最新情報

  • 2018年4月24日 · · · 本日は東京で終日講演です
  • 2018年4月23日 · · · 江戸の敵を長崎で討つ?
  • 2018年4月20日 · · · 特別管理産業廃棄物の許可(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)
  • 2018年4月19日 · · · こう考えてはどう?テナントビルの廃棄物(その2 実態)
  • 2018年4月18日 · · · 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成27年度実績)
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    本日は東京で終日講演です

    昨日は金沢で2時間の講演後、東京行の最終新幹線に乗り、日付が変わるころ浜松町のホテルにたどり着きました。

    年のせいか疲れが年々取れにくくなってきましたが、本日は10時から17時まで、日本能率協会さんで終日講演です。

    テナントビルの廃棄物の記事を、昨晩の東京への移動中に執筆しましたが、熟成と見直しの期間を少し置くことにしました。

    熟成をしても、内容のレベル的にはあまり変わらないかもしれませんが(笑)。

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    2018年4月24日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:活動記録

    江戸の敵を長崎で討つ?

    以前も当ブログで取り上げた話題ですが、
    兵庫県三田市で、農業者による野焼きの是非に関し、三田市と兵庫県警三田署による喧々諤々の議論が続いているようです。

    2018年4月21日付 毎日新聞 「野焼き 見解に深まる対立 廃棄物処理法、抵触か例外か 昨春、三田で発生の4件巡り/兵庫

     三田市で昨春、農家が稲わらなどを焼いて燃え広がり、消防が出動する騒ぎが相次いだ。このうちの4件を巡り、市と三田署が野焼きを禁じた廃棄物処理法に抵触するかどうかで見解が対立し、同法を所管する環境省が法の趣旨を示して話し合いでの解決を促す事態に発展した。だが、市と署の立場は平行線をたどり、論争に決着がつかないまま今年の作付けの季節を迎えた。

     4件は昨年3~5月にかけて発生。市内で農家や兼業農家が畑やあぜ、空き地で雑草、木の枝、枯れ草を刈り取り、その場で燃やした。燃え広がったので、うち3件は消防車が出動して消し止めた。

     野焼きは廃棄物処理法で原則として禁止されている。一方で、慣習などの「やむを得ない」場合か周囲の生活環境に与える影響が軽微な場合は、野焼きであっても取り締まりの対象とはならない。具体例も通知で例示されていて、どんど焼き(慣習)やたき火(軽微なもの)が該当する。農家が稲わらなどを焼くこともその一つだ。ただ、実際に例外とみなすかどうかは自治体が判断することになっている。

     このため署は、消防車が出動するなどの騒ぎになった昨春の4件について「たとえ営農目的でも、やむを得ない場合に当たらない廃棄物の焼却だ」と市に意見を求めた。野焼きとして取り締まりの対象になるという見解だった。これに対し、市は、4件とも例外に該当すると回答、「営農上やむを得ない」もので取り締まりの対象外だという判断だった。

    なにゆえに三田署は農業者の野焼きを目の敵にしているのかといぶかしく思っておりましたが、今回の毎日新聞の報道により、その疑問が解消しました。

    野焼きが延焼したことに怒ってるんですね。

    その気持ちはよくわかる。

    たしかに、農業者による野焼きだからといって、農地以外に延焼させてよいわけがありません。

    しかしながら、延焼を罰したいがために、農業者による野焼きそのものを処罰するというのは、「江戸の敵を長崎で討つ」に似た筋違い、かつやりすぎの印象を受けました。

    全国的には、三田市の廃棄物処理法解釈が一般的なものであり、一般的な理解を超えた法律解釈を警察に認めることが近代社会において望ましいとは決して思えません。

    繰り返しますが、農業者だからといって、野放図に野焼きをすることが認められるとは思っていません。

    隣接地に延焼させる等は、一番やってはいけないことです。

    野焼きをするならば、安全に十分に配慮をし、周辺に住む方の迷惑にならない方法で行うのが当然です。

    ただし、「迷惑にならない方法」の定義については、個人によって許容できる範囲や方法が異なりますので、すり合わせが難しいのも事実です。

    しかし、農業者も住民も、その地域で共に生きていく以上、時間がかかろうとも、そのすり合わせをし続けるしかないのではないでしょうか。

    そうしたプロセスを経ず、農業者を一方的に犯罪者に仕立て上げようとすることが、現代の警察のすべきことなのか?

