規制改革推進計画のアーカイブ

今後の規制改革(4)-森林バイオマス資源の利用促進-

今後の規制改革推進計画の続きです。

今回は、「今後すぐ取りかかれる規制改革テーマ」として、重要取組課題で取り上げられている、「森林バイオマス資源の利用促進のための規制緩和」について解説します。

【規制改革事項】
森林バイオマス利用の支障となる行政手続(廃棄物処理法の「再生利用指定制度」等)の簡素化
【現状の問題点】

  1. 木くずや林地残材等の森林バイオマスは、その性状や取引価値の有無等にもよるがその多くは「廃棄物」とみなされる場合が多く、収集
    運搬及び加工するためには廃棄物処理法における収集運搬業及び処分業の許可を取得する必要がある。さらに、事業者への業の許可においては、過剰な規制を課
    す自治体もあるなど判断基準にバラツキがあることから、許可取得が円滑に進んでいない。
  2. 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰は、肥料としての活用が期待されるところではあるが、現在、リサイクルの仕組みが不十分であるため、その多くは「廃棄物」として処分されている。

【期待される実現効果】

  • 化石燃料の代替品、チップ化された林地残材が紙パルプやクッション材として利用されるなど、森林バイオマス資源の活用が増大
  • 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰を肥料として活用することで、リサイクル化を促進

上記の提言は、一見すると正論のように見えますが、少し説得力に欠ける論調だと思われます。

その理由は、提言では

各自治体によって許可手続きの基準に差があるため、森林バイオマスの有効利用が進まない

だから、許可申請手続きをもっと簡素化するべきだ

としか述べておらず、規制緩和を実施しなければならない理由を、もっと丁寧に説明する必要があるからです。

現在、すべての廃棄物処理で同様の問題が起こっている以上、その構造的な問題を解決するのではなく、森林バイオマスのみに限定して規制緩和をしなければならない決定的な理由はありません。

それに、林地残材のリサイクルが進まないのは、許可手続きが複雑なためではなく、むしろ、山林からバイオマス資源を運び出すコストの問題や、それを運ぶ道が整備されていないためです。

許可申請手続きを若干緩和したところで、森林バイオマス資源の利用が促進されるとは思えません。

「規制」をスケープゴートにするのではなく、将来の日本にとって必要なことをよく見極めたうえで、「労働力」や「インフラ」などの社会基盤の整備を図っていかねばなりません。

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今後の規制改革推進計画(3)―一廃・産廃区分の再定義―

今後の規制改革推進計画の続きです。

「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」では、廃棄物処理・リサイクルに関する規制改革内容として、「廃棄物の定義の見直し」と「一廃・産廃区分の再定義」が議題にあがっていました。

今回は、「一廃・産廃区分の再定義」について解説します。

②一廃・産廃区分の再定義
【課題】
同一性状の廃棄物であっても排出元によって一般廃棄物・産業廃棄物と異なった区分に分けられ、それぞれ別々に処理する必要があるため、効率的処理が妨げられている。
【具体的施策】

般廃棄物と産業廃棄物の区分を、①拡大生産者責任にて処理を行う製品廃棄物、②家庭から排出される塵芥・厨芥、③一般家庭から排出される自治体の処理困難
物も含めたその他廃棄物に再分類し、②についてのみ自治体責任とする等、処理効率が高く、明確に判断が可能な状態とする。

現状の問題認識については、規制改革会議報告書の指摘に賛同します。

ただし、規制改革会議の提言は、どちらかというと「(生活系)一般廃棄物」を中心とした廃棄物の定義のようです。

現行法上は、「産業廃棄物」をまず定義し、産業廃棄物の定義に当てはまらない廃棄物を「一般廃棄物」と定義する構成となっています。

規制改革会議は、この論理構成を逆にし、まず「生活系一般廃棄物」を定義し、それ以外は「製造業事業者が回収する廃棄物」と、「その他廃棄物」という、非常に雑多なくくり方をしています。

現状では、一般廃棄物約1億トンに対し、産業廃棄物は約4億トン毎年発生しています。

そのため、5分の1しか発生していない一般廃棄物のみを定義し、残りの5分の4を「その他廃棄物」という乱暴な整理をしてしまうと、多くの産業廃棄物が不適切に処理される可能性が非常に高くなってしまいます。

