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  • 2017年5月29日 · · · 舞台の緞帳(どんちょう)は産業廃棄物か否か
  • 2017年5月24日 · · · 水銀廃棄物に関する説明会(申し込みはお早めに)
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  • 2017年5月12日 · · · 国外退去強制の瀬戸際
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    舞台の緞帳(どんちょう)は産業廃棄物か否か

    産業廃棄物の「繊維くず」は、発生源の業種限定が狭く定義されていますので、業種限定にあてはまらない物はすべて「一般廃棄物」になります。

    実際の報道事例を元に、それを具体的に考えてみましょう。

    2017年5月25日付 毎日新聞 「久留米市民会館 「海の幸」緞帳、廃棄へ 劣化進み再利用断念 /福岡

     昨年閉館した久留米市民会館(同市城南町)の舞台に掛かる緞帳(どんちょう)について、市が会館の解体に合わせて廃棄処分とすることを決めたことが、市への取材で分かった。市出身の洋画家、青木繁の名作を描いた巨大な緞帳は約半世紀を経て役目を終えることになった。

     青木の代表作「海の幸」(1904年)を忠実に再現した緞帳は、69年の市民会館開館に合わせて作られ、長く同館のシンボルとして親しまれてきた。市は閉館後の用途について他施設での再利用などを検討してきたが、緞帳が縦7・4メートル、横19・5メートル、重さ1・3トンと巨大で、劣化も進んでいることから断念。企業や大学などから譲渡の希望も出ていないという。

    毎日新聞のWEB版の画像を見ると、緞帳の大きさがよくわかります。

    私、小学生当時は切手収集が趣味でしたので、この青木繁の「海の幸」は切手切手で見たことがあります。

    美術的価値が高い緞帳だと思いますが、巨大すぎることと、劣化が激しいことから、美術館からの引き合いも無かったものと思われます。

    そのため、断腸の思いで、緞帳を廃棄処分せざるを得ない心情もよくわかります。

    名画の作者青木繁と、50年近く緞帳を大切に使い続けてきた久留米市当局と久留米市民の皆様に敬意を払いつつ、法律解釈の題材とさせていただきます。

     市財産管理課によると、緞帳は裁断されて産業廃棄物の中間処理施設に搬入後、繊維質の部分はリサイクルされ、残りは焼却される見通し。文化振興課の土居豊彦課長は「さまざまな可能性を検討したが、緞帳の一般的な寿命が50年程度という面もあり、廃棄はやむを得ない」と述べた。

    緞帳は産業廃棄物か一般廃棄物か

    まずは、緞帳の法的な位置づけを確認します。

    緞帳の排出事業者は久留米市ですので、事業活動に伴って発生した廃棄物であるのは間違いありません。

    しかしながら、産業廃棄物となる「繊維くず」の定義は、廃棄物処理法第2条第4項第1号及び同施行令第2条第3号によって、

    繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

    と定義されています。

    具体的には、繊維くずとなり得る物は、
    ・建設工事から発生した物(解体工事で発生したカーテン等)
    ・繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く)から発生した物
    ・PCBが染み込んだ物(業種限定なし)
    の3種類だけとなります。

    緞帳にPCBが染み込んでいるはずがありませんから、その可能性は真っ先に除外できます。

    残りは2つですが、劇場の解体があったわけでもありませんので、「建設工事由来」という条件も除外されます。
    ※もっとも、たとえ劇場の解体工事があったとしても、それは解体工事業者が発生させた物というよりは、劇場側で解体工事着工前に撤去・処分すべき性質の物とも言えます。

    最後の繊維工業という4文字で、劇場が業種限定の対象に入る見込みは無くなりました。

    少し横道にそれますが、
    「繊維工業」という業種限定でありながら、「衣服その他の繊維製品製造業を除く」とありますので、ほとんどの繊維関連の製造事業者は除外されています。

    「いったい、どんな事業者が繊維工業になるのか?」と思われた方のために、その答えを提示しておきます。

    答えは、日本標準産業分類の中にあります。

    2017年現在の日本標準産業分類では、繊維工業は「中分類11」としてカテゴライズされています。

    そして、「119 その他の繊維製品製造業」の対象として、
    「寝具製造業」「毛布製造業」「じゅうたん・その他の繊維製床敷物製造業」「帆布製品製造業」「繊維製袋製造業」「刺しゅう業」「タオル製造業」「繊維製衛生材料製造業」「他に分類されない繊維製品製造業」が置かれています。

