2010年4月のアーカイブ

2010 年廃棄物処理法改正 委託先業者の現地確認(4)

前回は、現地確認の具体的なポイントを解説しましたが、そもそもの現地確認の目的は、

「委託契約を適切に行う」ことと、
「不法投棄に巻き込まれない」こと でしたね。

今回は、その目的を達成するための最終仕上げの方法について解説します。

まず、現地確認から会社に戻ってやるべきことは、確認できた情報を書面として記録することです。

廃棄物の保管方法に問題は無かったか
従業員の教育はキチンとできていたか
マニフェストや契約書の管理も万全だったか
廃棄物処理の方法は適切だったか

などを、しっかりと具体的に書面化することが大切です。

チェックシート方式か、穴埋め式にするのかは自由ですが、書類作成が「目的化」しないよう、機械的に書くのではなく、なぜ書面化する必要があるのかを忘れない程度に、頭を使わせることが肝要です。

訪問先の雰囲気や、事業場周辺の様子など、単なる事実ではなく、肌で感じとった「印象」を、誰もが読める「情報」に変換する作業をさせることがポイントです。

次にやるべきことは、どの処理企業に仕事を任せれば良いかという、具体的な選定作業です。

点数を付けて、業者の優劣を判断する方法が主流となるかと思いますが、その場合は、評価ポイントを一律にするのではなく、

例えば、「明らかに保管容量超過の場合は20点減点
マニフェストがすぐ出てこなかった場合は10点減点」など

具体的な確認項目ごとに、評価ポイントの配分を変えるのが良いです。

そうして、社内で意思決定を図り、委託先の処理企業の選定が終わった状態で満足してはいけません!

最後にやるべきことは、現地確認結果の記録から、意思決定までに至る過程を、これまた記録として作成し、保管しておくことが必要です。

記録や書面と繰り返し言っておりますが、書類の一字一句にこだわる必要はありません。

必要なことは、企業がどのような努力を払って、排出事業者責任を全うしたかを後世明らかにできるよう、経緯がわかる証拠をしっかり作っておくことです。

現地確認が努力義務化される以上、義務を果たしている証拠を残しておくことが、これまで以上に重要になります。

正当な努力を、正当に主張することは、企業として当然の権利です。

コストをかけて現地確認をする以上、成果物(意思決定の記録)をキチンと残しておきましょう!

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三者一括契約の可否(2) 推奨できない理由その1

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三者一括契約の可否(1)

前回は、三者一括契約を一通の契約書で行っても違法ではないとご説明しました。

廃棄物処理法第12条第3項は、収集運搬は収集運搬業者に、中間処理は中間処理業者に、「それぞれ委託しなければならない」と決めているだけであり、契約書をそれぞれの業者と1通ずつ交わさなければならないとは書いていないからです。

しかし、だからといって、産業廃棄物の処理委託契約書をすべて1通の契約書で済ませてしまうことには、大きな問題があります。

今回は、その理由の解説です。

三者一括契約をお奨めできない理由 その1
「現地確認がおざなりになりやすい構造だから」

平成6年2月17日衛産20号という通知で、当時の厚生省から、三者契約の可否について、以下のような疑義解釈が示されています。

(三者契約)
問16 排出事業者が産業廃棄物処分業者Aと直接接触してAの能力等を確認することなく、産業廃棄物収集運搬業者Bの説明を聞いたのみで、AとBを契約相手とする、いわゆる三者契約を締結することは委託基準に反すると考えるがどうか。

答 お見込みのとおり。

この通知以後の行政の運用事例から判断すると、問の後段の部分、「いわゆる三者契約を締結することは委託基準に反する」が一人歩きしてしまった感があります。

重要なのはその前提条件で、「排出事業者が産業廃棄物処分業者Aと直接接触してAの能力等を確認することなく、産業廃棄物収集運搬業者Bの説明を聞いたのみで、AとBを契約相手とする」ことが委託基準違反なのだということです。