今までは、「廃プラスチック類」や「廃酸」などと、具体的な廃棄物の種類ごとに処理方法が決められていたものを、「その他廃棄物」扱いで一緒くたにまとめて処理するというのは危険極まりありません。

元々、生活系一般廃棄物は現状でも市町村の焼却炉で適切に処理されているわけですから、ここを厳格に改めて定義する必要はほとんどありません。

それよりも、同じ性状の廃棄物であっても、その発生場所がどこかによって「一般廃棄物」か「産業廃棄物」かがわかれるもの、例えば、「木くず」や「紙くず」などの産業廃棄物の定義を緩和する方が重要です。

現行法では、事業活動によって発生した紙くずなどは、製紙業や新聞業、建設工事などから発生したものを除くと、産業廃棄物ではなく一般廃棄物になってしまい、産業廃棄物業者が処理することはできないからです。(注:一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業の両方の許可を取れば可能)

産業廃棄物の定義を現在の社会制度に適合したものに改正し、少なくとも、事業活動によって発生した廃棄物については、すべて産業廃棄物扱いとし、適切な許可を持った産業廃棄物業者が処理できるようにする方が、社会資本の効率的な活用にもなります。

このように、方向性は良いものの、具体的な手法については疑問を感じる規制改革の提言です。

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今後の規制改革推進計画(2)―廃棄物の定義の見直し―

今後の規制改革推進計画の続きです。

「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」では、廃棄物処理・リサイクルに関する規制改革内容として、「廃棄物の定義の見直し」と「一廃・産廃区分の再定義」が議題にあがっていました。

今回は、「廃棄物の定義の見直し」をするのが妥当か否かについて考えます。

①廃棄物の定義の見直し
【課題】
排出された物のうち、無価物・逆有償物のすべてを一旦「廃棄物」と定義し、廃棄物処理法における厳しい規制を課すため、再資源化が妨げられている。
【具体的施策】
リサイクル可能である場合には、無価物・逆有償物であっても廃棄物処理法の規制を適用除外とし、廃棄物を再生資源として最大限活用する。

確かに、「廃棄物」に厳しい規制がかけられているため、場合によっては、規制が再資源化の妨げになっているのも事実です。

しかし、それは理由なく硬直的に制度を運用しているわけではなく、ちゃんとした理由があります。

「廃棄物」とは、「不要物(廃棄物処理法第2条)」であるため、その物を所持していた人がもはや必要としない物です。
もし、「不要物」に対する規制(罰則や処分方法のルール)が無ければ、野放図に道にポイ捨てされることが多くなるであろうことは、火を見るより明らかです。

だからこそ、廃棄物がみだりに投棄されないよう、法律で厳しく規制することが必要なのです。

よく混同されますが、「義務があるからこそ、人間は自由に振舞える」のです。

現状では、「これはお金をつけて買い取ってもらえる物だから、不要物ではないのだ」と主張をし、不当に廃棄物処理法の規制を免れながら、不法投棄や不法埋立といった、安価なテキトー処理をしている輩がたくさんいます。

そのような逸脱者の存在を無視しながら、規制をなし崩しで緩和していくことは危険極まりありません。

規制が厳しい現在でも、法の抜け道を探す勢力があるにもかかわらず、規制緩和だけを先に進めてしまうのは、社会的にも望ましいことではないでしょう。

また、「リサイクル可能かどうか」だけをもって、廃棄物処理法の規制対象から外してしまうのも危険です。

技術上は、大部分の廃棄物は何らかの形でリサイクルが可能です。
例えば、再利用できない品質のものであっても、焼却した時に発生する熱を利用する=サーマルリカバリーという整理が可能だからです。

そのため、「リサイクル可能かどうか」だけでは、廃棄物の要・不要を見極めることは不可能です。

ここは
一律に法律解釈で乗り切るのではなく、ドイツの廃棄物処理制度のように、具体的な廃棄物の種類ごとに、リサイクル技術やリサイクル後の市場性の有無を判断し、個別具体の処理方法を決定する方が妥当と考えられます。

そうすれば、本当にリサイクルが求められている物の有効活用を進めながら、リサイクルと称した脱法行為を厳しく取り締まることが可能となります。

規制緩和も重要なことですが、その規制がなぜ存在するのかを考え、必要な規制については残していくことも重要です。

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今後の規制改革推進計画

12月4日に開催された第5回規制改革会議において、「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」や「重要取組課題」がまとめられ、その内容が公表されました。

