行政の動向のアーカイブ

小型家電リサイクル新法の制定予定

昨日は東京に出張し、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会(第10回) を傍聴しておりました。

「小型電気電子機器リサイクル制度の在り方」の取りまとめとなる会合でしたが、パブリックコメントとほぼ同様の内容でしたので、詳細はパブリックコメント募集時の原案をご参照ください。

さて、肝心のこれからどうなるという話になりますが、
環境省の考えでは、廃棄物処理法の改正ではなく、平成24年度国会で新法の成立をもくろんでいるそうです。

リサイクル制度の詳細が決まっていないのに、いきなり法律を作るという荒業に出た環境省の蛮勇は賞賛したいと思います。

傍聴した委員会では、「柔軟な制度設計ができた」と環境省や委員の皆さんは自画自賛されていましたが、
柔軟過ぎて具体的なイメージができないところは、放射性物質汚染対処特措法を彷彿とさせます。

この制度の根本的な欠陥としては、家電製品の製造事業者の関与がないということです。

正確には、「易解体設計」や「再生材の利用」に努める、という関与はありますが、
これは今すぐ取り組まねばならないことであり、こんなものは義務でも何でもありません。

また、市中に眠っている小型家電を20%以上回収しないと黒字化できない制度ですが、
毎年毎年全国一律に20%以上の家電を回収できるとは到底思えません。

この制度単独で考えると、およそ実現性が乏しく、やる意義がない事業に思えます。

「金儲けできるかも?」という動機で設備投資をするのは止めておいた方が良いです。

ただし、直接的な金儲けではなく、自治体や市民との関係性を深めることを目的とするならば、話は変わってきます。

そうした企業にとっては、自治体との関係性を太くするきっかけにできる制度となることでしょう。

この新法ができた暁には、従来の個別リサイクル法以上に、事業に関わる事業者の経営理念や財務基盤の確かさが問われることになりそうです。

参考 NHKのTVニュース
小型家電 再利用新制度案まとまる
41秒から43秒にかけて私が小さく映っていますので、探してみてください(笑)。

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小型電子機器リサイクル制度の検討状況

(速報)10月31日開催の第7回小型電子機器リサイクル制度小委員会の傍聴結果 の続報です。

傍聴内容のレポートの前に、小型電子機器のリサイクルが検討されている背景から解説しておきます。

小型電子機器リサイクル制度の概要

小委員会資料では、検討され始めた背景として、「資源確保」「廃棄物の減量化」「鉛その他の有害物質の排出削減」が挙げられています。

※過去の小委員会資料は、
http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0324-06b.html で公開されています。

環境省の試算によると、全国で1年間に廃棄される小型電子機器に含まれる有用金属の量は、27.9万トンで金額にすると843億円とのことです。

ただし、実際にはすべての小型電子機器を回収できるわけではないため、回収率を20%程度とすると、回収できる有用金属の量は3.5万トンで106億円程度になるそうです。

もっとも、日本全体での回収率20%というのは非常に高い目標と言えますが、それでも有用金属の市場規模は約100億円しかないということになります。
 
現在環境省が考えている、制度の在り方は下図のとおりです。
リサイクル制度案

実は、この図に、この制度の大いなる矛盾点が凝縮されています。あなたはどこに矛盾点があると思われますか?

市町村の一人負けというリサイクル制度は持続可能か?

私は、製造事業者が関与しないことが、最大の問題点であると思っています。

環境省や委員会の見解としては、「少量だから製造事業者の関与は後回しでいいか~」というもののようですが、製造事業者が言わば「ただ乗り」でレアメタルリサイクルの成果を享受するというのは、税金を使って電子機器を回収しなければならない自治体と比較すると、著しく不公平です。

委員会でも、自治体を代表する委員から、自治体の負担増に関する反対や懸念を示す意見が多数上がっていました。
「環境省の原案では到底受け入れられない」
「回収場所に監視のための人員の配置などできない」 etc

環境省自身が、口では「小型電子機器リサイクルの要は市町村」と言いながら、
肝心の制度構想の核心部分で、「市町村の丸抱えで小型電子機器のリサイクルをせよ」と言っているのと同じだからです。 
ボックス回収

今後は、この自治体の負担内容が最大の論点となりそうですが、
自治体関係の委員の意見にすべて応えようとすると、リサイクル制度を作ること自体がとん挫しそうです。

と言いますのも、
環境省の構想では、小型電子機器のリサイクルをするかどうかは、「市町村や処理業者を含めたその地域の自由意思による」とのことですので、特別措置法や業許可不要の特例制度が作られるわけではないからです。

環境省から
「地域のリサイクル事業を邪魔するものではなく、後押しができるような制度に」
「どのような方法で回収やリサイクルをするかは、地域の意思で決めてもらう」
「国は、色々なリサイクル・回収方法の情報提供をするというスタンス」という発言も度々でておりましたので、

ひょっとすると、「リサイクル制度創設にこぎつけられず、単なる事例紹介で終わるのでは!?」と、個人的には懸念をしています。

小型電子機器のリサイクルをすること自体は結構なのですが、
発生量が少ないことが始める前からわかっている以上、それを回収することに血税を費やす意味があるのかどうか
制度創設の必要性を今一度検証する必要がありそうです。