そのため、排出事業者が個々の委託先をキチンと訪問し、適切な確認作業を行ったうえで、三者一括契約をすること自体はこの通知でも否定していません。

問題は、三者一括契約をすることで、委託先の確認が適切に行われるようになるかどうかです。

先ほど紹介した疑義解釈は、排出事業者責任の不徹底が不法投棄の温床であることに鑑み発出されたものです。

三者一括契約は、ともすれば収集運搬業者が窓口として動き回ることで、排出事業者と中間処理業者が一度も会うことなく、契約行為だけが行われることがほとんどでした。

現在でも、排出事業者の所を訪問するのは収集運搬業者のみで、排出事業者と中間処理業者の間は、意識的に接点を持たない限り、直接会うことはほとんどありません。

二者契約が指導されている現状でもそうなのに、三者一括契約を基本的な契約スタイルとした場合は、さらに状況が悪くなることは間違いありません。

三者一括契約の方が、収集運搬業者がすべての判子を揃えてくれるので楽ですしね。
しかし、2010年の廃棄物処理法改正では、排出事業者の委託先業者の現地確認が(努力)義務化されます。

そうなると、三者一括契約は、違法ではないものの、中間処理業者の処理能力を実際に確認したという補強材料にはなりえません。むしろ、行政や警察の心象的には、ネガティブな印象を与えてしまいます。

人間は誰しも、放っておけば楽な方向に流れてしまいがちです。

あなたに三者契約を厳格に運用する自信があったとしても、あなたの後を引き継ぐ、知識と経験が不足している他人に対しても、あなたと同様の厳格な運用を求めることは無理です。

このように、三者一括契約は、書式そのものよりも、実際の運用結果から生じるリスクを考えると、まったくお奨めできない契約方式です。

違法か合法かという二者択一の判断ではなく、

「合法だけども、使う人によっては致命的なミスを起こしかねない不十分なツール」と、とらえる方が安全なのではないでしょうか。

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昭和60年7月12日付衛産第36号 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律適用上の疑義について」

【廃棄物の処理及び清掃に関する法律適用上の疑義について】

公布日:昭和60年7月12日
衛産第36号

(厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長から神奈川県環境部長あて回答)

昭和六〇年六月二七日付け環整第一〇〇号をもって照会のあった標記の件について左記のとおり回答する。

貴見によることとして差し支えない。

昭和60年6月27日
環整100号

(神奈川県環境部長から厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長あて照会)
標記について、次のとおり照会しますので、御回答願います。

照会事項
業者Aは、業者Bから買受けてきたカドミウムを含むニッケル電極板屑を硫酸溶液(一回につき七五%硫酸一二kgを水六〇Lに希釈して使用)に浸してカドミウムを溶出除去せしめた後ニッケル屑として売却するという業を行っていたが、その際、昭和五九年九月一七日頃から昭和六〇年四月一〇日頃までの間、延べ五五一回にわたり、一回につき同作業に使用した硫酸カドミウム及び未反応硫酸約一・三kgを含む溶液を、地主から借り自ら管理する同作業場の敷地内に何らの処理もしないで投棄し、付近の田畑及び農業用水路を経由して河川をカドミウムで汚染せしめた。
この業者Aの行為は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号)第一六条第一項の規定に違反すると解釈してよろしいか。

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2010 年廃棄物処理法改正 委託先業者の現地確認(3)

現地確認のポイント(現場編)

今回は、現地確認のポイント(現場編)について解説します。

前回は、現地確認をするために必要な心構えを解説しました。

現地確認を行うあなたの目的は、
「委託契約を適切に行う」ことと、
「不法投棄に巻き込まれない」ことにあります。

そのため、行政がマニュアルに基づいて行う立入検査のような厳格さは必要ありません。

「認められた保管容量を10立方メートル超過している!」などと、細かい数値を計測する必要はありません。

しかし、そもそもの現地確認の目的を達成するためには、行政が着目しないポイントにも注意をはらう必要があります。

以下、見るべきポイントとその理由を解説していきます。

1.現地確認の際は、廃棄物の保管方法の確認が基本

・保管場所の管理は適切か
・飛散流出・地下浸透していないか、ヤードの壁は安全か
・大量に貯まりすぎていないか

行政処分にもっとも直結しやすいのが、廃棄物の大量保管です。

その他、後述しますが、廃棄物の大量保管は、不法投棄などの不適正処理に結びつくことが多く、その現場で働いている労働者が事故に遭遇する危険性も増えるため、恒常的に大量保管を続けている処理企業は信頼しにくいと言えます。

