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  • 2017年7月18日 · · · 雑品スクラップ保管場所の届出義務違反で懲役刑!?
  • 2017年7月14日 · · · もはや許可取消をすべきでは
  • 2017年7月12日 · · · 「正解は一つ」ではないことの方が多い
  • 2017年7月11日 · · · ドローンは単なる撮影道具
  • 2017年7月4日 · · · 新設の管理型処分場は「環境に優しい」
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    雑品スクラップ保管場所の届出義務違反で懲役刑!?

    最初にお断りしておきますが、雑品スクラップ保管場所の届出義務違反で懲役刑になることは有り得ません。

    そんなタイトルにした理由は、某業界新聞に、そのような事実誤認の寄稿文が掲載されていましたので、「事業者は自分自身で条文を読みましょう」という注意喚起を促すためです。

    某業界紙における廃棄物処理法の改正内容に関する解説トピックから抜粋


    ※「1000万円」ではなく、「1000面円」となっているのもご愛敬です。

    最初にこの記事を見たときは、「こんなに重要な改正内容を見逃すとは、ブログの執筆を止めた方が良いかもしれない・・・」と、一瞬だけ自分を恥じました(汗)。

    しかし、
    「いや、法律改正がこんな内容であるはずがない。念のため、該当する条文をもう一度読み返そう。」と気を取り直し、
    雑品スクラップ保管場所保管場所の届出義務(改正廃棄物処理法(以下、改正法)第17条の2)に対応する罰則(改正法第30条)を参照すると、

    と、「30万円以下の罰金」と明記されているではありませんか。

    これで、自分の理解が正しく、記事の内容が事実誤認であることが確定しましたので、
    次に、「どうしてこのようなミスリードをしたのか?」を(お節介にも)勝手に考えてみました。

    25条の罰則は廃棄物処理法で最も重い罰則ですので、普通なら、このようなミスリードを起こす可能性はほとんどありません。

    「そのきっかけとなる記述が条文のどこかにあるはず」という推定の元、改正法第17条の2を精査しました。

    おそらく、下記の改正法第17条の2第3項の準用規定を早とちりしたことが、その原因かと思います。

    改正法第17条の2
    3 次条第1項、第19条第1項、第3項及び第4項、第19条の3(第一号及び第三号を除く。)並びに第19条の5第1項(第二号から第四号までを除く。)及び第2項の規定は、有害使用済機器の保管又は処分を業とする者について準用する。

    上記にある「第19条の5」は措置命令に関する規定ですが、「雑品スクラップの保管が措置命令の対象になるのであれば、措置命令違反は法第25条の罰則の対象なので、5年以下の懲役刑が科されてもおかしくない」と、執筆者は考えたのではないでしょうか?

    取材に基づかない完全に私の個人的推測ですので、外れていたら申し訳ありません。<(_ _)>

    しかしながら、もしも私の推測どおりだとすると、

    雑品スクラップの保管が措置命令の対象になるのであれば、措置命令違反は法第25条の罰則の対象なので、5年以下の懲役刑が科されてもおかしくない

    という連想は、論理的に正しくありません。

    たしかに、届出をせずに雑品スクラップの保管を行い、それが保管基準違反として措置命令の対象になる場合もありますが、
    保管場所の届出義務違反自体は「30万円以下の罰金」の対象でしかなく、
    届出を怠ったからと言って、自動的に「5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金」の対象になるわけではありません。

    措置命令は、生活環境保全上の支障、またはそのおそれに基づいて発出されるものですので、「届出がされていない」という事実に対して発出されるものではありません。

    記事で言うところの「共謀罪」の対象は、「不法投棄」や「野外焼却」等の、それだけで「5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金」の対象となる犯罪ですので、「保管場所の届出義務違反」をそれと結びつけるのは明らかに間違いです。


    「原典に当たる」ということは、常に仕事の基本ですね。

    ブログでは「正しい」と信じていることだけを書くようにしておりますが、私も人間ですので間違いは多々あると思います。

    間違いを見つけた方は、穏やかにメール等でご指摘いただけると幸いです(笑)。

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    2017年7月18日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2017年

