廃棄物管理の実務

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本日は「中間処理業許可を効率的に取得する方法」の講演をします

ブログで告知をするのを忘れておりましたが、本日14時から、「中間処理業許可を効率的に取得する方法」というテーマで講演をします。
http://www.kankyo-business.jp/seminar/waste_01.html

「中間処理の許可を取れば、明るい未来が待っています」というような、夢を見せて終わるのではなく、
現在の市場動向や、中間処理業の先行き、今は参入時期として適切かどうかなど、
現実に即したお話をするつもりです。

処理能力の考え方(昭和52年11月5日付環産59号通知より抜粋)

問20 産業廃棄物処理施設の構造又は規模の変更に関して、廃棄物処理法施行規則第2条の5第1号リに規定する「処理能力」とは、直近の届出に係る施設の処理能力と解してよいか。

答 お見込みのとおり。

※解説

昭和52年当時の通知であるため、施行規則の条文などは現在のものとまったく異なっていますが、言っている内容はオーソドックスなもので、基本的知識として必要なものですので掲載しておきます。

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処理能力の考え方(昭和52年11月5日付環産59号通知より抜粋)

問19 廃棄物処理法施行令第7条第1号から第8号までに掲げる産業廃棄物処理施設の一日当たり処理能力とは、何を意味するか。
 
答 当該施設が一日二四時間稼動の場合にあっては、二四時間の定格標準能力を意味する。それ以外の場合は、実稼動時間における定格標準能力を意味する。ただし、実稼働時間が、一日当たり八時間に達しない場合には、稼働時間を八時間とした場合の定格標準能力とすること 。

※解説

現在でも行政解釈の基礎となっている、非常に重要な基礎的知識です。

廃棄物処理施設の処理能力は、設置許可の有無を判断する上で重要なポイントですので、正しく理解をすることが必須です。

「1時間しか動かさないので、設置許可不要にしてくれ」と言いたいところですが、
許可を受けた後に、その処理業者が本当に1時間しか動かさないということを、誰も保証できませんので、
「8時間操業した場合に処理能力はどうなるのか」を基準として考えることになります。

「かながわ廃棄物処理事業団」の後始末

カナロコ 県と横浜・川崎市、廃棄物処理事業団の破産損失は各15億円/神奈川

今年3月末に解散した県と横浜、川崎市の第三セクター「かながわ廃棄物処理事業団」の破産手続きで、3自治体に支払われる配当金はそれぞれ5億円弱となったことが30日、明らかになった。各自治体の債権額は各約20億円で、それぞれ15億円超の損失となった。

 同事業団は、川崎市内で産業廃棄物の中間処理施設・かながわクリーンセンターを運営。赤字経営に陥りセンター建設時の借入金などで日本政策投資銀行と3自治体からの負債約60億円を抱えていたが、解散に伴い、「クレハ環境」(福島県いわき市)に約14億6900万円で事業を譲渡した。

当ブログ関連記事 かながわクリーンセンター、クレハ環境へ事業譲渡

破産管財人の報酬が2千万円ということにまず驚きました(笑)。

実質的には、クレハ環境が払ってくれた約14億6900万円を、そのまま3自治体に配当金として分配するイメージです。

第3セクターがここまで不振を極めた原因としては、
建設費が高額な割には、それを償却するのに足る売上が計上できなかったということになりそうです。
焼却炉に対するニーズが思ったより少なかったということなのでしょう。

上記の関連記事でも書いたことですが、引き継ぐ側のクレハ環境は、これから大変な営業努力を重ねていくものと思います。

2010年廃棄物処理法改正の解説(2) 事業場外の保管届出

 第2回目は、事業場外の保管届出の詳細を解説します。

 
 改正法の条文からは、事業場外で産業廃棄物を保管する場合の届出義務だけは規定されていましたが、「どんな廃棄物が届出対象なのか」「どれくらいの規模が対象なのか」といった、肝心の詳細がわかりませんでした。

 8月3日に開催された、第13回廃棄物処理制度専門委員会において、届出義務の対象(案)の詳細が初めて公開されました。

 http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0320-13/mat02.pdf

 (案)と書きましたのは、今後パブリックコメントの募集後に、改めて政省令の改正が行われ、はじめて確定となるためです。

 ただ、今回解説する内容については、ほとんどの方にとっては、改正に反対する理由が無いと思いますので、この原案どおりに決まる気配が濃厚と考えられます。

 産業廃棄物が発生する事業場の「外」で産業廃棄物を保管する際に、「事前」の届出義務の対象となるのは、

1.建設系廃棄物(特別管理産業廃棄物の場合も含む)で、
2.300平方メートル以上の場所で保管をする  場合のみとなりそうです。

 逆に、事業場の外で産業廃棄物を保管する場合でも、それが建設廃棄物でなければ、届出をする必要が一切無いとも言えます。

 建設工事に携わる人にしか関連しない改正となります。

 上記の2つの条件に当てはまる場合は、

 「あらかじめ」都道府県知事に届出ないと、
 「6月以下の懲役、または50万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰の適用対象となってしまいます。

