要性と安全性を繰り返し説明していく必要があるでしょう。

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2010年1月28日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:news

不法投棄にまつわるリスクを直視する

 中日新聞 「本当に待ち遠しかった」 岐阜・椿洞の産廃撤去開始

 近年まれに見る、大規模な不法投棄事件に発展した「善商不法投棄事件」ですが、
 事件発覚後6年を経て、いまだに撤去作業が続いています。

 記事によると、「今回は、40万立方メートルの不法投棄物を100億円かけて撤去した」とのことですので、概算すると、「1立方メートルあたり25万円」の撤去費用が必要だったことになります。

 記事の写真を見ると、現場に立派な建屋を設置し、綺麗な選別機も置いているようですので、それらのイニシャルコストが「25万円」のコストに反映されていることを割り引いても、非常に高いコストと言わざるを得ません。

 「無駄なコストを削減するべきなのだ」という、焼け石に水の批判をしたいのではなく

 不法投棄によってもたらされる最悪の結果というものを、この事件から学ぶ必要があると考えています。

 不法投棄現場周辺の住民の方にしてみれば、「一日も早く不法投棄物を全量撤去してもらいたい」と思うのは当然です。

 ただ、行政が代執行をする以上、撤去に必要な経費は市民が払った税金から捻出しなくてはいけません。

 見方を変えると
 近隣住民の方は、不法投棄された廃棄物によって生活環境が害された被害者でありながら、さらに不法投棄物の撤去費用も負担させられるという、「泣きっ面に蜂」と言うべき、大変悲惨な状況に陥っています。


 行政側は、この事実を肝に銘じ、二度と不法投棄を放置しないという心構えで仕事をする必要があります。

 しかし残念なことに、行政の組織風土として、積極的に「火中の栗を拾う」人が評価されない一方で、波風を立てることなく問題を巧妙に先送りする人しか出世しないという現実があります。

 そのため、「行政性善説」ではなく、行政には何らかの結果責任を負わせるシステムが必要になっています。

 
 善商不法投棄事件では、不法投棄実行者と行政(岐阜市)の他にも、善商に廃棄物処理(不法投棄?)を委託していた多数の排出事業者に対して、廃棄物の撤去費用の負担が求められました。

 マニフェストや委託契約書に「数量」や「金額」の記載が漏れていたという些細なミスによって、排出事業者責任の追及が実際に行われました。

 追及の結果、ひどい場合には、月額数百万円の撤去費用を負担し続けている企業も実際にあります。

 
 このように、不法投棄は他人事ではなく、日常の廃棄物管理業務とも密接に関連しているリスクです。

 リスクではありますが、自社でできる対策(契約書を正しく運用する等)をしっかりしておけば、巨額の撤去費用の負担と社会的信用の失墜という、最悪の結果になることだけは確実に防げます。

 コスト削減が至上命題となった昨今、本業とは本来関係無いリスクは極力抑えていくことが重要なのではないでしょうか。

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2010年1月27日|コメント (0)トラックバック (0)

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