2010年廃棄物処理法改正の解説(2) 事業場外の保管届出
第2回目は、事業場外の保管届出の詳細を解説します。
改正法の条文からは、事業場外で産業廃棄物を保管する場合の届出義務だけは規定されていましたが、「どんな廃棄物が届出対象なのか」「どれくらいの規模が対象なのか」といった、肝心の詳細がわかりませんでした。
8月3日に開催された、第13回廃棄物処理制度専門委員会において、届出義務の対象(案)の詳細が初めて公開されました。
http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0320-13/mat02.pdf
(案)と書きましたのは、今後パブリックコメントの募集後に、改めて政省令の改正が行われ、はじめて確定となるためです。
ただ、今回解説する内容については、ほとんどの方にとっては、改正に反対する理由が無いと思いますので、この原案どおりに決まる気配が濃厚と考えられます。
産業廃棄物が発生する事業場の「外」で産業廃棄物を保管する際に、「事前」の届出義務の対象となるのは、
1.建設系廃棄物(特別管理産業廃棄物の場合も含む)で、
2.300平方メートル以上の場所で保管をする 場合のみとなりそうです。
逆に、事業場の外で産業廃棄物を保管する場合でも、それが建設廃棄物でなければ、届出をする必要が一切無いとも言えます。
建設工事に携わる人にしか関連しない改正となります。
上記の2つの条件に当てはまる場合は、
「あらかじめ」都道府県知事に届出ないと、
「6月以下の懲役、または50万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰の適用対象となってしまいます。
改正内容に追加された背景を考えると、廃棄物保管場所の事前届出義務は、廃棄物の不法投棄対策であることに疑いの余地はありません。
2011年4月1日からは、この規制がかかることになりますので、建設関連業界の方は、今から社内に改正情報の周知をしておくのが良さそうです。
肝心の届出すべき事項については、
「保管場所の所在地」「保管場所の面積」など、それほど難しい内容のものではないので、「あらかじめ」届出ることだけを忘れなければ、それほど恐れる必要はない義務です。
専門委員会では、「届出の対象が300平方メートル以上というのは緩すぎではないか?」という意見が出ていましたが
環境省側の回答は、「既に条例などで同内容の規制を行っている自治体の例を参考にして決めた」とのことでした。
個人的には、300平方メートル以上というのは、まずまず妥当な線ではないかと思っています。
条件をあまりに狭めすぎると、建設会社から提出する書類件数が増える一方、自治体には立入検査などで対応できる限界があるからです。
タグ
2010年8月30日 | コメント/トラックバック(2) | トラックバックURL |
2010年廃棄物処理法改正の解説(1) 帳簿の備え付け
今回から、政省令の改正案を踏まえながら、改めて2010年廃棄物処理法改正の内容を一つずつおさらいしていきます。
第1回目は、政省令の改正のみで実現した、帳簿の備え付け義務の拡大についてです。
2010年4月1日から、下記に当てはまる事業者にも、産業廃棄物処理に関する記録を帳簿に記載することが求められることになります。
- 産業廃棄物が発生する事業所の「外」で、自らその産業廃棄物の処分を行う(排出)事業者
- 産業廃棄物が発生する事業所「内」に、小規模(=設置許可の対象とならない規模)の焼却施設を設置し、自ら焼却を行う事業者
「1」は、自社の拠点から排出される廃棄物を、別の拠点に移動させて自社処分している排出事業者のことです。
「2」は、自社の拠点に、事前の設置許可が必要ない小規模な「焼却施設」を設置し、それで自社処理している排出事業者のことです。
法律改正に先立つ「廃棄物処理制度専門委員会」で示された環境省の原案では、「すべての」小規模処理施設を置く(排出)事業者に対して、帳簿の作成を義務付けたいとされていましたが、
政省令改正案が公開される段になると、「事業所外で処分」あるいは「焼却施設を置く」(排出)事業者のみが対象と、かなりトーンダウンした感があります。
法律上は、産業廃棄物処理施設というのは、廃棄物処理法第15条の条件に該当する施設のみですので、小さな能力しか発揮できない設備の場合は、産業廃棄物処理施設に該当しないことになり、事前に設置許可を取る必要がありません。
最近は、排出事業者が自ら簡易な圧縮機械を導入するなど、廃棄物の削減(減量)の流れが強くなリ始めています。
環境省は、その流れをもっと強めたいと思っているのかいないのか
帳簿の備え付けという煩雑な手続きをいたずらに拡大するのは止めた模様です(笑)。
ちなみに、現在既に帳簿を作成していなければならない事業者は、下記のとおりです。
・産業廃棄物収集運搬業者
・産業廃棄物処分業者
・産業廃棄物処理施設(←第15条の対象になる規模の施設)設置事業者
・特別管理産業廃棄物排出事業者
上記の4つにあてはまりながら、帳簿なんて書いたことが無いという企業の方は、いますぐ帳簿の備え付けを始めてください!
