2009年1月のアーカイブ

不法投棄実行者の決めセリフ

2009年になってから、廃棄物の不法投棄事件の報道を聞かない日はありません。

不況の影響かどうかはわかりませんが、感覚的な実感としては、2008年より速いペースで不法投棄が発覚している気がします。

さて、全国各地で捕まった不法投棄実行者が使う言い訳のセリフは、決まって同じものになります。

それは、

「不法投棄ではなく、『仮置き』だった」というものです。

不思議と、ほとんどすべての実行者が、「仮置きだったのだ」と弁解することになります。

誰かが「そう言えば大丈夫」と教えて回っているわけではないでしょうから、なぜ全員が同じセリフになるのでしょうか?

マスコミが意図的に表現をそう統一しているのかもしれませんし、

警察の発表がどこも同じようなものなのかもしれません。

いずれにせよ、「仮置き」だから不法投棄ではない、という実行者の主張が通った試しはありません。

穴を掘り、そこに廃棄物を入れ、さらに土をかぶせた状態から、もう一度廃棄物を取り出すのは非常に面倒です。

常識的に考えると、「仮置き」ではなく、「違法な埋立」と見るのが当然です。

排出事業者の場合、近年、委託先の処理業者の事業場を訪問し、委託先として信頼できるかどうかを確認する機会が増えていることと思います。

その際、事業場内に廃棄物が大量に置かれているような場合に、「なぜ、あんなに廃棄物がたまっているのですか?」と質問してみてください。

その質問に対し、機械の故障などの明確な理由ではなく、「いや ちょっと仮置きしてるんです」と、口ごもって答えられたら・・・

そのセリフを吐いた人間の多くがたどる末路を思い出してください。

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廃プラスチックの輸出が急減

当事務所では、毎月顧客向けにニュースレターを発行しております。

その中で、「廃プラスチック」の輸出量の増減を定点観測し、最新の統計資料を情報提供するコーナーがあります。

今回は、そのコーナーからの抜粋になります。

2008年の10月から、それまで旺盛だった廃プラスチックの輸出量が急減し始めました。

2008年11月に入っても、輸出急減の勢いは止まらず、むしろ10月よりも悪化いたしました。

PETくずにいたっては、輸出量が前年同月比で66.2%にまで急落し、平均輸出価額は10月の63円から、一気に43円にまで低下してしまいました!


quantity.jpg


price.jpg PETくずのみならず、PE、PS、PVCとすべての廃プラスチックの輸出量が急減しておりますので、世界的な経済危機の影響をまざまざと見せつけられた思いがします・・・

とは言え、「不況で大変だ!大変だ!」と叫び続けても仕方がありません。中国向けの輸出が止まったことで、国内でそれを処理しなければならなくなりました。

グレードの高いものと低いものを一緒くたにして、タダ同然の低価での有価物扱いにするという取引が成立しなくなったのは確実です。

いくら不況が進んだとしても、グレードの高いプラスチックのリサイクル需要が消えることはありません。今回の金融危機によって、そういった価値の高いものが、廃棄物、あるいは無価物として、再び廃棄物処理市場に供給される流れも出てきました。

資源として廃プラスチックを有効に活用していくためには、「売れれば良い」ということではなく、資源として円滑に流通させるに足る「質」と「量」を維持していかねばなりません。

そのためには、

排出事業者としては、ハイグレードなリサイクル原料として売却できるよう、廃プラスチックの管理をより適切に行っていく必要があるでしょう。

一方、廃棄物処理業者やリサイクル業者の場合は、取り扱えるプラスチックの品質基準を明確にし、それを排出事業者と情報共有することによって、「リサイクル材のサプライチェーン」とも言うべき、協業体制を構築していく必要があるでしょう。

日本としては、国外輸出を急には増やせない以上、この機会を前向きにとらえ、国内での資源循環網を早急に整備したいところです。

しかしながら、平成21年度の各省庁の予算では、国内での資源循環網整備の可能性について、あまり考慮されていないようです。残念。

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昭和46年10月16日環整43号 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について

昭和46年10月16日厚生省環784号と同日付で発出された、厚生省環境衛生局長から各都道府県への通知です。

内容としては、事務次官通知をさらに具体的に説明したものとなります。

現在の法体系の始まりとなるものなので、ほぼ現在の内容と変わらないものになっていますが、「4 産業廃棄物処理業」の(3)で、「産業廃棄物処理業者がその業務を申請時の業務内容以上に拡大しようとするときは、業の廃止届を提出させ、改めて許可の申請を行なわせること。」とされています。

現在の廃棄物処理法では、廃止届を提出するのではなく、許可を維持しながら、変わった処理能力に関する変更許可を申請することとされています。

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産業廃棄物委託基準とは

産業廃棄物の処理責任は誰に?では、産業廃棄物の排出事業者の処理責任について書きました。

委託

自分で産業廃棄物を処理できない排出事業者は、産業廃棄物処理業者などに「私の代わりにこの産業廃棄物を処理してください」とお願いしなくてはならないわけですが、廃棄物処理法では、そのお願いの方法が決められています。

