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  • 2016年6月28日 · · · 環境に影響が無いわけがない不法投棄
  • 2016年6月27日 · · · 許可失効目前の必死のパッチ
  • 2016年6月16日 · · · 廃棄物処理制度専門委員会(第2回)の傍聴記
  • 2016年6月15日 · · · 適正な保管期間の判断基準(平成4年8月31日付環水企183号・衛環246号より)
  • 2016年6月13日 · · · 改善命令違反で指名手配、そして逮捕
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    環境に影響が無いわけがない不法投棄

    最近ブログが炎上気味の某教育評論家なら「言語道断の犯罪ですっ!」と評論してくれそうな、言語道断の不法投棄事件が起こりました。

    2016年6月23日付 産経ニュース 「水路に泡、泡、泡…消防職員が消火剤860リットル不法投棄

     秋田市消防本部は23日、男性職員2人が市内にある解体予定の消防分署で、液状の消火剤約860リットルを不法投棄していたと発表した。この影響で、22日に分署付近を流れる雄物川右岸の水路に大量の泡が発生し、秋田市上下水道局が取水を約3時間停止した。水質の安全性に問題はないという。

     秋田県警東署は廃棄物処理法違反の疑いで2人から事情を聴いている。

     市消防本部によると、2人は21日、秋田市雄和妙法上大部にある消防分署の敷地内に穴を掘り、産業廃棄物として処理する予定だった消火剤約860リットルを流し込んだ。消火剤は土壌を浸透し、約3メートル離れた側溝を通して水路に流れ込んだ。

     2人は「環境に影響がないと思い込み、安易な気持ちで埋めてしまった」と話しているという。

     市消防本部の佐藤好幸消防長は「市民の皆様にご迷惑をお掛けして申し訳ない」と謝罪した。

    消火剤には界面活性剤が含まれているため、通常は「廃アルカリ」として、焼却や中和処理を委託することになります。

    幼稚園児ではないのですから、液状の廃棄物を土中にまけば地下浸透することくらいは理解できなかったのでしょうか。

    気になるのは、公務員でありながら、わざわざ860リットルもの大量の廃液を不法投棄した理由です。

    個人の独断でコスト削減(?)を図ったとは思えないのですが、自分が逮捕されるリスクを冒してでも、廃液の処理費を削減したかったのでしょうか?

    860リットルの廃液を運んで土にぶちまけるよりも、予算に則って専門の処理業者に委託をする方が簡単だと思うのですが、エクセサイズ代わりに廃液を動かしたくて仕方がなかったのでしょうか?

    犯行動機がこうした個人的なおバカなものの可能性もありますが、現場責任者がコスト削減のために不法投棄を指示していたのであれば、大問題です。

    誰が不法投棄を思いつき、それを実行に移した(あるいは、移させた)のかまでを、しっかりと捜査していただきたいものです。

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    2016年6月28日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    許可失効目前の必死のパッチ

    「必死のパッチ」というタイトルを付けましたが、どうやら関西地域でしか使われていないスラングのようですので、念のため用語の意味の解説URLを張り付けておきます。

    謎の関西弁「必死のパッチ」の正しい意味と使い方

    さて、誰が必死なのかについてですが、愛知県(知事?)が必死のパッチの模様です。

    2016年6月26日付 CBC NEWS 「ダイコーの産廃処理業許可取消へ

     廃棄カツなどを不正に転売していた愛知県稲沢市のダイコーについて、愛知県は週明けに産廃処理業の許可を取り消す方針をかためました。

     稲沢市の産廃処理業者・ダイコーは壱番屋の廃棄カツなどを不正に転売していたことがわかっています。

     また、県に届け出ていない倉庫を稲沢市や一宮市に持ち、大量の廃棄物を違法に保管していたことも明らかになっています。

     これらの法令違反を受け、愛知県はダイコーが産廃処理業の許可更新の期限を今月28日に迎えるのを前に、産廃処理業の許可を週明けに取り消す方針をかためました。

     今月8日から県はおよそ4000万円を負担してダイコーの本社や無届けの倉庫に残る廃棄物の回収を進めていますが、許可取り消し後も引き続き行うということです。

    当ブログ2016年4月25日付記事「愛知県はダイコーの許可をいつ取消すのか?」でも指摘していたとおり、少なくとも、岐阜県と三重県がダイコーの許可を取消した3月下旬の直後である4月上旬には、愛知県はダイコーの許可を取消すべきでした。