また、環境省は、リサイクルを担う事業者の資格として
「廃棄物処理業の許可取得を義務付けます」との見解を示していました。

リサイクルの対象製品

リサイクルの対象として、どのような電子機器を対象にするかはまだ具体的に検討されていません。

ひとまずの枠組みとしては、「30cm×30cm×30cm」の大きさ以下の電子機器を想定しているようです。

30cm以下に制限する理由としては、「それ以上の大きさの電子機器の場合、粗大ごみとして扱われることが多く、回収の手間が大きく変わるから」とのことでした。

幅35cmの電子機器というのもたくさんあるはずですので、「条件に弾力性をどう持たせるか」が、今後議論されるものと思います。

環境省自身が認めた不作為

個人的に唯一注目しているのが、下記の②の「不用品回収業者対策」。
有用資源の国内循環確保のための政策パッケージ

年内に、「廃棄物該当性の判断基準の検討会」を開催するとのことです。

「有用資源の国内循環確保のため」というカッコ付きで、
無許可業者に横取りされないように、
「判断基準」の「検討会」を作る

「無許可業者を規制する」ことが目的なのではなく、
「判断基準を作る」ことが目的ですので、
どこまで踏み込んだ議論がなされるのかが少々不安です(苦笑)。

万が一にもないと思いますが、

環境省さん

私に委員を委嘱していただいたら、国民や自治体にとって有益な判断基準をご提示できると思います(笑)。

その他
ある委員から「違法な回収業者をなぜ放置しているのか」と聞かれ、環境省担当者が「違法業者が放置されているのは我々(環境省)の不作為です」と正直に答える場面がありましたので、環境省の事務方も問題意識を持っていることがわかりました。

ただ、上記のくだりは、議事録が公開される時にはおそらく削除されると思います(笑)。

役人としては、このような踏み込んだ発言はご法度と判断されるのが常だからです。

その意味では、勇み足だったかもしれませんが、「勇気ある発言だな」と感心しました。

ひょっとすると、そのようなうがった見方をせずとも、環境省職員の大部分がそのような問題意識を持っているのかもしれません!
もしそうなら、環境省の今後の取組みには大いに期待が持てます。

環境省職員の皆さん 嫌味ではなく、国民はあなた方の頑張りに期待してますよ~

もうこれからは、「褒めて伸ばす」に方針転換します(笑)。

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(速報)10月31日開催の第7回小型電子機器リサイクル制度小委員会の傍聴結果

昨日、東京で開催された「第7回 小型電子機器リサイクル制度小委員会」を傍聴してきました。

やはり、実際に行かないと得られない情報が数多く飛び交っておりましたので、傍聴に行って正解でした。

上記の情報というのは、環境省が情報公開をしないという意味ではなく、
各委員の発言している意図や発言の様子など、議事録からはうかがえない情報のことです。

その他、今後議事録を作成する過程で、おそらく削除されるであろう環境省や委員の発言もありましたので、
公開される議事録とその発言を照らし合わせ、「やはり削除されたな」という楽しみ方もできます(笑)。

さて、肝心の傍聴結果についてですが、
環境省が委員会の資料を公開した後の方が情報を参照しやすいと思いますので、
11月4日(金)に配信するメルマガで詳しく解説する予定です。

その頃には環境省HPにも資料がアップされていると思います。

本日は議論の中心ポイントと、制度全体の構想から受けた印象を速報しておきます。

10月31日の第7回小型電子機器リサイクル制度小委員会の傍聴速報

1.市町村の負担が大きなシステムになるので、参加するしないは、市町村を含めた地域の自由意思で決まる。特措法や許可の特例ができるわけではなさそう。
2.廃品回収業者が横取りをしたり、違法回収をしている実態があるので、環境省は年内に廃品回収業者の規制に関する検討会を設置する予定。
3.リサイクル制度成功のカギを握るのは、市町村がどこまで財政負担できるか、そして市民がどこまで分別に協力できるか、の2点。

議論の中心は、市町村が当該事業を行う場合に予想される負担についてでした。
残念ながら、その場では負担に対する明確な解決策はほとんど議論されていませんでした。

誰も解決策がわからない?
というよりは、地域の特性に応じて地域が決めるという 方針のようです。

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テナントビルのビル管理会社への契約委任の可否

排出事業者と処理業者の双方のクライアントから頻繁にいただく質問なのですが、
「行政刷新会議資料に、『テナントは産業廃棄物処理委託契約をビル管理会社に委任できる』と書いてありますので、ビル管理会社が排出事業者として契約できるんですよね」というものがあります。

個人的には、私もその方が社会効率性が高いと思うし、問題もないと思いたいです。

しかし、廃棄物処理法を忠実に解釈・運用すると、上記の方法には問題があります。

その理由を解説する前に、まずは行政刷新会議資料そのものを見ておきましょう。

行政刷新会議グリーンイノベーションWG資料 p79 

行政刷新会議事務局からの問題提起

 テナントビル、ショッピングモール、商店街など、複数の事業者が共同して3Rを推進することが適切かつ可能な場合がある。このような場合、マニフェストはビルの管理会社等が自らの名義で交付等の事務を行ってもよいとされているが、委託契約は個々の事業者が締結する必要がある。しかし、個々のテナントが処理委託契約を締結することは現実的ではなく、かつ複数の排出事業者の連携による3Rを阻害している。
 したがって、当事者間の契約に基づき、これらのグループを代表するものが排出事業者となることで、全体の廃棄物の3R促進および適正な処理委託を可能とするべきである。

