最新情報

  • 2012年5月22日 · · · 使用済み紙おむつは産業廃棄物です
  • 2012年5月21日 · · · 下取り品の排出事業者は誰か(大阪府のFAQより)
  • 2012年5月18日 · · · 震災廃棄物処理特需とその反動
  • 2012年5月17日 · · · マニフェストに関するよくある誤解
  • 2012年5月16日 · · · トヨタの自動車リサイクルが好調なようです
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    私の立ち位置

    先日、東京のとある方から、電話相談の冒頭で「先生はまだ行政書士をやっておられますか?」という問いかけをいただきました。

    「一応やっています」と答えましたが(笑)、開業当初から廃棄物処理法関連手続きしか扱っていないので、講演などでプロフィールを行政書士として紹介されるたびに、居心地の悪さを感じています。

    実際のところ、行政書士試験にはキチンと合格して開業しておりますが、建設業や車庫証明などの一般的な行政書士の仕事はしたことがありません。

    廃棄物処理法関連手続き以外の実績としては、飲食店の営業許可と一般貨物運送事業許可がそれぞれ1件ずつだけです。

    私が手掛けている行政書士業務の99.99%は、廃棄物処理法関連手続きです。

    こんな行政書士は日本でも一人だけだと断言できます。

    と、偉そうに言っておりますが、自分が行政書士であることを意識する瞬間は1日当たり30秒もありません。

    それを意識するのは、電話を掛ける際に、「行政書士の尾上です」と名乗るときくらいです。

    こういう時の肩書としては、行政書士は非常に便利です。
    属性や立ち位置をそれ以上説明する必要がありませんので。

    では、常日頃、自分のアイデンティティはどこにあるのかをふと考えてみました。

    行政書士に軸足を置いていないことは上述した通りです。

    肩書やキャッチフレーズでアイデンティティを規定すると、陳腐になってしまいますので、
    「誰に喜んでもらうために仕事をしているのか」を切り口に考えてみました。

    その答えは

    「廃棄物処理企業の社長!」

    と言いたいところですが、

    どうやらそれも少し違うようです。

    もちろん、廃棄物処理企業の社長に喜んでももらうのが一番ですし、実際に顧問契約の大半は社長さん自らの打診によって締結したものです。

    そのため、現状では、「廃棄物処理企業の社長」に喜んでもらうために仕事をしています。

    しかしながら、そのような先進的な廃棄物処理企業の比率は、業界全体でいうと非常に小さいものです。

    また、社長さんだけが熱心でもダメで、社長の手足となって働く従業員の熱意も根本的に重要です。

    あと、現在、まだまだ少数ではありますが、排出事業者である企業のご支援も増えていますので、
    「廃棄物処理企業の経営リスク」から、「廃棄物処理法に関する企業リスク」まで思考の枠を広げる必要が出てきました。

    根本的な知識の量が変化するわけではありませんが、
    知識をアウトプットする局面が、「○か×か」という2次元ではなく、3次元や4次元的な広がりを持たせることが必要になりました。

    従来の「廃棄物処理企業の経営リスク重視」を、立ち位置Ver.1とすると、
    Ver.1を包括した立ち位置Ver.2を意識する時期に来たようです。

    個人的な現状分析で恐縮ですが、次回のブログで、Ver.2の立ち位置を表明したいと思います。

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    被覆電線の焼却(昭和54年11月26日付環整128号、環産42号より抜粋)

    法律改正の歴史的経緯を知るために取り上げましたが、現在はこのような銅線の取り出しは認められていませんので、ご注意ください。

    野焼きをせずとも、被覆物を手動で剥離できる機械がありますので、わざわざ野焼きをする人は現在の日本にはいないと思いますが。

    昭和54年当時は、現在の発展途上国のように、日本でも焼却で手っ取り早く銅線を取り出す方法が主流だったということですね。

    問27 購入した被覆電線を焼却し銅線を取り出し売却している者がいるが、この行為は廃棄物処理業の許可が必要か。
    答 当該被覆電線は有価物であり、廃棄物処理業の許可は要しない。