産業廃棄物処理業者へのお願いの方法(=委託基準)

法第12条 1項から3項は略
4  事業者は、前項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、政令で定める基準に従わなければならない。


委託基準の具体的な内容

廃棄物処理法施行令第6条2
法第12条第4項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。以下この条及び次条において同じ。)の運搬にあつては、他人の産業廃棄物の運搬を業として行うことができる者であつて委託しようとする産業廃棄物の運搬がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。
二 産業廃棄物の処分又は再生にあつては、法第十五条の四の五第一項 の許可を受けて輸入された廃棄物以外の廃棄物に限り委託することができることとし、かつ、他人の産業廃棄物の処分又は再生を業として行うことができる者であつて委託しようとする産業廃棄物の処分又は再生がその事業の範囲に含まれるものに委託すること。
三 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。

イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量

ロ 産業廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地

ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力

ニ 産業廃棄物の処分(最終処分(法第十二条第三項 に規定する最終処分をいう。以下同じ。)を除く。)を委託するときは、当該産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力

ホ その他環境省令で定める事項(委託契約に含まれるべき事項)

四 前号に規定する委託契約書及び書面をその契約の終了の日から環境省令で定める期間保存すること。
五 第六条の十二第一号の規定による承諾をしたときは、同号に規定する書面の写しをその承諾をした日から環境省令で定める期間保存すること。

これらの基準をわかりやすく整理すると、排出事業者が守るべき委託基準とは、

  • 許可業者への適法な委託
  • 委託契約書の作成
  • マニフェストの運用

の3点にまとめることが可能です。

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東横イン元社長の初公判

メールマガジン「よく分かる!!廃棄物問題」で既に配信したところですが、地中に埋めた石膏ボードから硫化水素を発生させ、地上にいた男女8人に被害を与えた、東横インの元社長の初公判が1月20日に行われました。

元社長自らが、「建設廃材の処理費用を安くしようと考え、『現場に穴を掘って産廃を捨て、最後にアスファルトで埋めてはどうだろうか』と発言」していたわけですので、単なる過失ではなく、故意に不法投棄をしていたことは確実です。

しかしながら、不法投棄の罰則は「5年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、またはこれの併科」だと、もし元社長が知っていたら、それでも元社長は同じような行為をしたでしょうか?

真相は本人にしかわかりませんが、元社長とその部下の誰もが、罰則の重さを知らなかったのではないかと思います。

もちろん、罰則の重さを知らなかったからといって、犯罪をしてもよいことにはなりません。

ただし、少なくとも、犯罪に伴う罰則の重さや、社会的な評価の低下を考える余裕があれば、容易に法律の制限を超えてしまうことも少なくなるでしょう。

日本でビジネスをする以上は、最低でも

  • 「法律を知らずに犯すリスク」
  • 「違反に対するペナルティの大きさ」
  • 「違反が発覚した際に社会から受ける批判の影響」

などを十分に検討し、それらに対する策を準備しておくことが必要です。

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昭和46年10月16日厚生省環784号 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の施行について

廃棄物処理法の制定の伴い、昭和46年10月16日に発出された、厚生事務次官から各都道府県知事・政令市長あての通知です。

現在の状況から考えると、非常に簡潔な通知文となっています。

今日の廃棄物処理法がここまで複雑化するとは、当時は誰も考えられなかったに違いありません。

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廃棄物の「処理」とは

廃棄物の「処理」とよく言いますが、具体的にはどんな行為を「処理」というのか正確にご存知でしょうか?

一般的なイメージとしては、「廃棄物に対して焼却や埋立などの働きかけを行い、そのままの状態でも無害な状態にさせること」というものになろうかと思います。

また、処理業者の方や、排出事業者でもベテランの方になると、「処理とは、『収集運搬』と『中間処理』、『最終処分』のすべてを総称した言葉です」と説明してくれるかもしれません。

廃棄物「処理」のイメージ

実務においては、その理解で必要十分なのですが、本来の排出事業者責任から考えると、「処理」とはもう少し広い意味でとらえる必要があります。

法律的な「処理」の定義を説明する前に、廃棄物処理法改正の経緯について少し触れなければなりません。

平成3年の法改正により、廃棄物処理法の「目的」がより詳細になりました。

平成3年の法改正以前

第1条(目的)
この法律は、廃棄物を適正に処理し、及び生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

平成3年の法改正以降

第1条(目的)
この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

法改正前は「適正に処理」と比較的抽象的な表現だったところを、平成3年の法改正により、「分別から再生、処分に至るまで」と具体的に詳しく説明するようになったわけです。