    もはや許可取消をすべきでは

    屋外に大量放置された産業廃棄物から出火し、鎮火まで約1ヶ月も掛かったという事件が福岡県で起こりましたが、福岡県は、その出火元の処理業者に対し、許可取消ではなく、異例の長期間に及ぶ事業停止処分を科しました。

    2017年7月12日付 福岡県発表 「産業廃棄物処分業者に対する行政処分について

    2 行政処分の概要
     (1)概   要 産業廃棄物処分業の全部停止(停止期間の開始日の前日までに搬入した産業廃棄物の処分を行う場合を除く。)
     (2)期   間 処分の日から平成30年3月31日まで(産業廃棄物処分業許可申請書に記載された産業廃棄物の保管容量を下回り、産業廃棄物処分業の許可基準に適合した場合は、その期間を短縮する。)
     (3)処分年月日 平成29年7月12日

    3 行政処分の理由
    法14条の3第1号及び第2号による事業の停止命令の要件に該当
    ○ 法12条第1項(産業廃棄物処理基準)違反
    保管している産業廃棄物の量が、産業廃棄物に係る処理施設の1日当たりの処理能力の14倍を超過しており、産業廃棄物の処分の基準(保管基準)に適合していない。

    ○ 法14条第10項第1号(産業廃棄物処分業の許可基準)不適合
    保管している産業廃棄物の量が、産業廃棄物処分業許可申請書に記載された保管容量を超過するとともに、飛散・流出のおそれが認められ、産業廃棄物処分業の許可の基準に適合していない。

    日数を限らず、年度末までの約9ヶ月間の事業停止処分というのは非常に珍しいやり方です。

    ここまで長期間に及ぶ事業停止処分を私は見たことがありません。

    また、万が一、業者が自発的に産業廃棄物の処理を進め、保管基準に適合した状態になった場合は、事業停止期間を短縮するというやり方も初めて見ました。

    行政法的には、行政処分に解除条件を付けることも可能なようですが、「産業廃棄物処分業許可申請書に記載された産業廃棄物の保管容量を下回り、産業廃棄物処分業の許可基準に適合した場合は、その期間を短縮する。」という文章を、解除条件とみなせるかどうかは疑問に思いました。

    あるいは、保管容量が適正になった時点で、福岡県自身が事業の停止処分を撤回するという方法もありますが、大変オリジナリティの高い行政処分事例と言えましょう。

    ただし、被処分者である処理業者には、5年前の平成24年5月に、福岡県から産業廃棄物の大量保管を是正させるための改善命令が発出されていますので、5年間にも及ぶ長期間の改善命令違反の事実を鑑みると、「事業の停止処分」ではなく、「許可取消」の方が妥当に思えます。

    「許可取消をすると、無許可状態になった業者に産業廃棄物の撤去をさせられない」という各地の地方自治体がよく使う常套句が、許可取消をしなかった理由かと思いますが、
    5年待っても撤去をしなかった事業者が、しかも火災による損失を抱えながら、すぐに廃棄物の処理を進め始めるとも思えません。

    火災時は周辺の生活環境を大幅に悪化させていましたが、幸いにも、鎮火後はそのような状態にはないようです。

    もし支障があるのであれば、福岡県は業者に対し措置命令を発出しているはずですので。

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    2017年7月14日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:行政処分

    「正解は一つ」ではないことの方が多い

    「企業存続には人材育成が不可欠」というのは、誰もが同意する命題です。

    問題はそれをどうやって実行していくかです。

    「人材育成と一言で言っても、採用から教育まで色々な内容に分かれるよなあ」と思った方
    大正解です。

    他人様からお金を頂戴し、その対価として講演を行う仕事を始めて12年になりますが、
    時々悩むのは、「人材育成というテーマで90分間講演してください」という抽象度が高すぎるご依頼があったときです。

    社会保険労務士の方なら、労働法や各種の助成金制度を絡めた話をする場合が多いのかもしれません。

    しかし、それはあくまでも「人材育成」のほんの一つの側面にしか過ぎず、企業規模や事業形態によっては、まったく使えない話ということが多々あります。

    特に、「従業員教育をどうやって行うべきか」という一点においては、
    それぞれの企業によって長所や弱点が異なりますので、教育をすべき分野やその方法も千差万別となります。