2.廃棄物の「入」と「出」の比較

廃棄物処理業の場合は、「廃棄物の引取り=売上」という部分が大きいため、「仕入れ」の後に「売上」が成立するという、一般的なお金の流れとは異なる商流となっています。

具体的には、「売上」を計上した後に、「仕入れ=処分」を行うことになりますので、「売上」と「仕入れ」のバランスが非常に重要なビジネスです。

利益を手っ取り早く増やすためには、廃棄物の引取り量を増やすと同時に、他社に支払う処分費を極力抑えることで、簡単に達成できます。

真っ当な商売を続けるためには、そのような手法を続けることは不可能なのですが、悪意を持った企業が、一時的にこのような手法で売上を増やした後、未処理の廃棄物が大量に残ったまま倒産 という実例が最近増えています。

そのような危険な取引先を見抜くポイントとしては、

・見た目の廃棄物保管量の多さ
・事業場に出入りする車の搬入と搬出の台数
などが、具体的な指標となります。

3.その他
・契約書とマニフェストの保管状況 は当然として
・従業員の態度や服装 も 実は重要な指標となります。

従業員が来客に対して挨拶をしない企業は、従業員が自分の仕事に誇りをもって取り組んでいないことがほとんどです。
または、経営者が、従業員の給料を著しく抑えているのかもしれません。

いずれにせよ、現場の従業員のモラルが低いと、廃棄物の不適正処理はそれだけ発生しやすくなるため、そのような企業は取引先としてやはり信頼性に欠けます。

たとえ、経営者や営業担当者が口をそろえて「我が社は法令順守がモットーです」と言っているとしても、それだけでは単なる「スローガン」です。

現地確認のポイントを大きく3つに分けて解説してみました。

「百聞は一見にしかず」ですので、この機会に、まずは現地確認を体験してみて、そこで浮かび上がった問題点に改善を加えていってみてください。

処理企業の場合は、他人からはこのような目でチェックされるのだという視点で、もう一度今回の内容を振り返っていただき、自社の改善に役立てていただければと思います。

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自治体規則による届出強制の可否(昭和52年11月5日付環産59号通知より抜粋)

問13 次の事項について県の規則をもって届出をさせることはできるか。
(1) 産業廃棄物処理施設に該当しない産業廃棄物の最終処分場(筆者注:現在は最終処分場は規模の大小を問わず、すべて産業廃棄物処理施設に該当する)の設置
(2) 産業廃棄物処理施設の管理者の変更
(3) 産業廃棄物の最終処分場の閉鎖

答 廃棄物処理法第18条の報告の徴収を行うには、廃棄物処理法の施行に必要な限度であることを要するが、同法の施行に必要な場合には、個別的に報告の徴収を行うだけでなく、一般的に県の規則によって報告の徴収を行うことができる。
この観点から次のように解する。
(1) 事業者に対し、県が産業廃棄物処理施設に該当しない産業廃棄物の最終処分場(筆者注:現在は最終処分場は規模の大小を問わず、すべて産業廃棄物処理施設に該当する)の設置について報告を行わせるよう規則を定めることは廃棄物処理行政上の合理的な理由がない限り一般的にはできない。
(産業廃棄物処理業者については、廃棄物処理法施行規則第9条の2第1項第4号、同規則第2条の4第1項第3号等の規定により、は握することができる。)
(2) 産業廃棄物処理施設の管理者については、その維持管理に関して必要な報告であるという観点から県の規則をもって報告させることは可能である。
(3) 事業者又は産業廃棄物処理業者の廃棄物の処分に関し必要な報告であり、また産業廃棄物処理施設については、その維持管理に関して必要な報告であるという観点から県の規則をもって報告させることは可能である。

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2010年廃棄物処理法改正 委託先業者の現地確認(2)