更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~
重要取組課題

このタイミングで上記の内容が出された経緯については、規制改革会議の草刈議長から下記のとおり説明されています。
議長会見録から抜粋

○草刈議長 今、説明のあったとおりですけれども、政権が変わってしまって困ったことというの
は2~3、その前からありまして、本来であれば8月に中間とりまとめをやることになっていて、そこで我々の問題意識を整理して、それから、それに対するお役所の反論というものをアタッチして読み取るという作業をして、その後で年末答申という形になるのが今までの自民党政権下のやり
方だったんですが、まず中間とりまとめを出そうと思ったら相手が消えてしまったということです。

それで10 月以降、政権が変わって、向こうの新しい政権の御担当等が決まってきたので、どういうふうに進めるかということだったんですけれども、我々の任期は来年の3月までですので、どういうふうにしようかといろいろ御相談をしたんですが、要するに新政権になってからは、やはり方法論的にも少し今までのやり方と変えたいという御意向もあって、それと同時に、そういう規制改革会議あるいは規制改革の取り組みということについて、余り民主党側にはまとまった形での知見といいますか、そういうものもない。

したがって、仙谷大臣からの御指示で、今までずっとやってきたこと、できなかったこと、それから、やらなければいけないこと。そういうものを全部まとめて、総括という形で出してくださいという御指示がまいりました。それでは、11 月の末にまとめて12 月の頭にそれを出しましょうと
いうことだったんですが、その中で、いわゆる今後、すぐにでも取りかかれるテーマを数件選んで、
それも出してくれというお話になりました。数件と言われても、やり出すとふくらんで13 件にな
ってしまいましたというのが、この「チャレンジテーマ候補(案)」というものです。

それで、中間とりまとめというものも、その後の状況変化も踏まえて、この「規制改革の課題(案)」
という最後の分厚いものにとりまとめて、今日、それもアタッチして、お出ししたということであ
ります。

結論としては、「中間とりまとめ」を発表したということになりそうです。

「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」では、廃棄物処理・リサイクルに関する内容として、「廃棄物の定義の見直し」と「一廃・産廃区分の再定義」が議題にあがっています。

①廃棄物の定義の見直し
【課題】
排出された物のうち、無価物・逆有償物のすべてを一旦「廃棄物」と定義し、廃棄物処理法における厳しい規制を課すため、再資源化が妨げられている。
【具体的施策】
リサイクル可能である場合には、無価物・逆有償物であっても廃棄物処理法の規制を適用除外とし、廃棄物を再生資源として最大限活用する。

②一廃・産廃区分の再定義
【課題】
同一性状の廃棄物であっても排出元によって一般廃棄物・産業廃棄物と異なった区分に分けられ、それぞれ別々に処理する必要があるため、効率的処理が妨げられている。
【具体的施策】
一般廃棄物と産業廃棄物の区分を、①拡大生産者責任にて処理を行う製品廃棄物、②家庭から排出される塵芥・厨芥、③一般家庭から排出される自治体の処理困難物も含めたその他廃棄物に再分類し、②についてのみ自治体責任とする等、処理効率が高く、明確に判断が可能な状態とする。

議長の説明にもあった、「今後すぐとりかかれるテーマ」として、廃棄物処理リサイクル関連では、「木くずなどのバイオマス資源の利用に関する規制緩和」が掲げられています。

【規制改革事項】
森林バイオマス利用の支障となる行政手続(廃棄物処理法の「再生利用指定制度」等)の簡素化
【現状の問題点】

  1. 木くずや林地残材等の森林バイオマスは、その性状や取引価値の有無等にもよるがその多くは「廃棄物」とみなされる場合が多く、収集運搬及び加工するためには廃棄物処理法における収集運搬業及び処分業の許可を取得する必要がある。さらに、事業者への業の許可においては、過剰な規制を課す自治体もあるなど判断基準にバラツキがあることから、許可取得が円滑に進んでいない。
  2. 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰は、肥料としての活用が期待されるところではあるが、現在、リサイクルの仕組みが不十分であるため、その多くは「廃棄物」として処分されている。