    研修の主催者側は、本心から参加者の利益になると思い、そのような提案をなさっていることは間違いありませんが、
    実際に話をする当人からすると、「それぞれの会社によって状況はまったく異なるのに、とある一つの成功事例を金科玉条のごとく振りかざすのはいかがなものか…」と、いつも悩みます。

    そんな小さなことにこだわらず、黙って依頼どおりに講演内容を組み立てる方が角が立たないのかもしれません。

    しかしながら、私は、「人材育成に関する方程式というものは存在しないので、2・3の成功事例を参考例として挙げることはできますが、『この方法しか無い』という決めつけで話はできません」と、いつも正直に答えてしまいます(笑)。

    「行政処分の背景やそれを受けないための改善手法」とは異なり、「人材育成」というテーマは抽象度が高すぎるのです。

    もちろん、重要なテーマであることは間違いありませんが、それを方程式化して、「こんな方法で教育をすればOK」と言い切るのは、講師として逆に不誠実だと思うのです。

    そもそも、人間は機械ではありませんので、画一的に教育をするだけでは、個々人の成長が望めないということは、大人なら誰でも知っていることです。

    研修や教育というものは、講師から受講者への一方通行ではあまり意味がありません。

    「どうすれば受講者が行動できるようになるか」というレベルにまで問題を具体化し、そのためのステップを用意する必要があります。

    意味のある研修を行うためには、講師だけではなく、研修の主催者や事務局自身が、「現状の問題点」と「その解決策」を具体的に考えることが不可欠ですね。

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    ドローンは単なる撮影道具

    近々記事にしようと思っているテーマに、「日本にはびこる読解力不足」があります。

    当ブログでもたびたび取り上げている「ドローン」に対する期待の大部分は、その読解力不足の典型例となっています。

    具体例としては、「ドローンを導入すれば、不法投棄を抑制できる」という、論理性のかけらもない「単なる願望」をメディアが大本営発表よろしくそのまま垂れ流しています。

    なんとか学園や、ほにゃらら大学に関する報道の大部分もまた然りです。

    メディアによる間違った情報の垂れ流しは、現代社会における公害と言えますが、
    今回ご紹介する神戸新聞の記事は、そこまでひどいものではなく、淡々と事実を報じた部類に入ります。

    2017年6月28日付 神戸新聞 「違法産廃、ドローンで裏付け 兵庫県警が業者逮捕

     法定量を超える廃棄物を保管しながら、兵庫県の改善命令に従わなかったとして、県警生活環境課と丹波署は27日、廃棄物処理法違反(改善命令違反)の疑いで、丹波市氷上町稲継の産業廃棄物処理業「ビオトープ工業」社長(75)=神戸市東灘区住吉台=を逮捕した。捜査関係者によると、この事件の捜査で県警として初めて小型無人機「ドローン」を活用し、容疑を裏付けたという。

     県警によると、逮捕容疑は、本社敷地内で処理基準量の3倍以上に相当する木くずや廃棄プラスチックなどを保管し、2016年8月に県から撤去するよう命令を受けながら、従わなかった疑い。容疑を認めているという。

     同社は今年3月、県から産業廃棄物処分業の営業許可や収集運搬業の許可を取り消されている。

     捜査関係者によると、県警は5月下旬、山積みされた廃棄物の全体像をつかむため、ドローンを使って撮影したという。

     県警は16年9月以降、カメラを搭載したドローンを3機導入。神戸・ポートアイランドで同年に開催された先進7カ国(G7)神戸保健大臣会合での警戒や神戸マラソンの雑踏警備のほか、海中に転落した車両の捜索などに活用している。

    ドローンを使わなければ立件不可能だったわけではなく、
    ドローンを使用すれば、改善命令違反の事実を証明するための、廃棄物保管量の把握が格段に容易になったというだけの話です。