環境省の回答

・契約締結に関し、委任状を交付し委任するのであれば、各テナント会社はその排出事業者責任までをも転嫁しうるものではないが、ビル維持管理会社等が一括して委託契約を締結することは可能である。
・なお、廃棄物処理法上、産業廃棄物の処理を委託する場合には、当該産業廃棄物の処分の場所や、受託者の許可の範囲等を記載した委託契約書により行うことを義務付け、委託者である排出事業者に、受託者が適切に当該産業廃棄物の処理の事業を行えるかどうかを確認させ、排出事業者責任の徹底を図っているところであり、この趣旨からは、委託者である排出事業者が受託者と自ら直接契約を締結することが望ましい。

環境省の回答を斜め読みすると、「委任状を交付したらOKなのね」と解釈する人が多いと思います。

しかし、本質的に重要な部分は、赤字の部分「各テナント会社はその排出事業者責任までをも転嫁しうるものではない
ここなんです。

「委任状交付したらOK」と解釈する人は、
「ビル管理会社と処理業者の2者契約で良いのだ」と考えていると思いますが、

それだと、各テナントの排出事業者責任を、全面的にビル管理会社に転嫁していることになります。

環境省の解釈を正確に理解するためには、「委任」の定義を理解する必要があります。

法律的には、委任とは、「ある事務の処理を自分以外の他人に任せること」になります。

私の業務で言うと、許認可申請事務の委任を受け、行政庁に申請書を提出する行為が委任にあたります。

で、このケースを例にしてお話しすると、
100社から産業廃棄物収集運搬業の許可申請事務の委任を私が受けたとします。

私は100通りの許可申請書を作ることになりますが、
その時、許可を受けようとするそれぞれの申請者は100通とも「尾上雅典」になるのでしょうか?

違いますね。依頼者の100社の名称をそれぞれ書くことになります。

私は、あくまでも申請書提出の委任を受けただけであり、尾上雅典名義の許可を受けることを頼まれたわけではありません。

環境省が念押ししている、「排出事業者責任の転嫁」というのは、尾上雅典名義で100個の許可を取ることを指します。
※現実的には、同一行政の許可を同一人物が同内容で取るのは不可能ですが、たとえ話ですので(笑)。

おそらく、環境省が言いたいのは、
「委任状」をビル管理会社に交付すれば、ビル管理会社にテナントと処理業者の契約代理をしてもらうことは可能
ということだと思われます。

具体的にはこういうイメージですね。

甲 テナント
乙 甲代理人 ビル管理会社
丙 処理業者

上記の場合、ビル管理会社に委任状を交付しているので、
「乙 甲代理人 ビル管理会社」という表記は無くても良いと思います。

甲 テナント
乙 処理業者 という形式でも可という意味です。

逆に、こういうのはダメよというイメージはこうなります。

甲 ビル管理会社
乙 処理業者

「現実と乖離している」という批判や意見があることは重々承知しておりますし、私も実務的には、ビル管理会社と処理業者の直接契約でも問題は発生しないだろうと思います。

しかし、法律で委託契約書の作成が排出事業者に義務付けられている以上、やはり勝手な解釈は危険だと言えます。

もっとも、現状では、テナントが廃棄物処理費を個別に負担しているケースは少なそうですから、
上記の方針を徹底した場合でも、実質的にはテナントは契約書にハンコを押すだけとなります。

本当に大変なのは、テナントごとの委託契約書を用意するビル管理会社だけですね。

通常の賃貸借契約時に一緒に準備しておけば、それほど大変な手間でもありませんが。

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多量排出事業者の産業廃棄物処理計画の公表

2010年改正で、まだ施行されていなかった最後の部分、「多量排出事業者の産業廃棄物処理計画の公表」が、10月1日より施行されました。

当ブログ関連記事 2010年廃棄物処理法改正の解説(7) 多量排出事業者

10月1日より施行された改正法の内容は、
「都道府県知事による『インターネット』での公表」についてです。

全部の自治体はチェックしていませんが、10月1日(土)は休日であるため、前日の9月30日(金)付で公表を始めた真面目な自治体がありました。

例:福井県
ざっと見たところ、福井県のように、法律改正の施行日に合わせて公表しているところは少数派のようです。

計画の公表自体は、従前より行政の窓口を訪問し、閲覧をすることが可能でした。

しかし、それではやはり不便ですので、今回のような情報公開の方向で進む改正がなされたことは喜ばしいものです。

もっとも、多量排出事業者の産業廃棄物処理計画や、前年度の計画の実施状況は、どちらもその排出事業者の全体的な概要を公表するものですので、
これを見るだけで、その企業の活動実態などを理解できるわけではありません。

ただ、マクドナルド創業者のレイ・クロックの自伝にもあるとおり

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者

企業の活動実態は、ゴミ箱の中にこそよく現れるものですので、
今後「実施状況」をベンチマークし、その企業の廃棄物処理量の経年変化などを調べてみると面白そうです。

多量排出事業者は、年間1,000t以上の産業廃棄物を発生させる事業者ですので、建設会社や電力会社などが多数含まれています。

多量排出事業者にしても、インターネットで全世界中に公表される事実を正確に認識し、
安易な前例踏襲で適当に提出をするのではなく、思わぬところで批判や非難の対象になるかもしれないと考えながら、
正確なデータと予測に基づき、書類を提出する必要があるでしょう。

