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  • 2017年9月13日 · · · 農業者による野焼きの是非
  • 2017年9月11日 · · · 総務省が太陽光発電設備の処理に関して経産・環境両省に勧告
  • 2017年9月5日 · · · JAごとう及び職員2名が不法投棄容疑で起訴される
  • 2017年9月4日 · · · むしろ感謝状を贈るべきでは?
  • 2017年9月1日 · · · 本日は金沢市で講演です
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    農業者による野焼きの是非

    兵庫県にある「みた」ではなく「さんだ(三田)」市が、市内の農業者による野焼きに対し、所轄の三田警察署が急に取り締まりを強化したことに苦慮しているそうです。

    2017年9月13日付 神戸新聞 「野焼き違法? 三田市と警察の見解相違に農家困惑

     稲わらや刈り取った草を屋外で焼く「野焼き」を巡り、兵庫県三田市内の農家に困惑が広がっている。廃棄物処理法はごみの野焼きを禁止しているが、農業を営む上でやむを得ない場合は例外とし、市は「農家の野焼きは違法ではない」という立場だ。一方、ここ1、2年、市には、三田署の取り締まりに対する農家からの苦情が急増している。12日の市議会一般質問でもこの問題は取り上げられ、森哲男市長が「市と三田署の見解に相違があり、協議が必要」との認識を示した。

     廃棄物処理法に基づき、市は8月下旬、焼却できるものを具体的に例示したチラシを市内の全農家に配布。稲わらのほか、田んぼのあぜや農地の斜面で刈り取った草、農道に繁茂する木や枝を伐採したものを挙げ、プラスチックや段ボールなどは全て違法とする。

     しかし9月に入り、市内の農地で草を燃やしていた60代男性は、三田署員に火を消すよう指導された。「昨年以降、近隣の農家も頻繁に指導を受け、困っている」と男性。風向きや時間帯など近隣への配慮は必要とした上で、「野焼きは害虫駆除にも効果があり、灰も肥料になる。これができないと農業が成り立たない」と打ち明ける。

    個人的な体験として、産業廃棄物の仕事を担当した初日に初めて掛かってきた電話が、三田市環境課係長の「野焼きが野外焼却禁止から除外されている法的根拠の確認」でしたので、記事を感慨深く読みました(笑)。

    肝心の電話は、配属初日で廃棄物処理法のハの字も知らない状態でしたので、先方の言う条文を取りあえず紐解き、「ハイ そうですね」と追認するだけという情けない状態でしたが(苦笑)。

    さて、農業者による“農業を行う上でのやむを得ない”野焼きについては、廃棄物処理法第16条の2によって、罰則の対象から明確に除外されています。

    (焼却禁止)

    廃棄物処理法第十六条の二  何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。

    一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却
    二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
    三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

    (焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却)

    廃棄物処理法施行令第十四条 法第十六条の二第三号の政令で定める廃棄物の焼却は、次のとおりとする。

    一 国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却
    二 震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却
    三 風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却
    四 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却
    五 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの

    しかしながら、神戸新聞の報道によると、三田署は、廃棄物処理法の条文を下記のように厳重に解釈しているようです。

     一方、8月末以降、市には、三田署に指導されるなどした農家から約20件の相談があった。市によると、三田署からは「草はクリーンセンターなどで処分できる。農業者の野焼きでも『やむを得ない』と認められる条件が必要」との見解が伝えられたという。

    たしかに、廃棄物処理法施行令第14条第四号には、「やむ得ないものとして行われる廃棄物の焼却」と書かれていますので、論理的には、三田署の考えも正しいと言えなくもありません。

    しかし、草の処理を清掃工場でできるとしても、「農地で刈った草をかき集めて、遠く離れた自宅に梱包して持って帰り、ゴミの日にまとめて出せ」というのは、現実的には非常に困難です。

    それができないからこそ、また、記事でも農家の方がコメントしているように、野焼きは耕作上も不可欠の工程なのですから、「やむを得ない」範囲での野焼きは、取り締まりの対象としないというのが常識と思います。

