一般廃棄物の記事一覧

産業廃棄物と一般廃棄物の区分が撤廃される!?

10月21日付けの日本経済新聞で、内閣府に設置された行政刷新会議の「規制・制度改革に関する分科会」で、産業廃棄物と一般廃棄物の区分撤廃に関して議論が始まると報道されていました。

見直しではなく、いきなり「撤廃」とは、寝耳に水の話ですので、報道の裏付け調査を行いました(笑)。

どうやら、日本経済新聞は、分科会資料をコピペするだけではなく、独自に踏み込んだ表現を一部加えたようです。

報道の元になった資料は、
10月21日に開催された「規制・制度改革に関する分科会」の
資料6-2 グリーンイノベーションWG 検討の視点(案)
のようです。

この資料は、(案)と標記されているように、あくまでも議論するうえでのたたき台のはずですが、

日本経済新聞の報道では、

政府の行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会が当面検討すべき規制緩和策や整備すべき制度に挙げた約40項目の重点課題は次の通り。

となっており、確定したかのように書かれています。

また、上記の資料では、

(例)一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直し

としか書いておらず、どこにも「区分を撤廃」などという、刺激的な言葉は書かれていません。

実際問題、「区分の見直し」はもっと進めるべきですが、一般廃棄物と産業廃棄物の「区分を撤廃」というのは、現代社会のあり方にも反する噴飯ものの考えです。

いざ、一般廃棄物と産業廃棄物の区分を撤廃したとしましょう。

そうなると、産業廃棄物を今までのように高いコストをかけて処理する必要はなくなり、市町村の焼却場に持ち込むことがもっとも経済合理的な行動になります。

日本経済新聞は、企業が発生させた廃棄物を、国民の税金で処理することが経済振興の鍵だとでも言いたいのでしょうか?

これは大変な暴論です。

今必要なのは、逆に産業廃棄物の守備範囲をもっと広くし、事業活動で発生した廃棄物はすべて産業廃棄物になるくらいの改正をして、民間ベースでの円滑な廃棄物処理リサイクルを進めることです。

事業活動で発生した廃棄物でも、産業廃棄物ではなく、一般廃棄物に該当するものが多いため、法律の無用な規制がリサイクル進展の妨害をしている現実があります。

必要なことは、「撤廃」ではなく、「見直し」です。

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日々強まる事業系廃棄物削減の要請 その2

※関連記事
日々強まる事業系廃棄物削減の要請 その1

今回は、なぜ自治体が「あわせ産廃処理」の中止を打ち出し始めたのかを解説します。

「あわせ産廃処理」中止の背景

その理由を簡潔にまとめると、「焼却炉の廃止統合を進めたい」という一言に尽きます。

前回ご紹介した大阪市の場合でも、

出典 大阪日日新聞

 (大阪)市環境局によると、118万トンの内訳は、事業系ごみが71万トン、家庭系ごみが45万トン。減ったのは主に事業系ごみで、08年度に比べ15万トンの減。今回減量できた17万トンというごみの量は、600トン規模の焼却工場の年間処理能力に相当する。仮に600トン規模の焼却工場の立て替えが不要となれば、建設費で約300億円、年間維持管理費で13億円が節減できるとしている。

焼却場を減らすことで、300億円という巨額のコスト削減が可能になると試算されています。

元々、一般廃棄物廃棄物焼却炉は、焼却温度を一定以上に保つため、24時間連続稼動が原則です。
そのため、燃やすべき廃棄物の搬入量を10%減らしたとしても、焼却炉の稼働時間を10%削減というわけにはいきません。
だからこそ、従来の自治体廃棄物政策では、廃棄物の発生抑制やリサイクル推進が真剣に取り組まれてきませんでした。

自治体には、廃棄物の受入れ量を減らすメリットが無かったからです。

しかしながら、ここ5年ほどで、多くの自治体で経営環境が変化し、廃棄物の受入れ抑制(≠発生抑制)に取り組む必要性が高まりました。

それは、自治体の「財政悪化」です。

もはや日本のほとんどの自治体には、焼却炉といった過剰な設備を抱え続ける財政的余裕がありません。
その他、老朽化した施設をつぶし、別の場所に新設するのが、年々難しくなっています。