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    2012年4月10日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    報告徴収に対する義務違反で逮捕

    記事の表現が不正確であるため、ミスリードしている可能性がありますが、おそらく報告徴収に対する義務違反で逮捕されたものと思われますので、それを前提として解説をします。

    産経ニュース 県への廃棄物処分報告を拒否 容疑の土建業者逮捕 千葉県警

     産業廃棄物処理の際に義務づけられている県への報告を拒否したとして、県警環境犯罪課と市原署は、廃棄物処理法違反容疑で、容疑者を逮捕した。同課によると、容疑者は「産廃ではなく残土なので報告義務はない」と容疑を否認している。

     同課によると、産業廃棄物か、その疑いがある物を処分する際、排出元や運搬業者などを県に証明、報告する必要があるが、容疑者は「先方に迷惑がかかる」などと示さなかった。

     逮捕容疑は昨年9月上旬から10月7日にかけ、市原市勝間にある内縁の妻名義の資材置き場に大量の土砂のようなものを廃棄。県から繰り返し報告を求められたが拒否した上、同14日の期限までに報告をしなかったとしている。

     同課によると、容疑者は建設業者などから、ダンプ1台分5千円で廃棄物処理を請け負っていたが、中には産廃である汚泥を取り扱う業者のダンプも出入りしていたことが確認されていた。

    2段落目の
    「産業廃棄物か、その疑いがある物を処分する際、排出元や運搬業者などを県に証明、報告する必要があるが、容疑者は「先方に迷惑がかかる」などと示さなかった。」
    が、一番不正確です。

    なぜなら、産業廃棄物を処分するたびに、行政に対して排出事業者その他を証明、報告する義務など、廃棄物処理法には規定されていないからです。

    念のため、千葉県の条例も調べましたが、千葉県条例でもそのような規定はなさそうです。

    現実的に考えるとすぐわかることですが、産業廃棄物を処分するたびに行政にそれを報告させると、行政はその報告の受付事務だけでパンクします(笑)。

    それに、そんな報告をする義務があるならば、マニフェストを運用する意味がまったくありません。

    こうして考えると、記事が言いたかったことは、
    「報告徴収に対する義務違反」で逮捕された、ということだと思われます。

    廃棄物処理法第18条第1項

    (報告の徴収)
     都道府県知事又は市町村長は、この法律の施行に必要な限度において、事業者、一般廃棄物若しくは産業廃棄物又はこれらであることの疑いのある物の収集、運搬又は処分を業とする者、一般廃棄物処理施設の設置者(市町村が第六条の二第一項の規定により一般廃棄物を処分するために設置した一般廃棄物処理施設にあつては、管理者を含む。)又は産業廃棄物処理施設の設置者、情報処理センター、第15条の17第1項の政令で定める土地の所有者若しくは占有者又は指定区域内において土地の形質の変更を行い、若しくは行つた者その他の関係者に対し、廃棄物若しくは廃棄物であることの疑いのある物の保管、収集、運搬若しくは処分、一般廃棄物処理施設若しくは産業廃棄物処理施設の構造若しくは維持管理又は同項の政令で定める土地の状況若しくは指定区域内における土地の形質の変更に関し、必要な報告を求めることができる

    赤字で書いた部分のキーワードが、産経ニュースの記事中にも現れていますので、おそらくはこのことかと。

    容疑者は、「残土だから産業廃棄物ではない」として、報告徴収に対する報告を行っていないようですが、
    容疑者の認識としてはそうだったとしても、上記のように、「産業廃棄物の疑いがある物」は報告徴収の対象になりますので、やはり法律違反です。

    罰則としては、廃棄物処理法第30条により「30万円以下の罰金」になります。

    「残土だから報告義務なし」ではなく、
    「報告によって、残土であることを証明」しなければならなかったのです。

    千葉県から改善指導がなされたのは昨年の10月頃のようですので、半年経過後の立件となります。

    半年の間に、警察による内偵調査が実行され、確実に立件できるという確証が得られたために立件に踏み切ったものと思われます。

    土砂などの具体的な放置量が書かれていませんが、相当大量の放置量に達しているものと思います。

    行政OBとしては、容疑者が有罪となるかどうかよりも、事件の後始末にかかる時間や経費の方が心配です。

    「ダンプ1台あたり5,000円」というのが事実であるならば、破格の安値と言わざるを得ません。

    処理を委託した排出事業者も厳しく追及されるのは間違いありません。

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    2012年4月9日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    下請が自ら運搬する場合のマニフェスト交付者は誰?

