2009年3月のアーカイブ

昭和49年12月3日付環整119号 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部改正等について

昭和49年の「水質汚濁防止法施行令」と「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」の改正に伴い、「有害な産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令」、「下水の水質の検定方法に関する省令」、「産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方法」なども改正されました。

その内容を周知するための通知文です。

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産業廃棄物管理票(マニフェスト)とは

産業廃棄物管理票とは、産業廃棄物の処理を委託する際に委託者が発行する伝票のことです。「マニフェスト」と呼ばれることもあります。

マニフェスト(manifest)とは、「積荷目録」や「乗客名簿」を意味する英語で、アメリカの「有害廃棄物管理制度」から、「廃棄物の管理伝票」といった意味で使われ始めました。

日本の産業廃棄物管理票制度は、アメリカの有害廃棄物管理制度を参考にして導入されました。そのため、産業廃棄物管理票のことを、マニフェストと言い換えられる場合があります。

慣れない人にとっては、マニフェストは非常に難解な道具に見えるかもしれません。しかし、マニフェストが導入された目的や、記載事項のそれぞれの意味を理解できれば、無理なく使いこなせるようになりますので、まずは基礎的な内容から理解を進めて行くのが良いでしょう。

マニフェストを使う目的を端的に表すと、マニフェストとは、

「収集運搬、中間処理、最終処分といったプロセスごとに、産業廃棄物が適切に処理されたかどうかをチェックするための伝票」

であると言えます。

廃棄物処理法では、マニフェストに関して色々な義務や罰則が定められていますが、その存在目的を突き詰めると、「チェックのためのツール」という点に行き着きます。

そのため、マニフェストを適切に運用していくためには、「なぜマニフェストを使用しなければならないか」をよく理解しておかねばなりません。

「法律でそのように決められているから」という理由だけで無造作に運用し続けていると、マニフェストに関する注意がおざなりになり、記載ミスや記載漏れが発生しやすくなります。また、そのように間違いが多くては、「チェックのためのツール」という目的を果たせなくなりますし、不法投棄などの不祥事に巻き込まれたときに、「マニフェストに記載もれが多い。記載もれが多いということは、違法な委託をしていたのではないか?」と、行政から痛くない腹を探られる場合もあります。

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2009年3月30日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリー:廃棄物管理の基本 産業廃棄物管理票(マニフェスト)

現地確認は排出事業者の義務か

最近、愛知県をはじめとする地方自治体が、産業廃棄物の排出事業者に対し、「委託先の処理業者の施設を実際に確認すること」を義務付ける条例を制定し始めました。

愛知県「廃棄物の適正な処理の促進に関する条例」 第7条
事業者は、県内に設置する事業場において生ずる産業廃棄物 (略)の運搬又は処分を 産業廃棄物処理業者に委託しようとするときは、規則で定めるところにより、当該産業廃棄物処理業者が当該委託に係る産業廃棄物を処理する能力を備えていることを確認しなければならない。
2 県内産業廃棄物の運搬又は処分を産業廃棄物処理業者に委託した事業者は、当該委託に係る県内産業廃棄物の 適正な処理を確保するため、当該県内産業廃棄物の処理の状況を定期的に確認しなければならない。

毎年1回すべての委託先を現地確認するとなると、大変大きな手間となります。

現状では、定期的な確認どころか、契約時の見学でさえやっていない企業が多いのではないでしょうか。

「そんなことはない。ちゃんと契約時に見学をした」という反論もあると思いますが、企業としてはそうであっても、担当者としてはどうでしょうか。

廃棄物管理の担当者として、すべての委託先を訪問したことがある人はほとんどいないのではないでしょうか?
愛知県などの条例は、「それでは排出者責任を全うしているとは言えない。毎年確認に行くことを義務付けます」というものです。

しかしながら、現実問題として企業のリソースは有限ですので、毎年委託先を訪問できる企業は少ないと思います。

毎年訪問し、自分の目で現地確認をすることが理想的ですが、それが難しい場合は、少なくとも、契約の締結時と更新時には、必ず現地確認をしておいた方が良いでしょう。

そうしないことには、相手が適切な委託先かどうかわかりませんしね。

ちなみに、愛知県その他の自治体の条例では、「現地確認を行わなかった」というだけでは、罰金などの刑罰を科されることはありません。
罰則無しの、努力目標といった感じです。