    捜査コスト削減や捜査員の安全確保のためには、このようにドローンをもっと活用すべきだと思います。

    ただし、記事タイトルの「違法産廃」という表現は正確ではありません。

    被疑者は無許可状態で産業廃棄物を集積したわけではなく、あくまでも保管容量の超過の結果、改善命令違反として立件されているからです。

    保管基準に則って産業廃棄物を保管する限りにおいては、違法ではなく、合法でした。

    このような見出しは、「自動車運転過失致死傷罪」を「殺人」と表現するようなものです。

    日本語の文章表現で売上げを上げるメディアだからこそ、単語の意味を正確に読解していただきたかったと思います。

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    2017年7月11日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    新設の管理型処分場は「環境に優しい」

    2017年7月1日付 毎日新聞 「輪島の産廃処分場計画 県に「建設不許可を」 環境保全求め、市民団体

     輪島市門前町大釜の産業廃棄物処分場建設予定地に絶滅危惧種の鳥ミゾゴイが生息しているとして、市民団体「輪島の産業廃棄物処分場問題を考える会」(板谷外良代表)は30日、県が建設を許可しないことと、周辺の生態系を厳密に守ることを谷本正憲知事に求める申し入れ書を県庁に届けた。環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」スタッフも同席し、「石川は生物多様性や種の保全に熱心な県。専門家と調べ上げ、環境保全の仕組みを進めてほしい」と訴えた。

     ミゾゴイは、ほぼ日本のみで繁殖するサギ科の渡り鳥。生物多様性などの環境の豊かさを示す鳥といわれる。

     会のメンバーとWWFジャパン自然保護室の草刈秀紀さんはこの日、大釜を視察後に県庁を訪ねた。草刈さんは県外の同様の問題を紹介し、「自然の改変を抑え、里山を守る若者を育てる環境共生の取り組みのほうが能登らしいのではないか」と提言した。県側は廃棄物対策課などが対応し、「(建設計画は)手順を踏んでいる。法にのっとり、適切に対応する」と述べた。

    少なくとも、これから設置される、あるいは設置後10年未満の管理型最終処分場は、法規制(特に、維持管理基準)の強化により、周囲の生活環境に支障を与えない操業を維持できるようになっています。

    最終処分場所に降った雨水で土中に浸透したものを「浸透水」と呼びますが、近年新設される管理型最終処分場では、浸透水を外部に排水可能な状態まで浄化する「浸透水処理施設」が軒並み大型化(=浄化能力が増大)しています。

    管理型処分場でもっとも懸念されるのは、「地下水や水源汚染」かと思いますが、
    適切な工事と設備さえあれば、これらのリスクをほぼ抑え込むことが可能になっています。

    もちろん、見えない地下で何が起こるかわかりませんので、リスクを完全にゼロにすることはできませんが、水源や農地に排水が流れ込まないようにする工法が一般的に採用されています。

    また、「最終処分場維持管理積立金」制度の存在により、経営基盤が脆弱な企業と、そうではない企業の峻別が可能になっています。

    管理型最終処分場は、数ある産業廃棄物処理施設の中でもっとも設置困難な施設となり、大昔のような「土地転がし」感覚で安易に参入できるものではなくなりました。

    一部太陽光パネルが設置される箇所があるものの、最終処分場跡地の大部分は緑化されることになりますので、埋立完了後は、埋立前よりも野生生物の数が増えることもよくあります。

    その実例は、
    当ブログ 2017年5月8日付記事 「これが本当の環境再生」でもご紹介しました。

    「最終処分場は原子力発電所と同様に危険」という思い込みは、論理的には間違いと言えます。

    もちろん、希少生物が現在生息している環境を破壊することは最大限避けるべきです。

    そうした場所には極力触れないように、開発計画を立てるのが当然です。

    もっとも、最終処分場の場合は、砕石事業とは異なり、基本的には山を切り崩していくものではありません。

    谷間を埋めて平坦に、あるいは造成をするという事業になりますので、自動車の通路や管理棟の設置を除けば、山を大きく切り開く必要もありません。

    最初に紹介した毎日新聞の記事に戻りますが、
    市民団体の方が言うように、「希少生物が生息するからといって、設置許可を不許可にする」と、行政が違法になります。