    顧問先処理企業からのご質問で、ハタと一瞬悩んだものがありましたので、ブログでシェアしておきたいと思います。

    2010年改正で、第21条の3という条文が新設され、第3項で下請の自ら運搬できる規定が設けられました。
    第21条の3第3項

    建設廃棄物の排出事業者は「元請業者」であることが原則ですが(第21条の3第1項)、
    一定の範囲の工事で、少量の廃棄物を運ぶ場合のみ、下請の廃棄物とみなして運搬することができるという規定です。

    さて、ここから実務的な話になりますが、
    下請が自ら運搬する場合、委託契約は、元請と産業廃棄物処理業者の間で契約書を作成することになりますが、マニフェストの交付者は誰になるのでしょうか?

    排出事業者であり、委託契約の当事者である「元請」と考えるの正論だと思います。

    しかし、環境省が平成23年3月17日付で発出した「産業廃棄物管理票制度の運用について」では、

    (4) 法第21条の3第3項に基づき下請負人が産業廃棄物を自ら運搬する場合
     この場合においても、下請負人が自ら運搬する産業廃棄物の排出事業者は元請業者であることから、当該産業廃棄物に係る管理票は、元請業者が交付すること。なお、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付することは差し支えないが、下請負人は管理票の写しの送付、保存等の義務は負わないこと。
     なお、下請負人が産業廃棄物を自ら運搬する場合において、元請業者が下請負人に運搬の委託をしているわけではないことから、元請業者が自ら運搬する場合と同様、「運搬受託者」及び「運搬の受託」欄に下請負人の氏名等を記入する必要はないこと。ただし、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付した場合には、「交付を担当した者の氏名」欄には、当該交付を担当した下請負人の氏名を記載すること

    と、交付担当者には、下請業者の氏名を書くこととしています。

    しかし、2010年改正に関する環境省のQ&Aでは、

    Q11.法第21条の3第3項の適用を受けて下請負人が運搬を行う場合、処分の委託に係るマニフェストは下請負人が交付すればよいのですか。
    A11.この場合であっても、元請業者がマニフェストを交付する必要があります。

    とされており、通知の内容と矛盾するQ&Aが掲載されています。

    ひょっとすると、「いや、通知の内容は交付担当者の記載方法を説明しているだけで、元請が交付しなければならないという意味では一緒なのだ」という論理なのかもしれません。

    しかしながら、交付担当者という日本語は、「マニフェストを交付する権限と責任を持った担当者」と解する方が素直だと思いますので、3月17日付の通知の論理の方がおかしいと言えそうです。

    また、Q&Aの最終更新日が「平成23年5月18日」と、通知を出した後にアップデートされている点にも注目したいと思います。

    この時点で、環境省の見解が変更となり、最新の見解をHPで公開し直したと受け止めることもできそうです。

    ただ単に、環境省の担当者が異動になっただけで、省としての見解に変更があったわけではないのかもしれませんが。

    結論としては、個人的には、下請の自ら運搬の場合であっても、元請業者が交付担当者としてマニフェストを交付すべきと考えます。

    交付担当者の記載自体は些末なことなのかもしれませんが、
    契約の当事者ではない下請が、自由にマニフェストを交付して運搬まで行うというのは、
    法律的には「悪夢」以外の何者でもありません。

    万が一、下請が不法投棄をした場合、詰め腹を切らされるのは元請なのですから。

    こういう疑問が生じた場合、環境省や自治体に問い合わせ、答えを聞いただけで満足する人が多いのですが、
    上述したように、同じ環境省であっても、矛盾した内容で文書を出すことがあるくらいですから、他人の答えを鵜呑みにするのは危険、あるいは怠慢と言えます。

