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三者一括契約の可否(3) 推奨できない理由その2

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三者一括契約の可否(1)
三者一括契約の可否(2)

前回は、三者一括契約をお薦めできない実質的な理由を解説いたしました。

今回はもう一つの実質的な理由を解説します。

再度言うまでもありませんが、三者契約とは、それぞれ属性が違う別人格の3つの主体が、一本の契約書によって、一括契約をすることです。

したがって、契約書の中身、例えば「収集運搬料金」などを変更したい場合は、契約書に登場する三者全員で協議し、合意をする必要があります。

場合によっては、収集運搬料金の決定とは関係が無い中間処理業者の一存で、収集運搬料金の変更が認められないという可能性も考えられます。

ただ単に、「三者一括契約にすると、契約書作成の手間が省けて楽」という理由だけならば、後々の契約変更の手間を考えると、三者一括契約は割に合う方法ではないと思われます。

あなたはどう考えますか?

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三者一括契約の可否(2) 推奨できない理由その1

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三者一括契約の可否(1)

前回は、三者一括契約を一通の契約書で行っても違法ではないとご説明しました。

廃棄物処理法第12条第3項は、収集運搬は収集運搬業者に、中間処理は中間処理業者に、「それぞれ委託しなければならない」と決めているだけであり、契約書をそれぞれの業者と1通ずつ交わさなければならないとは書いていないからです。

しかし、だからといって、産業廃棄物の処理委託契約書をすべて1通の契約書で済ませてしまうことには、大きな問題があります。

今回は、その理由の解説です。

三者一括契約をお奨めできない理由 その1
「現地確認がおざなりになりやすい構造だから」

平成6年2月17日衛産20号という通知で、当時の厚生省から、三者契約の可否について、以下のような疑義解釈が示されています。

(三者契約)
問16 排出事業者が産業廃棄物処分業者Aと直接接触してAの能力等を確認することなく、産業廃棄物収集運搬業者Bの説明を聞いたのみで、AとBを契約相手とする、いわゆる三者契約を締結することは委託基準に反すると考えるがどうか。

答 お見込みのとおり。

この通知以後の行政の運用事例から判断すると、問の後段の部分、「いわゆる三者契約を締結することは委託基準に反する」が一人歩きしてしまった感があります。

重要なのはその前提条件で、「排出事業者が産業廃棄物処分業者Aと直接接触してAの能力等を確認することなく、産業廃棄物収集運搬業者Bの説明を聞いたのみで、AとBを契約相手とする」ことが委託基準違反なのだということです。

そのため、排出事業者が個々の委託先をキチンと訪問し、適切な確認作業を行ったうえで、三者一括契約をすること自体はこの通知でも否定していません。

問題は、三者一括契約をすることで、委託先の確認が適切に行われるようになるかどうかです。

先ほど紹介した疑義解釈は、排出事業者責任の不徹底が不法投棄の温床であることに鑑み発出されたものです。

三者一括契約は、ともすれば収集運搬業者が窓口として動き回ることで、排出事業者と中間処理業者が一度も会うことなく、契約行為だけが行われることがほとんどでした。

現在でも、排出事業者の所を訪問するのは収集運搬業者のみで、排出事業者と中間処理業者の間は、意識的に接点を持たない限り、直接会うことはほとんどありません。

二者契約が指導されている現状でもそうなのに、三者一括契約を基本的な契約スタイルとした場合は、さらに状況が悪くなることは間違いありません。

三者一括契約の方が、収集運搬業者がすべての判子を揃えてくれるので楽ですしね。
しかし、2010年の廃棄物処理法改正では、排出事業者の委託先業者の現地確認が(努力)義務化されます。

そうなると、三者一括契約は、違法ではないものの、中間処理業者の処理能力を実際に確認したという補強材料にはなりえません。むしろ、行政や警察の心象的には、ネガティブな印象を与えてしまいます。

人間は誰しも、放っておけば楽な方向に流れてしまいがちです。

あなたに三者契約を厳格に運用する自信があったとしても、あなたの後を引き継ぐ、知識と経験が不足している他人に対しても、あなたと同様の厳格な運用を求めることは無理です。

このように、三者一括契約は、書式そのものよりも、実際の運用結果から生じるリスクを考えると、まったくお奨めできない契約方式です。

違法か合法かという二者択一の判断ではなく、

「合法だけども、使う人によっては致命的なミスを起こしかねない不十分なツール」と、とらえる方が安全なのではないでしょうか。

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三者一括契約の可否(1)

