環境省、小型電気製品のリサイクル制度を創設か
NHK 環境省が新リサイクル制度案
携帯電話などに含まれる貴金属やレアメタルの再利用を進めるため、環境省は、これまで法律で制限されていた自治体の枠を越えて小型の家電製品を回収することを、国が認定する会社に認めることなどを含む新たなリサイクル制度の案をまとめました。
環境省は、これまで廃棄されていた小型の家電製品に含まれる貴金属やレアメタルの回収を進めるため、携帯電話やデジタルカメラなど45品目をリサイクルの対象とする方針を決めていますが、その制度の案をまとめ、27日、開かれた専門家による審議会に報告しました。新たなリサイクル制度では、製品の回収や分別にかかる自治体の手間を省く一方で、回収された製品は原則無料で業者に引き渡されますが、自治体が回収に参加するかどうかはそれぞれの判断に委ねられます。一方で、より多くの製品を回収するために、これまで法律で制限されていた自治体の枠を超えた広範囲にわたる回収を国が認定する新たな会社に限って認めるとともに、従来からリサイクルに取り組んできた業者への支援も強化するとしています。環境省は使用済みとなった製品の20%から30%の回収を目指しており、今後、リサイクルに参加する自治体をどう増やしていくかや、製品の海外流出を防ぐ方法などについて議論を重ねることにしています。
肝心の環境省が委員会資料を公開してくれていないため、具体的な議論の経緯がよくわかっていませんが、
NHKの報道内容から判断すると、
環境省は小型家電に特化した広域認定をする、あるいは新しい認定制度を作るつもりのようです。
問題は、どういった事業者を認定の対象にするのか にあります。
原則無料で廃棄物を引き渡すようですので、新しくできる認定制度においては、リサイクル費用の流れの透明性が重要となります。
報道内容をもっと深読みすると、既存の広域認定制度の拡充ではなく、国主導で新しい法人を作るのかもしれません。
このあたりは、環境省が資料を公開してくれないことには、具体的な情報がわかりませんので、一日でも早い情報公開を希望します。
当該小委員会の検討経緯は、下記のURLで環境省が公開しています。
小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会
ただし、9月28日10時40分現在では、最新の第6回の資料が公開されていません。
少し記事を書くのが早すぎたのかもしれません(笑)。
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2011年9月28日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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FRP船のリサイクルが停滞
河北新報 FRP船のリサイクル停滞 09年度わずか37隻 東北 より、冒頭部分を抜粋の上、転載します。
プレジャーボートや漁船など繊維強化プラスチック(FRP)製の船のリサイクル処理が、東北で進んでいない。船の所有者の間にリサイクル意識が高まっておらず、処理費用も高額なのが理由だ。処理推進に向けて専門家は「国はリサイクルのPRや処理コストの低減にもっと力を入れるべきだ」と指摘している。
記事の論調としては、
FRP製の船のリサイクルが進まない背景として、
「船の所有者のリサイクル意識が低い」ことと「処理費用が高額」なためだと結論付けています。
最後には、「専門家」に、「リサイクルが進まないのは国の責任だ!もっと国が責任を持ってコスト削減をさせろ」と言わせ、責任の所在を第三者に押し付けることで満足してしまっています。
もしこれが学生のレポートなら、落第点をつけざるを得ない陳腐な論理構成です(笑)。
何でも国の責任にしてしまい、自分には関係ないというスタンスは真の民主主義とは思えません。
が、当ブログは廃棄物管理に関するブログですので、これ以上マスコミの偏向報道について触れるのは止めておきます。
その代わりに、「なぜFRP船のリサイクルが進まないのか」と、「リサイクルを推進するためにはどうすれば良いのか」を一刀両断します。
まず、「なぜFRPのリサイクルが進まないのか」についてですが、
これは記事にも書いてあるとおり、「リサイクル費用が高額」というのが大きな要因の一つですが、
そこからさらに一歩踏み込んで、「なぜ、リサイクル費用が高額になるのか」を考えてみましょう。
その答えは簡単で、「他の廃棄物と比べて、FRPの処理・リサイクルが困難だから」です。
FRPとは、「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」のことで、
軽量性と丈夫さを兼ね備えた材質ですが、廃棄をするときには、丈夫であることがネックとなり、簡単に分離や切断ができない欠点があります。
FRPを、セメントの原燃料に再利用しているのは事実ですが、セメント製造では、幅広い廃棄物を利活用できるため、FRPよりも安価で簡易に活用できる廃棄物が、FRPの前の列にずらっと並んで順番待ちをしています。
苦労してFRPをわざわざ集めるよりも、他の廃棄物を効率よく集める方が、セメント業界にとっても合理的な選択になります。
このような状況下で、FRPのリサイクルが進むはずがありません!