    ちなみに、緞帳の製造事業者は、「他に分類されない繊維製品製造業」に該当しますので、そこから出た緞帳のくずなどは、産業廃棄物ではなく一般廃棄物になります。

    「衣服製造業」については、詳細を書く必要は無さそうですので省略いたします。

    では逆に、産業廃棄物の繊維くずの発生源となり得る業種としては、小分類でまとめると、
    「製糸業、紡績業、化学繊維・ねん糸製造業」「織物業」「ニット生地製造業」「染色整理業」「綱・網・レース・繊維粗製品製造業」になります。

    「繊維くず」の発生源となる、繊維工業の対象は非常に狭いことがおわかりいただけたと思います。
    ※もう一つちなみに、「化学繊維製造業」の場合は、廃棄物の組成的には「廃プラスチック類」として扱う方が妥当な場合が多いと思います。

    と、非常に回りくどい説明になりましたが、
    「劇場の緞帳は産業廃棄物ではなく、一般廃棄物にしかなり得ない」ことをおわかりいただけたと思います。

    ここまででかなりの長文になりましたので、「一般廃棄物を産業廃棄物処理業者に委託する方法(市町村限定)」については、次回の記事にて。

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    2017年5月29日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:news

    水銀廃棄物に関する説明会(申し込みはお早めに)

    2017年10月1日より、「水銀使用製品産業廃棄物」を規制することだけは確定していますが、
    肝心の「水銀使用製品産業廃棄物の定義」が未だなされておりませんので、一人気を揉んでおります(笑)。

    そんな中で、2017年5月12日付で、環境省から「廃棄物処理法施行令等の改正(水銀関係)についての説明会の開催について」の発表がありましたので、子細に発表内容を精読しましたが、

     また、改正政令に基づき、本年10月1日より施行することとしている廃水銀等の処分基準、水銀使用製品産業廃棄物及び水銀含有ばいじん等の処理基準等について、現在、関連する環境省令等の公布に向けた手続きを行っているところです。

    とあるとおり、やはり現段階でも、まだ確定していません。

    ただし、水銀使用製品産業廃棄物の対象物の案自体は、既にパブリックコメントを募集済みですので、環境省発表のとおり、公布寸前の手続き中であるのは間違いなさそうです。

    そのあたりの情報も聞けるかと思い、早速昨晩、大阪会場の申し込みをしました。

    5月23日の夜の時点では、まだ受付は締切られていませんでしたが、申込み方法には、

    申込み期間内に定員に達しました場合は、同一組織からの参加者数を制限させていただいた上で、先着順での受付とさせていただき、期限前に受付を締め切ることがありますので、あらかじめ御了承ください。

    と書かれていますので、関心がある方は今すぐ申し込みをしておいた方が良いかもしれません。

    東京・大阪・札幌・熊本の4カ所で開催するそうです。

    札幌と熊本は定員50名程度なので、申込みはなおさら急いだ方が良さそうです。

    各会場の空き状況は確認しておりませんので、既に定員オーバーでしたらご容赦ください。
    <(_ _)>

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    2017年5月24日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    Too Big To Fail(大きすぎてつぶせない)?

    2ヶ月前の行政処分ですので、今取り上げるのは遅きに失した感がありますが、「行政処分の妥当性」を考えるためには、格好の素材といえる実例ですので、今さらですがご紹介します。

    2ヶ月前の記事であるためか、はたまた別の事情によるためかはわかりませんが、毎日新聞のWEB版の記事リンクが削除されているため、保存していたテキスト全文をそのまま転載します。

    2017年3月28日付 毎日新聞 「麻生鉱山産廃書類を偽装 30日間業務停止処分 北九州市 /福岡」

     北九州市は27日、麻生グループの麻生鉱山(飯塚市)が自社工場で処理するとの契約で医療機関から受託した産業廃棄物の処理に不正があったとして29日から30日間の業務停止処分にすると決定した。産業廃棄物が適正に処理されたかどうかを確認する管理票(マニフェスト)を偽装して山口県の処理業者に再委託していたという。