    野焼きと称しながら、ビニールハウスのビニールや、農作業とは無関係の木製パレット等を燃やしているのであれば、それを犯罪として取り締まるのは当然ですが、純然たる農作業に伴う野焼きまで取り締まるのはやり過ぎという感があります。

    また、記事ではこう書かれていますが、

     同日の一般質問は多くの農家も傍聴。森市長は「市民を混乱させた」と陳謝し、今後、三田署と法解釈などについて協議する方針を示した。一方、三田署は「署が単独で判断できる問題ではなく、今後、県警本部の解釈を伝える」としている。

    兵庫県警全体の判断ではなく、三田署、あるいは生活安全課の独自判断のような気がしてなりません(苦笑)。

    警察が違法行為の取り締まりを行うこと自体はまったく否定しませんが、
    せっかく頑張るのであれば、違法ではない農業者の野焼きよりも、「廃品の無許可回収業者」を捕まえる方が、公共の利益にも合致し、住民を犯罪から守ることにもたやすくつながると思います。

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    2017年9月13日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    総務省が太陽光発電設備の処理に関して経産・環境両省に勧告

    2017年9月8日付で、総務省行政評価局から、「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査<結果に基づく勧告>」が公表されました。

    太陽電池モジュールには鉛が含まれているため、安定型最終処分場にそれを埋めると違法になりますが、
    総務省の調査で、排出事業者が鉛等の有害物質に関する情報提供を行わなかったために、安定型処分場にそれらの廃棄物が埋められた事例が6社もあったとのことです。

    勧告という、両省の是正を強く促す性質を持つ文書関連の発表であるためか、

    国のガイドラインは不明瞭、非具体的・非実用的との意見

    と、なかなか強い口調で問題の核心が指摘されています。

    非実用的とまで酷評されるガイドラインに逆に興味が湧いたので、初めて熟読してみました。

    太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第一版)

    読後の感想は、「た、たしかに非具体的かつ非実用的かもしれない」でした。

    環境省職員を務めるような秀才なら、このガイドラインのように「参考にして下さい」で意味が全部わかるのかもしれませんが、
    世の中の一般的な知識レベルの人間を対象とするならば、この書き方では知りたい情報がまったくわかりません(苦笑)。

    「太陽光発電設備」という単一の製品なのですから、具体的なWDSの記載例を示すのは容易だったはず。

    その点、総務省作成のパワーポイントは、簡潔かつ明瞭ですね。
    改善すべき核心的問題点をズバリと指摘しています。

    1.有害物質情報を容易に確認・入手できるよう措置
    2.排出事業者から産廃処理業者への有害物質情報の提供義務の明確化
    3.適切な埋立方法を明示

    最終的な要点として、「法整備も含め検討」と勧告されていますので、またリサイクル法が増えることになるのでしょうか?

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    2017年9月11日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    JAごとう及び職員2名が不法投棄容疑で起訴される

    本年3月に不法投棄容疑で書類送検されたJAごとうの職員2名が、刑事被告人として起訴された模様です。

    2017年9月2日付 毎日新聞 「廃棄物処理法違反JAごとうと職員2人起訴 /長崎

     産業廃棄物を不法投棄したとして、長崎地検五島支部は8月30日、五島市籠淵町の「JAごとう」と職員2人を長崎地裁五島支部に廃棄物処理法違反で起訴した。長崎地検が31日、発表した。

     起訴された職員は、農産園芸課長のA容疑者(51)と同課職員のB容疑者(37)。起訴状によると、A、B両被告は他の職員5人=3人を同違反で略式起訴、2人を不起訴=と共謀し、2015年11月11、12日、福江ライスセンター敷地内の土中に木くず約5520キロを埋め、みだりに廃棄物を捨てたとしている。

    ※容疑者の氏名は略

    不法投棄した物が、「精米工場で、古くて使えなくなった米の輸送用の木製パレット」とのことですので、
    昨日今日の不法投棄ではなく、相当年季の入った不法投棄なのかもしれません。

    敷地からは少なくとも40t以上の不法投棄物が見つかったとのことですので、敷地を深く掘り返せば、さらに大量の廃棄物が見つかったりして?