セメントの原燃料に加工することよりも、もっと簡単なリサイクル手法が開発されない限り、FRPのリサイクルコストが下がることはないでしょう。
「国の責任でリサイクルせよ」という次元の話ではないのです。
次に、「FRPのリサイクルを進めるためにはどうすれば良いのか」についてですが、
これも答えは簡単。
自動車と同様、購入者にリサイクル料金を前払いさせ、FRPを原材料として使用している製造事業者にFRPのリサイクルを義務付ければ良いのです。
FRPの利用によって利益を受けるのは、FRP船の所有者やFRPを使用した製造事業者です。
普通の廃棄物処理では処理できない困難物である以上、廃棄物処理法の原則に基づき、排出事業者と製造事業者に処理責任を科していくのが、本来の筋です。
ただ、FRPは船に使われているだけではなく、ユニットバスなど住宅設備機器にも広く使われているため、
FRPリサイクル費用の拠出が義務付けられると、ほとんどの国民にも相応の負担が求められることになります。
しかし、ユニットバス程度なら、一般的な廃棄物処理事業者でも破砕処理できそうですので、船のように大変な話にはなりませんので、「FRPリサイクル法」などができたとしても、それほど大きな負担にはなりそうにありません。
なんでも国のせいにして安心してしまうという姿勢は、非常に不健全なものだと思います。
マスコミの報道を無批判に受け入れ続けると、自然にそのような不健全な思考が身についてしまいますので、報道や専門家の意見は冷静に受け止めたいものです。
もちろん、当ブログに対しても、そのように冷静な姿勢で接することが必要なのは言うまでもありません!(笑)。
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2010年7月26日 | コメント/トラックバック(5) | トラックバックURL |
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温暖化対策かリサイクルの推進か セメント産業のジレンマ
朝日新聞にセメント業界の苦境に関する記事が掲載されていました。
セメント業界「鳩山不況」 公共事業削減、さらに減産
記事の冒頭部分を抜粋します。
「コンクリートから人へ」を掲げる鳩山内閣の政策が、苦境のセメント業界に追い打ちをかけている。生産量は10月まで26カ月連続の前年割れ。全国で生産設備の停止を進めてきたが、需要減に追いつかず、今後は工場閉鎖などが必至だ。セメント工場は、産業や家庭から出る大量の廃棄物を原燃料として受け入れている。生産量が減れば廃棄物の受け入れ量も減るため、新たな処理施設が必要になるとの指摘もある。
セメントは原材料に廃棄物をふんだんに用いることができるため、廃棄物の大量、かつ効率的なリサイクルが可能な産業です。
その一方で、エネルギーを大量に消費する産業でもあるため、地球温暖化ガスを大量に排出するという負の側面もあります。
公共工事が年々減る状況下で、セメントの原料として廃棄物処理を引き受け、懸命にコスト削減に努めてきた背景があります。
廃棄物処理面だけを考えると、「セメント産業でどんどん廃棄物を有効活用してくれた方が望ましい」
ということになりますが、リサイクル後の製品の市場が無いことには、やはり健全なリサイクルとは言えません。
従来なら、セメントを大量に使う=セメントの生産増=廃棄物のリサイクル量の拡大 という、比較的単純な方程式で問題が解けましたが、ここ10年来、「地球温暖化対策」という制約が加わったため、複雑な連立方程式として問題に対処する必要が生じています。
重要なことは、「地球温暖化対策だけを考えておればよい」という安直な方針では、複雑に絡み合った資源や廃棄物の問題を解決することは不可能ということです。
地球温暖化対策として、エネルギーの消費を抑えることも重要ですが、それと同時に、廃棄物の安全、かつ安価なリサイクルを追求することも重要です。
廃棄物をリサイクルするという意味では、セメント産業も温暖化の抑制に役立っているのは事実ですので、政府はその効用をもっと重視して、セメント産業を一方的に悪者にしない配慮が必要でしょう。
それこそが国民に求められている、本当の「鳩山イニシアチブ」だと思います。
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2009年12月2日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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生ゴミの完全リサイクル政策は実現可能か?