    大部分の善良な愛知県職員の方は先般そんな理屈はご存知のはずですが、愛知県知事のプレス対応を見る限り、「ダイコーの許可を取消すと、廃棄物の撤去が進まない」と思っていらっしゃる節がありました。

    以上はすべて筆者の勝手な憶測と推量でしかありませんが、このタイミングで許可取消を行う意義は「許可取消をしたという実績を作る」こと以外にありませんので、良い線を突いているのではないでしょうか?(笑)

    行政官は全員知っている周知のことと思いますが、
    「行政が許可を取消さないでいてくれる」という理由で、不法投棄物を自主的に撤去し、撤去後に更生(?)する不適正処理業者というものは存在しません。

    実際、「許可取消をしない」という愛知県の恩情(?)に対するダイコーの唯一の反応は、「何もしない(≒できない)」でした。

    また、不法投棄物を撤去させる上で、その業者の許可内容が制約になることもありません。

    愛知県の場合は改善命令でしたが、措置命令の対象になった場合、その対象者の責任において生活環境保全上の支障を除去する責務が発生し、命令対象者には速やかに命令された内容を実行する義務が生じるからです。

    許可を取消されたからと言って、不法投棄した廃棄物を撤去しなくても良いという理由にはならないのです。

    不法投棄物に関しては、不法投棄を行った張本人が排出事業者と同様の責任を負って、撤去をするのが当然でありましょう。

    ただし、廃棄物処理法上は、このあたりの権利関係を明文化していないのも事実です。
    具体的には、産業廃棄物処理業の許可取得不要とされる者の類型に、「措置命令対象者」が列挙されていません。

    環境省は「行政処分の指針」の「第8 措置命令(法第19条の5)」の中で、

    措置命令の被命令者が、当該命令の履行として実施する廃棄物の処理については、たとえその者が廃棄物処理業の許可を有しない場合であっても、無許可営業罪に該当するものではないと解されること。したがって、措置命令を効率的に履行させる必要があるなどやむを得ない場合には、業の許可が取り消された被命令者につき、当該命令の内容に従って自ら廃棄物の処理を行わせることも許容されるものであること。

    と、解釈指針を示しています。

    現在は、法律の隙間を解釈で埋めている状態ですので、次の廃棄物処理法改正では、ここを是非クリアにしていただきたいものです。

    もっとも、明文化されたとしても、資力のない不法投棄実行者の自主的な撤去を期待することが困難であることに違いはありませんが。

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    2016年6月27日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    廃棄物処理制度専門委員会(第2回)の傍聴記

    2016年6月15日に東京で開催された、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(以下、「専門委」)(第2回)を傍聴してきました。

    ※配布資料は、「中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第2回)の開催について」に掲載されています。

    今回の専門委は、「関係者からのヒアリング」として、
    ・一般社団法人日本建設業連合会
    ・東京都
    ・公益社団法人全国産業廃棄物連合会
    の3者から、現状と改善が必要と思われる点の開陳後、各委員が質問を行うという順序で進められました。

    そのため、環境省サイドは今回はほぼ無言というか裏方に徹しており、会合の最後で、前回(第1回)に委員から寄せられた質問に対する回答集の説明をしただけです。

    環境省の説明や発言が無いだけに、各委員の力量や識見の差が質問内容によく現れていたという印象です。

    非常にわかりやすく言い換えるならば、「ボケ役不在のため、ツッコミ一辺倒の漫才を見せられた」というのが正直な感想です。

    もちろん、専門委はエンターテイメントではありませんので、「漫才に例えるお前がおかしい!」という批判は甘受いたします(笑)。

    note個々の委員の方の個人的な識見は非常に高いのは間違いありませんが、廃棄物処理法の規制内容や委託実務に関しては素人レベルの識見しかない人が大半を占めているということがわかりました。

    名指しはいたしませんが、「優良認定の振興策」に関し、とんでもない暴論を吐いていた学者の方がいたようないないような・・・

    B5ノートの4pをせっせと議事録のメモに費やしましたが、先述したとおり、ほとんどの委員の質問が、本質とは無関係の個人的な疑問に過ぎないレベルでしたので、個別の質疑内容は取り上げないことにします。