しかし、万が一、委託先の処理業者が産業廃棄物を不適切に処理した場合は、現地確認を行わなかったことが大きなマイナスポイントとなり、「廃棄物処理法」に基づく行政処分の対象になる可能性が高くなることに注意しておいてください。

ここまでは、「企業を守る」ための方針ですが

企業価値をアピールする、つまり「攻める」ための方針としては
「我が社が委託先の処理業者の適格性を毎年現地確認しています。」というアピールを、CSRや環境報告の一環として取り上げることも可能です。

各地の条例化を、「余分な手間」や「従う義務の無い規制」として考えるのではなく

「企業価値を高めるためのきっかけにできないか」と、前向きにとらえていただければと思います。

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リンゴ大量不法投棄に見る日本の農業問題

毎日新聞の報道によると、

青森県五所川原市と板柳町の境界を流れる十川の河原4カ所で、リンゴが不法投棄されているのが見つかった。
加工用に回った大量のリンゴを処理しきれなかったり、低価格で出荷できなくなってしまい、在庫を抱えた農家が廃棄したとみられている。

とのことです。

いかなる理由にせよ、廃棄物を不法投棄してはならないのは当然ですが、

丹精込めて作り上げたリンゴを、大量に不法投棄せざるを得なかった農家の心情もよくわかります。

農業の場合、生産量を急に増減させることができない自然任せの産業ですし、工業製品のように在庫を抱え続けることができないという弱点があります。

食料問題や資源問題を考える上では、農業の生産力を真剣に考える必要があるわけですが、日本の農業政策を見ていると、「減反の強制」など長期的な展望に立っていない政策ばかりが目立ちます。

今回の報道のような食料の不法投棄をなくしていくためには、農業政策の整備以外にも、食品が廃棄物になった場合の再利用方法をもっとたくさん増やしていく必要があるでしょう。

食品はすぐに腐敗してしまうため、それが廃棄物になった場合、できるだけその地域で速やかに再利用、あるいは処分してしまうことが重要です。

ある意味、廃棄物としての「地産地消」ですね。

新聞報道によると、出荷できないリンゴは「堆肥化」を奨励されていたようですが、使用する量以上の堆肥を作るのは、あまり望ましいことではありません。

人が食べられないようなリンゴだけを最終手段として堆肥化し、
それ以外の食べられるリンゴは、人や動物に食べてもらう

こんな方法が、環境保全という見地からは最適解となるのではないでしょうか。

問題は、それをどうやって実行していくかですが

平常時から、こういった余剰食品を消費してくれる受け皿を作っておくことが必要となります。

賞味期限が迫った食品を譲り受け、それをホームレスの人に配布するという活動をしているNPOが既に存在しています。先進事例として、大いに参考になるのではないでしょうか。
または、人間が食べてくれないのであれば、豚や鳥の飼料として加工することを検討してみてはどうでしょうか。

リンゴはカレーに入れると美味しくなるようですので、飼料の中に配合すると、家畜の食欲も増すのではないでしょうか(笑)。

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昭和48年10月24日付環整第82号 廃棄物の区分に関する疑義解釈

化学工業におけるパラクロルベンジルクロライド製造工程から発生する、パラクロルベンジルクロライド精溜塔の蒸留残渣は、「汚泥」か「廃油」のどちらに当たるのかという疑義解釈です。

厚生省(当時)の見解では「廃油」になるという通知です。

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委託契約書とは

委託契約書とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を産業廃棄物処理業者に委託する際に締結する契約書のことです。

通常の契約行為は、当事者間の意思の合致だけで成立し、契約書という書類があるかどうかは、契約の効力に関係がありません。

しかし、産業廃棄物の処理委託契約は、排出事業者(委託者)と産業廃棄物処理業者(受託者)間で、委託契約書を作成しないと、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」という刑事罰の適用対象となります。