産業廃棄物処理委託契約をする際には、排出事業者と収集運搬事業者、排出事業者と中間処理事業者といった具合に、排出事業者がそれぞれの処理事業者と直接契約を締結するように指導されています。

このような契約形態を、「二者契約」と呼びます。

そのように指導される根拠としては、廃棄物処理法第12条第3項において、

3 事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

と定められているからです。

ここで問題が一つ発生します。

上記の赤字の部分では、「それぞれ委託しなければならない」とされていますが、委託契約はそれぞれの事業者と締結するものの、委託契約書は「排出事業者」、「収集運搬事業者」、「中間処理事業者」の三者一括で契約、つまり一通の契約書で三者全てが契約を締結することは違法なのでしょうか?

合法か違法かという観点のみからすると、一通の契約書で三者をすべて揃えて契約をすることは違法ではありません。

廃棄物処理法では、三者一括契約を禁止する条項が存在しないからです。

ただし・・・

合法だからといって、実務的には、三者一括契約を積極的にはお奨めできません。

(続く)

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廃棄物管理における重要な内部監査ポイント

ISO14001などの内部監査に有効なチェックポイントを解説します。
まずは委託契約書から
1.委託契約を結んだ上で、産業廃棄物の処理委託をしているかどうか
2.委託先の処理業者の許可は現在でも有効か
許可期限が満了している許可証を、そのまま委託契約書に添付している事例がよく見受けられます。
3.契約書に「単価」「数量」が記載されているか
月ごとに単価が変動するような場合は、「単価」の欄に「別途覚書で決定する」などと記載し、契約書と覚書を一緒に保存しておきましょう。
4.委託する産業廃棄物の種類は適法か
委託先業者の許可証をよく確認し、許可を持っていない産業廃棄物を委託しないよう注意します。
5.中間処理の委託の場合は、中間処理後の産業廃棄物の処分場所に注意
木くずなどの管理型品目の中間処理を委託しているのに、中間処理後の最終処分場所として「安定型処分場」が記載されていることがよくあります。
次はマニフェストについて
1.マニフェストがキチンと所定の場所に保存されているか
当り前の話ですが、まずはマニフェストが排出事業者によって発行され、排出事業者自身がチェックをすることが大原則です。
マニフェストがは、返送されてきたとき」から5年間保存しなくてはなりません。
2.委託契約書のとおりに、マニフェストが運用されているかどうか
運搬受託者や、処分受託者として、委託契約の相手方処理業者を記載しているかどうか
3.マニフェストの数量欄に記載はあるか
産業廃棄物の引き渡し時点に正確な重量がわからない場合でも、おおよその目安、たとえば「8立方メートルコンテナ分」などの、ある程度数量を把握できる記載をしておくことが重要です。
委託先処理業者で検量をしている場合は、返送されてくるマニフェストに、正確な重量を記載してもらいましょう。
廃棄物の重量(あるいは容量)は、料金の支払い根拠となる重要な数値です。
4.1枚のマニフェストで複数の産業廃棄物の処理を委託していないか
分離が著しく困難な混合廃棄物でない限り、産業廃棄物の各種類ごとに1枚のマニフェストを発行する必要があります。
パレット(木くず)とポリ袋(廃プラスチック類)の2つの処理を委託する場合、1台のトラックで両方を一緒に運搬することは可能ですが、「木くず」のマニフェスト、「廃プラスチック類」のマニフェストと、2枚のマニフェストを発行することが必要です。
5.マニフェスト発行後90日以内に、運搬終了報告が返ってきているか
特別管理産業廃棄物の場合は、発行後60日以内に返送されていなければなりません
6.マニフェスト発行後180日以内に、最終処分終了報告が返ってきているか
「5」と「6」が満たせていない場合は、排出事業者が委託先業者に確認をし、適切な措置を講じた上で、都道府県知事に報告する必要があります。

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委託契約書の記載事項(2)

収集運搬の委託契約の場合には、中間処理場や最終処分場などの、具体的な運搬先を必ず記載しなければなりません。積替え・保管を行う場合は、積替え・保管を行う場所の所在地、その場所で保管できる産業廃棄物の種類や保管量の上限などを記載しなければなりません。また、積替え保管場所において、安定型産業廃棄物と他の産業廃棄物とを混合させてもよいかどうかを、契約書上で明らかにしておかなければなりません。