    幸い(?)、不法投棄実行者がJAごとう自身ですので、不法投棄物の撤去は滞りなく行われそうです。

    書類送検された時の新聞報道で書かれていましたが、JAごとうが不法投棄に手を染めた理由は、

    処分に金がかかって面倒だった

    という情けないもの。

    食の生産者側に位置する組織が不要物の処分費をケチったという事実に、怖さを感じるのは私だけでしょうか?

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    2017年9月5日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    むしろ感謝状を贈るべきでは?

    大きな学びと笑い(?)を提供してくれた食品廃棄物の不正転売事件に関し、
    事件発覚のきっかけとなった壱番屋が、ダイコーとその元代表者に損害賠償請求を行ったそうです。

    2017年8月30日付 福井新聞 「カレーの壱番屋、産廃業者を提訴

     カレーチェーン店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)の廃棄カツ横流し事件で、放置された廃棄物の処理を肩代わりさせられたなどとして、同社は30日、委託先の産業廃棄物処理業「ダイコー」(同県稲沢市)と大西一幸会長(76)に約2千万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

     事件では、廃棄カツがダイコーから岐阜県羽島市の製麺業者に横流しされ、その後スーパーなどに流通した。壱番屋側は事件発覚で社会的信用が損なわれたほか、ダイコーが処分せず放置していた廃棄物計約8トンの処理で費用を要したなどと主張している。

    一般論としては、そのような訴訟戦術が有効とされる場合もありますが、
    今回の壱番屋の提訴は、戦術と言うよりも、社内のどこか、あるいは誰かの意趣晴らしに見えて仕方がありません。

    たしかに、事件が発覚した2016年1月中旬から2月にかけては、一瞬とは言え、壱番屋がゴミを市場に再流通させたかのような印象を与える報道がありました。

    しかしながら、その後、他メーカーが委託していた食品廃棄物も同様に食品として再流通していたことが続々と発覚し、壱番屋を加害者であるかのように責め立てる報道は皆無になったと記憶しております。

    もっとも、私個人としては、加害者とは言いませんが、ゴミが食品として再流通してしまった事実に対し、壱番屋その他のメーカーは少なくない責任があったと考えていますが。

    これまた一般論としては、このような不祥事に見舞われた場合、企業としての社会的信用が失墜することにより、わかりやすい事象としては、売上高や経常利益が減少する傾向にあります。

    しかるに、壱番屋の場合は、
    2016年7月6日付の産経NEWS 「壱番屋、25%アップで過去最高益 廃棄カツ横流し“被害”乗り越え…海外出店に意欲」で報じられているとおり、

     カレーチェーン店「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)が6日発表した平成28年5月期連結決算は、カレーの販売が好調で売上高が前期比2・0%増の449億円、最終利益は25・8%増の34億円と、いずれも過去最高を更新した。

    と、セオリーがあてはまらない絶好調ぶりを示しています。

    産経NEWSの見出しが、「廃棄カツ横流し“被害”乗り越え」と、「被害」をコーテーションマークで囲っている点が趣深くもあります。

    これは、「引用」の意味なのでしょうか?それとも、「強調」の意味なのでしょうか?(笑)

    上場企業にとっては大きな減損要因になってもおかしくなかった不祥事を難なく乗り切ったせいか、社長さんの口も軽やかです。

     名古屋市内で記者会見した浜島俊哉社長は「英国やインドに今後出店したい」と話した。壱番屋が廃棄した冷凍カツが横流しされた事件については「廃棄を委託する業者の選定方法などを見直した。同じことは起きないと思う」と述べた。

