2009年5月のアーカイブ

廃品回収にはご注意を

このコラムで使う「廃品回収」とは、「古紙」「空き缶」「古着」「くず鉄」などを回収されている、本来のリサイクル業者さんのことではありません。

「古紙」などを回収する業者さんは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、「専ら再生利用の目的となる廃棄物のみ」を回収する事業者として、廃棄物処理業の許可が不要となっています。

この許可不要な回収対象物を「専ら物(もっぱらぶつ)」と略称しています。

今回このコラムでご説明する廃品回収業とは、「専ら物」以外の廃棄物、具体的には「電化製品」などを回収する行為を指します。

独立行政法人国民生活センターの公表によると

全国の消費生活センター等に寄せられる廃品回収サービスに関する相談が増えています。

相談の内容としては、「当初”無料”をうたっていたのに作業後に料金を請求された」「見積りより高額な料金を作業後に請求された」などが目立ちます。

とあります。

「無料でテレビを回収します」という音声をマイクから流しながら、軽トラックなどで住宅地を巡回する姿が一般的ですが、「無料」という言葉につられて、あれもこれもと廃品を手渡していくと、安くはない引取り費用を請求されるというトラブルが続発しているわけです。

「無料」と触れ込みながら「引取り費用」を請求するわけですから、悪徳商法であることは間違いありませんが、このような行為は法律上問題にならないのでしょうか

廃品回収業者の行為を分解すると

1.一般家庭で使用しなくなったテレビなどの電化製品を

2.「引取り費用」、あるいは「リサイクル料」と称して、料金を請求する

という2つに分解して考えることが可能です。

廃家電などの廃品は一般家庭から発生した不用品ですので、それを「邪魔だから処分しよう」という意思の元で処分を進める場合には「一般廃棄物」になります。

「いや 私は使わないけれど、まだ使える電化製品だから、リサイクルショップに買取ってもらおう」と思い、リサイクルショップに持ち込む場合は、「一般廃棄物」ではなく、「古物営業法」でいうところの「古物」になります。

そのため、「このTV もう使えないから引取ってください」と、元々の所有者が思っている場合は、その廃品等は「一般廃棄物」として扱う必要があります。

我々が使わなくなった((事業活動に伴うものを除く))廃品は「一般廃棄物」になるわけですが、それを引取る側の事業者には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく、一般廃棄物処理業の許可が必要となります。

仮に無償で廃品を引取ったとしても、「再使用」が前提でない以上は、一般廃棄物処理業の許可が必要です。

一般廃棄物処理業の許可を具体的にご説明すると

「一般廃棄物を運搬する場所の市町村長の許可」 となります。

例えば、大阪市の一般廃棄物を、堺市まで運びたい場合は、大阪市長と堺市長の両方の許可が必要となります。

しかし、産業廃棄物とは違い、一般廃棄物の場合は各市町村の廃棄物処理計画によって、申請をしても全員に許可が下りるわけではありませんので、事実上、日本全国の市町村長から許可をすべて取得することは不可能です。

いえ、正確にいうならば、ある自治体に「一般廃棄物収集運搬業」で新規参入すること自体が著しく困難です。

そのため、廃品回収業者の大部分は、無許可で一般廃棄物の回収を行っています。
※繰り返しになりますが、冒頭でご説明した「専ら物」の事業者は、廃棄物処理業の許可取得が不要です。

これらの観点から考えると、

TVなどの廃品回収を有料で行っている事業者で、一般廃棄物収集運搬業などの許可を持っていない場合は、すべて違法営業ということになります。

このようなモグリの悪徳業者とは関わりを持たないことが賢明です。

廃品を家に大量発生させる前に、必要ないものは買わないことが大前提ですが

どうしても処分したいものが出た場合は、市町村の粗大ゴミや不燃ゴミとして回収してもらうのが一番です。

多少の費用はかかりますが、市町村が回収物を不法投棄することは有り得ませんし、キチンと料金体系も決められていますので、高額の回収費用を請求されることもありません。

また、TVやクーラーなどは、「家電リサイクル法」に基づき、適切にリサイクルする必要がありますので、「無料」という宣伝文句につられることなく、ちゃんと「家電リサイクル券」を購入し、家電量販店などに引取ってもらいましょう。