中間処理や最終処分を委託する場合は、「どのように」処理をするのかを特に明確にしなければなりません。具体的には、中間処理や最終処分を行う場所の所在地、「破砕」や「埋立」などの産業廃棄物の具体的な処理方法、処理施設の処理能力(例:1日当たり10トン)などを記載しなければなりません。

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委託契約書の記載事項(1)

産業廃棄物処理の委託契約書に、記載しなければならない事項を大別すると、「誰と誰の契約なのか」「何を」「どのように」の3種類になります。

まず、「誰と誰の契約なのか」を明らかにするため、委託者である排出事業者と、受託者である産業廃棄物処理業者の名称などを記載します。

また、委託する産業廃棄物を処理するのに必要な、その処理業者が有している許可の内容を契約書に記載しなければなりません。

契約書の末尾に産業廃棄物処理業の許可証のコピーを添付し、適切な処理業者への委託であることを明確にすることも必要です。

次に、「何を」委託するのかを契約書上で明らかにするため、「木くず」や「廃油」などの具体的な産業廃棄物の種類とその数量を記載します。

「契約の時点では処理費の単価を決められない」という理由で、委託料金を記載していない契約書がよく見受けられますが、委託料金を記載しない契約書では、不適切な委託契約とみなされてしまいますので、注意が必要です。

契約時点で単価などを決定できない場合は、契約書には「別途覚書による」と記載し、後日覚書を取り交わした際に、契約書と覚書を合わせて綴るようにしておきましょう。

「どのように」委託するのかという点に関しては、産業廃棄物の発生工程や、性状・荷姿など、産業廃棄物を安全に処理するのに必要な情報提供の方法を、契約書に明記する必要があります。

産業廃棄物の処理後に、処理業者から排出事業者にその報告を行う方法を、契約書で定めておく必要があります。

通常は、マニフェストを返送することで報告を行うこととしています。

その他、契約の期間や、万が一契約解除になった場合に、残された産業廃棄物をどうやって処理するのか、なども必ず契約書に記載しなければなりません。

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委託契約書を作成する目的

委託契約書を作成する目的のうち、もっとも大きなものは「コンプライアンスのため」と言えます。

通常の商取引の場合は、契約書の存在が無くとも、当事者同士の「売りましょう」「買いましょう」という意思の合致だけで有効に成立しますが、産業廃棄物の処理委託の場合は、契約書を作成せずに委託をしてしまうと、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれの併科」という刑罰に処せられてしまいます。

産業廃棄物処理委託契約書は、委託者(排出事業者)と受託者(産業廃棄物処理業者)の合意に基づき、産業廃棄物の処理方法などを書面の形で明確にしておくために作成します。

委託契約書は、産業廃棄物処理の基本方針を示すものであり、委託者と受託者の間で、産業廃棄物の処理を委託した事実があったことを証明する書面となります。

委託契約書が存在しないと、処理業者が誰の産業廃棄物を処理しているのかわからなくなります。

排出事業者自身の処理責任を全うするためにも、委託契約書を作成し、誰に産業廃棄物の処理を依頼したのかを書面で保存しておくことが必要です。

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委託契約書とは

委託契約書とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産業廃棄物処理業者に委託する際に締結する契約書のことです。

通常の契約行為は、当事者間の意思の合致だけで成立し、契約書という書類があるかどうかは、契約の効力に関係がありません。

しかし、産業廃棄物の処理委託契約は、排出事業者(委託者)と産業廃棄物処理業者(受託者)間で、委託契約書を作成しないと、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」という刑事罰の適用対象となります。

排出事業者が、産業廃棄物の「収集運搬」と「中間処理」のそれぞれを処理業者に委託する場合

・ 収集運搬については、「排出事業者と収集運搬業者」
・ 中間処理については、「排出事業者と中間処理業者」

と、2者間で直接契約しなければなりません。

過去、産業廃棄物処理業者に関する情報が乏しい時代は、処理先の確保や金銭の支払など収集運搬業者頼みの面があり、排出事業者、収集運搬業者及び中間処理業者という3者契約が認められていたときがありましたが、現在では3者契約は委託基準違反となります。

ただし、収集運搬と中間処理を同一の事業者が行う場合は、「収集運搬及び処分委託」として、一本の契約書で契約することが可能です。

中間処理した後の産業廃棄物の処分に関しては、中間処理業者と最終処分業者等との処理委託契約になります。

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