廃棄物管理の基本のサブカテゴリ一覧
不法投棄リスクに備えるのは無駄な努力か?
企業の実務担当者からすると、「そんなのわかってるよ。でも、不法投棄に絶対に巻き込まれない方法が無い以上、リスクへの対処のしようがないじゃないの」という感想を持たれる方が多いようです。
どうも「リスク」という一言で、私が説明を終えた気になっていたのが悪かったようです。
確かに、どれだけ委託契約書やマニフェストを完璧に運用し、頻繁に委託先処理企業を訪問したとしても、その努力によって絶対に不法投棄に巻き込まれないとは断言できません。
実際には、どれだけ排出事業者側が努力したところで、委託先の処理企業が悪意を持った時点で、その努力が無駄になるどころか、委託したはずの廃棄物が簡単に不法投棄されてしまいます。
そうだろ だから 排出事業者が努力したって無駄なんだよ
危険に目をつぶって委託をし、不法投棄が発覚した時点ですぐに撤去に応じるしかないじゃないか!
こう考える企業実務者が多いのかもしれません。
確かに、リスクを、「不法投棄に巻き込まれる可能性」と定義するならば、どれだけリスク管理を徹底しても、リスクの発生確率をゼロにすることは不可能です。
しかし、私が簡単に言ってしまっていた「リスク」を、「万が一不祥事に巻き込まれた場合でも、慣れないリスク対応によって企業の醜態をさらし、企業の信用を一夜にして落とす可能性」と定義した場合はどうでしょうか?
これなら、「平常時からリスク対応に磨きをかけ」、「不祥事に見舞われた場合でも、それに関与していたと疑われないための説明資料を揃え」ておけば、社会に対して恥ずかしくない姿勢で立場を表明できると思いませんか?
不法投棄に巻き込まれる可能性をゼロにすることはできませんが、平常時から準備をすることによって、企業の倒産や、信用を大きく失墜することを防ぐことは十分可能です。
取り返しのつかない段階で、「あの時にこうしておけば良かった・・・」と後悔しなくても済むよう、平常時から、最悪の場合に備えた態勢構築を目指すのがリスク管理の要諦です。
抽象的な言葉ではなく、具体的に考えられる危険性と、それへの現実的な対処方法を説く
これもリスク管理のための重要な要点だと思い知りました。
理想論を語って終わるのではなく、問題を想像可能なレベルに落とし込んだ上で、具体的な対処策を練り上げる
今後はこのレベルに踏み込んでいきたいと思います。
自分への自戒の念を込めて、リスク管理のあり方について考えてみました。
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2010年2月15日|コメント (0)|トラックバック (0)
不法投棄に巻き込まれないための5ヶ条
古紙の再生過程で発生する製紙スラッジ(汚泥)の牧場への不法投棄が発覚し、排出事業者である製紙会社の担当者が逮捕されました。
別のブログで、法律的な問題点を整理・解説しましたので、当ブログでは、不法投棄に巻き込まれないための5ヶ条を解説したいと思います。
※関連記事 All About プロフィール 製紙会社不法投棄に関与か
「我が社とは関係のない事件」としてやり過ごすことも可能ですが、時と場合によっては、あらゆる排出事業者が同じ轍を踏む可能性があります。
「我が社の現状に落ち度はないか?」という観点で、事件報道を再度読み返していただくと、「自社にも関係のあるリスクではないか」と感じていただけるものと思います。
それでは、以下、不法投棄に巻き込まれないための鉄則を簡潔に解説します。
不法投棄に巻き込まれないための5ヶ条
- 廃棄物管理窓口の一元化
- 契約書の管理部署と、廃棄物処理の発注部署が異なっていると、管理部署が想定していない廃棄物処理業者が登場するきっかけになる。
- 少なくとも、契約書の内容や、業者への発注状況などの情報共有を両部署間でしておくことが必須
- 記載事項を充たした委託契約書の作成と保存
- 法定記載事項を網羅していない委託契約書なら、契約書を作っていないのと一緒
- 立派な契約書を作っただけで満足するのではなく、契約終了後5年間は、いつでもすぐ取り出せるように、保管しておく
- 記載漏れのないマニフェストの発行と保存