【期待される実現効果】

  • 化石燃料の代替品、チップ化された林地残材が紙パルプやクッション材として利用されるなど、森林バイオマス資源の活用が増大
  • 有害物質を含まない木質ペレット等の燃焼灰を肥料として活用することで、リサイクル化を促進

今回は、発表資料からの引用のみにとどめ、次回以降、「本当に改革する必要がある事項なのか」「規制緩和の実現可能性」などについて、解説いたします。

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廃棄物処理法上の行政手続及び書類の電子化・効率化

再改定前の規制改革推進3か年計画重点計画事項から抜粋

廃棄物処理法上の許認可については、現在先行許可証の活用が図られているところであるが、審査の効率化及び添付書類等の削減のさらなる推進のため、住民基本台帳ネットワークの導入も含め、許可申請や許可情報の電子化、許可更新の効率化及び地方公共団体間におけるそれらの情報の共有化について、関係省庁と調整の上、事業者や地方公共団体の意見を踏まえつつ検討を行う

「計画事項」の中に入っている項目ですが、「計画事項」と言うよりも、「一部実行済み事項」と言う方が正確な規制緩和項目です。

環境省は、平成20年3月31日付で、「規制改革推進のための3か年計画(改定)」(平成20年3月25日閣議決定)において平成19年度に講ずることとされた措置(廃棄物処理法の適用関係)について(通知)」という通知によって、申請書類の統一や簡略化を各自治体に呼び掛けました。(環境省が通知を公開していないので、石川県のURLを記載)

この通知の内容を受けて、平成20年度から、一部の自治体において、許可申請手続きの簡略化が進みました。
具体的には、収集運搬業の申請において、廃油などの分析票や、中間処理業者の許可証の写しの添付などが不要となりました。

ただし、計画事項としての本来の主旨、「申請手続きの電子化」については、今のところ実現はしていません。

なぜ、電子化が進まないかをご説明すると

行政が産業廃棄物処理業の許可を出す際には、必ず「犯歴照会」をしなければなりません。

具体的には、暴力団の関係者でないかなどを各都道府県県警本部、懲役や禁錮刑の有無などを本籍地の市町村長などに文書で照会する手続きがあります。

このあたりの手続きが先に電子化されない限り、申請者から電子情報を提出してもらったとしても、行政はその情報を改めて文書化する必要があり、行政側の手間はほとんど変わりません。

さらに、電子申請を可能にするためには、各自治体担当課に住民基本台帳ネットワークにつながる端末を配備する必要がありますが、その端末を不適切に使用されないように、管理を厳重に行う義務も生じます。

これらのことを総合的に判断すると、
「無理に電子化するよりも、現行どおりに住民票などを提出する方が問題は少ない」となってしまい
なかなか電子化が進みにくくなっております。

ただ、国民の側としては、いちいち最寄りの市町村役場に住民票を取りに行くのは面倒ですので、システム面での改善が進み、電子申請が可能になる方が便利なのは言うまでもありません。

電子化が可能になるのは、もうしばらく先のこととなりそうですね。

広域認定制度における他社製品の回収について

再改訂前の規制改革推進3か年計画重点計画事項(平成20年3月25日閣議決定)から抜粋

広域認定制度は、製造事業者等が「製造加工又は販売を行った製品」を自ら適正に処理する場合に、大臣認定の下で廃棄物処理業の許可を不要とするものであり、自社製品(回収の際にやむを得ず一部混合してしまった同一性状の他社製品を含む。)に限って処理が認められているところである。
ただし、現行法においても、製造事業者等が共同して広域認定の申請を行う際は、自社製品でなくとも共同申請事業者の製品については、当該製品の基礎情報及び処理情報等の共有化を図ることを前提として、処理することが可能である。
また、相手先ブランド名による製品製造(いわゆるOEM)による製品については、実際の製造業者が回収することは現行制度でも原則として可能である。
しかし、上記について現行可能である事を認識していない事業者も多いことから、現行制度でも可能であることを必要に応じて周知する。

要約すると
「広域認定を受けた事業者は、自社製品しか処理してはならないのが原則
ただし、OEM製品なら、ブランド名とは違う、それを製造した事業者
が処理しても良い」 ということを周知する