「千丈の堤も蟻の一穴」という故事があるように、
大したことがないと思っていた油断が積み重なると、組織崩壊のきっかけになることもあります。

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廃棄物処理法施行令改正(一般廃棄物処理の再委託に関して)

環境省より、7月5日付で、廃棄物処理法施行令の一部改正が閣議決定されたとの発表がありました。

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について(お知らせ)

 災害廃棄物の迅速な処理のため、被災市町村が災害廃棄物処理を委託する場合に受託者による処理の再委託を認めることを内容とする「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」が、本日7月5日(火)閣議決定されました。
1.改正の趣旨及び内容

 現行制度においては、市町村が一般廃棄物の処理を委託する場合、受託者が処理を再委託することは禁止されているところです。
 一方、東日本大震災により、被災地においては膨大な量の災害廃棄物が発生しており、これらの災害廃棄物の処理は、平時に市町村により行われている日常生活に伴って生じたごみ、し尿等の処理とは全く異質のものとなっています。
 また、被災地の市町村の中には、甚大な被害を受け、災害廃棄物の処理のための人員や体制を確保することができない市町村もあります。
 このような状況を踏まえ、被災地の市町村が災害廃棄物を迅速に処理できるようにするため、東日本大震災によって甚大な被害を受けた市町村が災害廃棄物の処理を委託する場合には、平成26年3月31日までの間に限り、一定の基準の下で、受託者が処理を再委託することができることとする特例措置を設け、市町村の事務負担の軽減を図ることといたしました。
 上記特例措置の創設のため、本日、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました。

2.今後のスケジュール

平成23年7月8日(金) 公布・施行

廃棄物処理法施行令自体が改正されたわけではなく、
被災地の市町村限定の特別措置として、一般廃棄物処理事業の受託者が再委託することを、期間限定(H26.3.31まで)で、「附則」で認めてあげます というものです。

被災地以外の市町村の一般廃棄物処理事業受託者については、今までどおり再委託不可です。

施行令そのものを改正するのではなく、被災地、しかも期間限定で、再委託することを認めてあげましょうという趣旨ですので、
一般廃棄物処理事業受託者におかれましては、誤解のなきようお願いします。

附則を適用して、施行令を読み替えた後の姿はコチラ

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最終処分場は現地確認の対象?

6月3日に配信したメールマガジンを転載します。

 5月27日のNEW環境展記念セミナーは無事終了しました。

 会場にお越しいただいた方には、私の新著「ぜーんぶわかる廃棄物処理実務」が無料で配布されましたので、新著を元に講演を2時間半行いました。

「ぜーんぶわかる廃棄物処理実務」 株式会社日報出版 ¥2,200

 5月27日のセミナーでは、非常に重要な質問をいただきました。

 重要と言っても、5月27日に初めて受けた質問ではありません。

 正確には、講演後に毎回いただいているような気がします。

 いつもその場で回答すると、翌日には質問を受けたこと自体をすっかり忘れてしまうのですが、今回は新著のお披露目であったためか、1週間後の今でも質問を受けたことを覚えておりました(笑)。

 講演後に毎回いただく質問であるということは、メルマガ読者の皆さんにも共通の悩みであると思われますので、今回は、その質問の内容「最終処分場は現地確認の対象か?」を解説します。

 まずは、現地確認の正確な定義から

 廃棄物処理法には、「現地確認」という単語は一言も書かれていません。
 廃棄物処理法で「現地確認」について触れられている箇所(第12条第7項)を簡略化すると、次のようになります。

「事業者は、産業廃棄物の処理を委託するときは、(委託先業者の)産業廃棄物の処理状況を確認し、産業廃棄物の発生から最終処分が終了するまでの間、産業廃棄物の処理が適正に行われるよう必要な措置を講ずるように努力しなければならない。」

 つまり、廃棄物処理法が、事業者に対し「努力しなさい」と言っているのは

・委託先業者の処理状況を確認すること  と

・発生から最終処分されるまでの間、適正処理に必要な措置を講ずること

 の2点です。

 私が、上記の努力義務のことを「現地確認」と言っているのは、
「処理状況の確認」の基本は、実際に処理業者の事業所を訪問し、どんな処理が行われているかを、現地で確認することだからです。

 さて、ここで冒頭の質問に戻ります。
 「最終処分場は現地確認の対象か?」

 廃棄物処理法の努力義務としては、最終処分場についても「処理状況を確認する」ことは必要です。

 しかしながら、中間処理しか委託をしていない排出事業者の場合は、
 中間処理業者の契約先である最終処分場の現地確認をする必要はないと考えています。

 もちろん、時間と費用に余裕がある場合は、直接の契約対象ではなくとも、排出事業者が最終処分場を訪問することも有意義ですが、通常はそこまでやる必要はありません。

 実際問題、排出事業者の「うちの産業廃棄物はどこに埋まっていますか?」という質問には、誰も答えることはできないからです。

 そのため、最終処分状況の確認を行う際は、廃棄物処理法の条文を忠実になぞり、「処理状況の確認」に徹する方が合理的です。

 具体的には、委託先の中間処理業者に対して、

「御社が残さ物の処分を委託している最終処分場の現地確認結果を見せてください」と頼んだり

 もう既に情報公開が義務付けられている、最終処分場の維持管理情報をインターネットで閲覧したりすれば良いでしょう。

 特に、中間処理業者に対して現地確認結果の公開を求めると、中間処理業者自身の意識の高さを知ることができますので、一石二鳥ですね。

 例えば、「いやあ 最終処分場は一回も訪問してないんですよ」という中間処理業者の場合は、違法行為をしているわけではありませんが、危機管理意識が甘いと言わざるを得ませんので、取引先としては信頼性が落ちることになります。