- 契約書と同様、記載漏れのあるマニフェストも、重大な法律違反とみなされることになるので、ケアレスミスは極力防ぐ
- 紙マニフェストの場合は、5年間の保存義務がある
- マニフェストの発行件数が多い場合は、電子マニフェストに切り替えるのが有効なケースがある
- 委託先処理業者の状況を現地に行って定期的に確認
- 廃棄物処理法改正にも盛り込まれる可能性あり
- リスク管理の基本として、少なくとも、新規契約時には、委託予定処理業者の所を訪問し、処理実態を実際に確認しておくべき
- 廃棄物管理状況を定期的に内部チェックする
- 自社内部の管理ルールが緩んでいないかどうかを常にチェックすること
- 担当者の異動により、それまでは問題なかった管理が、一夜にして疎かにされる危険性を知る
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2010年2月10日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物管理における重要な内部監査ポイント
ISO14001などの内部監査に有効なチェックポイントを解説します。
まずは委託契約書から
1.委託契約を結んだ上で、産業廃棄物の処理委託をしているかどうか
2.委託先の処理業者の許可は現在でも有効か
許可期限が満了している許可証を、そのまま委託契約書に添付している事例がよく見受けられます。
3.契約書に「単価」「数量」が記載されているか
月ごとに単価が変動するような場合は、「単価」の欄に「別途覚書で決定する」などと記載し、契約書と覚書を一緒に保存しておきましょう。
4.委託する産業廃棄物の種類は適法か
委託先業者の許可証をよく確認し、許可を持っていない産業廃棄物を委託しないよう注意します。
5.中間処理の委託の場合は、中間処理後の産業廃棄物の処分場所に注意
木くずなどの管理型品目の中間処理を委託しているのに、中間処理後の最終処分場所として「安定型処分場」が記載されていることがよくあります。
次はマニフェストについて
1.マニフェストがキチンと所定の場所に保存されているか
当り前の話ですが、まずはマニフェストが排出事業者によって発行され、排出事業者自身がチェックをすることが大原則です。
マニフェストがは、返送されてきたとき」から5年間保存しなくてはなりません。
2.委託契約書のとおりに、マニフェストが運用されているかどうか
運搬受託者や、処分受託者として、委託契約の相手方処理業者を記載しているかどうか
3.マニフェストの数量欄に記載はあるか
産業廃棄物の引き渡し時点に正確な重量がわからない場合でも、おおよその目安、たとえば「8立方メートルコンテナ分」などの、ある程度数量を把握できる記載をしておくことが重要です。
委託先処理業者で検量をしている場合は、返送されてくるマニフェストに、正確な重量を記載してもらいましょう。
廃棄物の重量(あるいは容量)は、料金の支払い根拠となる重要な数値です。
4.1枚のマニフェストで複数の産業廃棄物の処理を委託していないか
分離が著しく困難な混合廃棄物でない限り、産業廃棄物の各種類ごとに1枚のマニフェストを発行する必要があります。
パレット(木くず)とポリ袋(廃プラスチック類)の2つの処理を委託する場合、1台のトラックで両方を一緒に運搬することは可能ですが、「木くず」のマニフェスト、「廃プラスチック類」のマニフェストと、2枚のマニフェストを発行することが必要です。
5.マニフェスト発行後90日以内に、運搬終了報告が返ってきているか
特別管理産業廃棄物の場合は、発行後60日以内に返送されていなければなりません
6.マニフェスト発行後180日以内に、最終処分終了報告が返ってきているか
「5」と「6」が満たせていない場合は、排出事業者が委託先業者に確認をし、適切な措置を講じた上で、都道府県知事に報告する必要があります。
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2009年10月30日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:委託契約書, 廃棄物管理の基本, 排出事業者の責任, 産業廃棄物管理票(マニフェスト)
廃棄物処理の仲介に許可は必要?