    「廃棄じゃなくて、処理委託なんだよ」というツッコミは、一般的な知識レベルの方に向けるべきものではないのかもしれませんが、「同じことは起きないと思う」という甚だ頼りない希望的観測に、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」に象徴されるリスク軽視の匂いを感じてしまいました。

    信頼できる業者の選定ももちろん重要ですが、
    それ以前に、マニフェストの記載をチェックするという、基本中の基本ができていなければ、また悪い業者に付け込まれることになりそうです。

    報道では「誤記載」となっていますが、ダイコーは「有価物拾集量」を報告していますので、悪徳業者などではなく、希代の正直者だった可能性もあります(笑)。

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    2017年9月4日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    本日は金沢市で講演です

    昨日から金沢入りし、石川県産業廃棄物協会さん主催の会員向け研修に備えております。

    講演テーマは、今もっとも旬な(?)「2017年改正と水銀廃棄物」の解説です。

    2017年改正自体は小幅でしたが、産業廃棄物処理企業にとっては非常に深刻な影響を与えかねない要素がありますので、そのあたりを丁寧に解説する所存です。

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    2017年9月1日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:活動記録

    1988年の漫画で予言されていた画期的ふん害対策

    注:今回の記事は、食事時には読まないことを強くお奨めします。

    飼い犬のふんの放置することは、一般廃棄物の不法投棄に該当します。

    しかしながら、ゲリラ的、かつ日常的に行われる犯罪であるため、それを効果的に抑止する方法がなかなかありませんでしたが、
    京都府宇治市において、ふんの周りをチョークで囲い、日付や時間を地面に書き込むだけで、ふんの放置が激減したそうです。

    2017年5月31日付 京都新聞 「ふん放置、黄色チョークで警告 京都、激減地域も

     道に放置されている犬のふんを減らす方法として、京都府宇治市が呼び掛けている「イエローチョーク作戦」が効果を上げている。ふんの周囲を黄色のチョークで囲うことで飼い主に警告する取り組み。ふん害に悩まされてきた地域では、激減したところもあるという。

     同市では近年、世帯数の増加に伴って飼育される犬が増えており、2016年4月時点で1万1168匹に上る。市に寄せられる犬に関する苦情も増加し、16年度で約90件。そのうち約8割がふん害関連という。

     特に同市宇治-広野町を結ぶ市道下居大久保線(通称カムループス通り)ではふんの放置が多かったため、環境企画課の職員が駐車違反の取り締まりを参考にイエローチョーク作戦を発案した。効果を試すために16年1月から職員が週に2、3回、早朝や夕方に巡回して放置されたふんをチョークで囲い、日付や時間を書いている。ふんは回収しない。

     作戦開始前は約30カ所でふんが放置されていたが、現在はほとんど見られない。同課によると、チョークで強調されたり、日時が記されたりすることで、実際に迷惑を被っている人の存在やその意志が飼い主に伝わり、放置の歯止めにつながっているとみられる。

     市が広報紙や回覧板などで方法を紹介したところ、同年6月からは住民が自ら取り組む地域も出始めており、現在は5カ所ほどで続けられている。効果を聞いた府内のほかの自治体からも問い合わせが来ているという。

     作戦を発案した同課の柴田浩久主査(50)は「ふん害防止の看板を立てるより費用がかからず、住民が手軽に取り組める方法として考えた。全市的に広めていきたい」と話している。

    宇治市の職員は「ふんは回収しない。」とのことですので、ふんの放置を見かねた地元の方が善意で回収しているものと思われます(涙)。

    チョークで囲うだけで放置が減るのであれば、少なくとも日本においては、非常に効果的なふん害対策と言えましょう。

    ただし、誰かが回収しないことには、地面へのチョークの書き込みばかりが増えるという、おぞましいカオス状態になる恐れがありますが、
    宇治市においてはそうならなかったということは、善意で回収する人の犠牲もさることながら、それまで放置をしていた人にも一定の良心が残っていたお蔭なのかもしれません。