    重要なのは、自分自身の頭で考え、常識や制度趣旨と照らし合わせたうえで、妥当と思われる結論を導き出す努力です。

    ゆえに、当ブログも盲信してはいけません(笑)。

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    またもやマニフェストの運用違反で行政処分

    昨日、岡山県の行政処分事例を取り上げたところですが、
    昨日付で東京都でも同様の行政処分事例が発生しましたので、再度解説します。

    東京都 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について から、処分の内容を引用します。

    1 次の産業廃棄物処理業者は、東京破砕工場において、処理を受託した産業廃棄物について、処分が終了していなかったにもかかわらず、産業廃棄物管理票の写しの処分終了日欄に日付をいれて、産業廃棄物の処理を委託した者に送付した。
     このことは、産業廃棄物管理票の取扱いを定めた法第12条の4第3項の規定に違反しているため、事業の停止命令の行政処分を行います。
    名称 前田道路株式会社(まえだどうろ)
    代表者氏名 圓尾龍太
    住所 東京都品川区大崎一丁目11番3号
    処分内容 東京破砕工場(施設の場所:東京都江戸川区東葛西三丁目17番11)に許可した産業廃棄物処分業(許可番号:13-20-006048号)の事業の全部停止30日間

    2 次の産業廃棄物処理業者は、産業廃棄物管理票を交付しなければならないこととされている場合において、同管理票の交付を受けていないにもかかわらず、上記1の者から、産業廃棄物の引渡しを受けた。
     このことは、産業廃棄物管理票の取扱いを定めた法第12条の4第2項の規定に違反しているため、事業の停止命令の行政処分を行います。
    名称 略
    代表者氏名 略
    住所 略
    処分内容 産業廃棄物収集運搬業の許可の事業の全部停止30日間
    事業停止期間 平成24年4月9日から同年5月8日まで

    中間処理業者のみならず、中間処理残さの運搬を受託した収集運搬業者も処分されています。
    もっとも、収集運搬業者に対する処分は、「マニフェストの交付を受けていないのに、産業廃棄物の引渡しを受けた」ためです。

    前田道路株式会社は東証一部上場企業です。

    東証一部上場企業であっても、このような稚拙なマニフェストの運用をしているというのが現実のようです。

    前田道路株式会社にとっては、恥ずべき汚点と言わざるを得ません。

    しかしながら
    事業規模が大きいためか、今回の行政処分が株価に与えた影響は軽微なものに止まっているようです。

    とはいえ、30日間も操業をストップしないといけないということは、損失が大きいのも事実。

    処理困難通知も当然出さなければなりません。

    こういった事後処理のみが得意になっても、企業活動にはほとんど役立ちません。

    「予防」というレベルの話以前に、
    「当たり前の義務を正確に実行する」ことが大原則です。

    昨日訪問した顧問先の処理企業の皆さんに、処理終了年月日の記載手順を尋ねたところ、
    行政処分を受けた会社のような稚拙な手順ではなく、
    「受入時に記入するのではなく、正確な処理終了年月日を記載しています」とお答えいただいたので、大いに安心したところです(笑)。

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    マニフェストの運用違反で行政処分

    岡山県で、マニフェストの処理終了年月日の虚偽記載と返送違反で、「事業の一部停止処分」が下されました。

    産業廃棄物処理業者に対する行政処分の実施について 2012年3月30日発表

     被処分者は、平成23年7月22日に排出事業者から木くず等の焼却処分を受託したが、当該木くず等の焼却処分が終了していないにもかかわらず、焼却処分が終了した後に送付すべき管理票の写し3枚を排出事業者に対し送付した。
     また、平成23年6月15日及び平成23年7月22日に排出事業者から木くず等の焼却処分を受託したが、中間処理産業廃棄物(燃え殻)について最終処分を行っていないにもかかわらず、最終処分が終了した後に送付すべき管理票の写し5枚を排出事業者に対し送付した。
     これらのことは、法第12条の4第3項及び第4項の規定(虚偽の管理票の写し送付の禁止)に違反し、法第14条の3第1号の事業の停止処分の事由に該当するものである。

    処理が終了していないのに、C2票やD票を返送するのは、処理終了年月日の虚偽記載と虚偽のマニフェストの返送に該当します。

    これはもちろん違法なので、講演の際には「ダメですよ」と常々申し上げているところですが、実際には多くの処理業者が同じ運用をしているのではないでしょうか?