排出事業者が、産業廃棄物の「収集運搬」と「中間処理」のそれぞれを処理業者に委託する場合

・ 収集運搬については、「排出事業者と収集運搬業者」
・ 中間処理については、「排出事業者と中間処理業者」

と、2者間で直接契約しなければなりません。

過去、産業廃棄物処理業者に関する情報が乏しい時代は、処理先の確保や金銭の支払など収集運搬業者頼みの面があり、排出事業者、収集運搬業者及び中間処理業者という3者契約が認められていたときがありましたが、現在では3者契約は委託基準違反となります。

ただし、収集運搬と中間処理を同一の事業者が行う場合は、「収集運搬及び処分委託」として、一本の契約書で契約することが可能です。

中間処理した後の産業廃棄物の処分に関しては、中間処理業者と最終処分業者等との処理委託契約になります。

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意外に重い不法投棄の懲役判決

松江市の東横インの地下に建設廃材を埋め、そこから発生した硫化水素で通行人に健康被害を発生させたとして、廃棄物処理法違反(不法投棄)に問われた東横インの元経営者の判決が、3月10日に出ました。

読売新聞の報道によると、判決では

「最高経営責任者としての責任は大きいが、役員を退くなど反省している」として、懲役2年4月、執行猶予3年、罰金150万円(求刑・懲役3年、罰金150万円)の有罪判決を言い渡した。

となっています。

この判決を見て、「怪我人を出しても執行猶予ですむのか 軽い刑だな」と思われましたでしょうか?

執行猶予が付いているため一見すると軽い刑に見えますが、不法投棄に対する一般的な量刑と比較すると、東横インの元社長に対する判決は決して軽いものではありません。

懲役刑こそ検察の求刑より軽減されていますが、罰金は検察の求刑どおりに150万円という判決になっています。

「懲役2年4ヶ月」という刑罰は、廃棄物を何万トンも不法投棄したような、かなり悪質な行為の場合に判決が出ることが多く、今回の事件のように、それほど大量でない不法投棄に対して出されることはまれです(ちなみに、不法投棄の場合は、最長で5年以下の懲役)。

・有毒ガスが発生し怪我人が出たこと
・組織的に不法投棄を行ったこと
の2点が、一般的な不法投棄事件よりも悪質と判断されたのかもしれません。

組織のトップが法律を無視した指示をした結果ですので、同情の余地はありませんが

翻って、皆さんの会社に置き換えて考えてみるといかがでしょうか。

当時の東横インのように、トップが法律的に間違った指示を下した場合に、誰もその問題点を指摘できないという、閉鎖的な体制になっていないでしょうか?

人間一人で把握できる情報は限られています。
不況と言われる時代だからこそ、組織が一体となって、社会的要請に応えていく必要が強くなっています。

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昭和48年8月4日付環整61号 PCB使用部品を含む廃棄家電製品の処理について

いまだにこの通知が公開、つまり有効な通知として環境省のHPに掲載されていること自体が驚きです。

PCB対策の歴史的経緯を知るためには、この通知を見ることも少し役に立つかもしれません。
通知を読んでいると、当時の各省庁が縄張り争いをしている様子をうかがうことができます。

しかしながら、肝心の廃家電に含まれるPCB処理対策については、何も書かれていないに等しい通知です。

  1. 家電メーカーが廃家電からPCB使用部品を取り除き
  2. その後に残ったものを市町村が回収する

という回収スキームが主眼となっていますが、「家電リサイクル法」制定以前に、このようなスキームが当時の日本で成立していたとはとても思えません。

現実的には、市町村が廃家電としてPCB使用部分も一緒に回収し、それを不燃物として処分していたのが大半だと思われます。

PCBの毒性については、既に当時の政府には現在と同じくらいの知見があったはずですので、「政府はスキームを示すだけで、後は家電業界任せ」という姿勢は、無責任と言わざるを得ません。