 
 次号では、収集運搬業者や中間処理業者ごとに、どこに注意して現地確認すれば良いかを解説します。

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平成23年2月4日付課長通知の解説(6) 熱回収施設認定制度

平成23年2月4日付で環境省から発出された「環廃対発第110204005号、環廃産発第110204002号」の解説です。

今回は、「熱回収施設認定制度」についてです。
http://www.env.go.jp/recycle/waste_law/kaisei2010/attach/no110204005.pdf

第六 熱回収施設設置者認定制度の創設

1 認定の申請
 認定の申請書に記載する年間の熱回収率の算式は、次の算式のとおりとされているが、(1)~(4)の方法により算出することとしたこと(規則第5条の5の5及び第12条の11の5)。
 A(熱回収率)=(E×3600+H-F)/I×100

(1)「熱回収により得られる熱を変換して得られる電気の量」(E)(以下、「発電量」という。)は、認定を受けようとする熱回収施設以外への電力供給量及び当該熱回収施設内での自家消費電力量を含めた、発電した電気の量とすること。
(2)「熱回収により得られる熱量からその熱の全部又は一部を電気に変換する場合における当該変換される熱量を減じて得た熱量」(H)(以下、「発電以外の熱利用量」という。)は、発電以外の用途に用いられる熱量とし、認定を受けようとする熱回収施設から熱の供給を受けた周辺施設における熱利用量及び当該熱回収施設内での熱利用量を含むものとすること。ただし、当該熱回収施設内での熱利用量のうち、白煙防止や脱硝用等の排ガス再加熱に用いられた熱量は、当該熱量には含まれないこととすること。
(3)「燃料を熱を得ることに利用することにより得られる熱量」(F)(以下、「燃料の利用に伴い得られる熱量」という。)は、以下の式により算定すること。なお、燃料は、化石燃料(灯油、重油、ガス、コークス等)及びRDF、RPF、再生油、廃タイヤチップ、木質チップ等のうち購入された物とすること。
燃料の利用に伴い得られる熱量(F)[MJ]
 =0.2×化石燃料の熱量[MJ]+0.1×化石燃料以外の燃料の熱量[MJ]
(4)「当該熱回収施設に投入される廃棄物の総熱量と燃料の総熱量を合計した熱量」(I)(以下、「投入エネルギー量」という。)は、廃棄物の総熱量(IW)と燃料の総熱量(IF)の合計であるが、燃焼用空気予熱器等の熱回収により得られる熱量が当該熱回収施設の焼却炉又はボイラーに循環して利用されている場合には、当該循環利用される総熱量(IC)も当該値に含むこと。
① 廃棄物の総熱量(IW)
 廃棄物の総熱量(IW)は、以下のいずれかの方法により算出することとし、一般廃棄物処理施設にあっては年4回以上、産業廃棄物処理施設にあっては毎月把握するものとすること。
ア 焼却量および低位発熱量を計測する方法により算出する方法
イ 廃棄物焼却施設の燃焼管理データから推計する方法
ウ 焼却量を計測し低位発熱量を標準的な値に設定して算出する方法
② 燃料の総熱量(IF)
 燃料の総熱量(IF)は、燃料の投入量に当該燃料の低位発熱量を乗じて算出すること。
2 認定の基準
 認定は、規則に規定する熱回収施設の技術上の基準及び熱回収施設を設置している者の能力の基準を満たす場合に行うものとし、それぞれの基準は次のとおりとすること。