最近よく聞かれる質問に
「廃棄物処理業者と排出事業者の取引の仲介に、廃棄物処理業の許可は必要ですか?」
というものがあります。
日本の廃棄物発生量は、今後減ることはあっても、増加することはなさそうですので、廃棄物処理関連ビジネスとして、「仲介ビジネス」に活路を見出す企業が増えています。
仲介ビジネスとは、
排出事業者に最適な処理業者を紹介し、仲介手数料として、一定のマージンをいただくビジネスのことです。
仲介サービスを利用すると、
(排出事業者)
- 自社で中間処理業者を探しまわる手間が不要となる
- 直接取引できないような企業でも、仲介会社を通すことによって、委託契約が可能となる
(処理業者)
- 受け入れ基準に合う廃棄物を安定的に集めることが可能となる
といったメリットが生まれます。
それとは逆に、仲介サービスの使い方を間違えると、次のようなリスクが発生してしまいます。
- ブローカーまがいの無責任な仲介により、契約とは違うルートで廃棄物を違法に処理されてしまう
- 不当に高いマージンを請求されてしまう
このように、使い方さえ間違えなければ、仲介サービスを有効に活用することが可能となります。
ここで、今回のメルマガの本題に戻りまして、「仲介に業許可は必要か?」について解説します。
結論から申し上げると、純然たる仲介のみである場合は、廃棄物処理業の許可は不要です。
純然たる仲介は、廃棄物の運搬や処理に携わらず、当事者間の取引をつなぐのみにすぎないからです。
このあたりの解釈は、廃棄物処理法を読んでも明確に書かれていません。
過去、旧厚生省時代に、仲介行為には業許可が不要という通知が出された程度です。
しかし、肝心なこの通知を、環境省は現在HP上で公開しておりません。
どうしても、その通知の内容を読者の方にもお知らせしたかったので、平成10年度の廃棄物六法を古本屋で購入しました(笑)。
平成10年当時は、まだ堂々と?通知の内容を公開していましたので、廃棄物六法にもしっかりとその通知が掲載されていました。
【産業廃棄物の運搬、処分等の委託及び再委託の基準に係る廃棄物の処理及び清掃に関する法律適用上の疑義】公布日:平成6年2月17日
厚生省衛産20号
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛て 厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長通知
産業廃棄物の運搬、処分等の委託及び再委託の基準については、平成六年二月十七日付け衛産第十九号により指示したところであるが、このたび、標記について、平成四年七月の廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の改正法の施行前の通知の見直しも含め、別紙のように取りまとめたので、これに基づき委託基準等の適正な運用を図られたい。
なお、(以下略)別紙
1 委託契約の当事者
(委託のあっ旋)
問1 汚泥の脱水の中間処理業を行っている中小企業等協同組合が二つあるが、この二つが中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)に基づいて合体し、一つの連合会を作った。この連合会が汚泥の排出事業者からその処理の委託を受け、その処理をどちらか適当な協同組合に委ねる方法を考えているが、この行為は法第十二条第三項の委託基準違反になるか。なお、連合会は一つの法人格を持つが、連合会自身に処理能力はない。答 連合会が単に排出事業者と処理業者たる協同組合との間のあっせんを行っているのであれば、法第十二条第三項に違反するものではない。
再び本題に戻ります。
仲介会社は、廃棄物の運搬や積み込み、保管を行うことがまったくできません。
それをしたい場合は、廃棄物処理法の原則どおり、業の許可を取得する必要があります。
ここで、業の許可無しに仲介行為が認められる条件を整理してみます。
(条件1)
仲介会社は、いかなる廃棄物処理にも携わらないこと
(条件2)
廃棄物の処理委託契約は、排出事業者と処理業者が直接契約すること
※先述したように、排出事業者と仲介会社の間で、廃棄物処理委託契約を締結することはできません。
(条件3)
マニフェストは、仲介会社の名義ではなく、排出事業者自身が発行すること
※仲介会社は廃棄物の排出事業者ではありませんので、これも当然の条件です。
(条件4)
排出事業者が処理業者に支払う正味の料金を、廃棄物処理委託契約書に記載すること
※委託料金は、委託契約書の法定記載事項ですので、正確な委託料金を記載する必要があります。
え!それじゃあ 仲介会社を契約書に登場させることはできないのか?
いえいえ 契約書に登場しない相手と取引するのは怖いですよね。
私としては、契約書によって、仲介会社とも契約を結ぶべきと考えています。
これは単なる一例ですが、
例えば、「委託料金の支払い方法については、別途定める」と決めておき、
別途、排出事業者と仲介会社、処理業者の3者によって、料金の支払い方法について契約し、廃棄物処理委託契約と一緒に保存しておくことをお薦めします。
こうしておけば、
廃棄物の委託契約は、廃棄物処理法の原則どおり、排出事業者と処理業者の直接契約
仲介会社に支払うマージンや支払いの流れについては、排出事業者と仲介会社、処理業者の3者契約 という形で、明確に文書化できます。
排出事業者と中間処理業者は、仲介サービスを適切に利用することで、信頼できるビジネスパートナーを確保し
収集運搬業者は、多くの処理企業の情報を有するプロフェッショナルとして、仲介ビジネスにも活路を見出していただければと考えています。
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2009年10月16日|コメント (0)|トラックバック (0)
「あわせ」or「みなし」
最近、多くの自治体の焼却施設で、産業廃棄物の持ち込みを断られるケース
が増えています。
「え!自治体の焼却場で産業廃棄物を受け入れてくれないのは当り前じゃな
いの!?」
一般的にはそのとおりです。
特に、建設系廃棄物や汚泥などの、一度に大量に発生する産業廃棄物の場合
は、それを発生させた事業者の責任で処理しなくてはなりません。
しかし、会社の中で従業員が飲んだペットボトルや、廃棄するボールペンの
場合はどうでしょうか?