このように、廃棄物処理法上は、「処理」とは「処理業者のみが行うもの」ではなく、廃棄物の分別や保管など、「排出事業者が行うべき行動も含まれた」言葉なのです。

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竹繊維のリサイクル

1月15日付の日本経済新聞によると、

竹から取り出した繊維を、食器や定規の原料として再生利用する研究や事業化が相次いでいるとのこと。

※NIKKEI NET 放置竹林からエコ素材──近畿の産学官、竹繊維使い食器・定規

竹は非常に硬く、原料として再利用する用途がほとんどなかったため、今まではあまりリサイクルされておりませんでした。

竹は繁殖力が非常に強いため、少し竹林の管理を怠ると、一気に繁茂してしまうという性質があります。

しかし、最近では、里山の荒廃に代表されるように、山や森を(人間にとって)望ましい状態に保ってくれる人手が少なくなり、荒れるに任せた竹林が各地で散見されるようになりました。

日経新聞の記事にもあるように、竹細工製品など、既存の竹リサイクルは下火になるばかりでしたので、産業用に竹繊維を使う道ができることは望ましいことです。

ただし、食器や定規などは、製品市場としてはそれほど大きなものではないため、全国各地の放置竹林問題が一挙に解決するわけではありません。

食器や定規を端緒にし、竹繊維を利用したその他の工業製品の開発や、市場の拡大も同時に目指していく必要があるでしょう。

竹は放置された状態では単なるゴミですが、それを資源として生かす方法を見つけ出した関係者の方の努力を賞賛したいと思います。

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産業廃棄物の処理責任は誰に?

廃棄物処理法では、産業廃棄物の処理責任は「事業者」にあるとされています。

廃棄物処理法 第11条

事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。

「え!?廃棄物処理業者さんが責任を持って処理するんじゃないの?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、法律上の義務は、あくまでも「排出事業者」自身にあります。

そうは言っても、規模の小さい事業者に「独力で産業廃棄物を処理せよ」と強制しても、自力で産業廃棄物を安全に処理することは困難です。

そこで、廃棄物処理法では、自力で産業廃棄物を処理できない事業者には、産業廃棄物処理業者などに産業廃棄物の処理を委託することを義務付けています。

廃棄物処理法 第12条

(事業者の処理)
事業者は、自らその産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除く。第三項から第五項までを除き、以下この条において同じ。)の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることができる産業廃棄物を定めた場合における当該産業廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。以下「産業廃棄物処理基準」という。)に従わなければならない。
2 事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準(以下「産業廃棄物保管基準」という。)に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければならない。
3 事業者(中間処理業者(発生から最終処分(埋立処分、海洋投入処分(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 に基づき定められた海洋への投入の場所及び方法に関する基準に従つて行う処分をいう。)又は再生をいう。以下同じ。)が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第五項並びに次条第三項から第五項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除くものとし、中間処理産業廃棄物(発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第五項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第十四条第十二項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

排出事業者が産業廃棄物の処理責任を果たす方法としては、

  • 排出事業者自らが処理する
  • 産業廃棄物処理業者などに処理を委託する

の2つの方法があるということです。

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産廃処理場に「放射性廃棄物」缶

1月10日(日)の報道になりますが、新潟県市内の旧産廃処理場跡地から、「放射性廃棄物」マークがついたドラム缶1本が見つかったそうです。

※ニュースソース 北海道新聞 その他

この不祥事には大きな問題が2つあります。

1.高い放射能量が検出されなかったから良かったものの、日本原子力発電株式会社の廃棄物に対する管理体制はどうなっていたのかということ。

ドラム缶が投棄された年代が不明ですが、原発と言えば、通常以上の安全管理基準が求められる事業。今回の事件では、普通でもありえない方法で、危険(に見えた)な廃棄物をあっけらかんと処理してしまっています。

「単なるミス」で済ますことはできない、根深い問題が潜んでいるように感じられます。

昨今は、普通の廃棄物でも、自社ラベルが貼られている場合は、慎重に取り扱う排出事業者が増えているところです。今回は、ものがものだけに、「ずさん」を通り越して、「天真爛漫」と言っても良いほど、危険性や社会に与える影響には無頓着な処理に思います。

「安全だから」、「法律には違反しないから」ということで安心せず、なぜ、この場所で見つかったのかを徹底的に調査し、管理体制に問題があるのであれば、早急にそれを是正するべきです。

2.新潟市の発表によると、ドラム缶が発見されたのは「2008年12月22日」とのことですが、同市が経済産業省に通報をしたのが、「2009年1月9日」でした。

このような非常時を想定した対応マニュアルが整備されていなかったせいだと思いますが、市民の安全を守るべき行政の対応としては、「遅すぎた」と言わざるを得ません。

放射能で汚染されていなかったから良かったものの、最悪の場合は、放射能汚染を引き起こしかねない事態だったわけですから、これを良いきっかけとし、想定外の事態への対処方法も考えておくことが重要ですね。

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