    以下、各関係者の意見に対する、筆者の個人的感想を記しておきます。

    一般社団法人日本建設業連合会

    ・良かった点

    1. 「要望事項」が現実的、かつ抑制的
    2. 「電子マニフェスト制度の強化はこの問題(筆者注:「不適正処理」を指す)の解決には寄与しないと考える。」と、遠慮なしに直言
    3. 建設現場における「自ら利用」を進める際の支障(ボトルネック)を数多く列挙

    トップバッターということもあり、大塚部会長から「説明を早めに切り上げてください」と、話の腰をバシッと折られる不幸にもめげず、説明をやり遂げられました。
    ※説明者は竹中工務店の方。

    ただ、先述しましたが、委員の方の大半はこの分野の識見が無い人だけに、説明で使った用語が若干高度すぎたかもしれません。

    資料作成の際には相手の顔や力量がわからない状態ですので、それも致し方ない部分がありますが、「中学生でも理解できる」程度の表現に統一する必要がありそうです。

    東京都

    資料には「廃棄物処理制度の課題」が数点挙げられていますが、説明時間としては、そこよりも東京都の独自制度の紹介が多い印象でした。

    勝手な個人的印象としては、「ずいぶん弾力的に法律解釈しているのだなあ」と思いましたが、東京都の窓口レベルでは硬直的な指導をしているケースも聞きますので、説明をした部長さんの理念や個人的見解が混じっているのかもしれません。

    公益社団法人全国産業廃棄物連合会

    ・良かった点

    1. 要望項目が現実的、かつ多岐に渡る
    2. 「特定不利益処分を受けた優良認定業者に対してはその認定を速やかに取り消す措置を創設」等、自業界にとって不利になりかねない内容を自ら挙げている

    ただし、要望の中には、地方公共団体独自の規制に対するものが多く含まれていますので、環境省に言っても仕方が無い面があります。

    もっとも、苦情を言う相手が他に無いのも事実ですが(苦笑)。

    その他若干の苦言を呈させていただくならば、
    「優良認定のメリットを増やしてほしい」「委託基準の強化をしてほしい」「研修・講習への公的支援を検討してほしい」等は、国へ「乳母日傘(おんばひがさ)」のおねだりをしているように見えました。

    今回は詳しくは書きませんが、「優良認定」という用語を作ってしまったことが、環境省最大の失敗だったかもしれません。

    税金の滞納が無いと優良なのでしょうか?
    行政処分を受けていない業者はすべて優良なのでしょうか?

    いずれも、法治国家では当然の嗜みであり、優良性とは無関係な結果です。

    どうも、業団体のみならず、環境省、そして排出事業者も、優良という言葉で思考停止に陥っている感じがいたします。

    次回の専門委は、6月30日(木)に開催されるとのことです。

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    2016年6月16日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2016年改正

    適正な保管期間の判断基準(平成4年8月31日付環水企183号・衛環246号より)

    問5 改正後の廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「改正規則」という。)第7条の2の「適正な処分又は再生を行うためにやむをえないと認められる期間」についての判断基準如何。
    答 具体的な期間については、施設の種類や保管する産業廃棄物の種類、保管の状況により異なるものと考えられることから、一律に定めることは困難である。通常予定される産業廃棄物の保管は、例えば産業廃棄物処理施設に投入する産業廃棄物の質を均一にするために必要な保管を、当該施設の処理能力に見合って行う場合などであるが、保管する目的が不明確である、保管している産業廃棄物の処分の目処が立っていない、又は目処が立っているにもかかわらずその保管期間が相当長期間に及ぶなどの不適正な事例につき、個別具体的に判断されたい

    ※解説
    一律には定義しにくい「適正な保管期間」ですが、通知の表現を取り入れると、
    ・保管する目的が不明確
    ・保管中の産業廃棄物の処分の目途なし
    ・保管期間が相当長期間に及ぶ
    場合は、適正な保管とみなせる要素が少なくなる、と考えられます。

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    2016年6月15日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    改善命令違反で指名手配、そして逮捕