上記の「ペットボトル」や「ボールペン」などは、厳密に言うと、
産業廃棄物の「廃プラスチック類」にあたります。
そのため、法律の規定を杓子定規に運用すると、ボールペンを1本だけ廃棄
処分する場合でも、処理委託契約を締結し、マニフェストも発行しなければな
りません。
しかしながら、考えてみれば、普通の家庭生活でも、大量にペットボトルを
排出していますし、ボールペンだって捨てています。
普通の家庭生活から出た廃棄物=生活系廃棄物として、同じペットボトルで
あっても、市町村は処理してくれます
現実的に考えると、会社で発生したゴミを、完全に「一般廃棄物」と「産業
廃棄物」に分別することは不可能ではありませんが、非常に手間がかかります。
そこで、自治体の焼却施設では
「一般家庭から出るゴミと性状が同じ産業廃棄物なら、市町村の焼却炉で
一般廃棄物と合わせて焼却してあげましょう」ということで
産業廃棄物の「ペットボトル」や「ボールペン」を受け入れて処理してくれ
ていました。
もちろん、このような措置は、自治体が超法規的に好意で行ってくれている
のではなく、廃棄物処理法第11条第2項によって
「市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができ
る産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物
の処理をその事務として行うことができる」
と規定し、市町村による、産業廃棄物処理の根拠づけをしています。
実務的には、市町村が、産業廃棄物の処理をすることを「あわせ産業廃棄物」
または「みなし一般廃棄物」と称しています。
一つ注意していただきたいのは、根拠条文の一番後ろの部分なのですが、
市町村が産業廃棄物を処理する根拠としては、
「行うことができる」であり、「行わねばならない」ではないことです。
言わば、あわせ産業廃棄物は、
市町村が民間事業者に対して恩恵的に施してあげるサービスであり、いつ
なんどき、市町村がそのサービスを打ち切ったとしても、民間事業者にはその
決定を変えさせる根拠が無いのです。
じゃあ なんで 今さら市町村はあわせ産廃の処理を中止するの?
それは、市町村の財源のひっ迫がもっとも大きな原因です。
ペットボトルの受け入れを止めたからと言って、市町村の焼却施設の運営
経費が劇的にカットできるわけではありません。
しかし、1本のペットボトルの背後には、ペットボトルの何十倍にも相当
する、本来なら産業廃棄物として処理されるべき「廃プラスチック類」が存在
しています。(例:包装袋、包装容器、その他諸々のプラスチック製品)
そのような一般廃棄物に紛れて搬入される産業廃棄物を削減できれば、
市町村としてはゴミ処理費用が大幅に削減できます。
大阪市の場合は、市内で発生する廃棄物の内訳は、
事業系(一般廃棄物と産業廃棄物の両方を含む)が6割
生活系が4割と発表しています。
仮に、事業系廃棄物の半分が産業廃棄物とすると、産業廃棄物の搬入を全部
止めるだけで、大阪市はゴミの「処理量」を3割も削減することができます。
「発生」量ではなく、「処理」量であるところが味噌です(笑)。
行政が受け入れを中止しようがしまいが、廃棄物は一定量発生し続けます。
しかし、産業廃棄物の受け入れを中止すると、廃棄物の処理量は大幅に削減
できます。
そうなると、
「我々の有難いご指導により、前年に比べて、●割も廃棄物の発生量を削減し
ました」
と胸を張って威張れます。
行政が受け入れない廃棄物は、民間で処理するだけなので、本当は「発生量
の削減」とは言えないんですけどね(苦笑)。
近畿地方では、大阪市、堺市、京都市などの政令指定都市において、市の
焼却場へ搬入する廃棄物には、産業廃棄物を混入させないよう規制が強化され
始めました。
全国すべての自治体が同様の規制をすぐ行うわけではありませんが、大都市
圏の自治体の場合は、遅かれ早かれ同様の規制を行っていくはずです。
「自治体はサービスを勝手に削減してケシカラン」と憤るよりは
「元々の姿(=排出者による産業廃棄物処理の原則)に戻っただけ」と受け
止めていただき、それへの対応を図っていただければと思います。
次号では、産業廃棄物混入の禁止措置に対応していく上での注意点をご解説
いたします。
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2009年9月12日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物処理法の罰則(第32条 両罰規定)
「両罰規定」とは、事業活動に関して従業員が廃棄物処理法違反をした場合、その違反をした従業員のみならず、その人を雇用していた法人又は使用者も罰金刑で処罰されるという規定です。