    そのため、石川県の「(建設計画は)手順を踏んでいる。法にのっとり、適切に対応する」というコメントは至極真っ当なものです。

    環境保護団体「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」の方が言われているとおり、

    「石川は生物多様性や種の保全に熱心な県。専門家と調べ上げ、環境保全の仕組みを進めてほしい」

    が、もっとも現実的な解決策かと思います。

    事業主のタケエイは東証一部上場企業ですので、そうした面にも真摯に対応されるものと期待しています。

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    2017年7月4日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    会社思いの従業員

    メディア側の業者や市当局への追及が生温いので、下手な芝居を見せつけられたような思いしか残りませんが、それぞれの登場人物が吐いた台詞の背景を考えると、嘘を言っている人とのその数が簡単にわかります。

    ネタばらしをすると興醒めですので、誰が嘘をついているかは皆さんで考えてください(笑)。

    業者でしょうか?市役所でしょうか?はたまた取材記者でしょうか?

    安っぽい筋書きですが、頭の体操にはなります。

    2017年6月29日 毎日放送 「追跡!回収したごみを隣町へ越境するパッカー車!?疑惑業者を直撃取材

    ほのめかしで終わると消化不良になりますので、問題の現実的な側面を少しばかり指摘しておきます。

    まず、告発者である市民オンブズマンの方の

    「これだけひどいのは珍しいですね。要するに全てが香芝市に入っているんです」

    という指摘

    残念ながら、こうした事案は全国的にありふれており、ひどいケースの場合は、一般廃棄物収集運搬業の許可が無い自治体まで回収に赴き、それを一番処理費が安い清掃工場に持ち込む業者が数多く存在します。

    夜間早朝に張り付いてまで取材をし、それをニュースとして取り上げるのであれば、こうしたもっと違法性の高い行為についても報道で取り上げないと不公平だと思います。

    報道対象の収集運搬業者の許可内容がわかりませんが、「香芝市」と「広陵町」の許可を両方とも所持しているのであれば、香芝市の清掃工場において、「映像以外の証拠」で、香芝市内の廃棄物か否かを判断するのは至難の業です。

    搬入してきた廃棄物の袋をすべて破り、排出元を細かく精査するしかないからです。

    まあ、通常の行政活動において、そこまでの手間暇を掛けて展開検査を行う自治体はほとんどありません。

    その例外的な自治体としては、大阪市がありますが、
    そもそも、廃棄物処理法制定から平成初期に至るまでの間、奈良県内の一般廃棄物と産業廃棄物を集めつつ、処理費が安い大阪市の清掃工場に一緒くたに搬入するというのが、奈良県下の収集運搬業者の基本的なビジネスモデル(?)でした。

    大阪市がごみの越境と産業廃棄物の搬入に厳しくなったのは、歴史的な経緯を考えると、つい最近のことと言えます。

    もっとも、大阪市からの規制をもっとも厳しく受ける一般廃棄物収集運搬業者としては、規制が厳しいという実感しか湧いてこないと思いますが・・・

    最後に、このニュースで一番心を打たれた部分について

    Q.広陵町のゴミをとって、そのまま香芝市の美濃園(焼却場)に持っていってるんですけど

    「今聞き初めかな、そんな話聞くのは」

    Q.どういうことですか?

    「今聞き初めやって言うてんの。うちはそんなことをするなと従業員に言っているから、やっていることはやっていないと思っているから。そんなこと聞くのが初めてやって言うてるねん。要するに会社がやらしてるんやったら把握してるわね。会社も何も知らなかったらわからない。現実にあったとしても」

    社長が指示せずとも、従業員の独断で、処理費は安いが回収現場からは遠い清掃工場に、越境をしてでもわざわざ廃棄物の持ち込みをする従業員。

    なんと使命感が強く、愛社精神の強い方なのでしょうか!