このような事情を抱え、今までのように廃棄物の発生に寛容な姿勢を維持できず、喫緊の課題として、真剣に廃棄物の「受入れ抑制」に取り組み始めました。

廃棄物の「発生抑制」ではなく、「受入れ抑制」というところがポイントです(笑)。

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今後の規制改革推進計画(3)―一廃・産廃区分の再定義―

今後の規制改革推進計画の続きです。

「更なる規制改革の推進に向けて~今後の改革課題~」では、廃棄物処理・リサイクルに関する規制改革内容として、「廃棄物の定義の見直し」と「一廃・産廃区分の再定義」が議題にあがっていました。

今回は、「一廃・産廃区分の再定義」について解説します。

②一廃・産廃区分の再定義
【課題】
同一性状の廃棄物であっても排出元によって一般廃棄物・産業廃棄物と異なった区分に分けられ、それぞれ別々に処理する必要があるため、効率的処理が妨げられている。
【具体的施策】

般廃棄物と産業廃棄物の区分を、①拡大生産者責任にて処理を行う製品廃棄物、②家庭から排出される塵芥・厨芥、③一般家庭から排出される自治体の処理困難
物も含めたその他廃棄物に再分類し、②についてのみ自治体責任とする等、処理効率が高く、明確に判断が可能な状態とする。

現状の問題認識については、規制改革会議報告書の指摘に賛同します。

ただし、規制改革会議の提言は、どちらかというと「(生活系)一般廃棄物」を中心とした廃棄物の定義のようです。

現行法上は、「産業廃棄物」をまず定義し、産業廃棄物の定義に当てはまらない廃棄物を「一般廃棄物」と定義する構成となっています。

規制改革会議は、この論理構成を逆にし、まず「生活系一般廃棄物」を定義し、それ以外は「製造業事業者が回収する廃棄物」と、「その他廃棄物」という、非常に雑多なくくり方をしています。

現状では、一般廃棄物約1億トンに対し、産業廃棄物は約4億トン毎年発生しています。

そのため、5分の1しか発生していない一般廃棄物のみを定義し、残りの5分の4を「その他廃棄物」という乱暴な整理をしてしまうと、多くの産業廃棄物が不適切に処理される可能性が非常に高くなってしまいます。

今までは、「廃プラスチック類」や「廃酸」などと、具体的な廃棄物の種類ごとに処理方法が決められていたものを、「その他廃棄物」扱いで一緒くたにまとめて処理するというのは危険極まりありません。

元々、生活系一般廃棄物は現状でも市町村の焼却炉で適切に処理されているわけですから、ここを厳格に改めて定義する必要はほとんどありません。

それよりも、同じ性状の廃棄物であっても、その発生場所がどこかによって「一般廃棄物」か「産業廃棄物」かがわかれるもの、例えば、「木くず」や「紙くず」などの産業廃棄物の定義を緩和する方が重要です。

現行法では、事業活動によって発生した紙くずなどは、製紙業や新聞業、建設工事などから発生したものを除くと、産業廃棄物ではなく一般廃棄物になってしまい、産業廃棄物業者が処理することはできないからです。(注:一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業の両方の許可を取れば可能)

産業廃棄物の定義を現在の社会制度に適合したものに改正し、少なくとも、事業活動によって発生した廃棄物については、すべて産業廃棄物扱いとし、適切な許可を持った産業廃棄物業者が処理できるようにする方が、社会資本の効率的な活用にもなります。

このように、方向性は良いものの、具体的な手法については疑問を感じる規制改革の提言です。

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一般廃棄物の処理状況(平成19年度実績)