    2016年6月7日付 朝日新聞 「処理法違反容疑をドローンで把握、解体業者を逮捕 愛知

    記事の見出しを読むと、ドローンが逮捕に一役買ったように見えますが、ドローンは廃棄物保管場所の空撮に使っただけです(苦笑)。

    ドローンを使った結果、保管基準違反が判明したわけではなく、最初から廃棄物の大量保管行為自体は判明しており、具体的な保管状況をドローンで空から眺めただけの話です(苦笑)。

    ※詳細は、当ブログ2015年7月1日付記事「主客転倒な抑止理論

    さて、驚くべきは、

    瀬戸署が今月6日に(氏名略)容疑者を指名手配し、同日夜に岐阜県羽島市内のコンビニエンスストアに駐車しているところを巡回中の警察官が発見。岐阜羽島署で逮捕された。(氏名略)容疑者は容疑を認めているという。

    040029容疑者が指名手配された日に即逮捕されている点。

    改善命令違反で指名手配をされるというのも非常に珍しいケースではないでしょうか。

    容疑者が「住所不定」であるため、指名手配せざるを得なかったものと思われます。

    通常は、廃棄物処理法違反をした容疑者の大半には仕事や拠点があり、すべてをなげうって所在を分からなくする人は意外と少ないものです。

    指名手配から24時間以内に逮捕できたということは、警察の捜査能力の高さの証明であり、容疑者を見つけた警察官の「異変に気づく力」が優れていたためでもあります。

    我々も、この警察官の方と同じようにはいかないかもしれませんが、取引相手の異変(主に経済状況)には敏感に気づく力を養いたいものです。

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    2016年6月13日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    保管場所の表示方法(平成4年8月31日付環水企183号・衛環246号より)

    問4 排出事業者の保管施設や収集運搬業者の積替のための保管場所の表示は、見やすい箇所に分かりやすく表示することで足り、一定の表示方法または様式によらなくてもよいと解してよいか。
    答 お見込みのとおり。

    ※解説
    表示方法や様式は事細かに規定されていませんが、掲示板の大きさや掲載内容については、廃棄物処理法施行令及び施行規則で下記のように定められています。

    産業廃棄物の保管基準は、一般廃棄物の保管基準を準用していますので、一般廃棄物の保管基準部分を引用します。

    施行令第3条 法第6条の2第2項 の規定による一般廃棄物(特別管理一般廃棄物を除く。以下この条及び次条において同じ。)の収集、運搬及び処分(再生を含む。)の基準は、次のとおりとする。

    一 一般廃棄物の収集又は運搬に当たつては、次によること。
    イ~チ (略)
    リ 一般廃棄物の保管を行う場合には、次によること。
    (1) 保管は、次に掲げる要件を満たす場所で行うこと。
     (イ) 周囲に囲い(保管する一般廃棄物の荷重が直接当該囲いにかかる構造である場合にあつては、当該荷重に対して構造耐力上安全であるものに限る。)が設けられていること。
     (ロ) 環境省令で定めるところにより、見やすい箇所に一般廃棄物の積替えのための保管の場所である旨その他一般廃棄物の保管に関し必要な事項を表示した掲示板が設けられていること。
    施行規則第1条の5 令第3条第一号リ(1)(ロ)の規定による掲示板は、縦及び横それぞれ60センチメートル以上であり、かつ、次に掲げる事項を表示したものでなければならない。

    一  保管する一般廃棄物の種類(当該一般廃棄物に石綿含有一般廃棄物が含まれる場合は、その旨を含む。)
    二  保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
    三  屋外において一般廃棄物を容器を用いずに保管する場合にあつては、次条に規定する高さのうち最高のもの
    (2)~(3) (略)

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    2016年6月1日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:疑義解釈

    行政担当者に不可欠な資質

    「行政担当者に不可欠な資質とは何か?」を考える機会がありました。

    約1週間考え続けた結果、個人的には以下の3つに集約できるのではないかと考えております。

    第1 「正しい使命感」

    347053まずは何よりも、「自分が行政官としてなすべき仕事・責任」を正しく認識していることが大前提です。

    「そんなことは常識で、皆普通に使命感を持っているだろう」と思う方が多いかもしれませんが、意外にも(そして恐ろしいことに)、この段階でつまづいている人をよく見ます。