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会社の利益のために不法投棄をした場合でも・・・

北海道乳業の従業員が、ヨーグルトの製造過程で発生する余剰シロップを安く処分するため、農場経営者に対して農場にシロップを不法投棄させた容疑で、逮捕されました。

函館新聞

その後、逮捕された従業員と農場経営者に対し、初公判で懲役刑が求刑されました。

札幌テレビ ※ニュース映像を動画で見ることができます

裁判では、不法投棄実行者の他に、北海道乳業社に対し、1500万円の罰金が求刑されています。
北海道乳業が不法投棄を指示していたのか、それとも従業員が独断で不法投棄を実行したのかはわかりませんが、いずれにせよ、廃棄物処理法には「両罰規定」が存在しますので、使用者として北海道乳業に罰金が求刑されてもおかしくありません。

サラリーマンの方に注目していただきたい記述を、函館新聞から抜粋します。

取締役総務財務部長は「認識不足が招いた結果だが、組織ぐるみの関与は一切ない。事件が起きたことは真摯に受け止め、二度とこのようなことがないよう再発防止に努めたい」と話していた。

不法投棄を指示した社員は、恐らく私利私欲を図るために不法投棄を考え付いたわけではないと思われます。

会社の利益を増やしたいという動機に基づき、廃棄物処理法の規定を軽視して、悪意無く不法投棄を実行してしまったのではないでしょうか。

動機としては「会社のために」やったことなのに、会社からは「組織ぐるみの関与は一切ない=社員の個人的犯行」と、あっさり断罪されています。

もちろん、会社としてはこう言わざるを得ないところですが

もし、自分がその従業員と同じ立場で、同じ行為をすることを求められたら・・・

少し、やりきれない気持ちになります。

私はいつも講演の際に必ずこうお話しします。

「法律を学び、実務で違反をしないようにするのは、会社のためではなく、皆さん自身の暮らしを守るためでもあります」

法律を知らなかったで済ませてしまうと、いつ何時、自分自身とご家族の暮らしが根底から崩れるかわかりません。

今回の事件でも、自分のやっていることが「不法投棄の指示」に当たることを知っていれば、これだけ大量にシロップを不法投棄することも無かったのではないでしょうか。

今回は、長期間、かつ大量にシロップを不法投棄し続けていたため、従業員に対して2年6ヶ月という非常に重い懲役が求刑されています(不法投棄を実行した農場経営者の1年8ヶ月よりも重い!)。

最低限、自分がやっている仕事の内容に関する法律の規制を、熟知しておく必要があります。

法律を知っているか、知らないかだけでも、あなたとご家族の運命が変わります。

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昭和51年2月26日付総理府令第6号 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令別表第三の三第二十四号に規定する有機塩素化合物を定める省令」

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令別表第三の三第二十四号に規定する有機塩素化合物を定める省令

(昭和五十一年二月二十六日総理府令第六号)
最終改正:平成一二年八月一四日総理府令第九四号

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 (昭和四十六年政令第三百号)別表の九の項の規定に基づき、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 別表の九の項に規定する有機塩素化合物を定める総理府令を次のように定める。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 (昭和四十六年政令第三百号)別表第三の三第二十四号の環境省令で定める有機塩素化合物は、次のとおりとする。

一  ポリジクロロブタジエン
二  ポリプロピレン塩素化物
三  ポリブタジエン塩素化物

附 則
この府令は、昭和五十一年三月一日から施行する。

附 則 (昭和五二年三月一四日総理府令第三号)
この府令は、昭和五十二年三月十五日から施行する。

附 則 (平成四年七月三日総理府令第三九号)
この府令は、平成四年七月四日から施行する。

附 則 (平成七年一〇月二日総理府令第五一号)
この府令は廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令等の一部を改正する政令の施行の日(平成八年一月一日)から施行する。

附 則 (平成一二年八月一四日総理府令第九四号)
1  この府令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
2  この府令の施行の日の前日において従前の環境庁の臨時水俣病認定審査会の委員である者の任期は、第一条の規定による廃止前の臨時水俣病認定審査会の組織等に関する総理府令第二条の規定にかかわらず、その日に満了する。