    感激の涙が止まりませんでした(笑)。

    ※画像は上掲の毎日放送サイトより転載。

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    2017年7月3日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    「水銀使用製品産業廃棄物」の詳細について

    6月23日に新大阪で開催された、環境省主催の「廃棄物処理法施行令改正説明会(水銀関係)」を傍聴してきました。

    先に東京で同内容の説明会が開催済みだったためか、環境省の担当技官の方の説明は、予想以上にメリハリが効いたわかりやすいものでした。

    また、東京会場で質問が殺到した内容については、具体的な例を挙げて解説が行われていましたので、行政主催の説明会としては”異例の”誠実な印象を受けました。

    今回は、その説明会で解説された、多くの方が実務的に抱くであろう疑問とそれへの回答をご紹介します。

    「水銀使用製品産業廃棄物」

    「水銀使用製品産業廃棄物」の対象については、「『水銀使用製品産業廃棄物』の詳細が確定」 で解説したところですが、対象となる製品を再掲します。

    まず、上掲の37品目が、水銀使用製品産業廃棄物の対象となる「区分1」です。

    次に、「区分1の製品を組み込んで製造された製品」という「区分2」があります。

    「区分2」の具体例として、環境省は、「水銀電池を組み込んだ補聴器」を挙げていました。

    「水銀電池入りの補聴器」は、補聴器全体で「水銀使用製品産業廃棄物」として取扱うことになります。

    ややこしいのは、上掲の表の下部で×印が付けられている製品です。
    すなわち、廃棄物処理法施行規則第7条の2の4第二号の「『前項に掲げる水銀使用製品を材料又は部品として用いて製造される水銀使用製品』から除外されるもの」のことです。

    この具体例としては、日常生活でよく見かける「蛍光ランプ(水銀使用のもの限定)」単体なら、それだけで「水銀使用製品産業廃棄物」になりますが、
    「蛍光ランプが組み込まれた製品であるが、それが外部から判別できないもの」については、「水銀使用製品産業廃棄物から除外する」とのことです。

    もう一つ例を挙げると、
    「水銀を含有した顔料」が、顔料のまま廃棄される場合は、「水銀使用製品産業廃棄物」になりますが、
    「『水銀を含有した顔料』を塗布した製品」については、外部からは水銀含有の有無を判別しがたいため、「水銀使用製品産業廃棄物から除外する」という整理になります。

    最後に、「区分3」として、「水銀又はその化合物の使用に関する表示がされている製品」が対象になるとのことです。

    この条件は表示を見ればわかるので、非常にわかりやすい基準です。

    区分1から3のいずれかに該当する製品が、「水銀使用製品産業廃棄物」の対象になります。

    「水銀使用製品産業廃棄物」の取扱い許可

    改正施行令の施行は2017年10月1日からですので、本年10月の時点では、その品目の取扱い許可を所持した業者はほぼ無いと考えられます。

    しかるに、10月の時点での委託基準としては、「取扱う廃棄物の種類に『水銀使用製品産業廃棄物』が含まれること」となりますので、「全事業者が委託基準違反になるではないか!」という大問題があります。

    本来なら、施行令改正の附則に、経過措置として「改正以前にこれらの廃棄物を取扱っている場合は、許可の有効期間中は、これらの廃棄物の取扱い許可があるものとみなす」といった規定を置くべきかと思いますが、環境省作成の資料では、(そうした経過措置を置かずに)実質的にそのような取扱いにする、と明言されています。

    現実的な問題として、「では、水銀使用製品産業廃棄物の具体的な産業廃棄物の種類は何に該当するのか?」という疑問が湧きますが、
    それについては、「地方自治体ごとに解釈が変わるので、最寄りの地方自治体にご確認ください」と、環境省は回答していました。

    常識的には、「蛍光ランプ」の場合なら、「金属くず」と「ガラスくず」との混合物ということになります。

    業者の許可内容をどうやって確認するのか?

    環境省としては、水銀使用製品産業廃棄物に対応した設備を持つ処理業者に対しては、地方自治体に「許可証の書換え(水銀使用製品産業廃棄物の追記)対応」を文書で依頼するそうですが、当然、すべての地方自治体がそのとおりに書換えをしてくれるわけではありません。

    そのため、「許可証に水銀使用製品産業廃棄物の文字が入っていないけれども、それを扱える業者」がたくさん存在するということになります。

    こうした事情から、実質的には、水銀使用製品産業廃棄物の取扱い許可の有無が許可証で公示されない状態が、最長で5年間続きます。

    では、委託の際にはどうするのか?