現地確認のポイント(事前準備)
今回は、現地確認のポイント(事前準備)について解説します。
1.まずは、現地確認に行く目的をはっきりさせます。
「そんなの 委託先の業者の処理状況を確認する以外にないじゃないか」と思われた方が多いと思いますが、あくまでも、現地確認は「手段」であって、「目的」ではありません!
法律で(努力)義務化されると、「義務」の部分だけに目が行ってしまい、そもそもの「目的」が忘れられがちとなってしまいます。
では、再び最初の問題提起に戻り、
現地確認は何のために行うのでしょうか?
法的リスクと経済的リスク対策としては、
「委託契約を適切に行うため」と「不法投棄に巻き込まれないため」の情報収集に尽きると思います。
こうして考えると、単なる「見学」や一方的な「監査」では、現地確認に行っても大した効果は得られないことがわかります。
あなたの目的は、処理業者の格付けをすることではなく、
委託先として適切なパートナーかどうかを一回で見極めることです。
格付けというお高くとまった目線ではなく、自社と処理企業の関わり方を主体的に考えることが重要となります。
これで、現地確認を行う目的ははっきりしました。
しかし、まだ必要な事前準備が残っています。
それは
2.自社の廃棄物の性状の理解 と
3.どのように処理してもらいたいのかを明らかにすること です
自社が出す廃棄物が、「廃プラスチック類」なのか「ゴムくず」なのかを理解せずに、適切な委託契約をすることは不可能です。
「業者さんが『廃プラ』と言っているから」と、重要な判断行為を他人任せにしていませんか?
その他、「引火しやすい」など、取扱いに注意が必要な廃棄物の場合は、事前に排出事業者が情報提供を行う義務もあります。
他人の領域で情報収集をする前に、まずは自社の情報を整理し、どのような廃棄物を、どのように処理してもらいたいかを、最低限、事前に把握しておく必要があります。
当り前のことを書きましたが、現地確認が「目的」化してしまい、現地確認の場が、一方的な「格付け審査会場」となっている現場がよくあります。
単なる「格付け」なら、極端な話、確認先をすべて0点にしてしまえば、評価者の過失が問われることはありません。
委託を一切しないなら、事故や不祥事が発生する確率もゼロですので。
しかし、実際には、排出事業者が自力で廃棄物を処理できない以上、どこかの処理業者に廃棄物を処理してもらう必要があります。
そのためには、排出事業者自身がよく廃棄物のことを勉強し、適切な情報開示を行いつつ、処理業者と強固なパートナーシップを結ぶことが不可欠となります。
くれぐれも、「目的」と「手段」を混同しないようにお願いします。

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昭和59年5月24日付環整68号 「ごみ処理に係るダイオキシン等の問題について」

【ごみ処理に係るダイオキシン等の問題について】

公布日:昭和59年05月24日
環整68号

(各都道府県知事あて厚生省環境衛生局水道環境部長通知)
我が国のごみ焼却施設の焼却灰又は集じん灰から、微量のダイオキシン等が検出されたとの報道により、標記について住民の不安等社会的な関心が高まるとともに、一部の市町村において、ごみ処理の円滑な実施に支障が生ずる等の状況がみられたことにかんがみ、昨年一二月より、「廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議」を開催し、ごみ焼却施設において検出されたダイオキシン等に関する評価、今後の対応について検討を行つてきたところであるが、今般、同専門家会議の報告が、別添のとおり取りまとめられた。
ついては、左記事項について、貴管下市町村に対するその周知方を含み、よろしく取り計られたい。

1 「廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議」の報告について
本報告は、国内外の文献をレビューした結果から得られた知見を基礎とし、これに各専門家が専門的観点から検討を加えて次のようにまとめられたものであり、今後取り組むべき方向が示されている。