(1)熱回収施設の技術上の基準(規則第5条の5の6及び第12条の11の6)
① 一般廃棄物処理施設である熱回収施設にあっては規則第4条に規定する基準、産業廃棄物処理施設である熱回収施設にあっては規則第12条第1号及び第3号から第7号までに規定する基準並びに第12条の2に規定する基準に適合していること。
② 発電を行う熱回収施設にあっては、ボイラー及び発電機が設けられていること。ただし、当該熱回収施設がガス化改質方式の焼却施設である場合にあっては、発電機が設けられていることをもって足りること。
③ 発電以外の熱利用を行う熱回収施設にあっては、ボイラー又は熱交換器が設けられていること。
④ 熱回収により得られる熱量及びその熱を電気に変換する場合における当該電気の量を把握するために必要な装置が設けられていること。
 熱回収により得られる熱量は、蒸気、温水、空気等の温度、圧力、流量等や直接的又は間接的に熱量を求める機器等を用いるなどにより、熱利用機器における利用熱量を計測する方法、熱利用機器への入熱量を計測し同機器の熱回収効率を乗じて利用熱量を推定する方法、熱利用機器への入熱量と同機器からの出熱量を計測しその差を利用熱量とする方法(ただし、熱回収施設以外における熱利用の場合に限る。)のいずれかにより把握することとし、紙または電磁的方法により記録すること。
 その熱を電気に変換する場合における当該電気の量は、電力量計により常時測定することにより把握することとし、紙または電磁的方法により記録すること。
(2)熱回収施設を設置している者の能力の基準(規則第5条の5の7及び第12条の11の7)
① 次の基準に適合した熱回収を行うことができる者であること。
ア 年間の熱回収率が、10パーセント以上であること。
 年間10パーセント以上の熱回収率で熱回収を行うことができる者とは、申請書に記載された年間の熱回収率が10パーセント以上であること、熱回収率の算定の根拠を明らかにする書類に照らして当該熱回収率が妥当であること、かつ、過去(原則として、過去1年間とする。)の実績に照らして今後年間で10パーセント以上の熱回収率を達成することが可能であると認められることをもって判断すること。
 なお、年間の熱回収率を算定するのは熱回収が安定的に行われている期間とし、点検による休炉等に伴い熱回収が安定的に行われていない期間については、その期間が年間に延べ90日を超えない限り、熱回収率の算定の対象とする期間から除外することができること。
イ 当該熱回収施設に投入される廃棄物の総熱量と燃料の総熱量を合計した熱量の30パーセントを超えて燃料の投入を行わないこと。
 熱回収施設設置者認定制度は、主として廃棄物を処理する施設を対象としていることから、当該熱回収施設に投入される燃料の総熱量は、廃棄物の総熱量と燃料の総熱量を合計した熱量の30パーセントを超えないこととしていること。
② 当該熱回収施設における熱回収に必要な設備の維持管理を適切に行うことができる者であること。
3 認定証の交付
 都道府県知事は、産業廃棄物処理施設である熱回収施設について認定をしたときは、規則様式による認定証を交付しなければならないこと(規則第12条の11の10)。なお、一般廃棄物処理施設である熱回収施設についても、これに準じて認定証を交付されたいこと。
4 熱回収施設における廃棄物の処分等の基準
 熱回収を効率よく行うことができるよう、認定熱回収施設設置者が当該認定に係る熱回収施設において廃棄物の処分を行う場合には、廃棄物処理基準にかかわらず、以下の基準に従って処分を行うことができること(法第9条の2の4第3項、第15条の3の3第3項等)。

(1)通常の廃棄物処理基準においては、一般廃棄物及び産業廃棄物を焼却する場合には、安定的な燃焼状態を確保するため、廃棄物を定量ずつ燃焼室に投入することができる設備を用いて焼却することが義務付けられているが、認定熱回収施設においては、廃棄物を定量ずつ燃焼室に投入することができる設備を用いて焼却することを義務付けないこと。
(2)通常の産業廃棄物処理基準においては、産業廃棄物を保管する場合には、保管する産業廃棄物の数量が、当該産業廃棄物に係る廃棄物処理施設の1日当たりの処理能力の14日分を超えないようにしなければならないとされているが、認定熱回収施設においては、処理能力の21日分まで保管できること。
 なお、当該熱回収施設に船舶を用いて産業廃棄物を運搬する場合や、定期点検等の期間中に産業廃棄物を保管する場合等については、規則第12条の11の9に定める数量を保管できること。
(3)(1)及び(2)に定めるもののほか、熱回収施設において行うことが想定されない熱分解を行う場合及びし尿処理施設に係る汚泥を再生する場合の基準を除き、それ以外は通常の廃棄物処理基準と同様とすること。
(4)特別管理産業廃棄物についても(1)から(3)までと同様とすること。

地球温暖化対策の一環として、廃棄物処理法にも細々と盛り込まれた新しい規定です。

産業廃棄物の焼却炉の場合、初期設計のままで、熱回収率10%以上を達成するのは非常に困難であるため、認定を受けるためには何らかの設備投資が必要な施設が多いようです。

「外部燃料30%以下」という制限もあるため、廃油や廃プラスチック類などカロリーが高い産業廃棄物を燃やす施設でないと、認定を受けるのはほぼ無理ではないかと思います。

一部、先進的な廃棄物処理企業においては、安くはない設備投資をし、熱回収施設認定を目指しているところがありますが、
認定を受けるメリットが、廃棄物の保管数量が「14日分」から「21日分」になるだけですので、実利的なメリットはほぼありません。

国税庁などと協議をした上で、「認定を受ければ、認定施設に係る減価償却を1年とか3年の短期間で認める」というメリットが出せれば、爆発的に認定取得のニーズが高まるのは間違いありません(笑)。

大部分の廃棄物処理企業においては、当面は先行企業の様子見で十分かと思います。

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平成23年2月4日付課長通知の解説(5) 最終処分場の維持管理

平成23年2月4日付で環境省から発出された「環廃対発第110204005号、環廃産発第110204002号」の解説です。

今回は、「最終処分場の維持管理」についてです。
http://www.env.go.jp/recycle/waste_law/kaisei2010/attach/no110204005.pdf