民主党が衆院総選挙前に提示した「民主党政策集」については、当コラムでもご紹介してきたところですが
今回は、政策集の中でも異彩を放っている「生ゴミリサイクル」について解説したいと思います。
民主党政策集には、生ゴミのリサイクルについてこう書かれています。
食品については、未だ廃棄処理されている生ゴミ等が相当量ある実態を勘案し、バイオマスの活用などによるリサイクルを推進し、全ての生ゴミがリサイクルされる社会を目指します。
確かに、一般家庭から排出されるゴミのうち、約4割を生ゴミが占めると言われていますので、生ゴミの発生量が相当あることは間違いありません。
環境省の発表によると、日本全体で平成18年度に発生した生活系ゴミの量は、約3,300万トンですので
生ゴミの量は約1,320万トン程度と推測されます。
しかし、生活系廃棄物に事業系廃棄物を加えた処理をした場合でも、生ゴミ全体のリサイクル料は54,000トンにしかなりません(肥料化と飼料化の合計)。
発生量(1,320万トン)に対するリサイクル量(5.4万トン)の割合は、たったの0.4%にしかなりません。
現状では、生ゴミの99.6%は、焼却その他の処理によって、資源として再利用されることなく、ゴミとして処分されている状況です。
「だから、リサイクル率を100%にもっていくのだ!」と、民主党は言っているわけですが、「99.6%の生ゴミが単純処理されている」事実を目の当たりにすると、民主党の主張は絵空事のように思えます。
仮に、資金とエネルギーを無尽蔵に使えるのであれば、生ゴミの完全リサイクルも実現可能かもしれません。
しかし、それを実現するためには、全国すべての家庭に生ゴミ処理機を設置し、リサイクルした生ゴミを堆肥や飼料としてすべて再利用させる必要があります。
生ゴミをリサイクルするためには、電気などのエネルギーを消費しますので、地球温暖化を促進させることも間違いありません。
また、生ゴミは日々発生し続けるのに対し、堆肥をまく畑の広さは有限です。都市部の場合は、畑を見つけること自体が困難です。
民主党政策集では、「バイオマスの活用」と書かれていますので、生ゴミを集めた上でメタンなどを取り出すつもりなのかもしれませんが、メタンの精製プラントまで生ゴミを運搬するコストやエネルギーの他、メタン精製プラントの精製能力が十分にあるのかなどを考えると、「バイオマスの活用」は、魔法のように生ゴミの問題を解決してくれるわけではありません。
リサイクル率を計算する場合
生ゴミのリサイクル量
_________
生ゴミ発生量
という計算式になりますので、民主党の場合は、上式の分子である「生ゴミのリサイクル量」のみを上げようとしていることに問題があります。
分子ではなく、分母の「生ゴミ発生量」を減らすことも、リサイクル率を上げることに大きく貢献しますので、まずは生ゴミの発生抑制を図り、その後で生ゴミのリサイクル量を引き上げることを検討することが必要です。
「リサイクル率を上げる」というと、大変聞こえが良くなりますが、全体最適のために本当に必要なことは何かを、もっと真剣に検討するべきだと思います。
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2009年11月11日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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竹繊維のリサイクル
1月15日付の日本経済新聞によると、
竹から取り出した繊維を、食器や定規の原料として再生利用する研究や事業化が相次いでいるとのこと。
※NIKKEI NET 放置竹林からエコ素材──近畿の産学官、竹繊維使い食器・定規
竹は非常に硬く、原料として再利用する用途がほとんどなかったため、今まではあまりリサイクルされておりませんでした。
竹は繁殖力が非常に強いため、少し竹林の管理を怠ると、一気に繁茂してしまうという性質があります。
しかし、最近では、里山の荒廃に代表されるように、山や森を(人間にとって)望ましい状態に保ってくれる人手が少なくなり、荒れるに任せた竹林が各地で散見されるようになりました。
日経新聞の記事にもあるように、竹細工製品など、既存の竹リサイクルは下火になるばかりでしたので、産業用に竹繊維を使う道ができることは望ましいことです。
ただし、食器や定規などは、製品市場としてはそれほど大きなものではないため、全国各地の放置竹林問題が一挙に解決するわけではありません。
食器や定規を端緒にし、竹繊維を利用したその他の工業製品の開発や、市場の拡大も同時に目指していく必要があるでしょう。
竹は放置された状態では単なるゴミですが、それを資源として生かす方法を見つけ出した関係者の方の努力を賞賛したいと思います。
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2009年1月15日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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