特に法人については、最悪の場合、1億円の罰金という非常に重い処罰が予定されています。
例えば、ある従業員が勝手に不法投棄をしたとき、従業員個人の刑罰は、「5年以下の懲役または1000万円以下の罰金」ですが、その従業員を使用していた法人にも不法投棄の責任があると認定された場合、法人には最高で1億円の罰金が科される可能性があります。
両罰規定の対象となる違反行為
両罰規定の対象となる行為はたくさんありますが、使用者の法人に対し、最高で「1億円以下の罰金」という、非常に重い罰金が科せられる違反には気をつけなければなりません。
法人に対し、「1億円以下の罰金」が科せられる原因となる違反行為は、「廃棄物処理業の無許可営業」「廃棄物の不正輸出」「不法投棄」「不法焼却」などです。
特に、「廃棄物の不正輸出」「不法投棄」「不法焼却」の3つの場合は、実際にはそれらの行為をやり遂げていない「未遂」であっても、「既遂」の場合と同様、法人に対し「1億円以下の罰金」が科せられる可能性がありますので、注意しておいてください。
両罰規定の存在によって、もっともダメージを受けやすいのは、産業廃棄物処理業者です。例えば、産業廃棄物収集運搬業者のある従業員が、排出事業者に指定された処分先に産業廃棄物を搬入するのを面倒に思い、産業廃棄物を山中に勝手に不法投棄して逮捕されたとします。
この場合、不法投棄は従業員の個人的犯罪で、会社が命令したわけではありません。経営者や監督責任者がまったく関与していないにもかかわらず、両罰規定に基づき、法人として廃棄物処理法上の罰金刑に処せられてしまうと、それが欠格要件に該当してしまいますので、すべての産業廃棄物処理業の許可が取消されてしまいます。
また、マニフェストの運用に関する違反も両罰規定に処罰対象になっていますので、排出事業者の場合でも、両罰規定の対象となり、罰金が科せられる場合があります。そうなると、会社全体の信用を失うことになってしまいます。
たった一人の犯罪が、会社全体に大きな損害を与える危険性を十分認識し、廃棄物処理法に関する理解を深めることが重要です。
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2009年7月 6日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物処理法の罰則(第31条 30万円以下の罰金)
廃棄物処理法第31条は、第30条と同様、「30万円以下の罰金」という刑罰を定めています。
第30条と第31条の違いは、第31条の適用対象は「情報処理センター」または「廃棄物処理センター」の役職員に限られる点です。
具体的には
- 環境大臣の許可を受けないで、情報処理業務を休止、あるいは廃止した場合
- 情報処理業務に関する帳簿を備えなかったり、虚偽の記載をしたとき、あるいは帳簿を保存しなかったとき
- 環境大臣に対して虚偽の報告をしたとき、または報告をしなかったとき
- 環境大臣からの検査を拒んだり、妨害したとき
実務においては、ほとんどの人が関係の無い条文だと思います。
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2009年7月 2日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物処理法の罰則(第30条 30万円以下の罰金)
廃棄物処理法第30条は、「30万円以下の罰金」という刑罰を定めています。
産業廃棄物処理業者には、産業廃棄物の処理に関する帳簿を作成する義務がありますので、帳簿を作成しなかった、あるいは帳簿に虚偽の記載をした場合、その処理業者は「30万円以下の罰金」に処せられます。
また、特別管理産業廃棄物を排出する排出事業者や、産業廃棄物処理施設を設置している排出事業者にも、帳簿を作成する義務がありますので、それらの排出事業者が帳簿を作成しなかった場合、産業廃棄物処理業者のときと同様の罰則が適用されます。
産業廃棄物処理業や産業廃棄物処理施設の内容に変更が生じた際には、その内容を、都道府県知事に届出なければなりませんが、その変更届をしなかった、あるいは虚偽の変更届をした場合も、「30万円以下の罰金」に処せられます。産業廃棄物処理業者のみならず、産業廃棄物処理施設を設置している排出事業者にも、産業廃棄物処理施設の内容に変更が生じた際の届出義務がありますので、変更届を怠ると、同様の罰則が適用されます。
産業廃棄物処理施設の設置者は、その施設の維持管理記録を作成し、施設の稼動に異常がないかなどをチェックしなければなりませんが、その維持管理記録を作らず、または虚偽の記録をした者も、「30万円以下の罰金」に処せられます。