今回の改正では、「焼却施設」がキーワードとして現れることが多いため、環境省は、(廃案にはなりましたが)「地球温暖化対策基本法」の復活を意図し、廃棄物処理法にも布石を打ったのかもしれませんね。
最後に、帳簿に記載すべき内容を記しておきます。
上記の「1」の事業者の場合は、処分する産業廃棄物の種類ごとに、
『運搬』:産業廃棄物が発生した事業場、運搬年月日、運搬方法、運搬先ごとの運搬量、(積替え・保管を行う場合は)積替え・保管の場所ごとの搬出量
『処分』:産業廃棄物の処分を行った場所、処分年月日、処分方法ごとの処分量、処分後の廃棄物の持出先ごとの持出量
上記の「2」の事業者の場合は、焼却する産業廃棄物の種類ごとに、
『処分』:処分年月日、処分方法ごとの処分量、処分後の廃棄物の持出先ごとの持出量
となっています。
タグ
2010年8月20日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
下請が自ら運搬できる条件が明らかに
先にお伝えしている、「第13回廃棄物処理制度専門委員会」において、改正法の条文からはわからなかった、政省令の詳細案が明らかにされました。
上記の委員会では、「帳簿の作成対象事業所の拡大」や「産業廃棄物収集運搬手続きの合理化」など、様々な論点が挙げられていましたが、今回は、多くの方が注目しているであろう「建設廃棄物を下請が運搬する際の取扱い」について解説します。
専門委員会では、環境省から、下請が産業廃棄物収集運搬業の許可無しに、即ち「自ら運搬」できる廃棄物の条件として、施行令を次のように改正したいという提案がされました。
下請が排出事業者として自ら運搬できる廃棄物は、次のすべての条件に該当する場合のみとする
- 建築物に係る修繕維持工事(新築、増築、解体を除く)、又は工事完成引渡し後に工事の一環として行われる軽微な修繕工事で、請負代金が500万円以下の工事
- 特別管理産業廃棄物以外の廃棄物であること
- 1回に運搬する廃棄物の容積が1㎥以下であることが明確な廃棄物
- 積替えのための保管を行わないもの
- 運搬先が元請業者の指定する保管場所又は処理施設で、廃棄物が排出される現場と同一の都道府県内にあること
- 下請が自ら運搬する廃棄物の種類、性状及び量、廃棄物が排出された現場、及び運搬先、廃棄物の運搬を行う期間を具体的に記載した「別紙」(元請と下請の両方の押印が必要)と、「請負契約の写し」を携行すること
※瑕疵補修工事の場合は、建築物その他の工作物の引渡しがなされた事実を確認できる資料も必要
というものでした。
ご覧いただくとわかるように、工作物の維持修繕工事などの場合にしか認められない条件となっていますので、世の中のすべての建設会社が恩恵を受けられるわけではありません。
事実上、「3」の条件にあるとおり、フレコンパック1袋分(1立方メートル)という、非常に少量の廃棄物をささやかに運ぶような場合しか想定していません。
現行案のまま施行令が改正されると、実務上大きな混乱が予想される条件としては、「5」と「6」に注意が必要です。
専門委員会でも、建設業界の委員から苦言が呈されていましたが、「5」の建設現場と同一の都道府県の保管場所か処理施設に運搬する場合に限るという制約をしてしまうと、県境のぎりぎりの場所で工事をしている場合、例えば東京都の江戸川区で工事をしているような場合は、隣県の千葉県で保管をした方が効率的な場合が多いのに、それが(収集運搬業の許可無しに)できないということになります。
環境省はこの条件を、「都道府県の監視の実効性を担保するため」と説明し、変更するつもりが無いと回答しましたが、まったく意味不明な論理です(笑)。
東京都と千葉県の間には関所や壁があるわけではないので、無理矢理行政管轄で分類する意味は本来ありません。
千葉県に東京都の現場で発生した廃棄物が流入することに何の問題があるのでしょうか?