    「立入検査を何度も受けてきたが、一回も指摘されなかった!」

    それはただ単に運が良かっただけです。

    マニフェストの虚偽記載を見抜くためには、ある程度の場数を踏んでいないと気付かない面がありますので、行政職員がその場では気付かないこともよくあります。

    しかし、違法は違法ですので、今回のケースのように、行政が違反を覚知した段階で行政処分の対象となってしまいます。

    今回のケース 事業の一部停止処分でむしろラッキーだったと言えるかもしれません。

    違反の内容としては、刑事罰の対象となる違反でしたので、業許可が取消されてもおかしくありませんでした。

    もっとも、事業の停止処分を受けた以上、「処理困難通知」を出さねばなりません。

    「どうせ正確な処理終了年月日はわからないんだから、受け入れた時点でE票まで返せばいいんだ」
    という運用はいますぐ止めましょう!

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    問題は需要の量

    厄介者の廃棄物を製品原料と変えるリサイクル技術2件のご紹介です。

    中日新聞 廃棄物貝殻で陶磁器用粘土

     産業廃棄物だった貝殻を粉末にして粘土に混ぜることで、家庭のオーブンでも簡単に陶磁器が作れる魔法の土「貝粘土」が完成した。開発したのは瀬戸市孫田町の窯業原料メーカー「瀬戸製土」会長の谷口良治郎さん(81)。産廃の貝殻を活用できる上、低温で焼き上がるため燃料費も20分の1で済む。陶土の倍近い価格がネックだが、関心を集めそうだ。

     きっかけは東京で昨年2月にあったギフトショー。参加した谷口さんが、岡山県浅口市の商工会のブースで足を止めた。気になったのは、特産である藻貝のつくだ煮ではなく、横にあったその貝殻。「これは粘土に使える」と感じ、その場で「貝殻をもらえないか」と掛け合った。

     谷口さんはホタテガイと粘土、トウモロコシ樹脂でつくる次世代粘土「アイコーン」を開発した実績もある。軽くて割れにくいとして、2005年の愛・地球博(愛知万博)で納入された商品だ。

     貝粘土は、藻貝の貝殻55%、粘土30%、トウモロコシを原料とした樹脂15%で構成される。「貝殻の汚れが入ると製品が黒くなり、塩分が入ると土に粘り気がなくなる」といい、白さを維持するために編み出した技術は「企業秘密」だ。

     焼き上げる温度は150度。一般の陶磁器は1200~1300度なので、必要なエネルギーは極端に少ない。溶けた樹脂がつなぎ役になるためだ。また、低温で焼くため化学変化が起きず、土中に埋めれば5年ほどで土に返るという。

     貝殻を提供する水産加工会社の六車正憲さん(58)も、「貝殻は処理にも費用がかかり、活用方法を模索しているところ。きれいな陶器にしてもらえることは、こちらとしてもありがたい」と話し、双方に利点がある。

     まだ値は張るが「需要が高まれば、もっと安くなる。いかに広めるかが今後の鍵」と谷口さん。「家庭でも焼けるし、愛好家には陶芸がもっと身近になる商品」と自信をみせている。

    廃棄しても土に返るというのが最大のポイントですね。

    焼き上げの温度が低くて済むのも魅力です。

    しかしながら、素材として有望なことがわかったとしても、貝殻をコンスタントに一般家庭に買ってもらうのは非常に難しいと思われますので、教育機関や自治体との連携が不可欠となります。