となります。

「広域認定制度」とは、製造事業者などが廃棄された自社製品を回収し、再利用、あるいは適切な処理を広域で行うための認定制度のことです。

一貫して「周知する」という措置内容が多いのですが

実際のところ
「周知して終わり」といった感が強くあります。

広域認定については、環境省自ら行うものですので、制度設計や運用は環境省の思惑次第で可能です。
それにもかかわらず、単なる「周知」ですので、広域認定に限って言えば、「規制改革」ではなく、「規制維持」の方針を打ち出したと考えられます。

現実問題として考えると、廃棄品の回収段階で、自社製品か他社製品かを選別するのは、作業効率を考えると著しく非効率です。

メーカーによって大きく製造技術が異なる場合は、現行の規制どおりに運用するのもやむなしですが、現在では、そんな製品を探す方が困難だと思われます。

「廃棄物の発生抑制と適切な再利用」を推進するためには

メーカーの垣根にとらわれない、大きな枠組みでの規制運用が必要と思います。

環境省は
他社製品まで制度の枠組みを広げてしまうと、広域認定の名を借りた不適正処理が横行することを懸念しているのかもしれませんが、それは検査などによって、「事後規制」をしっかりやれば防げることです。

必要以上の「事前規制」が、規制改革のもっとも大きな障害となっています。
広域認定がもっと使いやすい制度になるのは、まだまだ先になりそうです。

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在宅医療廃棄物の適正処理

再改訂前の規制改革推進3か年計画重点計画事項(平成20年3月25日閣議決定)から抜粋

家庭から排出される一般廃棄物である在宅医療廃棄物の取り扱いについて、平成17年に「在宅医療に伴い家庭から排出される廃棄物の適正処理について」が通知されており、[1]注射針など鋭利な物は医療関係者あるいは患者・家族が医療機関へ持ち込み、感染性廃棄物として処理する、[2]その他の非鋭利な物は、市町村が一般廃棄物として処理する、という方法が望ましいとしている。
この通知後の追加調査によると、処理の適正化には一定の成果が上がっているが、依然として処理の実態を把握していない自治体が多く存在することから、適正な処理に向けた課題の解決方法を検討し、手引集を作成するなどして自治体に対して周知する。

家庭で使用した注射器などの医療廃棄物は、「一般廃棄物」になります。
その中でも、使用済み注射針など病気の感染可能性があるものは「特別管理一般廃棄物」として、慎重に処理する必要があります。

しかしながら、普通のゴミ出しの日に、他のゴミと一緒に注射針などを出されてしまうと、それを回収する人の手に針が突き刺さるなどの事故の原因となります。

実際、一般廃棄物を回収する方が、回収作業中に針が手に突き刺さり、「肝炎」などに感染してしまう事例が現実に多く存在します。

このような背景を考えると、市町村が感染性廃棄物の回収に躊躇してしまうのも無理はありません。

一口に「医療廃棄物」と言っても、「注射針」のような鋭利で感染性の危険がある廃棄物から、「ビニールパック」など感染性がない普通の廃棄物まで、色々な種類の廃棄物に分かれます。

そこで、環境省は、平成17年9月8日に、「在宅医療に伴い家庭から排出される廃棄物の適正処理について」という通知を出し、(環境省が通知を掲載していないので、岐阜県のHPのURLを記載)

・注射針などの鋭利な廃棄物については医療機関へ持ち込み、医療機関はそれを産業廃棄物処理をする
・危険性が無い医療廃棄物については、従来どおり市町村が回収処理にあたる

ことを推奨しました。

その後、平成19年8月6日に、環境省から「在宅医療廃棄物の処理に関するアンケート調査結果について」が発表され、上記の方針に従って在宅医療廃棄物を処理している市町村は31%しかないことを明らかにしました。

在宅医療廃棄物の適正処理を更に推進するため、環境省は、平成20年3月に「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」を取りまとめ、各自治体の努力を促しているところです。

本来、「一般廃棄物」を「産業廃棄物」として処理することはできないのですが、今回の在宅医療廃棄物の処理方法については、「安全で適切な処理」をするために、法律の運用を若干緩めた好例として考えることができる事例です。