第五 最終処分場の適正な維持管理の確保
1 維持管理積立金の積立て義務違反への措置
 廃棄物処理施設の設置の許可を受けた者が維持管理積立金を積み立てていないときは、都道府県知事は当該者の廃棄物処理施設の設置の許可を取り消すことができることとされたが、当該規定は、維持管理積立金の積立て義務の着実な履行を担保するために設けたものであり、必ずしも当該義務を履行していない最終処分場の設置者の許可を取り消さなければならないものではないこと。

2 許可の取消しに伴う措置
 廃棄物の最終処分場の設置の許可が取り消されたときは、当該許可を取り消された者又はその承継人(以下「旧設置者等」という。)は、法第9条の2の3第2項又は第15条の3の2第2項の規定に基づく最終処分場の廃止の確認を受けるまでの間、定期検査の受検、維持管理基準の遵守、維持管理計画及び維持管理の状況に関する情報の公表、維持管理に関する事項の記録及び閲覧、周辺地域への配慮、技術管理者の配置、事故時の措置の義務を負うとともに、改善命令、報告徴収及び立入検査の対象となることとしたこと。
 「承継人」とは、以下の①~③のいずれかに該当する者をいうこと。
① 法第8条第1項又は第15条第1項の許可が取り消された廃棄物の最終処分場(以下「旧廃棄物最終処分場」という。)を譲り受け、又は借り受けた者
② 旧廃棄物最終処分場の設置者であった法人の合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該旧廃棄物最終処分場を承継した法人
③ 旧廃棄物最終処分場の設置者であった者について相続があったときの相続人
 また、旧設置者等は、法第9条の2の3第2項又は第15条の3の2第2項の規定に基づき、あらかじめ当該最終処分場の状況が法第9条第5項(法第15条の2の6第3項において準用する場合を含む。)に規定する技術上の基準に適合していることについて都道府県知事の確認を受けたときに限り、当該最終処分場を廃止することができることとしたこと。

3 最終処分場の設置者であった者等に係る維持管理積立金の取戻し
 維持管理積立金を取り戻すことができる者を、最終処分場の設置者又は設置者であった者若しくはその承継人(これらの者が法人である場合において、当該法人が解散し、当該最終処分場を承継する者が存在しないときは、当該法人の役員であった者を含む。)としたこと(法第8条の5第6項及び第15条の2の4)。
 法人の役員については、最終処分場の維持管理義務を直接負うものではないが、自主的に維持管理を行う場合が想定され、そのような場合には当該最終処分場の維持管理を行う範囲において維持管理積立金を取り戻せることとしたこと。
 旧廃棄物最終処分場の維持管理を行う場合において、維持管理積立金の取戻しの申請をするときは、維持管理の内容を記載した書面、経費の明細書、維持管理を行うことを証する書面及び申請者が設置者であった者若しくはその承継人(これらの者が法人である場合において、当該法人が解散し、当該最終処分場を承継する者が存在しないときは、当該法人の役員であった者を含む。)であることを証する書面(閉鎖事項証明書等)を添付するものとしたこと(規則第4条の15及び第12条の7の13)。
 また、設置者であった者若しくはその承継人(これらの者が法人である場合において、当該法人が解散し、当該最終処分場を承継する者が存在しないときは、当該法人の役員であった者を含む。)は、旧廃棄物最終処分場の維持管理を行うために必要な範囲内において、独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」という。)に対し、当該旧廃棄物最終処分場に係る維持管理積立金の額を照会できることとしたこと(規則第4条の16第2項及び第12条の7の14第2項)。

4 行政代執行に係る維持管理積立金の取戻し
 市町村長又は都道府県知事が法第19条の7又は第19条の8に基づき自ら生活環境保全上の支障の除去等の措置を講じた場合において、当該措置が特定一般廃棄物最終処分場又は特定産業廃棄物最終処分場の維持管理に係るものであるときは、市町村長又は都道府県知事は、当該維持管理の費用に充てるため、維持管理積立金を取り戻すことができることとしたこと(法第19条の7第6項及び第19条の8第6項)。
 この場合、市町村長又は都道府県知事は、あらかじめ、特定一般廃棄物最終処分場又は特定産業廃棄物最終処分場の設置者等及び機構へ通知しなければならないこと。この通知については、以下に掲げる事項を記載した文書に、維持管理に係る支障の除去等の措置の内容を記載した書面及び経費の明細書を添付したものを交付して行うこと。
① 設置者等の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
② 当該特定一般廃棄物最終処分場又は特定産業廃棄物最終処分場に係る許可の年月日及び許可番号(許可が取り消されている場合には、当該許可の取消年月日及び取消前の許可番号)並びに所在地
③ 取り戻そうとする維持管理積立金の額

5 経過措置
 廃棄物処理施設の設置の許可を受けた者が維持管理積立金を積み立てていないときは、都道府県知事は当該者の廃棄物処理施設の設置の許可を取り消すことができることとされたが、平成23年度以降に積み立てられるべき維持管理積立金の積立て義務に違反した場合にのみ廃棄物処理施設設置の許可の取消事由となるものであること(改正法附則第3条第2項)。
 また、旧廃棄物最終処分場の維持管理義務については、平成23年4月1日以降に廃棄物処理施設の設置の許可の取消しを受けた者にのみ適用されるものであること(改正法附則第3条第3項)。
 旧廃棄物最終処分場の維持管理に係る支障の除去等の措置を講じた市町村等又は都道府県知事による維持管理積立金の取戻しについては、平成23年4月1日以降に行った旧廃棄物最終処分場の維持管理に係る支障の除去等の措置についてのみ適用されるものであること(改正法附則第9条)。