    さて、この「コロンブスの卵」的な手法を考え出した宇治市の職員の方のアイディアは、もちろん素晴らしいと思います。

    しかしながら、新聞記事を読んで個人的にすぐ思い出したのが、
    1988(昭和63)年に発表された、山下和美さんの「天才柳沢教授の生活」第2話の一シーンでした。

    主人公の柳沢教授が、道端に落ちたふんを持参したチョークで囲っています。

    柳沢教授は、作者の山下和美さんの実父古瀬大六教授がモデルとのことですので、実際には、古瀬教授は1988年よりもはるか前から既にチョークをお使いになっていたのかもしれません。

    そうなると、数十年以上も前に、時代を先取りした方法を独自に考え出したまさに「天才」と言えます。

    もっとも、漫画では、チョークで書くのは日付や時間ではなく、「犯犬をつかまえろ」という少々過激な表現になっていますが(笑)。

    AmazonのKindle(ソフトをダウンロードすれば、iPadやPCでも閲覧可能)ですと、現在、「天才柳沢教授の生活」の第1巻を無料で読めますので、関心を持たれた方は是非作品の方もお読みください。

    ちなみに、私は全巻を所有しております(笑)。

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    2017年8月29日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    行政指導は行政処分ではない

    EICネットの掲示板に、「ある業者の行政処分履歴を調べるには、行政にどう聞けば良いか?」という質問が掲示されていました。

    しかしながら、質問の内容をよく読むと、質問者が本当に知りたいのは、
    「許可取消」や「事業の全部停止処分」、「改善命令」といった「行政処分」の履歴ではなく、
    「立入検査」や「行政指導」といった「行政指導履歴」というのが真意のようでした。

    どうやら、質問をした方は、「行政処分」と「行政指導」を同列のものとして混同しているようです。

    結論から先に書くと、個別の業者の行政指導履歴については、行政自体がリアルタイムで実数を把握していません。

    すべての業者に対する行政指導履歴をデータベース化している行政は皆無と思われます。

    ここでいう行政指導履歴とは、
    「行政指導を行った日時」や「行政指導の内容」、「指導後の改善結果確認の要否」等の、個々の業者への対応内容のデータを指します。

    「保管基準違反」や「不適正処理」等の、行政として迅速に対応する必要がある事案については、
    その組織内で繰り返し指導履歴が参照されることになりますので、自然とそうしたデータが関係者内で情報共有されることになりますが、
    行政指導は、そのように顕著な法律違反のみならず、日常的な行政活動においても行われるものですので、
    すべての業者に対する行政指導履歴を把握するのは現実的に無理ですし、そもそも把握する必要もありません。

    手続き的には、処理業者名を明示すれば、その業者への行政指導件数等を情報公開請求することも可能ですが、
    前述したように、行政指導は違法ではない状況下でも使用されるものですので、その件数だけを知ったところで、あまり意味がありません。

    なお、国民全体の最大限の利益のために補足しておきますが、
    無意味な目的、かつ内容で情報公開請求をされると、行政サイドはそれに対応するために多大な労力を割かねばならなくなります。

    そのような誰のためにもならない情報公開請求は、「テロリズム」にも等しい不毛な行為と言わざるを得ません。

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    2017年8月28日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:基礎知識

    無許可業者への委託で事業の全部停止60日間(埼玉県)

    最近は、許可取消が妥当と思われる悪質な法律違反に対し、「事業の全部停止処分」で済ませるのが行政トレンドのようです。

    2017年8月16日付 埼玉県発表 「産業廃棄物処理業者に対する行政処分(事業の全部停止 60日間)について

    2 処分内容 事業の全部停止 60日間(平成29年8月16日から平成29年10月14日まで)
    3 処分年月日 平成29年8月16日
    4 処分理由
    (1)委託基準違反
     (被処分者)は、平成28年6月28日から平成28年9月17日の間に産業廃棄物収集運搬業許可を有しない者に少なくとも48回、産業廃棄物の収集運搬を委託した。このことは、法第12条第5項に違反している。
    (2)報告拒否
     平成28年9月20日付けで、(被処分者)に対し、同社が行った産業廃棄物の処理に関して報告を求めたが、同社は一部について報告しなかった。このことは、法第18条第1項に違反している。