他の廃棄物についても適用することができる可能性を帯びた貴重なケースだと思います。

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中間処理前における廃棄物の選別

規制改革重点計画事項から抜粋

廃棄物処理法においては、廃棄物の選別を行う行為は廃棄物の処理に当たることから、廃棄物処理業許可を取得した上で行う必要がある。その際、排出事業者とあらかじめ委託契約において合意していれば、処理業者が収集運搬、処理の段階で選別した有価物については処理業者の意思で売却することが可能であり、無価物については、排出事業者が性状ごとに指定した最適な処理業者で処理することが可能である。
しかしながら現状では、廃棄物処理業者がかかる処理が現行法で可能であると認識しておらず躊躇する事例もあるため、適正かつ効率的な廃棄物処理及び再生利用を促す観点から、可能であることを周知する。

上記の説明を読むと、「中間処理業者は自由に選別行為ができ、それによって得た有価物を自由に処分できるのか」と受け止めてしまいがちですが、法律的には、実はそう簡単ではありません。

「選別」という言葉には、「手作業でやる選別」から「自動的に機械で一律に行う選別」まで、多種多様な選別行為が含まれていますが、上記の計画で言うところの「処理の段階で選別」とは、「自動的に機械で一律に行う選別」のことを指します。

「手作業で行う選別=”手選別”」は、上記の「収集運搬(中略)の段階で選別」に当たりますので、「積替え・保管を含む」収集運搬業の許可が必要となります。

これを別の言い方で環境省が説明している文書があります。
規制改革会議 生活・環境TF御質問事項に対する回答についての2枚目になります。

中間処理前における選別については、現行の廃棄物処理法の運用の下においても、収集運搬業の許可を有することを前提として認めることが可能である。

実務的なケースを元に、許可の要否を整理すると

・木くずの破砕処理をする中間処理業者が、一連の工程の中で、木くずの破砕前に「磁力選別」などで鉄くずを除去する場合は、中間処理工程の一環なので「選別」の許可は不要。

・建設廃材のミンチなど雑多な廃棄物からなるものを、廃プラスチックなどの種類ごとに機械を用いて選別する場合は、「選別」という中間処理の許可が必要((自治体によっては、「選別」を中間処理として認めていないところもあるので注意が必要))。

・コンテナの中身を一度地面に展開し、その中から”手作業”で「売れそうなもの」と「中間処理すべきもの」を選別したい場合は、中間処理の一環として行うのは不可。積替え保管を含む収集運搬業の許可が必要となる。

このような仕分けになります。

「中間処理前における廃棄物の選別」は、重点計画事項の1番目に挙げられている項目ですが、
「可能であることを周知する」という措置にとどめられており、実務上新たな「選別」が可能になったわけではありません。
「廃棄物処理法」の定義自体も変化していませんので、実際に「選別」を行う際には、必要な許可の確認を怠らないようにしてください。

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規制改革推進計画の再改定

平成21年3月31日、「規制改革推進のための3か年計画」の再改定が閣議決定されました。

改定された計画は 内閣府規制改革会議のHPからご覧になれます。

規制改革推進のための「措置事項」として、非常に多くの分野が挙げられておりますが、その中に「環境」というテーマがあります。

「環境」のテーマのうち、「リサイクル・廃棄物」が大部分を占めています(39個中25個)ので、廃棄物関連の規制改革が待ち望まれていることがよくわかります。

25個の「リサイクル・廃棄物」関連のうち、産業廃棄物に関するテーマを挙げてみます。

・家電リサイクル法で規制される製品群に係る、廃棄物処理法上の保管数量制限の緩和
・廃棄物収集・運搬・処理業の許認可に係る地方公共団体の申請書式の統一化
・廃棄物処理法上の行政手続及び書類の電子化・電子マニフェスト普及率50%達成策の明確化
・廃棄物のエネルギー利用の推進
・木くずの運用の明確化
・産業廃棄物の搬入・搬出の円滑化
・地方公共団体ごとの産業廃棄物処理規制の見直し・中間処理前における廃棄物の選別
・広域認定制度における他社製品の回収について
・(既に措置済み)事業系一般廃棄物である木くずの一般廃棄物と産業廃棄物の区分の検討
・使用済衣料品・繊維等のリサイクルに係る店頭回収・運搬・処分について
・電子機器等、同一性状の他社製品を含む下取り・運搬・処分について
・産業廃棄物優良性評価制度の見直し

次回から、「リサイクル・廃棄物」に関する規制改革推進のための「重点計画事項」や「措置事項」を解説してまいります。

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産廃処理の基本と仕組みがよ~くわかる本

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