    神護寺(京都)や比叡山は、「かわらけ投げ」ができる場所として有名ですが、かわらけ投げを各地の寺社で行うようにすれば、貝粘土の需要はもっと増えると思います(笑)。

    日本経済新聞 廃棄コンクリやアスファルト、自然な砂に再生 ハイナン

     解体工事・廃棄物処理のハイナン(静岡県牧之原市、畑設司社長)は、コンクリートとアスファルトの塊から再生砂を製造する技術を開発した。自然砂に近い色合いで、透水性が高く固まりにくいのが特徴。公共事業が減少するなか、新たな収益の柱に育てて、2014年6月期には環境事業の売上高を10年6月期より2割増やしたい考えだ。

     開発したのは、粒の大きさが10ミリメートル以下の規格「RC―10」を満たす再生砂。解体現場で出るコンクリート塊とアスファルト塊を原料とする。同じ原料を再利用する「再生砕石」の製造ノウハウを応用。粉砕機に何度もかけた後に配合し、自然乾燥して製造する。再生砂はサラサラとした手触りで、天然の砂に似たまだらな灰色をしている。

     従来の再生砂は瓦やれんが、陶磁器が主原料だが、「赤茶色で廃棄物と誤解されやすく、施工業者があまり使いたがらない」(福世建次郎取締役)という。環境負荷が小さいことをPRし、自然砂の代替品として県中西部の土木工事業者へ売り込む。

     上下水道管や地中電線の緩衝材、管路敷設工事の埋め戻し材として使用できる。こうした用途では「水道管破裂など不具合箇所が分かるように透水性があり、掘り返しも楽な素材が求められる」(福世取締役)。

     コンクリートとアスファルトの理想的な配合比を割り出し、自然砂との比較実験を重ねて、緩衝効果や水はけが自然砂と同じ程度になるようにした。

     価格は1立方メートル当たり2千~3千円と「自然砂とほぼ同じ」(畑社長)で、再生砕石と比べると約3割高いが「利益率が高く、生産量が増えれば採算は合う」という。畑社長は「公共事業の減少で再生砕石の価格競争は厳しい。再生砂の需要は増加が期待でき、地域のシェアをいち早く固めたい」と話している。

    薄利多売に耐えられる経営状況であるならば、この新製品も将来有望になるかもしれません。

    この製品の問題は、技術が革新的であるわけではなく、手間を砕石製造以上にかけなければいけない点。

    「利益率が高い」と言えるのかは、個人的には疑問です。

    ただし、国内と外国の自然砂が枯渇するような状況になれば、再生砂の価値が一気に高まりますので、それに備えた準備としては有り得る戦略なのかもしれません。

    リサイクル技術を開発すること自体は簡単ですが、その技術で作られた製品の需要があるかどうかは別問題。

    民間企業が手掛ける以上、リサイクル後の製品の需要が有るかどうかが根本的に重要です。

    社会環境の変化が速い現代では、昔は有望であった需要が技術開発前に消失することがよくあります。

    その逆に、廃タイヤのように昔は需要がなかったものに対し、急に需要が増えるようなケースもあります。

    技術開発自体は重要ですので、積極的に開発をしていくべきですが、その技術と企業の命運を心中させるような投資は危険と言わざるを得ません。

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    2012年4月2日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    「暴力団と社会的に非難されるべき関係を有している」とは?

    岐阜県で、「暴力団と社会的に非難されるべき関係を有している」という理由だけに基づき、業許可と施設の設置許可が取消されるというケースが出ました。

    岐阜県 産業廃棄物処理業者に対する業及び施設設置の許可取消処分を行いました

    5 取消しの理由

    岐阜県警察本部長から、被処分者の役員が暴力団員に対し、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなると知りながら、利益供与を行った旨、情報提供があった。
     このことは、法第14条の3の2第1項第1号、法第14条の6及び法第15条の3第1項第1号に規定する法第14条第5項第2号イにおいて定める法第7条第5項第4号トに該当する。

    どの程度暴力団と密接に関係していたかがわかりませんので、岐阜県の処分が妥当かどうかは判断できませんが、手続的には「これだけでよく取消に踏み切ったな」と、手法に危うさを感じているのが正直なところです。