環境省から、「一般廃棄物の処理状況(平成19年度実績)」が発表されました。

以下、環境省の発表から気になる部分を抜粋・転記します。

1.ごみの排出・処理状況
(1)ごみ排出の状況:ごみ総排出量、1人1日当たりのごみ排出量ともに減少。
・ごみ総排出量
5,082 万トン(前年度 5,202 万トン)[ 2.3 % 減 ]
・1人1日当たりのごみ排出量
1,089 グラム(前年度 1,115 グラム)[ 2.3 % 減 ]
(2)ごみ処理の状況:総資源化量・リサイクル率は着実に増加、最終処分量は前年比6.8%減少。
・総資源化量(再生利用量)
1,030 万トン(前年度 1,020 万トン)[ 1.0 % 増 ]
・中間処理による減量
3,412 万トン(前年度 3,505 万トン)
・最終処分量
635 万トン(前年度  681 万トン)[ 6.8 % 減 ]
・減量処理率
97.5 %  (前年度 97.5%)
・直接埋立率
2.5 %  (前年度 2.5%)
・リサイクル率
20.3 % (前年度 19.6%)[ 0.7 ポイント増 ]

2.ごみ焼却施設の状況:
* ごみ焼却施設の集約化により施設数は減少。1施設当たりの処理能力は微増。
* 発電設備を有する施設は全体の23.0%。総発電能力は増加。
(平成19年度末現在)
・施設数
1,285 施設  (前年度 1,301 施設) [ 1.4 % 減 ]
・処理能力
189,144 トン/日(前年度 190,015 トン/日)
・1施設当たりの処理能力
147 トン/日(前年度 146 トン/日)
・余熱利用を行う施設数
856 施設  (前年度 877 施設)
・発電設備を有する施設数
298 施設  (前年度 293 施設)  (全体の23.0%)
・総発電能力
1,604 千kW  (前年度 1,590 千kW) [ 0.8 % 増 ]

3.最終処分場の状況:
* 残余容量は平成10年度以降9年間続けて減少、最終処分場の数は平成8年度以降11年間続けて減少し、最終処分場の確保は引き続き厳しい状況。
* 最終処分量が減少していることから、残余年数は横ばい。
* 関東ブロック、中部ブロック等では、最終処分場の確保ができず、域外に廃棄物が流出し、最終処分が広域化。

(平成19年度末現在)
・残余容量
1億2,202 万m3(前年度 1億3,036 万m3)[6.4%減]
・残余年数
15.7 年     (前年度  15.6 年)

まず、1の一人当たりの一般廃棄物排出量が減少という点は、市民の間に、ごみ減量意識が浸透してきたということで朗報です。

「指定袋の導入」などにより、ごみ処理を有料化する自治体が増えているため、市民の意識とは関係なく、否応無しにごみ減量化をしなければならない背景があるのかもしれません。

最終処分量が6.8%減と大幅に減っていることにも、注目しなければなりません。

最終処分量が減った分、リサイクル量が増えたわけでもなさそうですので、埋立可能な最終処分場が枯渇しつつあるため、各自治体が必死に最終処分量を削減し始めた証なのかもしれません。

環境省の報道でも、「3」の部分で
最終処分場の残余年数((現在のペースで埋立を続けた場合に、最終処分場が満杯になるまでの年数))は、「15.7年」と書かれています。

地域によっては、自区内に最終処分場を有しない自治体があるため、そのような地域の場合は、最終処分場の残余年数が「0年」となり、他の地域に廃棄物の最終処分を頼むしかありません。

15.7年は日本全国を平均した結果です。

残余年数は、最終処分場の新設や、最終処分量の削減により、延びていくものですので、きっかり16年後に最終処分場が枯渇するということにはなりませんが、簡単には最終処分場を設置できない以上、どの地域にも等しくかかってくる問題でもあります。

順序が前後しましたが、「2」の「ごみ焼却施設」を見ると

焼却施設の統廃合が進み、焼却炉の数自体は前年より減少していることがわかります。
その一方で、焼却熱を利用した発電量は、1万4千kW増加しています。

低炭素社会にしていくためには、焼却熱の有効利用が不可欠となります。
発電能力のある焼却施設をもっと増設する必要があります。

結論
ごみ減量化の勢いを持続させながら、ごみの焼却熱を有効利用する取組みを今すぐ実施するべき!
と考えます。

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