    不毛で非生産的な国会報道にかまけるのではなく、こうした権力のプチ横暴を批判することこそが、メディアの本分なのではないでしょうか?

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    2018年4月23日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    特別管理産業廃棄物の許可(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

    (通常の産業廃棄物と特別管理産業廃棄物を扱う業者)
    問28 特別管理産業廃棄物の汚泥の収集運搬と特別管理産業廃棄物以外の汚泥の収集運搬を業として行おうとするものは、産業廃棄物収集運搬業の許可と特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可の両方を必要とすると解してよいか。
    答 お見込みのとおり。

    ※注釈
    「産業廃棄物と特別管理産業廃棄物は別物なので、それを取扱う許可が別々なのは当然」と言ってしまうことも可能ですが、
    意外と多くの方が最初は疑問に思う基本情報でもあります。

    「特別管理産業廃棄物の許可があるのであれば、産業廃棄物も問題なく扱えるに違いない」というものです。

    そうではないことは最初に述べたとおりですが、唯一の例外があり、

    「特別管理産業廃棄物(感染性産業廃棄物)」の許可を持つ処理業者が、感染性廃棄物を処理する場合は、(特別管理)一般廃棄物の許可が無くても可能」という規定が、施行規則第10条の20にあります。
    (特別管理廃棄物に該当するばいじんも同様)

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    2018年4月20日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    こう考えてはどう?テナントビルの廃棄物(その2 実態)

    ※関連する連載記事
    テナントビルから発生する廃棄物の排出事業者は誰?
    こう考えてはどう?テナントビルの廃棄物(その1)

    前回の「こう考えてはどう?テナントビルの廃棄物(その1)」では、環境省通知が文句なく適用できそうなケースについて考察しました。

    ただ、通知と、通知ではない場で示された環境省の公式見解の両方を精査すると、通知と見解はどうやら両立できなさそうということもわかりました。

    現実的には、通知の内容が適用できるケースは、テナントビルで発生する廃棄物のうち1割にも満たないレアケースと思われます。

    今回は、残り9割の、いわば一般的な廃棄物の処理形態の実態を考えてみましょう。

    大部分のテナントビルにおいては、ビルの地下や1階フロア等に共用の廃棄物保管スペースが設けられていることと思います。

    あるいは、各フロアに、駅のホームに置いてあるような共用のゴミ箱が置かれていることも多いと思います。

    このような共用の場に捨てられる廃棄物には様々な種類の物が含まれます。

    地域によっては、細かな廃棄物の分別をせず、共用ゴミ箱で雑多な廃棄物を一緒くたに受け入れているケースもあろうかと思いますが、

    捨てられる廃棄物の割合としては、

    ・ダイレクトメール等の「紙ゴミ」
    ・弁当ガラ等の「プラスチック製のゴミ」
    の2つがもっとも多いと思われます。

    これらのテナントビルにおける廃棄物の二巨頭のうち、産業廃棄物と成りえるのは「プラスチック製のゴミ」だけで、「紙ゴミ」は「事業系一般廃棄物」でしかありません。

    近年では、「紙ゴミ」と「プラスチック製のゴミ」の混入及び搬入禁止をうたう地方自治体が増えてはいますが、
    テナントビルで発生する廃棄物の半分以上は、産業廃棄物にあてはまらない「事業系一般廃棄物」と考えられます。

    もちろん、産業廃棄物に該当する「廃プラスチック類」等も、少なからず混入することは確実ですので、厳密には「事業系一般廃棄物と産業廃棄物の混合物」となります。

    しかしながら、「プラスチック製のゴミの混入絶対禁止」をうたっていない地方自治体の場合なら、そのような混合物であっても「あわせ産業廃棄物」として、正規の手数料を支払いさえすれば、問題なく受け入れてくれるのが通例です。

    多くの(全部とは申しません)テナントビルの現状を整理してみましたが、
    ここまでお読みいただくと、「そもそも産業廃棄物として処理委託契約されていないケースの方が多いのではないか?」とお気づきいただけたと思います。

    テナントビルの廃棄物の行き先の大半が、地方自治体が運営している清掃工場である以上、運搬の過程でそれらが不法投棄される確率は限りなく低くなります。

    一般廃棄物か産業廃棄物かという法的に厳密な整理をしなくとも、またマニフェストの交付という面倒な作業をしなくとも、不法投棄されずに、廃棄物も適正に(?)処理されるわけですから、誰もその現実に疑問を抱くことはありません。