ひょっとすると、環境省は、過去の失敗に学ぶ「反面教師」として、この不名誉な通知を掲載し続けているのかもしれませんね(苦笑)。

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産業廃棄物処理業とは

産業廃棄物処理業とは、他人から報酬を得て、産業廃棄物を運んだり(収集運搬業)、そのままでは有害な産業廃棄物を無害化したり(中間処理業、最終処分業)する業です。

syoriflow.gif 自分が発生させた産業廃棄物のみを運搬、または処理する場合は、産業廃棄物処理業の許可は必要ありません。
前述しましたように、産業廃棄物処理業は、
1.産業廃棄物収集運搬業
2.産業廃棄物処分業  の2種類に分かれます。

さらに、産業廃棄物処分業は、「産業廃棄物中間処理業」と「産業廃棄物最終処分業」の2種類に分かれます。

一般的には、「産業廃棄物処理業」と総称することが多いのですが、その詳細は3つの事業形態に分けることができます。

syorigyo.gif
なお、扱う産業廃棄物が特別管理産業廃棄物であるときは、
収集運搬の場合は、「産業廃棄物収集運搬業」ではなく、「特別管理産業廃棄物収集運搬業」、
処分の場合は、「産業廃棄物処分業」ではなく、「特別管理産業廃棄物処分業」の許可が必要となります。

特別管理産業廃棄物の場合は、取り扱いに厳重な注意が必要となりますので、不用意に処理をしてしまうと非常に危険です。
そのため、一般的な産業廃棄物処理業の許可とは別に、特別管理産業廃棄物処理業の許可が必要となります。

実務的に考えると、「産業廃棄物収集運搬業」の許可では、「産業廃棄物」しか収集運搬できず、「特別管理産業廃棄物」の運搬はできません。

逆に、「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の許可では、「産業廃棄物」の収集運搬ができませんので、ご注意ください。

産業廃棄物処理業の許可は、5年間有効です。
委託契約書を自動更新し続けていると、ついつい許可の有効期限を忘れがちとなります。
自動更新する契約であっても、最低1年に1回は許可証の内容(有効期限や処理できる産業廃棄物の種類)を確認するようにしておきましょう。

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政府、食品廃棄物の抑制のために罰則を導入か?

日本経済新聞の3月10日付朝刊に、「食品廃棄に抑制目標」という記事が掲載されました。

NIKKEI NET 食品廃棄削減、外食産業などに数値目標 政府が10年度にも

記事(上掲の「NIKKEI NET」では触れられていません)では、「2006年度に発生した食品廃棄物の量は1,100万トン、そのうち半分強が何らかの形で再生利用されている」と解説されています。

確かに、統計的に再生利用率を均すとそのとおりなのですが、実態はもう少し複雑です。
syokuhin.jpg

上の表は、農林水産省が発表している、平成18年度の「食品廃棄物の発生及び処理状況」から抜粋したものです。
表の左側に付記している数値は、当方が追記した、「平成24年度までに各事業者が達成することを求められている再利用の目標値」です。

この表を見ていただくと、食品廃棄物の再生利用実態は、大半が「飼料化」と「肥料化」のみであり、その2つの処理だけで再生利用の大半(46%)を占めています。

ただ、ゴミをバンバン出して、それを必死に再生利用するよりは、ゴミそのものを削減する方が環境にも良いことは自明です。

そのため、今まであまり手を加えてこなかった「発生抑制」に、農林水産省は本気で乗り出すことを決めたようです。

しかしながら、個人的に少し気になる点としては、「発生抑制目標と大幅にかい離した企業」に対して罰金を科すことも検討しているとのこと。

もちろん、「目標未達」即罰金というわけではなく、
「目標未達」→「是正勧告」→「勧告無視」→「罰金」という流れを経た上での話となるはずですが

いずれにせよ、発生抑制をしない企業に罰金を科すことには違いがありません。

ここで思い出してほしいのが、一昨年の製紙業界の「リサイクル率の偽装」

最初から不可能な基準を課し、それを満たせない会社には罰金!と脅すだけでは、再び数値偽装の嵐を招くだけでしょう。

罰金で脅すのではなく、「発生抑制に成功した企業事例」を国が率先して宣伝してあげるだけで、健全な企業努力が生まれるように思うのですが・・・

形にこだわるあまりに、「廃棄物の発生抑制」という本来の目標を見失わないようにしていただきたいものです。

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