    公僕としての自覚を持たないだけならまだしも、大いに間違った方向に使命感を発揮する人もいることにも気を付けねばなりません。

    例えば、「許可業者には重箱の隅を居丈高につつきながら、無法者との面談は極力避ける」人が、どの自治体にも一人や二人はいるものです。

    筆者が実際に遭遇した実例としては、
    マニフェストの些細なミスをとらまえ、「お前には処理業者をやる資格が無いので廃業届を出せ」と迫った行政官がいました。

    零細な処理業者の立場からすると、行政からそこまで強く言い切られてしまうと、「この先処理業者としてやっていけないのではないか!?」と恐怖を感じ、自主廃業しないといけないのではないかと思い込んでしまうことがあるようです。

    もちろん、悪質な廃棄物処理法違反が行われ、業者の経営方針も改善の兆しを見せないような場合は、行政は断固たる処分を行うべきですが、
    軽微な運用ミスを重大な犯罪のように喧伝し、行政が処理業者を恫喝するというのは、ただの「弱い者いじめ」です。

    行政担当者においては、
    「処理業者はすべて悪だ」という間違った観念に凝り固まるのではなく、
    違反が軽微な運用ミスに止まっている段階で、処理業者に自主的な改善を促す(求める)姿勢も不可欠なのではないでしょうか。

    第2 「行動力」

    conflict正しい使命感が無く、行動力だけある行政官という存在は、社会的な害悪そのものと言っても良いかと思いますが、

    幸か不幸か、官僚的組織の代名詞にもなっているように、お役所仕事は意思決定のスピードが遅いのが常です。

    組織としての意思決定に時間が掛かる以上、担当者はできるだけ早く組織内に情報を上げていく必要がありますが、問題発生から情報を収集する(=現地調査や関係者との面談)までの間に、「行くべきか?それとも行かないべきか?」と葛藤し続けた結果、情報収集という初期対応すら迅速に行えないケースが多いように思います。

    行政機関が問題(=法律違反の疑い)を認知したのであれば、担当者には調査をするという選択肢しか無く、「行くべきか?」と悩む時間は無駄です。

    お役所に所属しているからこそ、担当官個人には、より迅速に対応するという心構えが不可欠なのではないでしょうか。

    第3 「知識」

    言うまでもありませんが、廃棄物処理法の条文の理解は必要不可欠です。

    ただし、近年の行政官の労働環境を考えると、
    10年前と比べても大幅に人員が削減され、予算も減少、しかし、担当する業務は以前よりも増加、と業務に対する責任やプレッシャーは年々重くなるばかり・・・

    大切な根拠法令をじっくりと読み解く時間が、以前よりも少なくなっているのは事実です。

    行政官である以上、廃棄物処理法のみならず、「行政手続法」や「地方自治法」のひととおりの理解も不可欠であり、「法律を読みこむ時間なんて無い!」というのが本音ではないでしょうか。

    さらに、法律ですべてを細かく規制できるわけではありませんので、条文のすき間を解釈で埋める「通知」の理解も必要です。

    と、こうしてやらなければならないこと、知っておかねばならないことを列挙すると、やる気を失くしてしまう人がいる一方で、
    廃棄物処理法の「一筋縄ではいかない複雑さ」や、「社会を網羅的に包括している幅広さ」に気づき、仕事の面白さに目覚める人もいることでしょう。

    現に、私などは、産業廃棄物の規制監督といったお役所仕事にしか面白さを感じなかった人間です(笑)。

    廃棄物処理法の面白さに気づいていただくことを目的として、この本は長岡先生と共同執筆いたしました。

    行政担当官の方にこそ読んでいただきたい本ですので、「法律を読みこむ時間が無い」「通知まで手が回らない」とお嘆きの行政担当官の方は、是非とも迅速に自腹で購入していただき、3拍子揃った行政官にレベルアップしていただくための一助としていただければ幸いです。