(実際のところは、千葉県はそれを問題視し、流入規制をしていますが・・・)
注:あくまでも、廃棄物を自ら運搬する場合に限っての話で、収集運搬業の許可が無意味だと言っているのではありません。
同一の都道府県内に限るという条件は、現実無視の机上の空理空論に過ぎません。
不適切な保管や流入を防ぎたいのであれば、「発生場所から30km内の距離にある保管場所に限る」など、少量の廃棄物を運搬するのに無理がない範囲を指定する方が実効的です。
「6」の「保管場所等を記載した別紙」や「請負契約の写し」の携行という条件も厳しすぎます。
産業廃棄物の収集運搬車両には、委託契約書の写しの携行を義務付けていないのに、自ら運搬には、「請負契約の写し」の携行を義務付けるというのはアンバランスです。
これでは規制緩和ではなく、純然たる規制強化です。
環境省にそのような意図は無いのかもしれませんが、現実的に非常に使いにくい条件をわざわざ設定し、法律違反を増やそうとしているように感じられます。
これから、8月下旬から9月上旬にかけて、政省令の改正に関するパブリックコメントが募集されるそうですので、関係する業界の方は一致団結してコメントを提出する必要がありそうです。
色々な意味で、2010年の廃棄物処理法改正は、実務や日本の廃棄物処理制度に大きな影響を与えることになりそうです。
その他の政省令改正素案は、当ブログでも順に解説してまいりますが、明日発行するメルマガでは、一足先に総合的に解説いたします。
購読は無料で可能ですので、関心がある方は読者登録をしておいてください。
タグ
2010年8月5日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第15条の4の5(産業廃棄物輸入の許可)
(輸入の許可)
第15条の4の5 廃棄物(航行廃棄物及び携帯廃棄物を除く。第3項において同じ。)を輸入しようとする者は、環境大臣の許可を受けなければならない。
2 (略)3 環境大臣は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
- 一 (略)
- 二 申請者がその国外廃棄物を自ら又は他人に委託して適正に処理することができると認められること。
- 三 申請者がその国外廃棄物の処分を他人に委託して行おうとする者である場合にあつては、その国外廃棄物を国内において処分することにつき相当の理由があると認められること。
今回の法律改正によって、国外の産業廃棄物を日本に輸入できる者の条件が明確にされました。
例えば、電機メーカーなど、直接は輸入廃棄物の処理に携わらない者で、国内の処理業者に処理委託するする場合でも、輸入の許可を受けることができるようになりました。
タグ
2010年6月28日 | コメント/トラックバック(2) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第14条第2項及び第7項(優良処理業者の許可期間伸長)
(産業廃棄物処理業)
第14条 産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条から第14条の3の3まで、第15条の4の2、第15条の4の3第3項及び第15条の4の4第3項に おいて同じ。)の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う 区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らその産業廃棄物を運搬する場合に限る。)、専ら再生利用の目的 となる産業廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りでない。
2 前項の許可は、五年を下らない期間であつて当該許可に係る事業の実施に関する能力及び実績を勘案して政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
3~5 (改正が無いため略)
6 産業廃棄物の処分を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、事業者(自らそ の産業廃棄物を処分する場合に限る。)、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの処分を業として行う者その他環境省令で定める者については、この限りで ない。
7 前項の許可は、五年を下らない期間であつて当該許可に係る事業の実施に関する能力及び実績を勘案して政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
赤字で書いた部分が、今回の法律改正で追加された部分です。
