あわせ産廃の記事一覧

日々強まる事業系廃棄物削減の要請 その3

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日々強まる事業系廃棄物削減の要請 その2

今回は、前回の記事で詳しく解説しなかった、自治体側の人員配置の事情を解説します。

地方自治体の人員配置状況

上のグラフは、総務省の統計資料から作成したものですが、地域で一般廃棄物の処理を担っている各自治体の清掃担当職員は年々減少しています。

一昔前(ひょっとすると現在も?)の自治体なら、職員数を減少させるのは非常に困難でした。
労働組合の力が強かったこともその原因の一つです。

しかし、団塊世代が定年で一斉に退職したことにより、各自治体で自動的に職員数は激減しました。
団塊世代がもっとも採用数の多い年齢層だったからです。

自治体の財政に余裕がある時代なら、団塊世代の退職に伴う欠員補充で新規採用が活発に行われるところですが、
そんな羽振りの良い自治体は全国どこを探しても見つけることは不可能です。

その結果、期せずして、人員削減がスムーズに進行することになり、不要不急の職場を確保する必要性が無くなりました。
そのため、自治体直営の焼却施設を廃止統合する動きがさらに加速することになり、
事業系廃棄物の削減要請も高まることになりました。

事業系廃棄物の削減要請は、今後さらに強まることはあっても、弱まることはない
という背景をご理解いただけると思います。

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日々強まる事業系廃棄物削減の要請 その2

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今回は、なぜ自治体が「あわせ産廃処理」の中止を打ち出し始めたのかを解説します。

「あわせ産廃処理」中止の背景

その理由を簡潔にまとめると、「焼却炉の廃止統合を進めたい」という一言に尽きます。

前回ご紹介した大阪市の場合でも、

出典 大阪日日新聞

 (大阪)市環境局によると、118万トンの内訳は、事業系ごみが71万トン、家庭系ごみが45万トン。減ったのは主に事業系ごみで、08年度に比べ15万トンの減。今回減量できた17万トンというごみの量は、600トン規模の焼却工場の年間処理能力に相当する。仮に600トン規模の焼却工場の立て替えが不要となれば、建設費で約300億円、年間維持管理費で13億円が節減できるとしている。

焼却場を減らすことで、300億円という巨額のコスト削減が可能になると試算されています。

元々、一般廃棄物廃棄物焼却炉は、焼却温度を一定以上に保つため、24時間連続稼動が原則です。
そのため、燃やすべき廃棄物の搬入量を10%減らしたとしても、焼却炉の稼働時間を10%削減というわけにはいきません。
だからこそ、従来の自治体廃棄物政策では、廃棄物の発生抑制やリサイクル推進が真剣に取り組まれてきませんでした。

自治体には、廃棄物の受入れ量を減らすメリットが無かったからです。

しかしながら、ここ5年ほどで、多くの自治体で経営環境が変化し、廃棄物の受入れ抑制(≠発生抑制)に取り組む必要性が高まりました。

それは、自治体の「財政悪化」です。

もはや日本のほとんどの自治体には、焼却炉といった過剰な設備を抱え続ける財政的余裕がありません。
その他、老朽化した施設をつぶし、別の場所に新設するのが、年々難しくなっています。

このような事情を抱え、今までのように廃棄物の発生に寛容な姿勢を維持できず、喫緊の課題として、真剣に廃棄物の「受入れ抑制」に取り組み始めました。

廃棄物の「発生抑制」ではなく、「受入れ抑制」というところがポイントです(笑)。

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日々強まる事業系廃棄物削減の要請

タイトルには、「要請」と書きましたが、現実は「強制」なのかもしれません。

大阪日日新聞 ごみの大幅減量達成 大阪市「市民の意識高まる」

 大阪市は25日、2009年度のごみ処理量を発表した。処理量は118万トンで08年度に比べ17万トン(13%)減り、処理量が過去最多の217万トンを記録した1991年度以来、最大の減量幅となった。市は減量の理由として、景気低迷の影響で事業系ごみが減ったことに加え、リサイクルに対する市民の意識が高まったことなどを挙げている。