    廃棄物処理法の重要通知と法令対応

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    三菱地所、丸の内で弁当がらリサイクルを開始

    東京丸の内という一大弁当大消費地で、弁当がらのリサイクルを地域ぐるみで行うことを三菱地所が開始するそうです。

    2016年5月26日付 三菱地所株式会社プレスリリース 「丸の内エコ弁プロジェクト」本格運用開始

    ■本プロジェクトの仕組み
    1.店舗は、表面の薄いフィルムをはがすことで容器をリサイクルできる「P&Pリ・リパック容器」を購入し、弁当容器に使用して販売。
    2.弁当購入者は食後、フィルムをはがし、専用の回収ボックスに容器を返却。
    3.回収された容器は、溶解施設で溶解処理・再原料化。
    4.再原料化された容器は、リサイクル容器製造業者で再び容器として製造。
    ※三菱地所グループは、全体スキームの構築、回収ボックスの設置、店舗・就業者への理解促進・協力呼びかけによる導入店舗数・回収率の向上を実施。

    食品関連の廃棄物をリサイクルする場合、一番の大敵は食品そのもの。

    三菱地所のリサイクルスキームでは、あらかじめ弁当箱にフィルムを張っておき、弁当がらを回収する際にそのフィルムを剥がすことで、弁当がらへの食品の付着を防ぐという非常にスマートなやり方です。
    mec
    ※画像は三菱地所のプレスリリースより転載

    「コロンブスの卵」的な発想で、他のプラスチック製品リサイクルでも取り入れられる可能性が高いと思いました。

    丸の内という地域全体で取組みを行うことにより、リサイクルのスケールメリットを期待できるのも良いですね。

    さて、弁当がらがプラスチック製ですが、このケースの弁当がらは「一般廃棄物」でしょうか?それとも「産業廃棄物」でしょうか?

    各企業が弁当を購入して社員に配布しているわけではないので、産業廃棄物には該当しないように思えます。

    では一般廃棄物なのかというと、このケースにおける弁当がらは、再使用(再生利用)を前提とした商品であるため、回収ボックスに弁当がらを返却しているだけとも言えます。

    そのため、弁当購入者は弁当がらを廃棄しているわけではないとも考えることも可能です。

    三菱地所が考案したスキームの優れた点は、「回収ボックスでリサイクル可能な物しか回収しない」という点です。

    もしも、廃棄するしかない食品廃棄物も無理矢理回収するスキームであったならば、一般廃棄物処理業許可の問題に抵触するところです。

    わかりやすく言い換えるならば、
    容器を再使用前提で無償で回収する行為は、「食堂で使い終わった食器を回収し、再使用する」のと何ら違いがありません。

    法令遵守とリサイクルの効率化を両立させた点で、非常に秀逸なスキームになったと言えます。

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    2016年5月30日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    鹿島建設が不法投棄で書類送検

    「規模の大小を問わず、建設工事の元請の工事管理能力が落ちてきている」とよく聞くようになりましたが、
    ゼネコンとしては有り得ないレベルの杜撰な不法投棄事件です。

    2016年5月19日付 朝日新聞 「余ったコンクリを不法投棄の疑い 鹿島と社員を書類送検

     校舎の建て替え工事で余ったコンクリートを現場に埋めたとして、警視庁は19日、大手ゼネコン鹿島と同社社員の男性(30)を廃棄物処理法違反容疑で書類送検した。男性は「後で取り除くつもりだったが、整地する時に忘れていた」と供述しているという。

     生活環境課によると、男性は、東京都中野区の明治大学付属中野中学・高校の校舎の建て替え工事で現場監督を務めていた2014年1月16日、下請け業者に指示して、工事で余ったコンクリート約560キロを現場に埋めて捨てた疑いがある。埋められたのは校舎の外階段の下部にあたり、捜査を受けて除去したという。

     同課によると、現場にはほかに袋詰めされたモルタルなど約1600キロも不法に埋められていた。同年5月、匿名の告発文が警視庁に届いて発覚したという。

     鹿島は「多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびするとともに、施工管理の徹底と再発の防止に努めます」としている。

    ゼネコンの人事体系は存じませんが、30歳で現場監督というのはよくあることなのでしょうか?