     麻生鉱山は自社が所有する医療廃棄物リサイクル工場「エコノベイト響」(北九州市)で産業廃棄物の処理を受け入れている。市によると、少なくとも2011年8月から16年5月の間、医療機関から受け入れた医療廃棄物を、再委託に必要な手続きをせずに、同じ麻生グループの麻生飯塚病院(飯塚市)の廃棄物として山口県萩市の産廃処理業者に持ち込んだ。この問題を巡っては、熊本県合志市の市民団体代表の刑事告発を受け、福岡県警も廃棄物処理法違反容疑で捜査している。

    北九州市のサイトでは、行政処分時の報道発表資料を見つけられませんでしたが、行政処分一覧の中で、概要が公表されています。

    廃掃法第14条の4第16項ただし書の規定に基づく再委託の手続を行わずに他社に再委託した。
    廃掃法第12条の4第3項の規定に違反して、処分を終了していないにもかかわらず、当該処分が終了したとして排出事業者に産業廃棄物管理票の写しを送付した。

    「再委託禁止違反」と「マニフェストの虚偽記載」に対して、「事業の全部停止30日間」という処分になっています。

    ここで問題となるのは、「再委託禁止違反」に対して、「事業の全部停止30日間」が妥当なのかどうかです。

    法的な拘束力を持たない通知でしかありませんが、環境省が平成23年3月15日付で発出した「環廃産発第110310002号『廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の3等に係る法定受託事務に関する処理基準について』」
    によると、産業廃棄物処理業者が再委託をした場合は、「許可取消が相当」と例示されています。

    先述したとおり、この通知には法的な拘束力がありませんので、地方自治体によって行政処分内容に違いが出ること自体はあり得ます。

    「たった一度の再委託で許可取消をするのは忍びない」と考える自治体があってもおかしくはありません。

    しかしながら、新聞報道では、排出事業者に無断で再委託していた期間が少なくとも約5年と書かれていますので、再委託は一過性のものではなく、常態化していた様子がうかがえます。

    産業廃棄物処理業者である以上、「再委託が違法とは知らなかった」という言い訳は通用しません。

    結局、北九州市は、マニフェストの虚偽記載のみに着目し、「事業の全部停止30日間」を選択したものと思われます。

    「Too Big To Fail(大きすぎてつぶせない)」だったのか?

    それとも、最近流行語となった“忖度”があったのでしょうか?

    真相は闇の中(?)ですが、いずれのメディアや市民団体も抗議の声を上げないところに、また疑問符が付きました。

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    2017年5月23日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    ブラックリスト

    「ブラックリスト」というと、大部分の人に取ってなじみ深いのは、厚生労働省が2017年5月10日付で公表した「労働基準関係法令違反に係る公表事案」、いわゆる「ブラック企業リスト」だと思います。

    電通の他、比較的有名な企業から、どうみても個人事業としか思えない便利屋まで、対象を幅広く網羅したブラックリストとなっています。

    今回の公表対象は334社ですが、リストは今後も更新を続けられるとのこと。

    ただし、直近6カ月間に書類送検された事業者のリストですので、書類送検されたのが6カ月以前になった事業者は順次リストから抹消されるようです。

    そのため、実際には、6カ月間限定のペナルティとも言えます。

    給料や残業手当の未払い等も当然公表の対象となっていますが、件数としては、労働安全衛生法違反が最も多くなっています。

    中には、ある森林組合が、
    「伐倒の際に立木に絡んだつるを取り除くことなく伐木作業をさせた」という理由で書類送検されたため、
    公表されている例もありました。

    事故が起こっていなくても書類送検される、というのはなかなか大きなリスクと言えますが、多くの事業者は、自社の操業に伴う安全衛生管理基準を把握していないようです。

    便利屋や森林組合がブラックリストに載ったとしても、実質的なダメージはほとんど無さそうですが、上場企業の場合は、若干(?)の痛手になるものと思われます。

    廃棄物処理法違反についても、このように(特に排出事業者を)ブラックリスト化し、一定期間公表するようにすると、リスクとしての認識が格段に進展するだろうと思います。

    問題は、「廃棄物処理法違反で書類送検される企業の数」ですが、安全衛生法違反とは異なり、マニフェストの不交付程度では、書類送検すらされていないのが現実です。

    労働基準監督官の場合は、逮捕権まで有する司法警察官でもありますので、警察の手を煩わせることなく、自ら告発できるため、書類送検数が半年で300件を超えるのも当然なのかもしれません。