記事では、事業系廃棄物は、景気低迷の影響で「自然に」減少したかのように書いていますが、実態はそうではありません。

もちろん、事業系廃棄物の発生量自体も減っているのですが、
大阪市の場合は、2009年度から、廃プラスチック類などの産業廃棄物を、一般廃棄物に混入させるのを禁止し始めました。

そのため、事業系廃棄物が減少した背景の説明としては、「減った」ではなく、「(強制的に)減らした」の方が正確です。

ただし、「減らした」とは言っても、大阪市の焼却場に持ち込まれる廃棄物の量が減っただけで、大阪市が受け取り拒否した廃棄物は、産業廃棄物として民間事業者が処理していますので、日本全体のマテリアルフローで見れば、景気変動を除くと、廃棄物の発生量は変化していないことになります。

ではなぜ、元々大阪市は、産業廃棄物の焼却を引き受けてくれていたのでしょうか?

大阪市が焼却していた産業廃棄物は、
産業廃棄物といっても、「廃酸」や「廃アルカリ」のように注意が必要な廃棄物ではなく、
会社の中で従業員が廃棄したPETボトルや、弁当ガラなどの、一般廃棄物と同様の性状を持つ産業廃棄物のみです。

「PETボトルは産業廃棄物じゃなく一般廃棄物だろう!?」
と思った方が多いかもしれませんが、廃棄物処理法上は、企業活動という事業の一環で排出されたプラスチック製品である以上、産業廃棄物の「廃プラスチック類」と定義づけられます。
廃プラスチック類には、発生源の業種限定が無いため、「事業活動によって発生した廃プラスチック=産業廃棄物」になります。

元の質問に戻って、大阪市や他の自治体はなぜ産業廃棄物を引き受けてくれていたのか?

その答えは、廃棄物処理法第11条第2項に書かれています。

(事業者及び地方公共団体の処理)
第11条  事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。
2  市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる

条文を見るとわかるように、
市町村は行政サービスとして、産業廃棄物を一般廃棄物と一緒に処理してくれていただけです。
「一般廃棄物とあわせて・・・」の部分を取り、このような処理を「あわせ産廃処理」と通称されることが多いです。

赤字の できる という部分が根本的に重要です!

あわせ産廃処理は、市町村に産業廃棄物処理を義務付けるものではなく、市町村が地域の実情に配慮して、一部の産業廃棄物を処理する根拠づけをしているだけです。

大阪市の他、横浜市や京都市など、政令指定都市レベルでは、多くの自治体があわせ産廃処理の中止を実行しています。

まだそれほど大きく報道されていませんが、あわせ産廃処理の中止は、廃棄物処理コストの増加に直結する大きな原因です。
市町村の廃棄物処理単価は、民間事業者と比べると、安いことがほとんどです。
いきなり市町村という安い廃棄物処理先を失うリスクを、少し注意深く考えてみることが必要なのではないでしょうか。