    環境省の通知は、「各テナントが産業廃棄物の処理委託を直々に行う」という前提の下で発出されたものですので、
    「そもそも産業廃棄物として扱われていない」という現実との乖離が生じています。

    今回の記事のまとめ

    ・そもそも、テナントビルから出る廃棄物は、「事業系一般廃棄物」として処理されていることが多い
    ・「事業系一般廃棄物」として処理する場合、排出事業者には契約書作成・保存の義務がかからない
    ・そのため、排出事業者が誰になるのかで頭を悩ませる人もいない

    以上、今回は、「法的にはこう解釈すべき」という考察は一切せず、実際の廃棄物処理の状況について整理をしてみました。

    念のために補足しておきますが、「産業廃棄物を事業系一般廃棄物と偽って処理」することを推奨しているつもりはまったくありません。

    次回の記事では、今回整理した現状を踏まえたうえで、排出事業者を誰とすべきか(個人的見解ですが)について考察をします。

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    2018年4月19日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:基礎知識

    産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成27年度実績)

    2018年4月16日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成27年度実績)について」が発表されました。

    1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

    産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも40施設増加しています。

    前年度よりも施設数が増えたのは、

    「廃プラスチック類の破砕施設(+40【前年度の施設数との比較、以下同様】)」
    「木くず又はがれき類の破砕施設(+199)」
    の2施設ですが、これは例年と同じ傾向になります。

    産業廃棄物処理施設の多くが前年度よりも施設数を減らした一方、「木くず又はがれき類の破砕施設」が約200施設も増えたため、施設全体としては前年度から40施設贈となっています。

    「木くず又はがれき類の破砕施設」が増えた背景としては、バイオマス発電の流行がその一因となっているのかもしれません。

    2.産業廃棄物処理業の許可件数

    事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。

    2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減しています。

    「許可件数=新規許可+更新許可+変更許可」ですが、このうち「変更許可」については微々たる数値と思われますので、実質的には「新規許可+更新許可」と考えられます。

    「新規許可」は、各都道府県で新たに産業廃棄物処理業を営む人
    「更新許可」は、それまで許可を持っていた都道府県の許可を再更新する人
    となりますが、

    前年度と比べて、ここ5年間許可件数が減少し続けている理由としては、「新規参入者」と「再更新をする人」の両方が減っているのかもしれません。

    ただし、事業者から自主的に提出された「廃止届」は、前年度よりも大幅に減っていますので、「廃止届を出さずに、許可有効期間の満了をもって自動的に許可を失効させる」事業者の数が多いものと思われます。

    3.取消処分件数の推移


    こちらも「許可件数」と同様に、平成23年度から許可取消件数が激減しています。

    その理由は、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

    平成21年度の1,249件という最高記録は、もはや隔世の感がいたします。

    4.最終処分場の状況

    最終処分場の残余容量(埋立可能な容積)は減少し続けていますが、そこに埋立てる量も年々減少しているため、最終処分場全体の残余年数は少しずつ伸び続けています。

    次の平成28年度には、最終処分量が1千万トンを下回っているかもしれません。

    その他

    やはりと言うべきか、「法第19条の6に基づく措置命令」は1件もありませんでした。

    「法第19条の5に基づく措置命令」はたったの5件と、ここ12年間では最小値となっています。

    本来なら、ダイコー事件に関連して、もっとたくさんの措置命令が出されていたはずなのですが(苦笑)。

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    2018年4月18日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:統計・資料

    加工委託?(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

    (中間処理後の廃棄物の事業者による処理)
    問27 事業者Aが排出した産業廃棄物の中間処理を処分業者Bに委託し、当該中間処理業後の産業廃棄物をA自ら処分する場合、Aは処分業の許可が必要か。
    答 Aがその委託によって中間処理されたA自身の産業廃棄物の処分のみを行う場合は、排出事業者による産業廃棄物の処理として、Aは処分業の許可を要しない。

    ※注釈
    排出事業者が中間処理業者に中間処理を委託するが、その後中間処理後の残さは返してもらい、排出事業者自らが処分
    という前提条件のようです。

    完全にA社の産業廃棄物限定で処理業者B社が中間処理可能、が必須の前提条件となります。

    その理由は、A社以外の排出事業者の産業廃棄物が混入する可能性があるのであれば、A社に戻ってくる中間処理残さには他者が発生させた産業廃棄物が入ることになりますので、その場合は、A社には産業廃棄物処理業の許可が必要となります。

    ここから先は疑義解釈の内容とは少し離れた話になります。

    このような形態は「動産の加工委託」とも解釈できますが、
    加工作業を受託する者には、産業廃棄物処理業の許可が必要かどうか?