    環境省の答えは、
    「排出事業者の責任において、確認をしてください」とのことでした。

    つまり、業者に設備の有無や、水銀使用製品産業廃棄物の処理実績があるかどうか、
    また、水銀使用製品産業廃棄物が該当するであろう許可品目(蛍光ランプの例なら、「金属くず」と「ガラスくず」)を所持しているかどうか、を排出事業者の責任で確かめるということです。

    収集運搬の委託の場合は、現状の許可内容のまま、ほとんどの処理業者が問題なく運べそうですが、
    中間処理の委託の場合は、委託先の処理業者の設備で水銀使用製品を安全に処理できるかどうかを、実地に確認した方が良いですね。

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    2017年6月26日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2017年

    自前処理にこだわる理由は?

    ダイオキシン類の測定を基準値未満になるまでやり直していたことが発覚した高島市が、問題となった焼却炉の使用を本年度中に停止するそうです。

    2017年6月22日付京都新聞 「焼却施設使用停止へ 滋賀・高島市環境センター

     滋賀県高島市の福井正明市長は21日、2018年2月末をもって市環境センター(同市今津町途中谷)で稼働中の焼却施設の使用を停止すると発表した。焼却施設は、環境基準値を超えるダイオキシン類を含むばいじんを7年間にわたって出していたことが14年に発覚。現在は基準値を超えていないが、老朽化が激しいこともあり25年度末をめどに新設する方針を決めた。

     3月から同センターはごみの積み替え拠点として活用し、後継施設を建設するまでの間、「暫定措置」として県外の民間処理業者に委託し、焼却処分する。ごみの出し方など住民への影響はないという。

     同センターは03年4月に運転を始め、市が直営してきた。会見で福井市長はダイオキシン問題に触れ、「近隣自治体や関係者に多大な迷惑をおかけした。あらためておわび申し上げたい」と謝罪した。

     同センターの焼却施設は高温で蒸し焼きにする「流動床ガス化溶融」と呼ばれる特殊な方式を採用。耐用年数は15~20年程度と言われ、老朽化が激しい。高度な運転、管理技術を要するため、この方式を採用するのは、全国で33自治体の施設に過ぎないという。

     市環境センター在り方検討委員会の答申に沿って、ごみ処理の広域化を模索したが、近隣自治体との足並みがそろわず断念。市単独の後継処理施設を市内に建設することにした。

     福井市長は「民間委託はあくまでも暫定措置」とした上で、「現段階では後継施設の適地(建設予定地)は白紙」と強調した。

     同市によると、年間のごみ処理費用は10億円余、市民1人当たり約2万7千円にのぼる。県平均の約1万4千円と比べて極めて高い。民間委託した場合、約6億4700万円となり、大幅な経費圧縮となるという。

    民間委託は「暫定措置」とのことですが、
    「新しい焼却炉の設置場所は白紙」である以上、この暫定措置はかなり長い期間に及びそうです。

    市民の側からすれば、高額な新しい焼却炉をわざわざ高島市単独で作るよりも、既にある(市外の)民間事業者のところで処理してもらう方が安いのであれば、誰も文句を言わないと思います。

    環境負荷も一切高まりませんしね。

    現時点で、高島市が自前処理にこだわる理由はよくわかりませんが、「市内の既存業者への配慮」あたりかと思います。

    しかしながら、これはまったくの杞憂です。

    焼却を民間委託したとしても、一般廃棄物の収集運搬自体は、市か既存の収集運搬業者が行うしかないため、市民にとっても、市内の既存業者にとっても、生活や事業内容は何も変わらないからです。

    一番合理的な方法は、
    現在の焼却炉設置場所を一般廃棄物の集積拠点とし、そこに市か既存業者が集めた一般廃棄物を搬入後、まとめて市外の民間事業者の焼却炉に搬出することです。

    そうすれば、新たな設備投資をすることなく、すぐに年間数億円のコスト削減が可能になります。

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    2017年6月23日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    食品製造会社inガラパゴス!?