    廃棄物処理法違反やその他の法律違反の場合は、刑事罰の確定によって、欠格要件に該当したことが外形的に明らかになりますから、事務的に行政処分を進めることが可能です。

    しかし、今回のケースの場合は、「暴力団と付き合いがあるから」という、外形的に証明しにくい事情のみに基づいた処分ですから、
    被処分者が「いや、社会的に非難されるほどの深い付き合いはなかった」と裁判で主張した場合、行政側が敗訴する可能性があります。

    もっとも、岐阜県はそんな可能性は百も承知でしょうから、岐阜県警との連携の上、取消をしないといけない理由や証拠固めをしているものと思います。

    廃棄物処理業許可の取消に先立ち、「入札参加資格の停止」という手を、2月27日に打っているからです。
    物品調達等の契約に係る入札参加資格停止の措置について

    こうなってくると、
    暴力団との「社会的に非難される関係」とはどんなものを指すのかが問題となります。

    警視庁のHPで、具体的にQ&A形式で示されています。
    「東京都暴力団排除条例」Q&A

    Q 「暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している」とは、どのような場合をいうのですか?

    A 例えば、次のような場合が挙げられます。

    相手方が暴力団員であることを分かっていながら、その主催するゴルフ・コンペに参加している場合
    相手方が暴力団員であることを分かっていながら、頻繁に飲食を共にしている場合
    誕生会、結婚式、還暦祝いなどの名目で多数の暴力団員が集まる行事に出席している場合
    暴力団員が関与する賭博等に参加している場合

    頻繁に飲食を共にするだけで「アウト」のようですので、ランチの相手も慎重に選ばないといけないようですね(笑)。

    というのは冗談で、おそらく、暴力団のフロント企業を企業取引から排除するための基準、ということなのでしょう。

    ちなみに、産業廃棄物処理業の欠格要件は、下記の一般廃棄物処理業の欠格要件をベースにしたものと

    産業廃棄物処理業特有の条件として、暴力団関係者を排除するための要件の2種類があります。

    今回のケースでは、「一般廃棄物処理業の欠格要件」を準用した、「第7条第5項第四号ト」の「その業務に関し不正または不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当したことが理由とされています。

    暴力団関係者を排除するのは時代の流れですが、
    あまりにこのような抽象的な理由だけで許可取消をしすぎると、「えん罪」や「行政の事実誤認」の可能性も高くなります。

    やり方の詳細は書きませんが、情報を悪用すれば、暴力団と無関係の善良な処理業者の許可を消してしまうことも可能です。

    個人的には、それを非常に危惧しております。

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    2012年3月30日 | コメント/トラックバック(2) |

    カテゴリー:news

    廃棄物処理・リサイクル事業のグローバル展開

    中日新聞 「日本の廃棄物処理 学ぶ」 会宝ナイジェリア グバッサ社長意欲

     日本への留学経験もあるグバッサ氏は「日本で、こんな事件があったことが信じられない」と話す一方、「ナイジェリアのごみ処理は、日本よりもっと未整備。公害問題がこれから起きるかもしれない」と懸念を示した。

     ナイジェリアでの自動車リサイクル工場の稼働は「半年後になりそうだ」と説明。会宝ナイジェリアのナイジェリア人社員は二十七日から三カ月にわたり、会宝産業で自動車リサイクルのトレーニングを始めており「アフリカ全体にリサイクルが広がるスタートにしたい」と語った。