    個人的には、産業廃棄物処理業の許可は不要と考えています。

    なぜなら、動産の返却を前提として何らかの加工を委託し、残った物を返却させている以上、その物の所有権を最後まで放棄していないことになり、動産を廃棄物扱いする方が妥当ではないからです。

    「動産」か「廃棄物」かは、廃棄物を考える上で非常に重要なポイントとなります。

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    2018年4月17日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    こう考えてはどう?テナントビルの廃棄物(その1)

    テナントビルから発生する廃棄物の排出事業者は誰?」の続きです。

    通知はあくまでも法律解釈の一つの形態に過ぎず、行政と国民(事業者)との関係性を確定させる効力は持ちません。

    そのため、通知とは異なる法律解釈をしたとしても、法令の条文に違背しない限りにおいては、「通知違反」として罰せられることは有り得ません。

    これは、法治国家においては非常に重要な原理原則ですので、ご存知の方が大半かと思いますが、改めて記しておきます。

    ではなぜ、そのような不確かな効力しか持たない通知が運用されているのか?

    それは、不確かとは言え、一つの解釈基準を行政から体系的にまとめて示してくれた方が、世の中は円滑に動くからです。

    法律解釈が、それぞれの人間の解釈に完全に依拠しているような場合、「私はこう解釈する」「いや、法律には明確に書かれてないので、私はその解釈に反対だ」と、一々議論を行う必要が生じ、それに費やす時間と労力は大幅に無駄となります。

    こうした社会的不合理を抑制するために、行政目線で考えた「法律の規制目的を達するための一定の解釈基準」が通知なのです。

    さて、前置きが長くなりましたが、通知を材料に実務を考える上では重要な基本前提であるため、改めて通知の定義をさせていただきました。

    今回は、まずは通知の基本原則を尊重し、環境省の解釈が問題なく適用される、または積極的に適用すべきケースについて考察します。

    処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、事業者の名義において別途行わなければならない

    この通知で言うところの「事業者」とは、「個々のテナント入居者」を指します。

    通常の賃貸借契約においては、共用部分に設置したゴミ箱や廃棄物保管場所に捨てることが可能な廃棄物については、「共益費」や「管理費」の中から処理費が賄われ、それを捨てた人や企業に個別の廃棄物処理費を求めないことが通例となっています。

    現実的には、このような形で排出される廃棄物の方が多いと想像できますが、先の通知は、その現実ではなく、「個々のテナント入居者が処理費を負担すべき」状況を念頭に置いたもののように見えます。

    通知を適用すべきかどうかの条件としては、
    「各テナントが廃棄物処理費の負担をしているか」
    が非常に重要な視点と思います。

    色々な状況が考えられますが、
    「試薬等の廃液」といった、一般的な産業廃棄物処理業者では処理できない特殊な産業廃棄物を処理委託する例が想定されます。

    このようなケースでは、テナントビルの共用部分に廃棄物を放置(保管とも言えますが)すること自体が不適切ですので、環境省の通知どおりに、各排出事業者(テナント)が産業廃棄物処理業者と契約を結ぶ必要があります。

    廃液以外でも、機械等の大型の重量物についても、「共益費」でコストを賄いきれない場合は、やはり各テナントが直接処理業者に発注をすべきでしょう。

    なお、特別管理産業廃棄物の場合は、処理委託の際に、「特別管理産業廃棄物の種類と数量」その他を書面で情報提供する必要がありますので、ビル管理会社にマニフェストの交付や、特別管理産業廃棄物の引渡し事務を委任することは不適切と言えます。

    厳密には、通知に関係した環境省の公式見解

    契約締結に関し、委任状を交付し委任するのであれば、各テナント会社はその排出事業者責任までをも転嫁しうるものではないが、ビル維持管理会社等が一括して委託契約を締結することは可能である。

    は、特別管理産業廃棄物を委託する場合には不適切となります。

    その理由は、ビル管理会社に特別管理産業廃棄物の性状その他を保証させることは難しいからです。

    このように考えると、通知が問題なく適用されるケースは、
    ・特別管理産業廃棄物ではない産業廃棄物であり、
    ・「共益費」で処理コストを賄うことが不公平と思われる物
    に限定されそうです。

    しかしながら、そうなると、「委任状を交付すれば一括契約可能」という環境省見解は逆に不適切となります(苦笑)。

    今回の考察で分かったことは

    ひょっとすると
    「『通知』と『環境省見解』は両立しないのではないか?」
    ということです。

    私が難しく考えすぎなだけでしょうか?