また、産業廃棄物処理施設には、産業廃棄物処理責任者や技術管理者を設置しなければなりません。それらの資格者を設置しなかったときも、同様の刑罰に処せられます。
行政が廃棄物処理法に基づき行う「報告徴収」に対し、報告をしなかった、あるいは虚偽の報告をした者は、「30万円以下の罰金」に処せられます。行政からの立入検査や廃棄物の収去を拒んだ者も、同様の刑罰に処せられます。
以上のように、「30万円以下の罰金」は、帳簿や維持管理記録の整備、行政への届出などの履行を担保する罰則で、全体的に行政の監督機能を高め、あるいは補完する効果を持っています。
これらの罰則は、自ら気をつけていれば、すべて防ぐことができます。
帳簿の整備などは、日々の業務で頻繁に使用するものですので、毎日の業務を、法律的に正しく行うだけでも、コンプライアンス態勢の構築に役立ちます。
もし、行政からの報告徴収や立入検査があった場合は、虚偽の報告をしたり、検査を拒否したりするのではなく、誠実な対応を心がけ、廃棄物処理法上の問題が露見した場合には、何が問題なのかについて行政の指導を受け、問題を根本的に解決するきっかけにするのが良いでしょう。
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2009年6月29日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物処理法の罰則(第29条 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)
廃棄物処理法第29条は、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」という刑罰を定めています。
第29条違反の対象となるのは、
- 欠格要件に該当する事態になったにもかかわらず、それを届け出なかった者又は虚偽の届出をした者
- 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設の変更許可後、「使用前検査を受けずに、施設を使用した者
- 管理票(マニフェスト)を交付しなかった、又は虚偽の記載をした事業者(中間処理業者を含む)
- 管理票の写しを交付しなかった、又は虚偽の記載をして写しを送付した運搬受託者
- 管理票を回付しなかった処分受託者
- 管理票の写しを送付しなかった、又は虚偽の記載をして写しを送付した処分受託者
- 管理票又はその写しを保存しなかった者(保存期間は、5年)
- 虚偽の記載をして管理票を交付した事業者(中間処理業者を含む)
- 運搬又は処分が終了していないのに、管理票の送付又は報告をした者
- 電子マニフェストを使用するため、情報処理センターに虚偽の登録をした者
- 電子マニフェストを使用する場合に、受託した廃棄物の運搬又は処分が終了したにもかかわらず、情報処理センターに報告しなかった又は虚偽の報告をした者
- 行政の管理票制度遵守の勧告に従わず、その勧告に関する措置命令に違反した者
- 土地の形質の変更の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
- 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設で事故が発生し、その設置者が応急的な措置を講じていない場合で、更に都道府県知事からの措置命令にも違反した者
マニフェストの運用に関する罰則が多くなっています。
「たかがマニフェスト」と侮ることなく、場合によっては「懲役刑」に処せられる可能性があることに留意しながら、日々の実務を進めていただきたいと思います。
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2009年6月26日|コメント (0)|トラックバック (0)
廃棄物処理法の罰則(第28条 1年以下の懲役または50万円以下の罰金)
廃棄物処理法第28条は、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」という刑罰を定めています。
第28条違反の対象となるのは、
- 「情報処理センターの役員又は職員で、情報処理業務に関して知った秘密を漏らした者 (役員又は職員を辞めた後でも同様) 」
- 指定区域内での「土地の形質の変更」に関する計画変更命令又は措置命令に違反した者
上記の指定区域とは、
「廃棄物が地下にある土地(埋立処分場など)であって、掘削などを行うと、埋められた廃棄物によって生活環境の保全上の問題が発生するおそれがある場所」のことです。
指定は、都道府県知事が行います。
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2009年6月25日|コメント (0)|トラックバック (0)