     以上のことは、法第14条の3第1号に該当するため。

    当ブログでも度々引用している通知ですが、平成23年に環境省が発した下記通知では、無許可業者への委託という「委託基準違反」は、「許可取消相当」と目安が示されています。

    もちろん、環境省の通知は単なる「技術的助言」に過ぎませんので、そのとおりに行政運用を行わなかったとしても、地方自治体が違法となるわけではありません。

    しかしながら、およそ廃棄物処理法で最も重い罰則である第25条の対象となる違法行為については、やはり原則的に「許可取消」をするのが公平だろうと思います。

    本事案のような無許可業者への委託という違反は、建設廃棄物の処理委託の際に特に起こりやすくなっていますので、建設関連業界の方は、同じ行動で自社の業許可を失わないように十分ご注意ください。

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    2017年8月17日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:行政処分

    「水銀使用製品産業廃棄物」に対する模範的行政対応(大阪府内7行政)

    本年10月1日から施行される「水銀使用製品産業廃棄物」に関して、取扱い方法の詳細がわからず不安に思っている事業者の方は多いものと思います。

    中でも、事業活動に直結する産業廃棄物処理業者の方は、その傾向が強いものと思われます。

    具体的には、
    「現在の許可内容で、そのまま蛍光管等が運べるのか?」
    「許可証に『水銀使用製品産業廃棄物』という名称が記載されるのはいつなのか?」
    という2つのテーマで頭を悩ましている企業が多いのではないでしょうか。

    そのような状況下で、大阪府を初めとする大阪府内7行政は、「水銀使用製品産業廃棄物」等の許可証における取扱い方針をいち早く公表しました。

    2017年8月1日付 大阪府発表
    「水銀使用製品産業廃棄物」及び「水銀含有ばいじん等」の取り扱いについて(積替え又は保管を含まない収集運搬業の場合)

    平成29年10月1日以降、水銀廃棄物の規制が強化されます。
    ・委託契約書の廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれる場合は、その旨を明記する必要があります。
    ・マニフェストの廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれること、また、その数量を記載する必要があります。
    ・帳簿に記載する廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」が含まれる場合は、その旨を明記する必要があります。
    ・「水銀使用製品産業廃棄物」の収集運搬に当たっては、破砕することのないよう、また、他のものと混合することのないように区分して行う必要があります。

    平成29年10月1日以降に発行する許可証には、取り扱う廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」又は「水銀含有ばいじん等」を「含む」又は「除く」旨を明記します。
    ・「水銀使用製品産業廃棄物」「水銀含有ばいじん等」についても、現在の許可証に記載している「石綿含有廃棄物を含む」又は「除く」と同様に記載します。 
    ・施行日に取り扱っている業者は、水銀に係る処理基準を満たしていれば、許可証に「含む」の表記がなくても、引き続き取り扱うことができます。

    平成29年10月1日の時点で、これらの廃棄物を取り扱っている方が、更新申請の前に許可証への記載を希望する場合は、変更届の提出が必要です。

    許可更新がまだまだ先という事業者向けに、変更届を提出すれば、許可証に「水銀使用製品産業廃棄物を含む」と書き換えをしてくれますので、
    「許可証には水銀使用製品産業廃棄物という記載がありませんが、当社は従来どおりの許可内容でそれを運べます」という回りくどい説明を顧客にせずに済みますね。

    いまだ態度、というか取扱い方針を明らかにしない地方自治体が多い中、施行日の2ヶ月前に明確に方針表明をしたのはGood Jobです。

    もっとも、「石綿含有産業廃棄物」の取扱い時とほぼ同じ対応なので、他の自治体もこの内容を踏襲すれば、すぐに実現できる状態でもあります。

    あとは、各自治体担当者のやる気次第ですね。

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    2017年8月8日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2017年

    産業廃棄物の担当は貧乏くじなのか?