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    2018年4月16日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:基礎知識

    テナントビルから発生する廃棄物の排出事業者は誰?

    標題は少し勉強した方なら誰でも知っている疑義解釈ですが、改めて再考したいと思います。

    果たして、「テナントビルから発生する廃棄物の排出事業者は誰なのか?」

    常識的な見解としては、
    「そんなの簡単。各テナントでしょ。環境省が通知でそう言っているから。」となります。

    かのアインシュタインが言ったとされる名言の中に

    常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。

    というものがあります。

    テナントビルに関する常識は、18歳以降に身に付けた知識であるのは確実ですが、一度その成り立ちや意義を疑ってみるのも一興かと思い、あえての取組みです(笑)。

    世の中に多数いらっしゃる“賢い人”の中には、「本当に賢い」ほんの一部の人を除くと、「環境省の通知」=「法律」と思い込んでおられる方がほとんどです。

    しかしながら、行政法の“常識”からすると、「環境省の通知」は「ただの通知」であり、「法律と同じ効果を持つ」と真剣に主張する人がいたとすると、逆に正気を疑われることになります。

    とはいえ、環境省の通知に従えば、社会が円滑に回るのであれば、それに従う方が合理的と思いますが、テナントに関する通知の内容は、およそ現実的なものとは思えないものです。

    平成23年3月17日付環廃産発第110317001号

    管理票の交付については、例えば農業協同組合、農業用廃プラスチック類の適正な処理の確保を目的とした協議会又は当該協議会を構成する市町村が農業者の排出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合、ビルの管理者等が当該ビルの賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合、自動車のディーラーが顧客である事業者の排出した使用済み自動車の集荷場所を提供する場合のように、産業廃棄物を運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態がある場合であって、当該産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受けて、当該集荷場所の提供者が自らの名義において管理票の交付等の事務を行っても差し支えないこと。なお、この場合においても、処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、事業者の名義において別途行わなければならないこと。

    通知文としてはこれだけですが、
    当ブログ 2013年7月31日付記事 「テナントビルのビル管理会社への契約委任の可否」でご紹介したとおり、
    環境省は実際の契約形態として、「ビル管理会社にテナントから委任状を交付すれば、一括契約しても良い」という見解を公的に示しています。

    ・契約締結に関し、委任状を交付し委任するのであれば、各テナント会社はその排出事業者責任までをも転嫁しうるものではないが、ビル維持管理会社等が一括して委託契約を締結することは可能である。
    ・なお、廃棄物処理法上、産業廃棄物の処理を委託する場合には、当該産業廃棄物の処分の場所や、受託者の許可の範囲等を記載した委託契約書により行うことを義務付け、委託者である排出事業者に、受託者が適切に当該産業廃棄物の処理の事業を行えるかどうかを確認させ、排出事業者責任の徹底を図っているところであり、この趣旨からは、委託者である排出事業者が受託者と自ら直接契約を締結することが望ましい。

    実務的には、全テナントからビル管理会社への委任状を提出させ、それを産業廃棄物処理委託契約書に添付するということは、現実離れした話となります。

    テナントの数が増えれば増えるほど、テナントの出入りも激しくなり、出入りのたびに委任状の管理ができるのかという話です。

    おそらく、と言うよりは普通は無理です。

    考えてみてください。

    テナントがたった10社だったとしても、一括契約の場合は、そのうちの1社が入れ替わるだけで、契約の当事者に一部変更が生じることになりますので、変更契約が必要となります。

    およそ無理な話ですし、一般的には、テナントの入れ替わりに付随して、産業廃棄物処理委託契約に関する委任状まで取得している、廃棄物処理法に異常に熱心なビル管理会社など無いものと思われます。

    「それでもウチは環境省の見解どおりにやってます!」というビル管理会社がいらっしゃったら、表彰をしたいと思いますので、是非名乗り出てください(笑)。

    このように、最初の形式的な契約書はいざ知らず、その後の契約書のメンテナンスは誰もやっていないと思われます。

    おそらく、環境省の出先機関である地方環境事務所も、テナントとしてそのような直接契約はしていないのではないでしょうか?
    ※やってたらゴメンナサイ。

    これでは、誰も守る気が無いのに、建前だけで前例踏襲を続けているだけとなります。

    ではどうするのが良いか?