今回の題材はすべての事業者に関係する重要な話ですので、2~3回に分けて連載していきます。

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「あわせ」or「みなし」

最近、多くの自治体の焼却施設で、産業廃棄物の持ち込みを断られるケース
が増えています。
「え!自治体の焼却場で産業廃棄物を受け入れてくれないのは当り前じゃな
いの!?」
一般的にはそのとおりです。
特に、建設系廃棄物や汚泥などの、一度に大量に発生する産業廃棄物の場合
は、それを発生させた事業者の責任で処理しなくてはなりません。
しかし、会社の中で従業員が飲んだペットボトルや、廃棄するボールペンの
場合はどうでしょうか?
上記の「ペットボトル」や「ボールペン」などは、厳密に言うと、
産業廃棄物の「廃プラスチック類」にあたります。
そのため、法律の規定を杓子定規に運用すると、ボールペンを1本だけ廃棄
処分する場合でも、処理委託契約を締結し、マニフェストも発行しなければな
りません。
しかしながら、考えてみれば、普通の家庭生活でも、大量にペットボトルを
排出していますし、ボールペンだって捨てています。
普通の家庭生活から出た廃棄物=生活系廃棄物として、同じペットボトルで
あっても、市町村は処理してくれます
現実的に考えると、会社で発生したゴミを、完全に「一般廃棄物」と「産業
廃棄物」に分別することは不可能ではありませんが、非常に手間がかかります。
そこで、自治体の焼却施設では
「一般家庭から出るゴミと性状が同じ産業廃棄物なら、市町村の焼却炉で
一般廃棄物と合わせて焼却してあげましょう」ということで
産業廃棄物の「ペットボトル」や「ボールペン」を受け入れて処理してくれ
ていました。
もちろん、このような措置は、自治体が超法規的に好意で行ってくれている
のではなく、廃棄物処理法第11条第2項によって
「市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができ
る産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物
の処理をその事務として行うことができる」
と規定し、市町村による、産業廃棄物処理の根拠づけをしています。
実務的には、市町村が、産業廃棄物の処理をすることを「あわせ産業廃棄物」
または「みなし一般廃棄物」と称しています。
一つ注意していただきたいのは、根拠条文の一番後ろの部分なのですが、
市町村が産業廃棄物を処理する根拠としては、
「行うことができる」であり、「行わねばならない」ではないことです。
言わば、あわせ産業廃棄物は、
市町村が民間事業者に対して恩恵的に施してあげるサービスであり、いつ
なんどき、市町村がそのサービスを打ち切ったとしても、民間事業者にはその
決定を変えさせる根拠が無いのです。
じゃあ なんで 今さら市町村はあわせ産廃の処理を中止するの?
それは、市町村の財源のひっ迫がもっとも大きな原因です。
ペットボトルの受け入れを止めたからと言って、市町村の焼却施設の運営
経費が劇的にカットできるわけではありません。
しかし、1本のペットボトルの背後には、ペットボトルの何十倍にも相当
する、本来なら産業廃棄物として処理されるべき「廃プラスチック類」が存在
しています。(例:包装袋、包装容器、その他諸々のプラスチック製品)
そのような一般廃棄物に紛れて搬入される産業廃棄物を削減できれば、
市町村としてはゴミ処理費用が大幅に削減できます。
大阪市の場合は、市内で発生する廃棄物の内訳は、
事業系(一般廃棄物と産業廃棄物の両方を含む)が6割
生活系が4割と発表しています。
仮に、事業系廃棄物の半分が産業廃棄物とすると、産業廃棄物の搬入を全部
止めるだけで、大阪市はゴミの「処理量」を3割も削減することができます。
「発生」量ではなく、「処理」量であるところが味噌です(笑)。
行政が受け入れを中止しようがしまいが、廃棄物は一定量発生し続けます。
しかし、産業廃棄物の受け入れを中止すると、廃棄物の処理量は大幅に削減
できます。
そうなると、
「我々の有難いご指導により、前年に比べて、●割も廃棄物の発生量を削減し
ました」
と胸を張って威張れます。
行政が受け入れない廃棄物は、民間で処理するだけなので、本当は「発生量
の削減」とは言えないんですけどね(苦笑)。
近畿地方では、大阪市、堺市、京都市などの政令指定都市において、市の
焼却場へ搬入する廃棄物には、産業廃棄物を混入させないよう規制が強化され
始めました。
全国すべての自治体が同様の規制をすぐ行うわけではありませんが、大都市
圏の自治体の場合は、遅かれ早かれ同様の規制を行っていくはずです。
「自治体はサービスを勝手に削減してケシカラン」と憤るよりは
「元々の姿(=排出者による産業廃棄物処理の原則)に戻っただけ」と受け
止めていただき、それへの対応を図っていただければと思います。
次号では、産業廃棄物混入の禁止措置に対応していく上での注意点をご解説
いたします。

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