(1) ごみの焼却処理に伴う一般住民及びごみ焼却施設内の作業に従事する職員への影響については、四塩化ジベンゾ―p―ジオキシン(TCDDS)の考えられる最大曝露量を仮定しても、現段階では、健康影響が見出せないレベルであつたこと。
(2) ごみの焼却に伴つて発生する焼却灰及び集じん灰(以下「焼却灰等」という。)の埋立処分に関しては、当面覆土等により焼却灰等の飛散、流出を防止すること及び排水中の懸濁物質を適切に除去すること等現行法令の基準に従い適切に実施することが必要であること。
(3) ごみ焼却施設の排出ガス、焼却灰等及び排出水中のポリ塩化ジベンゾ―p―ジオキシン(PCDDS)を分析する方法を取りまとめるとともに、併せて分析に当たつてのPCDDSの取り扱いに関する事項を示したこと。
(4) 今後の課題として、ダイオキシンに関する総合的な知見の集積を早急に行う必要があり、幅広い取り組みが望まれること。また、ごみ処理の分野において、ダイオキシンの発生と制御、普及、応用が可能な分析方法等、モニタリング方法、ダイオキシン類似物質に関する調査研究に取り組むことが必要であること。
なお、これらの課題に取り組むに当たつては、実施体制の整備を図るとともに、実験者本人の安全の確保、PCDDSの標準物資の厳正な管理、実験に伴つて発生するPCDDSを含む廃液等の適正な管理などに十分留意することが必要であること。
2 留意すべき事項について
本報告に沿つて、今後、ごみ処理に係るダイオキシン問題に関しては、特に次の点に十分留意されたい。

(1) ごみ焼却処理及び焼却灰等の埋立処分にあつては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定する基準の遵守を徹底すること。特に、焼却灰等の最終処分場から外部への飛散、流出の防止及び浸出液等の適正な処理について万全を期すること。
(2) 「廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議」の報告を受けて、当面、ごみ処理に伴うダイオキシンの発生等の実態に関する調査の実施を含め、今後実施すべき調査研究について検討を行つているところであるが、地方公共団体が独自にダイオキシンに関する調査研究を実施しようとするときは、現時点では十分な設備能力を有する研究機関が多くないこと、安全性等の確保の観点から、万全の措置を講じる必要があること等から、厚生省と密接な連絡調整を図ること。

廃棄物処理に係るダイオキシン等の問題について(要旨)
1 昭和五八年一一月、我が国のごみ焼却施設の焼却灰や集じん灰(以下「焼却灰等」という。)からダイオキシン等が検出されたとの報道により、廃棄物処理に伴うダイオキシン等の問題が指摘され、この問題を検討するため、昭和五八年一二月八日本専門家会議が設置された。
本専門家会議は、国内外の文献をレビューした結果から得られた知見を基礎とし、これに各専門家が専門的観点から検討を加えて、報告書を取りまとめた。
2 本専門家会議は、ポリ塩化ジベンゾ―p―ダイオキシン(PCDDS)の中で、最も強い毒性を示す二・三・七・八―四塩化ジベンゾ―p―ダイオキシン (二・三・七・八―TCDD)に絞り、ごみ焼却施設からの排出ガス、ごみ焼却施設内の作業環境、焼却灰等の最終処分場の問題を検討の対象とし、評価考察を行つた。
3 本専門家会議は、可能な限り文献を収集し、その内容を検討して、廃棄物処理に係るダイオキシン問題を評価、考察したところ、ごみの焼却処理に伴う一般住民及びごみ焼却施設内の作業に従事する職員への影響については、四塩化ジベンゾ―p―ダイオキシン(TCDDS)の考えられる最大曝露量を仮定しても、現段階では、健康影響が見出せないレベルであつた。
4 ごみの焼却に伴つて発生する焼却灰等の埋立処分に関しては、米国環境保護庁の土壌中におけるPCDDSの挙動に関する報告に基づいて考察すると、当面覆土等により焼却灰等の飛散、流出を防止すること、また、排出水中の懸濁物質を適切に除去すること等現行法令の基準に従い適切に実施することが必要である。
5 ごみ焼却施設の排出ガス、焼却灰等及び排出水中のPCDDSを分析する方法を取りまとめるとともに、併せて分析に当たつてのPCDDSの取り扱いに関する事項を示した。
6 現在、我が国においては、ダイオキシンに関する知見は著しく乏しい。ダイオキシンの中には、既知の化学物質の中でも極めて強い毒性を有するものであること、問題となる分野が廃棄物のみに留まらないこと、ダイオキシンの生成等がこれ自体を目的として行われるものではないことなどから、ダイオキシンに関する総合的な知見の集積を早急に行う必要がある。
7 本専門家会議が検討した今後取り組むべき課題は、
1. PCDDS発生と制御
2. 普及・応用が可能なPCDDS分析方法等
3. PCDDS、PCDFS等類似物質の検討
についてである。
なお、これらの課題に取り組むに当たつては、実施体制の整備を図るとともに、
1. 実験者本人の安全の確保
2. PCDDSの標準物質の厳正な管理
3. 実験に伴つて発生する PCDDSを含む廃液等の適正な管理などに十分留意することが必要である。