従前は一律「5年間」だった産業廃棄物処理業の許可期間が、「優良性評価制度適合事業者」になった場合には「7年間」に延長されるというものです。
「7年間」と具体的な数字を書きましたが、現段階では、この数字は未確定です。
これから、廃棄物処理法施行令が改正され、その過程で具体的な数字が明らかにされる予定です。
メディアが環境省の担当課長にインタビューした報道を見ると、どの記事でも、担当課長が「7年間に延長する」と明言しているため、確実に7年間で決着しそうです。
優良性評価制度に適合しないことには、この許可期間伸長のインセンティブが受けられないことに注意が必要です。
タグ
2010年6月25日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第12条の3第8項(委託者のマニフェスト返送状況把握義務)
(産業廃棄物管理票)
第12条の3
8 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第3項から第5項まで若しくは第12条の5第5項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、これらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき、又は第14条第13項(処理業者の通知義務)若しくは第14条の4第13項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。
赤字で書いた部分が、今回の法律改正で追加された部分です。
第12条の3第8項は、従前の第12条の3第7項に赤字の部分を追加したものになっています。
第14条第13項及び第14条の4第13項(処理業者の通知義務)というのは、これまた今回の法律改正によって追加された条文です。
詳細は後日解説しますが、処理業者が事業停止処分等の行政処分を受けると、処理業者は委託された廃棄物の処理ができなくなります。
第14条第13項などは、そのような場合に、処理業者に対して、委託者(排出事業者)に「行政処分を受けたたため、委託された廃棄物の処理ができません」と通知をすることを義務付けています。
第12条の3第8項の内容を改めて全部解説すると、
- マニフェストが返ってこない場合
- マニフェストに虚偽記載がある場合
- 行政処分を受けたため廃棄物処理ができない旨の通知を受けた場合
には、委託者(排出事業者)は、まずマニフェストがどの段階で止まっているかを確認するとともに、処理業者のところで不適切な処理が行われていないかを調査することが必要になります。
また、委託者(排出事業者)は、生活環境保全上の支障の発生防止の他、実際に支障が発生している場合は、支障の除去に必要な措置を取らねばなりません。
最後に、委託者(排出事業者)は、上記の一連の行動の結果を都道府県知事に届出ることが必要です。
今回の法律改正によって、上記の「3」の場合にも、一連の調査と生活環境保全上の支障の発生防止義務が発生することになりました。
タグ
2010年6月17日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第12条の3第2項(マニフェストA票の保存義務)
(産業廃棄物管理票)
第12条の3 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第12条の5第1項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
2 前項の規定により管理票を交付した者(以下「管理票交付者」という。)は、当該管理票の写しを当該交付をした日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
第1項は参考のために掲載しています。改正があったわけではありません。
改正は第2項の全文です。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)のA票は、改正前までは保存義務の対象となっていませんでしたが、今回解説する第12条の3第2項によって、A票も保存義務の対象となりました。
実務的には、ほとんどの会社でA票を既に保存していたものと思います。
A票の保存を義務付けることで、後で返送されてくるB2票、D票、E票の記載内容に間違いが無いかの確認を意識付けすることが目的の条文です。
今回の改正によって、A票の保存を怠った場合、廃棄物処理法第29条によって、「6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金」に処せられることになりました。
改正法の施行は2011年からの予定ですが、今からしっかりとA票を保存する習慣を身につけておきましょう!