 改正内容に追加された背景を考えると、廃棄物保管場所の事前届出義務は、廃棄物の不法投棄対策であることに疑いの余地はありません。

 2011年4月1日からは、この規制がかかることになりますので、建設関連業界の方は、今から社内に改正情報の周知をしておくのが良さそうです。

 肝心の届出すべき事項については、
 「保管場所の所在地」「保管場所の面積」など、それほど難しい内容のものではないので、「あらかじめ」届出ることだけを忘れなければ、それほど恐れる必要はない義務です。

 専門委員会では、「届出の対象が300平方メートル以上というのは緩すぎではないか?」という意見が出ていましたが

 環境省側の回答は、「既に条例などで同内容の規制を行っている自治体の例を参考にして決めた」とのことでした。

 個人的には、300平方メートル以上というのは、まずまず妥当な線ではないかと思っています。

 条件をあまりに狭めすぎると、建設会社から提出する書類件数が増える一方、自治体には立入検査などで対応できる限界があるからです。

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やはり流出していたPCB

当ブログでもお伝えしていた、静岡県教育委員会のPCB廃棄物の誤廃棄の続報です。
※関連記事 絶対に経年劣化する人間の注意力

産経ニュース 工場から基準値上回るPCB 静岡

 静岡市の中学校で保管していたポリ塩化ビフェニル廃棄物(PCB)を含んだ機器が誤って廃棄処分された問題で、処理にかかわった工場の汚染状況を調査した同市教育委員会は26日、一時保管していた工場の一部から、廃棄物処理法で定められた基準値(1リットル当たり0・03ミリ)を超えるPCBが検出されたと発表した。ただ、基準値を超えるものの微量で、工場近くの河川への流出や人体や環境への影響はない。

 PCBは、敷地内の排水から油分を取り除くコンクリート製水槽型の装置内にたまった水から、1リットル当たり0・20ミリが検出された。工場の敷地内で一時保管していた廃棄物から流れ出した液状のPCBが、排水と混ざって水槽に流れ込んだとみられ、市は汚染水を回収する方針。

 おそらく、中間処理業者が設置していた油水分離槽に貯まった水を採取し、その水の中に、PCBが1リットル当たり0.2ミリグラム含まれていたということになるようです。

 記事では、「河川への流出や人体や環境への影響はない」と言い切っていますが、その根拠となる測定値が、ミリグラムではなく、ミリですので、本当にそう思っているのか甚だ疑問です。

 これでは、静岡市教育委員会の発表を疑うことなく、事実確認を一切せずに書いた単なる「提灯記事」です。

 まず、「廃棄物処理法で定められた基準値(1リットル当たり0・03ミリ)」という基準の引用自体が間違いです。
 この基準値は、(ミリじゃなくてミリグラムなのですが)ある産業廃棄物が、特別管理産業廃棄物であるか、特別管理産業廃棄物でないかを判別するための基準であり、「排水にPCBを混入させても良い限度」のような数値ではありません。

 そもそも、1リットルあたりのPCB含有量ですので、大量の水を投入し分母を大きくする、つまり希釈されてしまえば、含有率はいくらでも下げられます。

 また、油水分離槽は、排水中に含まれた油分を分離させ、油分分離後の水を排水するための設備です。
 排水を保管し続ける設備ではなく、一定量の排水を流しつづけるための設備なのです。
 事件発生が7月28日で、それから1月近く立った状態であるにもかかわらず、油水分離槽内にPCBが残っていたということは、それまでに相当大量のPCBが流出しているということになります。

 PCBが環境中に拡散した今となっては取り返しがつきませんので、「周辺の土壌を全部改良せよ」などとは申しませんが

 少なくとも、間違った基準で間違った説明を行うのではなく
 正しい事実を、正しい基準に基づいて説明をする必要があるはずです。

 水は川から海へと流れます。
 そのため、水に流した汚れは、いつかは目の前から消えてなくなります。

 しかし、だからといって、PCBなどが地球から消えうせてしまうわけではなく、
 魚やプランクトンに吸収され、やがては人間のところにブーメランのように帰ってきます。

 
 「工場近くの河川への流出や人体や環境への影響はない。」という結論は、
 環境の常識的な知識を知らないのか、
 事実を隠蔽するための言い訳のどちらなのでしょうか?