    次回、私見ではありますが、「廃棄物の形態」や「処理料金の負担者」によって、望ましい排出事業者が誰かを定義したいと考えております。

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    2018年4月13日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:基礎知識

    施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.5(雑品スクラップ保管場所の届出義務免除対象)

    ※関連記事
    施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.1(電子マニフェストの義務付け対象)
    施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.2(電子マニフェストの登録及び報告期限)
    施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.3(電子マニフェストの運用義務免除)
    施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.4(グループ企業によるみなし処理)

    第5弾は、「雑品スクラップ保管場所の届出義務免除対象」についてです。

    関連する条文は、「廃棄物処理法施行規則第13条の2(新設)」となります。

    保管基準や届出の詳細についてはバッサリ省略し、届出義務が免除される対象のみに限定して解説します。

    10日前に届出を行う義務がかからない対象者は次のとおりです。

    1. 廃棄物処理業者の他、各種指定や認定を受けた事業者(ただし、その許可等を受けた事業場のみが免除対象)
    2. 市町村
    3. 都道府県
    4. 有害使用済機器の保管の用に供する事業場(二以上の事業場を有する者にあつては、各事業場)の敷地面積が百平方メートルを超えないものを設置する場合
      (つまり、保管場所ではなく、事業場が100平方メートル以上あると届出の義務がかかる)
    5. 有害使用済機器の保管、処分又は再生以外の事業をその本来の業務として行う場合で、当該本来の業務に付随して有害使用済機器の保管のみを一時的に行うとき
      (例:修理のための保管等)

    「1」で、各種認定としたのは、環境大臣の広域認定から、都道府県知事の再生利用指定等、かなりの数の特例が列挙されているためです。

    ただし、実務的には、廃棄物処理業以外でそれらの特例にあてはまる事業者は少ないと思われますので、分かりやすさを優先し、各種認定の詳細は掲載しません。

    該当するかどうかが気になる方は、施行規則第13条の2でご確認ください。

    今回で、施行規則改正に伴う17年改正法の詳細解説は最後となります。

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    2018年4月12日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2018年

    構内作業(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

    (施設の管理形態)
    問26 排出事業者Aの設置した産業廃棄物処理施設において次の形で維持管理を行う場合、Aは処分業の許可が必要か。
    (1) Aが他の者Bの人員を雇用してAが維持管理する場合
    (2) AがBに当該施設を賃貸してBがBの人員を使用して維持管理する場合
    答 (1)の場合は許可が不要であるが、(2)の場合はBが許可を必要とする。

    ※注釈
    今日では、「規制改革通知」を思い浮かべる人の方が多いと思いますが、「構内での廃棄物処理を他者が行うことの可否」に関する疑義解釈です。

    (1)の直接雇用という部分の解釈を広げ、排出事業者の処理責任が明確にできるのであればという条件付きで、直接雇用でなくとも良いとしたのが、「規制改革通知」の「第三 企業の分社化等に伴う雇用関係の変化に対応した廃棄物処理法上の取扱いの見直し」です。

    しかしながら、実態としては、構内での廃棄物管理作業を、他者と労働者派遣契約を結んで、排出事業者が直接執行しているケースというのはほとんど無いように思います。

    ほとんどの場合は、「請負契約」の形で以前から頼んでいた下請業者に委託をし、排出事業者は下請業者の従業員を直接指揮監督していないのではないでしょうか?

    あるいは、「いや、ウチは下請さんの従業員に細かい指示をしている」と胸を張る方がいるかもしれませんが、労働者派遣契約を締結していない限り、そのような口出しは「偽装請負」となるので要注意ですね。

    単なる「清掃」や「場内の整理整頓」を委託する場合は、「廃棄物処理委託」ではありませんので、通常の請負契約の概念どおりに行えば問題ありません。

    今回の疑義解釈に該当する例を一つ挙げると、

    ある製品の製造工場において発生する廃プラスチック類(包装)を、容量圧縮のため工場内で圧縮しているが、その圧縮作業を、製造事業者ではなく、下請業者に委託をしているような場合となります(下請業者とは労働者派遣契約を結んでいないものとします)。

    この場合、圧縮機自体は製造事業者の所有物ではありますが、
    廃プラスチック類の圧縮作業を、他者である下請業者に委託(請負契約)していることになりますので、
    下請業者には産業廃棄物処理業許可が必要となります。

    こうした状態の企業は現在でもかなり多いのではないでしょうか?

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    2018年4月11日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

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