タグ
2010年6月16日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第12条の2(特別管理産業廃棄物に係る処理)
(事業者の特別管理産業廃棄物に係る処理)
第12条の2
3 事業者は、その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。次項において同じ。)を生ずる事業場の外において、自ら当該特別管理産業廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合その他の環境省令で定める場合を除き、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。4 前項の環境省令で定める場合において、その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる事業場の外において同項に規定する保管を行つた事業者は、当該保管をした日から起算して14日以内に、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
7 事業者は、前2項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該特別管理産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該特別産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
で解説した内容は、特別管理産業廃棄物ではない産業廃棄物に関するものでしたが、特別管理産業廃棄物にもまったく同じ規定が置かれ、「保管場所の事前届出」と「委託先の現地確認」などが、排出事業者の責任として科されることになっています。
特別管理産業廃棄物に関する規制の内容は、産業廃棄物に関する規制とまったく同様ですので、再度の解説は省略します。
上記の個別記事をご参照ください。
タグ
2010年6月14日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第12条第7項(委託先業者の現地確認)
(事業者の処理)
第12条
7 事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
赤字で記載した部分が、今回の法律改正によって追加された部分です。
「産業廃棄物の処理の状況に関する確認」とは、若干不明確な定義ですが、法律改正の内容を検討していた「廃棄物処理制度専門委員会」での議論から判断すると、「処理業者の廃棄物処理現場を実際に訪問し、委託契約のとおりに処理されているかどうかを確認すること」のようです。
処理業者の現場に張り付き、逐一その状況を確認することは不可能ですので、
「排出事業者が自分の目で処理業者の適格性を判断し、その判断に基づいて、適切な委託契約を行いなさい」
という意味合いになります。
ちなみに、本条の最後で、「努めなければならない」とあるように、仮に一切確認を行わなかったとしても、刑事罰に処せられることはありません。すなわち、本条は「努力義務」です。
しかし、排出事業者責任を全うし、廃棄物の処理を適切に進めていくためには、排出事業者自身の目で、委託先業者の適格性を判断することが絶対に必要です。
それに、現場を見ずに委託契約をすると、許可証の記載からは気づかない大きなミスをよくしてしまうものです。
「努力義務だから対応の必要なし」ではなく、あえて努力義務として条文に追加した政府の思いをくみ取り、自社への社会的要請に自発的に応えていくことが重要だと思います。
タグ
2010年6月10日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
2010年改正の逐条解説 第12条第4項(保管場所の届出 災害発生時等の特別の場合)
(事業者の処理)
第12条
4 前項の環境省令で定める場合において、その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において同項に規定する保管を行つた事業者は、当該保管をした日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
本条は、前回解説した、第12条第3項の保管場所の事前届出義務の例外規定です。
(事業者の処理)
第12条
3 事業者は、その事業活動に伴い産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。次項において同じ。)を生ずる事業場の外において、自ら当該産業廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合その他の環境省令で定める場合を除き、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
台風、地震その他の災害が発生した場合、大量の廃棄物が一挙に発生し、それが処理しきれない状況に陥ります。
そのような場合には、「事前に」天災の発生を予測するのはほぼ不可能ですので、事前届出を強制することは合理的ではありません。
そのための規定として、本条の第12条第4項が存在し、災害に由来するような廃棄物を、一時的に事業場の外で保管する場合は、「事前に」ではなく、「保管をした日から14日以内」という合理的な手続き期間を設けています。
どんな場合が第12条第4項の適用対象となるのかは、今後出される環境省令の内容によって決まります。
少なくとも、非常災害については、法律上で規定されているため、「事前」ではなく、「事後」の届出対象となるのは間違いありません。
ちなみに、第12条第3項にあてはまる「事前」届出を怠ると、「6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金(第29条)」に処せられることがありますが、
第12条第4項の「事後」届出を怠った場合は、「20万円以下の過料(第33条)」と、刑事罰の適用対象とはなっていません。
今回の法律改正は、「事前届出」を、刑事罰をもってしてでも必ず取り締まるという、環境省の意思表示と考えることも可能です。
タグ
2010年6月9日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |