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ブラウン管TVが大量廃棄される日

うちにはブラウン管TVしかありませんので、他人事ではないのですが、来年7月の地デジ放送への完全移行に伴い、ブラウン管TVの廃棄物化が懸念されています。

8月25日付日本経済新聞 ブラウン管不法投棄の恐れも ガラス再利用も課題

ほとんど家庭では、一部屋に一台といった割合で、複数のTVを設置していることが多いと思います。

チューナーをつければ、ブラウン管TVをそのまま使用することができますが、薄型で大画面の地デジ対応TVに対する駆け込み需要は大きいのは間違いありません。

その分、ブラウン管TVが廃棄物になる量も増えることになりますが、家電メーカー各社は、今からブラウン管TVの急増に備えた対応を整えたようです。

TVの処理能力を増やすということは、許可証に記載された処理能力を増やすことになりますので、施設の「変更許可」申請が必要となります。
職業柄、その手続きの煩雑さをよく知っておりますので、「大変だっただろうなあ」と変なところで感心してしまいました(笑)。

記事でも懸念されているとおり、今までとは違って、今度は一挙にブラウン管TVが廃棄物となることが多くなるので、不法投棄は間違いなく増えると思います。

TV単体だけを捨てた場合、排出事業者が誰かを特定するのは非常に困難ですので、まずは捨てられないための方策、具体的には投棄をしにくい環境を作る必要があります。

地デジへの完全移行まで、既に残り1年を切りましたが、地方自治体は何らかの策を講じているのでしょうか?

不法投棄対策の猶予は、あと半年も残っていないと思われます。

家電小売店も新しいTVを販売する時は、旧型TVの引き取りを強力に薦めるなどの、自治体の施策に向けた協力が必要になりそうです。

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近年まれにみる原始的犯罪

毎日.jp 廃棄物処理法違反:無許可で木製パレットを処分 容疑の2人逮捕/栃木

廃パレット数百枚を畑で焼却処分したため、無許可営業が発覚。
委託者と受託者の双方が逮捕されたという事件です。

タイトルにも書きましたが、近年まれにみる原始的な法律違反です(笑)。

野焼きに驚いた住民に消防に通報されるくらいですから、一挙に数百枚のパレットを燃やそうとしていたものと思われます。

パレットはそう簡単に燃え上がるものではありませんので、おそらく灯油などを助燃材として使っていたのではないでしょうか。

パレットを専門に引き取ってくれる企業は、ネットで検索すれば複数ヒットしますので、
「業者に断られたから」というよりは、処理費を負担したくなかったというのが本音ではないかと思います。

いずれにせよ、「無許可営業」と「無許可業者への委託」は、廃棄物処理法上もっとも重い罰則の適用対象となります。

法律の無知では済まないペナルティを負わされることになります。

複数の最終処分場を一体と見るための考え方(昭和52年11月5日付環産59号通知より抜粋)

問18 同一の設置者のもとで、同一の地域に複数の産業廃棄物の最終処分場がある場合、これを全体で一つの最終処分場と解してよいか。

答 産業廃棄物の処理施設の能力とは、有機的に一体として機能すると考えられる施設の総体の能力を意味するものである。
 当該事例のような最終処分場の場合にあって、施設が一体として機能するとは、当該施設の設置者が同一の者であること、地形的に最終処分場が連続していること、又は同一の施設若しくは付帯設備(管理棟、搬入路、埋立機械、浸出液処理設備等)を共用すること等の観点から当該施設の状況を総合的に勘案して判断すべきものである。
 従って、その施設全体が一体として機能すると判断される場合においては、その全体を一つの最終処分場として取り扱うことが可能であると解する。
 なお、この場合にあっては、個々の最終処分場の面積を合計したものを最終処分場の面積としては握すること。

※解説
珍しく現在でも通用する疑義解釈です。
ただ、新規にこの通知の内容のような最終処分場を個別に設置するメリットはまったくありませんので、やはり、現実には適用できそうもありません。

しかしながら、廃棄物処理施設の能力の計算方法については、現在でも通用するスタンダードな考え方ですので、内容的には重要な通知です。

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絶対に経年劣化する人間の注意力

産経ニュース PCB含む機器を誤廃棄 静岡の中学、大型ごみと一緒に破砕

PCBを使用した安定器や蛍光灯などを、電気室という安易に入れない施設で保管していたのは正しい取組みでしたが、
時が経つうちに、電気室が「押入れ」のようなゴミ置きスペースに変わってしまったため、PCB廃棄物が椅子と一緒に回収されたものと思われます。

学校の中で、教頭しかPCB廃棄物の存在を知らなかったのも問題です。

情報を共有していなかったことよりも、「移動禁止」の張り紙など、誰もがわかる状態でPCB廃棄物を保管していなかったことが、不祥事の引き金になりました。

来年になると、「PCB特措法」が制定されてから10年が経過することになります。

1年に1回しか保管状況を調べないという、普通の人間の感覚からすると、存在自体を忘れてしまいがちな手続きですから、
今一度、「人間は誰もが忘れる生き物である」という前提に立ち、知識を持っていない人でも、間違った処理をしないような方策を考え、誰でもそれがわかる状態を維持し続けることが重要です。

あなたの企業では、PCBの保管は適切に行われていますか?

「俺がいるうちは大丈夫!」ではなく、誰が見ても間違えないような管理を継承できるよう、今のうちに工夫をしておいてくださいね。

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