    廃棄物処理法を所管する都道府県や政令市の職員の場合は、司法警察官の資格を持たないことがほとんどですし、仮に持っていたとしても、検察が納得するレベルで証拠を収集できる人は皆無と言って良いでしょう。

    専門職である労働基準監督官とは異なり、ジョブローテーションの一環でたまたま廃棄物の規制をやっているという人がほぼ全員だからです。

    廃棄物の規制担当を専門職として資格化するのも一つの案ですが、
    それはそれで、「行政コストの増大」や「行政対応の硬直化」といったデメリットがすぐに現れそうです。

    論点がずれたので出発点に戻りますが、書類送検されたことを基準とするのが難しいのであれば、他にどんな方法が考えられるでしょうか?

    「委託先の処理業者が行政処分を受けた場合に、委託者も公表の対象にする」ことを思いつきましたが、処理業者独自の違反も多々ありますので、それでは排出事業者に酷すぎます。

    妥当なラインとしては、
    「措置命令や改善命令の対象になった事業者」
    「委託基準違反をした排出事業者」等を全国的に(短期間でも)公開すれば、廃棄物処理法のリスクに関する認知が一気に進むものと思います。

    ただ、それを実現する際に大きな制約となりそうなのは(特に「委託基準違反」の場合)、
    あまりにも数が多すぎて個別の企業の名称が目立たないという事態になることが容易に想像できることです。

    おあとがよろしくないようで・・・

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    国外退去強制の瀬戸際

    当ブログ2017年1月12日付記事 「目的と手段の違い」 で紹介した、徳島県石井町における家電処理の無許可営業事件は、「法人に罰金200万円(求刑・罰金200万円)、代表者に懲役1年、執行猶予4年、罰金120万円(求刑・懲役1年、罰金120万円)」の刑事罰が科されることになりました。

    求刑どおりの判決というところが趣き深いですが、無許可営業に関する罰金の金額としては、妥当なラインと思いました。

    裁判官は「約半年間にわたり、家庭用機器を運搬、処分し、不正な利益を得た職業性の高い犯行。処分は環境への配慮を著しく欠いた」と指摘。于被告(筆者注:代表者)について「犯行を主導する立場で役割は重大」とする一方で、「廃棄物の原状回復を約束するなど反省している」と述べた。

    被告が本心から反省しているのかどうかは知りませんが、
    最初から法務省入国管理局主導で動いていることからも、「関係者の国外退去強制」が入国管理局の視野に入っていたものと思います。

    廃棄物処理法違反に基づく執行猶予付き判決の場合は、「国外退去強制」の対象にはなりませんが、
    執行猶予が取消された場合は「懲役刑」になり、国外退去を強制される可能性がありますので、そうならないように被告もある程度は真剣に原状回復を図るものと思われます。

    ちなみに、入管業務は行政書士業務の中でも高度な専門性が必要な業務であり、私には一件の取り扱い実績も無いし、今後取り扱うつもりもありませんので、入管業務の相談はしないようにしてください(笑)。

    入管業務に詳しい先生をお探しの方は、最寄りの行政書士会に電話等でお問い合わせください。

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    2017年5月12日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    ペットの死骸は廃棄物か否か(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

    (愛がん動物の死体)
    問9 動物霊園事業として愛がん動物の死体を処理する者は処理業の許可が必要か。
    答 愛がん動物の死体の埋葬、供養等を行う場合、当該処理は廃棄物には該当せず、したがって処理業の許可は不要である。

    ※解説
    今回紹介した疑義解釈は、「昭和54年11月26日付環整128号、環産42号通知」を再掲したもので、現在の行政でも同じ解釈がなされているものです。

    「ペットの死骸は廃棄物ではない」と、まことしやかに語られている理論ですが、実は単なる行政解釈に過ぎず、しかも、「廃棄物ではない」とは言い切れない場合が多々あります。

    答えの「愛がん動物の死体の埋葬、供養等を行う場合」という点が根本的に重要な点です。

    埋葬や供養を目的としない場合は、法の原則どおり、ペットの死体は「廃棄物」でしかありません。

    埋葬や供養目的が除外されるのは、「家族の一員として生活を共にしたペットの死骸を埋葬したいという人が、よもや死骸を不法投棄することはあるまい」という、国民の一般的な宗教的感情に配慮、あるいは期待をしているためです。

    「生きている間は可愛かったけれど、死んでしまったら持て余してしまうので、不要物として処理したい」、または「処理してあげましょう」という、一般的な国民の宗教的感情とは無関係な動機で行動する場合は、(聞きたくないことかもしれませんが)廃棄物として適正に処理しなければなりません。

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    2017年5月10日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    ネーミングセンス

    今回は、当ブログ3月24日付記事 「2017年廃棄物処理法改正案の解説(Vol.4 雑品スクラップの規制)」でも触れた「有害使用済機器」という用語をネタにします。

    2017年改正案では、「廃棄物ではない」雑品スクラップを保管場所の届出の対象にするとされています。

    廃棄物を規制する廃棄物処理法において、明確に「廃棄物ではない物」を規制対象とする初めての改正とも言えます。

    環境省は、法改正の必要性を次のように説明しています。

    大量に堆積された雑品スクラップから「火災の発生や有害物質等の漏出等」が見られるので、「行政による一定の管理が必要」という論理です。

    たしかに、スクラップから鉛等の重金属や油が漏出する事故も多数発生していますが、
    一般的に了知されているスクラップヤード由来の不祥事は、急激かつなかなか収まらない「火災」と思われます。

    しかしながら、改正法の条文上は、「有害」という枕詞しか付いていないため、「火災の防止」という非常に重要な目的がスコンと抜け落ちてしまっています。

    「枕詞が何だろうと、保管場所の届出をさせることには違いがないので、何でも良いのだ」と、法制部局が大雑把に考えたのであれば、典型的な“役人的な発想”と言わざるを得ません。

    ネーミング一つで、規制対象者に届出の重要性を認識させる効果が大きく変わりますので、難解な法律の条文だからこそ、規制対象の明確な定義は重要です。

    「脱法ドラッグ」が「危険ドラッグ」へと呼称を変えたように、社会情勢の変化に応じて、規制対象の用語を変えていくことも必要と思います。

    試みに、より適切な「有害使用済機器」の定義を私も考えてみることにします。

    正確に表現するならば、
    「重金属その他の有害物質漏出のおそれ及び火災発生の原因となる蓋然性が高い不要物」となりましょうか。

    あまりにも長すぎます(笑)。

    縮めるならば、
    「可燃性不要物」がパッと頭に浮かびましたが、これだと木くず等も対象になりそうな誤解を与えますし、消防法の規制と混同しそうです。

    段々考えるのが面倒くさくなってきたので、「危険不要物」くらいで止めておきます。

    かようにネーミングには多大な労力が掛かりますので、「雑品スクラップに法規制をかけないといけない」という情熱を持った人にしかできない仕事と言えます。

    自分でネーミングを考えてみて改めて実感しましたが、「有害使用済機器」には、熱い情熱を感じることができませんでした。

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    これが本当の環境再生

    廃棄物の現役最終処分場に、野生の植物や昆虫、動物が繁殖し始め、生物にとってのちょっとしたオアシスになりつつあるという、癒やし系ニュースで連休明けのだるい気分を吹き飛ばしたいと思います(笑)。

    大阪府堺市の事例

    2017年5月5日付 朝日新聞 「廃棄物の島、タヌキの楽園 天敵なし、イタチの姿も

    タヌキは雑食性なので、この最終処分場には昆虫や果実だけではなく、大量のネズミも生息しているものと思われます。

    ただ、不思議だったのは、下記の画像のように、現場は大阪湾に面した工業地帯に位置しますので、イタチはともかく、タヌキはどこからやってきたのかという点です。

    東京の都心でもたまにタヌキが姿を見せることがあるくらいですから、堺市にタヌキがいてもおかしくはないのですが、緑地帯が多い東京都心とは異なり、現場の堺市西区には、タヌキが人に見つからないほどの大規模な緑地帯は無さそうなのです。

    あるいは、私が知らないだけで、地元では有名な地タヌキが何年も前から生息していたのかもしれません。

    東京都日の出町の事例

    2017年4月25日付 東京新聞 「日の出町の廃棄物処分場 絶滅危惧のサシバ撮ったぞ

    東京都日の出町の「二ツ塚廃棄物広域処分場」では、絶滅危惧種のサシバまで現れたとのこと。

    こちらは奥多摩に近い場所ですので、納得と言えば納得です。

    もしも、最終処分場設置前に絶滅危惧種が見つかっていれば、環境アセスで立地が不可とされたかもしれませんが、逆に、最終処分場として使用後に植生が回復し、野生生物の生息環境に最適となった経緯を考えると、少し皮肉なものを感じます。