    日本の中古車がアフリカ大陸のバイヤーに買われるケースも多いようです。

    そう考えると、日本国内で自動車リサイクルを徹底するのと同様に、外国で適切な自動車リサイクルを行うことも重要と言えます。

    フロンガスの回収や、シュレッダーダストの処理など、車の廃棄物処理では留意すべき事項がたくさんあります。

    土地が広いアフリカでは、自動車なしの生活は考えられず、廃車となる自動車の数も相当多いのではないでしょうか。

    もちろん、今のところは、日本と比べると廃車の発生量はそれほど多くはないのかもしれません。

    しかし、アフリカは、今後ますますの人口増加や経済発展を期待できる場所ですので、近いうちに大量の廃車が発生するようになるかもしれません。

    中国や東南アジアに進出する企業がようやく増えてきましたが、
    アフリカへの進出を目指す企業というのはほとんどないのではないでしょうか。

    競合が多い場所ではなく、アフリカのように、競合は少なく、今後の成長も見込める地域も視野に入れると、戦略の幅が広がりますね。

    ただし、今のところ、アフリカには治安に関する大きな問題がありますので、やはり簡単な話ではありません。

    ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄
    白戸 圭一著 ¥ 861

    ※文庫化される前の単行本で読みました。
    死と隣り合わせの状況で取材を進める緊迫感や、アフリカならではの「人」を介したコネクションの重要性等が、詳細に語られている本です。

    記事で取り上げられた会宝産業の場合、アフリカへの進出ではなく、技術支援という位置づけではないかと思いますが、
    アフリカに本気で進出したい企業は、現地出身者に大胆に権限委譲し、地域の文化に適応した柔軟な経営をする必要がありますね。

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    2012年3月29日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成21年度実績)

    3月27日に、環境省から
    産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成21年度実績) が発表されました。

    産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

    ここ数年続いている傾向として、「木くず又はがれき類の破砕施設」と「廃プラの破砕施設」の2施設が、前年度よりも増えています。
    「木くず又はがれき類の破砕施設」の施設数は、前年の平成20年度に平成19年度よりも減少していましたが、平成21年度に新規設置件数が300件もあったため、再び増加に転じています。

    他の産業廃棄物処理施設は、軒並み前年度よりも数が減っています。

    木くずとがれき類の破砕施設は飽和状態にあると言っても良い状況ですので、今から新規参入しようと思っても、相当な苦戦が予想されます。

    2.産業廃棄物処理業の許可件数(≒処理市場の飽和度)


    許可件数については、前年度比で3.6%増となっています。

    ただし、許可件数の増加が、そのまま新規参入の数を意味しているわけではありません。

    他業種などから廃棄物処理業に新規参入する場合、新規許可を取得する必要がありますが
    「収集運搬業」と「処分業」ともに、新規許可件数が前年度よりも減少しています。

    その代わりに、
    既存の許可業者が、許可の有効期間満了に伴い、有効期間の再延長を申請する更新許可の件数が、前年度よりも増えています。

    3.取消処分件数の推移


    許可の取消件数がとうとう1,000件を超えてしまいました。

    平成15年度の法改正以降、欠格要件に該当した処理企業の許可取消が義務化され、許可取消件数が激増したところですが、
    平成16年度に945件に上った後、平成17年度から平成19年度までの3年間は約800件ほどに落ち着いていました。

    しかし、平成20年度に入り、再び900件の大台を突破してしまいました。
    平成21年度は対前年度比で38.5%増の1,249件!

    その年に規制強化や罰則強化がなされたわけではないため、これは非常に良くない傾向です。

    役員が個人的に飲酒運転をしたために欠格者となり、会社の許可取消にまで波及したケースがよくあります。

    環境省の公表によると、本日現在で産業廃棄物処理業者は約14万社あるとのことですので、
    許可取消件数約1,200件という数値は14万社中の0.85%ですので1%とすると、
    産業廃棄物処理企業の100社に1社の許可が毎年取消されている計算になります。

    あなたの会社がその1社にはならないという自信はありますか?

    役員が気を付けるだけではなく、取引先や、従業員の法律違反が遡及することもありますので、行政処分対策は全方位で行うことが重要です。

    4.最終処分場の状況

    最終処分量の減少傾向も続いています。

    新規設置件数が少ないものの、最終処分量が減っているため、残余年数が13.2年と二ケタ台に乗りました。

    2年前の統計データであるため、現在の状況はかなり異なったものになっています。

    このデータだけを見ると、最終処分量が減少し続けているため、最終処分離れが加速しているように見えますが、
    最近では各地の最終処分場で値上げが始まっているため、数年後の統計データでは最終処分量が増えていると思います。

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    2012年3月28日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:統計・資料

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