    約10kgの廃棄物を野焼きした結果、隣の山に飛び火し、2,000平方メートルを焼き尽くす事件があったそうです。

    2017年6月19日付 メーテレ 「岐阜・関市の山火事 火元の食品製造会社を書類送検

    2017年3月に岐阜県関市で発生した山火事で、火元になった食品製造会社が廃棄物処理法違反などの疑いで書類送検されました。

    廃棄物処理法違反の疑いで書類送検されたのは、関市の食品製造会社「トープロ」と27歳の従業員の男です。警察によりますと男は3月、段ボール約7kgと産業廃棄物にあたる化学繊維製の袋約3kgを会社の敷地内で許可無く燃やした疑いです。焼却処分した時の火が隣の山に燃え広がり約2000平方メートルを焼く山火事となりました。調べに対し男は容疑を認め「3年ほど前に上司から焼却処分の指示を受け以後独断で燃やしていた」と供述しています。

    今時野焼きをする排出企業自体が珍しいですが、火事が起こるまでの3年間、それが発覚しなかったことも驚きです。

    絶海の孤島か、はたまた昭和からタイムスリップしてきた浦島太郎が起こした犯罪としか思えませんが、企業ガバナンス(笑)面からツッコミが可能な箇所として、

    3年ほど前に上司から焼却処分の指示を受け以後独断で燃やしていた

    に反応してみます。

    野焼きが即逮捕可能な直罰になったのは2000(平成12)年からですが、
    3年前に野焼きを指示した時点で、上司と使用者である法人は社員に違法行為を指示したことになります。

    「独断で燃やしていた」という社員のコメントがありますが、最初に上司の指示がある以上、燃やした社員の独断ではありませんね。

    もちろん、そのような背景があったとしても、燃やした社員本人の刑事責任が軽くなるわけではありませんが。

    段ボールは概ね売れる、あるいは無料で引き取ってもらえるものですし、3kgの袋の処理料金などは微々たるものです。

    燃やす必要がないものを燃やさねばならないほど、この会社の経営状況は逼迫していたのでしょうか?

    これだけ杜撰な廃棄物処理が長年継続していたことを考えると、本業となる食品製造も杜撰だったのではないかと勘ぐってしまいました。


    注:イラストと記事の内容に関係はありません。

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    2017年6月20日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    廃棄物処理法改正が公布されました

    既にご存知の方も多いかと思いますが、2017年6月9日付の参議院での可決(全会一致 笑)を受け、廃棄物処理法が改正されました。

    公布は、2017年6月16日付です。
    平成29年6月16日付官報

    改正内容の詳細は、当ブログで既に解説済みですので、繰り返しません。

    改正法の施行日についても原案どおりに可決されましたが、施行日は詳しく解説しておりませんでしたので、今回はそれについて触れておきます。

    政令への委任

    「政令への委任」すなわち、「法律上では定義しない詳細な規定を政令で定める」ことが可能となるのは、改正法の公布日からです。

    理論上は、閣議決定さえすれば、いますぐ改正政令を公布することも可能ですが、現実的には相応の準備・手続き期間が必要となります。

    いつになるのでしょうね?

    「予測」ではなく、完全に「個人的予想」の範疇になりますが、早くても9月末以降になるのではないかと思います。

    改正法の施行日

    改正法の大部分の施行日は、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から」となっていますので、常識的に考えれば、「2018(平成30?)年4月1日から」と思われます。

    唯一、「電子マニフェストの運用の義務付け(特定規模の事業者のみ)」規定については、「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日」となっていますので、若干先の話となります。

    その他

    「有害使用済機器」の保管又は処分を現に行っている事業者については、改正法施行日から6ヶ月以内は、保管場所の届け出をせずに現状どおり保管ができます。

    別の言い方をすると、その6ヶ月の間に、有害使用済機器の保管場所の届け出をしないといけないという意味になります。

    過去記事で解説済みですが、念のため補足しておくと、「廃棄物処理業者」はこの届出の対象から外れます。

    廃棄物処理業の一環としてではなく、雑品スクラップとして買い付け、保管をしている事業者が対象となります。

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    2017年6月19日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:2017年

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