    ゼネコンという後ろ盾があることを良いことに、非道無法な工事を指示していたのであれば、法律の無知という単純な話では済まず、鹿島建設のコンプライアンス態勢に根本的な問題がありそうです。

    興味深いのは、2014年1月の不法投棄事件が、同年5月に警視庁に匿名で告発されている点です。

    おそらく、公益心に燃えた情熱的な人物がやむにやまれずに告発をしたというよりは、
    「告発されたくなかったら誠意を見せろ」と要求した勢力があったのではないでしょうか。

    不当要求をキッパリと拒否したのであれば、そのこと自体は素晴らしいと言えますが、
    報復に(?)告発をされ、法的なペナルティを被ることになり、深刻なクライシスに発展してしまいました。


    建設業に関連している方は、今一度この本を熟読していただき、あなたと会社が危機に陥らないようにご注意ください。

    廃棄物処理法の重要通知と法令対応

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    2016年5月24日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:news

    廃棄物処理制度専門委員会(第1回)を傍聴してきました

    2016年5月19日に東京で開催された、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(以下、「専門委」)(第1回)を傍聴してきました。

    最近はペーパーレス化推進のためと称し、「前日の夜までに資料をアップロードするので、それを持参するかタブレットその他で見なさい」と環境省は言うのですが、
    前日から東京のホテルに待機している人間には、資料を印刷する手立てがありません。

    しかし、少部数ながらも当日資料を配布していることを、2月の循環型社会部会傍聴の際に知ったので、今回はそれを当て込んで手ぶらで会場に赴きました。

    早めに到着したことが功を奏し、無事資料を入手できましたが、支え無しに定規を立てられるくらいの厚さで、約1.5センチメートルというところでしょうか。

    resume

    ただし、資料の大部分(およそ99.9%)は私にとって不要な物でした。

    資料は、中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第1回)の開催についてにすべて掲載されていますが、

    私にとって見るべき価値のある資料は、「資料3-2 廃棄物処理法施行状況調査の主要な結果について」だけでした。

    その資料のどこに着目したかは、後日詳細を書きたいと思います。

    今回は、専門委の開催趣旨や、委員から出された主な意見を速報としてご紹介します。

    そもそもなぜ開催されたのか

    2009年の専門委では、廃棄物処理法の問題点について頻繁に議論が行われ、その後の2010年改正に反映されました。

    前回の法改正から5年を経たことを受け、今回の専門委も、法改正を視野に入れて検討を行うそうです。

    しかしながら、第1回目の議題は、議事次第

    (1)廃棄物処理法の施行状況等について
    (2)その他

    書かれてあるとおり、現在の廃棄物処理法施行状況の概説のみとなっていました。

    議事の概要

    開始早々70分近く連続で、環境省の2人の課長が淡々と資料説明を行いましたので、自分にとって既知の情報ばかりということもあり、睡魔と闘うのが大変でした。

    いえ、正直に告白すると、最初から睡魔と闘うことを放棄して、力を温存するためにも睡眠学習の場とさせていただきました。

    傍聴者のみならず、事務局側の方も数名睡眠学習を実施されていましたので、その場にいた人の間では、夢という潜在意識レベルで廃棄物処理法施行状況の共有が進んだことは言うまでもありません。

    今回の専門委のメンバーは、「資料1 中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会廃棄物処理制度専門委員会 委員名簿」に掲載されていますが、「佐々木委員」「島村委員」「高岡委員」「田崎委員」は欠席で、計11人の委員が出席していました。

    「施行状況」に対する質問は多数出ていましたが、独断と偏見で気になった発言要旨のみを挙げます。

    なお、委員の方は全員早口だったため、当方のメモ書きが追い付かなかった場面も多々あり、発言内容の正確性は担保できませんので、個別の発言者は明示せず、委員A・B等と記しておきます。
    後日環境省から、正確な議事録が公表される予定ですので、そちらもご参照ください。

    (委員A)
    ・電子マニフェストのデータは、各自治体において監視指導に活用されているのか?

    (委員B)
    ・産業廃棄物の流入規制を11自治体がまだ行っており、廃止する予定もないとのことだが、環境省からその11自治体に対し、廃棄物処理法では定められていない流入規制を見直すように引き続き働きかけをしてもらいたい。
    ・ダイコー事件は極めて特殊なケースであり、他の善良な処理業者に大きな負荷がかかるような制度改変は避けていただきたい。

    (委員C)
    ・適正処理推進のためには、「廃棄物該当性」がキーワードと思う。
    ・一般廃棄物と産業廃棄物の区分を考え直す必要がある。具体的には、産業廃棄物処理業者の処理施設で、一般廃棄物の業許可なしに一般廃棄物の処理をできるようにすべきだ。

    (委員D)
    ・流入規制を行っている自治体の名称を教えてほしい。
    ・中間処理許可の対象に「選別」を認めていない自治体が多いが、環境省としてはそれをどう考えるか?