※ 解説

最終処分場を設置した事業者のみに関係する改正なので、実務的に関係がある人は少ないと思います。

そのため、改正がされた背景を解説すると、

最終処分場は、埋立完了後も、排水などを管理し続ける必要がありますので、
埋立完了後は、売り上げが無いのに、経費ばかりが出ていくことになります。

その埋立終了後の管理経費として、「維持管理積立金」を、毎年積立てることになっています。

2010年改正以前は、維持管理積立金を取り崩すことができる者は、その積立を行った者のみでした。

しかしながら、最終処分場を設置した事業者が、管理の手間や売り上げが伸びないことに音を上げ、最終処分場の管理責任を全うしないまま、廃業や許可取消を受けると、最終処分場を管理する者がいなくなります。

そのような場合は、市町村が最終処分場の維持管理を代行せざるを得ないケースが出てきました。

ここで問題となったのが、2010年改正以前は、維持管理積立金を市町村が取り崩せないということでした。

税金で民間事業者のしりぬぐいをしながら、本来はその財源となるべき積立金は一切取り崩せないというのはあまりにも不合理
ということで、2010年改正で、管理を代行した市町村も積立金を取り戻せることになりました。(上記の4の部分)

その他、2の最終処分場の設置許可が取り消された場合に、誰が管理義務などを承継するのかという規定も
実務的には重要なポイントです。
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平成23年2月4日付課長通知の解説(4) 維持管理情報の公開

約1か月ぶりの解説になりますが、平成23年2月4日付で環境省から発出された「環廃対発第110204005号、環廃産発第110204002号」の解説を再開します。

今回は、「廃棄物処理施設の維持管理に関する情報の公開」についてです。
http://www.env.go.jp/recycle/waste_law/kaisei2010/attach/no110204005.pdf

第四 廃棄物処理施設の維持管理に関する情報の公開
1 対象となる廃棄物処理施設
 維持管理に関する情報の公開の対象となる廃棄物処理施設は、次のとおりであること。
① 一般廃棄物の焼却施設
② 一般廃棄物の最終処分場
③ 産業廃棄物の焼却施設
④ 廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物の溶融施設
⑤ 廃ポリ塩化ビフェニル等若しくはポリ塩化ビフェニル処理物の分解施設又はポリ塩化ビフェニル汚染物若しくはポリ塩化ビフェニル処理物の洗浄施設若しくは分離施設
⑥ 産業廃棄物の最終処分場

2 維持管理に関する情報の公表
 1に掲げる廃棄物処理施設の設置者又は管理者が公表しなければならない維持管理に関する情報は、法第8条の4等の規定により記録し、備え置かなければならないことととされている事項と同様の事項とし、当該事項の結果の得られた日等の属する月の翌月の末日までに公表し、当該日から3年を経過する日まで公表することとしたこと(規則第4条の5の2、第4条の5の3等)。
 公表方法については、インターネットその他の適切な方法により公表することとされており、幅広い関係者が当該情報にアクセスできるようにするという視点からは、原則としてインターネットを利用する方法が望ましいこと。ただし、連続測定を要する維持管理情報について、インターネットでの公表が困難な場合に、求めに応じてCD-ROMを配布することや、紙媒体での記録を事業場で閲覧させることなどについては、「その他の適切な方法」による公表に該当するものであること。

3 経過措置
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成9年法律第85号)による改正前の法第8条第1項等の許可又は届出に係る廃棄物処理施設については、当該施設の維持管理に関する計画の策定が義務付けられていなかったことから、これらの施設については、変更の許可を受け、又は届出をするまでの間は、維持管理に関する情報を公表する改正規定のうち、維持管理に関する計画を公表する部分については適用しないこととしたこと(改正法附則第4条)。

定期検査の受診義務と同様、
施設の維持管理情報情報の公開対象施設は、「焼却施設」、「石綿溶融施設」、「PCB処理施設」、「最終処分場」の4種類です。

既に公開を始めている企業が多いので、最終処分場などと取引をしている場合は、相手の処理企業のHPで実例を見ることが可能です。

意外にも、情報を公開する側の処理企業には、この情報公開義務は好評のようです。
これまで顧客の要請に対して、
大気や水質の測定結果など、一つ一つを抜粋して資料作成していた手間が大幅に省けるからですね。

また、虚偽内容を情報公開することに関しては今のところ罰則はありませんが、
いいかげんな管理しかしていない企業と、そうではなくしっかりとモニタリングをしている企業の差がわかりやすくなりますので、情報公開することによって、営業上の競争力に差が出ることも歓迎されています。

※だからといって、適当な情報のみを公開する企業が問題を起こしてしまうと、大気汚染防止法や水質汚濁防止法と同様に、廃棄物処理法も改正され、刑事罰が規定されるかもしれません。

その一方で、
最終処分場の残存容量など、処理企業にとってできるだけ公開したくはない情報も公開の対象となっていますので、痛し痒しの側面があるのも事実です。

全般的には、排出事業者と処理業者の双方に歓迎されている改正事項と言えるでしょう。

今後は、委託先処理業者選別の重要なチェック指標になります。
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