    チェルノブイリでも

    放射性物質と廃棄物ではまったく違う状況の話となりますが、チェルノブイリ原発付近も野生生物の宝庫となっているそうです。
    2016年4月26日付 ナショナルジオグラフィック 「事故から30年、チェルノブイリが動物の楽園に

    記事を読み、「福島全域を一括りにしてチェルノブイリと同列に置くな」とまず思いましたが、

     動物の中でもとりわけオオカミは、汚染をある程度免れている可能性がある。オオカミは行動範囲が広く、常に移動し、立入禁止区域の外まで出て行くこともあるからだ。

     ビーズリー氏は、「こうした多くの動物たちにとって、たとえ放射能の影響があったとしても、それは種の存続を妨げるほど個体数を抑制するものではないのだと思います。人間がいなくなったことが、放射能による潜在的影響を相殺してはるかにあまりある効果をもたらしているのでしょう」と指摘する。

     要するに、人間の存在の方が、放射能よりも動物たちには悪影響だということだ。

    に、なるほどと納得すると同時に、最後の結論にまたもやアイロニーを感じてしまいました。

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    2017年5月8日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    施行規則改正(平成29年4月28日付閣議決定)

    2017年4月28日付で、環境省から廃棄物処理法施行規則改正に関する発表がありました。
    廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令の公布について

    1.改正の趣旨
     <様式について>
     産業廃棄物収集運搬業許可申請、同更新許可申請、同事業範囲変更許可申請、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可申請、同更新許可申請、同事業範囲変更許可申請(以下「許可申請」という。)の添付書類については、平成18年3月31日付け環廃産発060331001号本職通知「「規制改革・民間開放推進3か年計画」(平成17年3月25日閣議決定)において平成17年度中に講ずることとされた措置(廃棄物処理法の適用関係)について(通知)」において、その様式を示していますが、都道府県等によっては、当該様式を一部変更している場合等があります。当該添付書類の様式を統一するために、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号。以下「廃棄物処理法施行規則」という。)において様式第6号の2として定めることとしました。

     <変更届出について>
     産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物収集運搬業者若しくは特別管理産業廃棄物処分業者(以下「産業廃棄物処理業者等」という。)は、名称、役員などを変更したときは、「変更の日から10日以内」に都道府県知事又は政令市長に届け出る必要があります。産業廃棄物処理業者等又は産業廃棄物処理施設設置者は、変更届出において、氏名又は名称の変更の場合には、法人にあっては登記事項証明書の添付が必要であるとともに、役員の変更の場合にも、法人にあっては登記事項証明書の添付を求めている実態があります。
     一方、登記事項証明書の交付の前提となる変更登記については、変更から2週間以内に変更の登記をすることとなっており(会社法(平成17年法律第86号)第915条)、変更登記の標準処理期間は、申請書の提出から即日ないし10日程度とされています。
     したがって、法人の場合において、登記事項証明書の添付を要する変更届出については、「変更の日から10日以内」とする提出期限を超過する可能性があるため、所要の改正を行うこととしました。

    2.改正の内容
     <様式について>
     許可申請の添付書類につき、事業計画の概要を記載した書類(廃棄物処理法施行規則第9条の2第2項第1号)、事業の用に供する施設(同項第2号)、当該事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類(同項第5号)、申請書が個人である場合には、資産に関する調書(同項第7号)、申請者が法第14条第5項第2号イからヘまでに該当しない者であることを誓約する書面(同項第10号)に係る様式を定めること。(廃棄物処理法施行規則第9条の2第3項、様式第6号の2、第10条の4第5項、第10条の9第2項、第10条の12第2項、第10条の22第2項、第11条第8項)

     <変更届出について>
     産業廃棄物収集運搬業変更届、特別管理産業廃棄物収集運搬業変更届、産業廃棄物処分業変更届及び特別管理産業廃棄物処分業変更届(以下「産業廃棄物処理業等変更届出」という。)並びに産業廃棄物処理施設変更届出について、役員の変更の場合に、法人にあっては、登記事項証明書の添付を定めるとともに、産業廃棄物処理業等変更届出について、法人にあって登記事項証明書の添付を必要とする場合には、その期限を30日以内とすること。(廃棄物処理法施行規則第10条の10第2項第3項、第10条の23第2項第3項、第12条の10の2第2項) 