    (委員E)
    ・不適正処理は排出事業者等のコストとしてどのように認識しているかが根本にあると思う。

    (委員F)
    ・優良認定業者を増やすためには、認定を受けるメリットが重要となる。
    ・優良業者に委託をした排出事業者については、(不適正処理があったとしても)刑事責任を免責するようにすれば良い。
    ・優良認定を取消すタイミングは、許可の更新申請時しかないというのも問題だ。

    (委員G)
    ・自治体においては、マニフェストの情報は不適正処理を是正させる際に活用している。
    ・総合判断説を適用して判断をしているが、実際には「有償売却できるか否か」を重視している。
    ・しかし、(廃棄物ではないが)建設残土のように、有償売却はできないが、取引市場が形成されている物もあり、リサイクル推進のためには規制緩和をした方が良いケースも多い。当専門委でじっくりと議論して欲しい。

    今後の検討方針

    環境省の説明では、「2016年中に専門委の報告書を取りまとめたい」とのことでした。

    そのため、場合によっては、月2回程度専門委を開催する可能性もあるとのことでした。

    直近の予定としては、「資料4 本専門委員会の今後の進め方(案) 」に書かれているとおり、
    6月中旬と6月下旬にそれぞれ1回ずつ、「関係者からヒアリング」を行うとのことです。

    また、一番重要な情報かもしれませんが、今後の検討テーマとして

    (1)適正処理の更なる推進
     昨今の廃棄物処理を巡る状況を踏まえ、適正処理の確保、廃棄物処理における有害物質管理及び、市況により廃棄物該当性が変動するものの管理等について検討が必要。
    ・排出事業者責任の在り方及び廃棄物処理業者による適正処理を確保するための制度的対応の検討(「ダイコー事案」再発防止策を含む。)
    ・廃棄物処理における有害物質管理の強化策の検討
    ・市況により廃棄物該当性が変動するものや、有害性の高い物品に、管理のための一定の基準を適用できるようにする制度(違法な不用品回収業者対策を含む。)の検討
    ・電子マニフェストの更なる普及措置の検討

    (2)廃棄物処理法に基づく各種規制措置の見直し及び優良な処理事業者の更なる育成に係る措置
     各種規制措置の見直しの検討や、優良な廃棄物処理業者がより競争力を向上させていくための取組等を推進していくことが必要。
    ・規制の合理化の観点から見直すべき措置の検討
    ・優良な事業者の更なる育成の観点から取り組むべき措置の検討

    (3)廃棄物の排出抑制等及び廃棄物処理分野における温暖化対策の強化
     排出抑制、リサイクル等を推進するとともに、廃棄物処理分野の温暖化対策の一層の強化が必要。
    ・廃棄物の排出抑制、リサイクル等のための追加的方策の検討。
    ・廃棄物分野において、地球温暖化対策として考えられる取組及び制度的対応の検討。(※廃棄物処理法の法目的の枠内でどこまで行うことができるのかは留意が必要)

    (4)廃棄物等の越境移動の適正化に向けた対応
    廃棄物等の越境移動を適正化するためには、それぞれの廃棄物等の性状に応じて、潜在汚染性の顕在化を最小にしつつ、潜在資源性の顕在化を最大にするような管理の方法を模索していくことが必要。
    ・国内外で発生した二次資源(使用済鉛蓄電池、電子部品スクラップ等)について、我が国の誇る環境技術の先進性を活かしつつ、非鉄金属のリサイクル等資源循環を着実に進めるための輸出入規制の在り方の検討。
    (※バーゼル法との関係について留意が必要)

    が挙げられています。

    次に法律改正が行われる内容としては、上記の4テーマに絞れそうです。

    もちろん、今後の検討によって変わる可能性もありますが、このまま行くと、
    「排出事業者責任の強化」「優良な処理業者の更なる育成」が主流になりそうです。

    昨日の専門委では、上記のテーマはほとんど話題になりませんでしたが、興味深い内容が多々含まれていますので、引き続き専門委での検討状況を注視したいと思います。

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    2016年5月20日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2016年改正

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