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委託契約締結後の注意点

委託契約を結んだ後も、以下に示すポイントを常にチェックし、間違った方法で処理委託をしないよう、気をつけてください。

  1. 産業廃棄物処理委託契約書の内容
    契約で決めた処理料金は、一般的な料金と比較して、著しく高くない(または安くない)か、委託先は許可の取消しなどを受けていないか、などを常にチェックしておきましょう。
  2. 産業廃棄物の引渡し時
    産業廃棄物を引き渡す際は、「引き渡す産業廃棄物は、契約書に記載したとおりか」「産業廃棄物に危険な物質を混入させていないか」「契約の相手方の収集運搬業者が引き取りに来たか」「契約書に記載した数量を大幅に超える量の産業廃棄物を処理させていないか」などをよく確認し、産業廃棄物をマニフェストとともに、処理業者に引き渡します。また、そのときには、マニフェストの控え(A票)を忘れずに受け取らねばなりません。
  3. 収集運搬の委託の際の注意点
    収集運搬業者に産業廃棄物を引き渡すときは、過積載の原因となるような大量の産業廃棄物を、一度に運ばせないよう気をつけてください。
  4. マニフェストの返送があったとき
    マニフェストの返送を受けたときは、「期限内に運搬終了の報告(B2票)が返ってきたか」、「指定した処分先に持ち込まれたか」、「期限内に処分終了の報告(D票)が返ってきたか」、「期限内に最終処分終了の報告(E票)が返ってきたか」、「マニフェストの記載にもれはないか」、「マニフェストの記載は、委託契約書のとおりか」、などを必ず確認するようにします。
  5. 委託契約書とマニフェストの保存
    委託契約書とマニフェストを5年間保存しなければなりません。しかし、不法投棄などが発生した場合には、6年以上前の委託状況を質問してくる行政庁が増えていますので、5年間といわず、可能な限り保存しておくのが安全です。

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廃プラスチックの輸出状況(2009年3月現在)

昨年後半に急失速した廃プラスチックの輸出ですが、今年に入り復調の兆しを見せ始めました。

今年の2月以降、PE、PS、PVC、PETなどのすべての廃プラスチックにおいて、輸出量が2か月連続で増加し続けました。

特に、PETくずなどは前年同月比で8.6%増と、好調だった2008年度前半の輸出量を上回る盛況ぶりです。
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廃プラスチックの輸出量「だけ」を見ると、今年の廃プラスチックの輸出量は、前年同月時の輸出量を既に上回っています。

にわかには信じがたい話かもしれませんが、財務省が毎月発表する「貿易統計」によって、具体的な統計結果が発表されています。

財務省貿易統計

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この話を聞いても

「え 今って、世界的な経済不況じゃなかったの!?」

「輸出量が増えている割には、倒産する輸出業者が増えているのはなぜ?」

という疑問を抱いた方がほとんどではないでしょうか。
統計はあくまでも数字を集計したものにすぎず、それをどう解釈するかによって、情報の活かし方が大きく変わってきます。

統計を解釈する際に必要なものの一つとして、「現場感覚」を挙げることが可能です。

上述した疑問は、日々廃棄物と向き合っている方が、自分の目と耳で収集した情報に基づく「現場感覚」です。

それは、貿易統計というデータを解釈する際にも大いに役立ちます。

では、今度は現場感覚の正しさを実証するため、輸出量とは別の指標に着目してみましょう。

貿易統計では、輸出量の他に、輸出価額(value)が公開されています。

valueは、一ヶ月間にある国へ輸出したプラスチックの輸出価額の総額ですので、このまま見てもあまり役には立ちません。

輸出量が多い国と少ない国がありますので、輸出価額の総額を単純に比較しても、あまり意味がないからです。

そこで、輸出量の多寡にかかわらず、輸出価額を比較するために、輸出単価を算出してみました。

valueの単位は「千円」なので、
value×1,000円÷輸出数量(kg)=「1kgあたりの輸出単価」となります。

これなら、輸出量の多寡にかかわらず、輸出市場の世界的な状況を知ることができます。

そうやって、廃プラスチックの輸出単価を算出し、今年の輸出単価と昨年のそれとを比較すると

すべての廃プラスチックにおいて、今年の輸出単価は昨年よりも1kgあたり20円以上安くなっています。

vsu.jpg 1kgあたり20円の差ですから、1tになると2万円の差になります。
この差は非常に大きいですね。

原油価格が安いので、手間ひまをかけてプラスチックをリサイクルするよりも、ヴァージン原料を使用する方が安上がり

ますます 廃プラスチックのリサイクル需要が減少

高値では輸出できないので、値段を下げて廃プラスチックを輸出するしかない・・・

これが、輸出量急増の裏で、輸出単価が伸び悩んでいる原因なのです。

廃プラスチックの輸出事業者は、昨年夏の最盛期時の貯金を取り崩しながら、現在は採算ギリギリで出荷し続け、市況の回復を待つという、消耗戦を強いられています。

廃プラスチックのみならず、スクラップや古紙も同様の状況です。

体力が無い企業から順番に倒れているのが現実です。

輸出単価等はジワジワとしか上がりませんので、リサイクル資源が適正価格に戻るまでには、もう少し時間が必要となりそうです。

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