    3.施行期日
    様式については平成29年10月1日。
    変更届出については平成29年5月15日。

    改正内容については、パブリックコメント募集時と同内容のものになりました。
    参考:当ブログ2017年2月21日付記事 「施行規則改正その他のパブリックコメント募集3件

    申請書の書式と、変更届提出期限の伸長という、ほぼ産業廃棄物処理業者にしか関係してこない改正ですが、処理業者にとっては、若干手続きに余裕が生じる規制緩和的な効果を持った改正と言えるでしょう。

    ただし、申請書の書式が全国の都道府県政令市で一律に適用されるかどうかについては、各自治体の判断によって、現状の非統一様式をそのまま使い続けるところが多数残り続ける気がします。

    また、変更届提出期限が「10日以内」から「30日以内」に伸びるのは、「法人の役員変更」のみですので、運搬車両の増減に関する変更届その他は、従来どおり「変更後10日以内」であることにご注意ください。

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    2017年5月2日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2017年

    時代は変わったor歴史は繰り返す

    早い人だと既に連休に入っている方も多いかと思います。

    私は逆に、昨日から事務所で夜勤です(笑)。

    若干寝ぼけた頭で、ある地方銀行が発表したニュースを読みました。

    「時代は変わったなあ」という好感を持って読み終えましたが、ふと、一昔前から現在までの世の中の動きを思い出すと、「歴史は繰り返す」ことにも改めて注意が必要と思った次第です。

    まずは、好感を持った記事からご紹介します。

    2017年4月28日付 青森銀行発表 「株式会社青森クリーンに対する協調融資について -地域インフラの整備に向けた産業廃棄物最終処分場の建設-

    青森銀行がシンジケートローンを組成し、株式会社青森クリーンの管理型最終処分場拡張のために融資を行うというニュースです。

    金融機関が産業廃棄物処理業者に対して協調融資をすること自体は珍しい話ではありませんが、プレスリリースの最後の

    当行は、今後とも地域経済の発展に向けた先駆的事業への資金供給を通じ、地域企業の支援と産業活性化に貢献してまいります。

    という、銀行側の飾り気のない姿勢が好印象でした。

    最終処分場は、産業廃棄物処理施設の中でも一二を争う“忌避施設”ですが、地方銀行がこのように堂々とプレスリリースできるということは、事業主体である青森クリーン社が地元住民から受け入れられている証拠と言えましょう。

    さて、「時代は繰り返す」の話ですが、
    「協調融資 産業廃棄物」というキーワードで検索をすると、一番古い情報は2004年まで遡ることができました。

    そう、一時期大ブームとなった「環境格付融資」です。
    (※注 上掲の青森銀行の協調融資は、「環境格付融資」とは無関係のようですので、その点でも好感を持ちました)

    「環境格付融資」については、三菱東京UFJ銀行が壮大な焦げ付きを発生させたことが、いまだに記憶に新しいところです。
    ※2010年7月12日付 DIAMOND online 「環境融資で焦げつきが多数発生 幕引き図る三菱東京UFJの責任

    大流行の裏では、融資後すぐに倒産、あるいは深刻な経営危機に陥った処理業者が多数発生した点を、忘れるべきではありません。

    融資後に経営破綻した産業廃棄物処理企業の特徴は、「融資ありき」で、「事業計画は二の次」だったことが共通しています。

    意識の高い人から怒られるかもしれませんが、個人的に「環境格付融資」と同じ匂いを感じるようになった言葉が「SDGs」です。

    まず、日本人にとって内容をイメージしがたい「エスディージーズ」という呼称からしていけない(笑)。

    「SDGs」の本質に関する考えを書き始めると紙幅が足りませんので、今回は、「お題目を唱えただけで解ったつもりになることの愚」だけを指摘しておきます。

    頭が良く、人間的にもまっとうな人ほど、こうした理念をすぐ受け入れてしまいがちですが、「理念ファースト!」では単なる妄想に終わることが多いことを、歴史は静かに語っています。

    理念ではなく、「我欲、あるいは大志ファースト」であるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

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    2017年5月1日 | コメント/トラックバック(0) |

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