廃棄物処理に係るダイオキシン等専門家会議
(座長)鈴木武夫 国立公衆衛生院院長
合田健 国立公害研究所水質土壌環境部長
前国立公衆衛生院衛生工学部長
竹下隆三 国立公衆衛生院衛生薬学部分析室長
立川涼 愛媛大学農学部教授
田中勝 国立公衆衛生院衛生工学部廃棄物処理室長
平山直道 東京都立大学工学部長
増田義人 第一薬科大学物理分析学教授
山口誠哉 筑波大学社会医学系教授

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2010年廃棄物処理法改正 委託先業者の現地確認(1)

今回は、2010年の廃棄物処理法改正で予定されている、「現地確認の義務化」について解説します。

第12条第7項
「事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、『当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、』当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」

『 』で囲った部分が、今回の法改正で追加される部分です。

条文を読むと、どこにも「現地確認」とは書いてありませんが、廃棄物処理制度専門委員会での議論の状況や、マニフェストの存在を考え合わせると、書面による確認ではなく、実際に処理現場に赴いて確認をすることが求められている、と考える必要があります。

今でも、委託した産業廃棄物が処理された日付けについては、マニフェストで確認していますので、処理日のような単なる事実ではなく、その場所で確実な処理が行われているかという、抽象度の高いレベルの確認が要求されることになります。

義務化されるといっても、懲役や罰金が伴うような義務ではありません。
委託先業者の現地確認は、罰則無しの努力義務に近い位置づけです。

しかし、努力義務だからといって、現地確認を一切行わないというのも危険です。

努力義務を怠っても直接的な刑事罰には結びつきませんが、万が一、不法投棄などに巻き込まれた場合に、委託先の処理業者の処理状況を確認した形跡が無ければ、行政や警察に無責任な企業という悪い印象を与え、事情聴取をより厳重に行われることになるかもしれません。

今までは、委託契約書とマニフェストという、目に見える形で義務を果たしておけば良かったところに、「確認」という抽象的な義務が入ってくるわけです。

「罰則が無いから対応する必要なし」では済まないリスク要因と言えます。

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三者一括契約の可否(1)

産業廃棄物処理委託契約をする際には、排出事業者と収集運搬事業者、排出事業者と中間処理事業者といった具合に、排出事業者がそれぞれの処理事業者と直接契約を締結するように指導されています。

このような契約形態を、「二者契約」と呼びます。

そのように指導される根拠としては、廃棄物処理法第12条第3項において、

3 事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

と定められているからです。

ここで問題が一つ発生します。

上記の赤字の部分では、「それぞれ委託しなければならない」とされていますが、委託契約はそれぞれの事業者と締結するものの、委託契約書は「排出事業者」、「収集運搬事業者」、「中間処理事業者」の三者一括で契約、つまり一通の契約書で三者全てが契約を締結することは違法なのでしょうか?

合法か違法かという観点のみからすると、一通の契約書で三者をすべて揃えて契約をすることは違法ではありません。

廃棄物処理法では、三者一括契約を禁止する条項が存在しないからです。

ただし・・・

合法だからといって、実務的には、三者一括契約を積極的にはお奨めできません。

(続く)

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伝票の帳簿への転用の可否(昭和52年11月5日付環産59号通知より抜粋)

問12 産業廃棄物の処理に関し、廃棄物処理法第7条第6項(注:昭和52年当時の条文)に規定する事項を記載した伝票を綴じて保存している場合は、同項にいう帳簿を備えたこととなるか。

答 当該伝票が帳簿の一部として使用することを予定されているものであれば、伝票を綴じて保存していることによって帳簿を備えたものと解する。

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