    先週の26日(水)は、大阪の天満橋で、近畿地域の地方自治体職員向けに終日講演しておりました。

    資料スライドの一部はこんな感じです。


    ※宣伝 関心が湧いた地方自治体の方は、お声掛けいただければどこでも研修にうかがいます。

    講師としては、「自分が現役公務員だった時に聞きたかった」内容にすべく、約15年間に及ぶ廃棄物処理法に基づく実務体験をふんだんに盛り込みました。

    しかしながら、「基礎的な情報の講話」ではなく、「地方自治体職員の本分」といった非常に暑苦しい内容であったためか、参加者の反応はイマイチに感じられました。

    そこで、参加者の具体的な状況を知るべく、質問を2つ投げかけてみました。

    まず、「この仕事(産業廃棄物担当)に就かれてからまだ2年以内という方は挙手してください」と聞くと、
    8割くらいの方が挙手をしました。

    次に、「自分の今の仕事はやり甲斐があると感じている方は挙手してください」と尋ねると、手を挙げる人はいませんでした(涙)。

    まぁ、やり甲斐を感じている人でも、「当てられて発言させられたらかなわん」と、余計な防衛戦を張って挙手しなかった人がいたかもしれません。

    いや いないかな(苦笑)。

    少なくとも、会場にいた約100名の地方自治体職員の大部分は、現在の担当職務に対して、「嫌々」そして「仕方なく」取り組んでいることだけはわかりました。

    ここで、十把一絡げに「だから今の役人衆はダメなんだ」と言うつもりはありません。

    各自に仕事に対する考え方は、それぞれの人生観にも通底するものであるため、基本的にはどう考えるかは個人の自由です。

    しかしながら、講演の際にも繰り返し述べましたが、産業廃棄物の規制担当という仕事は、そう考えてやり過ごすにはもったいない職務でもあります。

    その理由は、「法令の読解力」のみならず、「観察力」や「交渉力」、「民法・商法等の理解」といった、職業人に求められる様々な資質を同時に開発できる分野だからです。

    特に「観察力」や「交渉力」は、産業廃棄物の規制担当者にとっては極めて重要な資質ですが、それを学ぶためには、一つでも多くの現場体験を積むしかありません。

    一朝一夕に身につくものではありませんが、それらの資質が一定のレベルに達すると、おおよその事態には問題なく対処できるようになります。

    例えば、最初は答えがわからないのでビクビクしながら質問に答えていたとしても、やがては未知の質問が無くなり、ほとんどの質問に対してすぐに回答できる自信を持てるようになります。

    お役所には「保管基準」から「契約書の書き方」といった色々な質問が日々寄せられますが、そのすべてに自信を持って答えられるようになると、職業人として大きな自信を得られるようになります。

    廃棄物処理法は、事務系の役人でも、そうした自信を幅広く得ることができるという珍しい分野ですので、法令や疑義解釈を学ぶ気さえあれば、誰でもすぐに一人前になれます。

    もちろん、これは行政官のみに当てはまる話ではなく、産業廃棄物処理企業や産業廃棄物排出企業で勤める方にとっても当てはまる話です。

    当ブログを更新する理由の一つに、そうした楽しみを一人でも多くの人に味わってもらいたいという思いがあります。

    実際、記事のこの部分まで読み進められた方は、その楽しみにはまってらっしゃるのは間違いないと思います(笑)。

    目の前の仕事を楽しむことは人生を楽しむことにもつながりますので、
    現在の仕事に嫌々取り組んでいる方に、次の二つの言葉を贈ります。

    「慣れるまでが大変だけど、慣れてしまえば楽しいよ~」
    「法令と過去の疑義解釈を真剣に読むだけで、慣れるスピードは大幅に速まるよ~」

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