建設廃棄物の記事一覧

排出事業者向け2010年改正の注意点

排出事業者に対しては、大幅に規制が強化された2010年改正ですが、
特に建設業界にとっては、今までの慣行がまったく通用しないケースが想定されますので、
元請業者になる場合は、厳格に廃棄物管理を行う必要があります。




上記の改正内容は、すべて建設廃棄物のみに関係する規制ですので、
元請と下請の役割分担を正確に理解しておく必要があります。

特にややこしいのが、21条の3第3項の「下請の自ら運搬」規定ですが、
これは非常に少量の建設廃棄物を運ぶ場合しか適用できない条件ですので、
基本的には、下請には収集運搬業の許可が必要という運用をするのが確実です。

保管場所の届出義務についても、建設関連事業者のみに関係しています。

次は、業種を問わず、すべての排出事業者に関係する改正内容です。

処理困難通知を受けた場合に、排出事業者の対処方針を環境省が示しています。
処理困難通知の詳細については、別の機会に解説しますが、排出事業者としては、処理困難通知を受けないようにする、
もっと具体的に言うと、処理困難通知を出す可能性が低い処理業者と取引をすることが、リスク管理の基本となります。

その他、帳簿の作成対象が広がりましたので、下記の要件に該当する排出事業者は、4月1日から帳簿を作成しなければなりません。

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2010年廃棄物処理法改正の解説(4) 建設廃棄物の取扱い

 9月17日に発行したメールマガジンを転載します。

※パブリックコメント募集前の政省令案を、メルマガの配信よりも先に知りたい方は、下記のURLをご覧ください。
 http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0320-13/mat02.pdf

 第4回目は、建設廃棄物の取扱いに関する改正を総まとめで解説します。

 既に、8月6日号のメルマガで、下請が自ら運搬できる条件を詳しく解説しましたので、今回はそれ以外を重点的に解説します。

 その前に、下請が自ら運搬できる条件をサラッとおさらいしておきます。
 現在はパブリックコメントがまだ行われていない状態ですので、下記の原案は今後変わる可能性があることにご注意ください。

(今のところの、下請が自ら運搬できる条件)
 下請が排出事業者として自ら運搬できる廃棄物は、次のすべての条件に該当する場合のみとする

1.建築物に係る修繕維持工事(新築、増築、解体を除く)、又は工事完成引渡し後に工事の一環として行われる軽微な修繕工事で、請負代金が500万円以下の工事

2.特別管理産業廃棄物以外の廃棄物であること

3.1回に運搬する廃棄物の容積が1立方メートル以下であることが明確な廃棄物

4.積替えのための保管を行わないもの

5.運搬先が元請業者の指定する保管場所又は処理施設で、廃棄物が排出される現場と同一の都道府県内にあること

6.下請が自ら運搬する廃棄物の種類、性状及び量、廃棄物が排出された現場及び運搬先、廃棄物の運搬を行う期間を具体的に記載した「別紙」(元請と下請の両方の押印が必要)と、「請負契約の写し」を携行すること
※瑕疵補修工事の場合は、建築物その他の工作物の引渡しがなされた事実を確認できる資料も必要

 実際に、「請負契約書」のひな型を考えてみましたが、契約書に文章化するのが途中でバカらしくなりました。

 この条文、実務ではほとんど使えない条件になりそうです。

 以下は、法律改正が既に行われましたので、確定した内容です。

(第21条の3第1項) 元請業者を排出事業者として定義

※環境省が、過去の平成6年8月31日付衛産82号通知との整合性をどう取るのかに注目する必要があります。

 参考 メルマガvol.133 建設廃棄物の排出事業者は誰になる?
 http://www.office-onoe.com/mail-magazine/090626.html

 個人的には、法律の条文で原則を規定した以上、16年前の通知は廃止されてもおかしくないのではと考えています。

(第21条の3第2項) 下請業者も排出事業者とみなして、保管基準や改善命令の対象として規定

※今回の法改正は、下請に権限を付与したわけではなく、元請と同様の責任を果たすことを求める内容となっています。

(第21条の3第3項) 下請業者が排出事業者として自ら運搬できる場合を規定

※具体的な条件は解説済みなので説明略

(第21条の3第4項) 下請業者が他者に建設廃棄物の処理を委託する場合は、下請業者を建設廃棄物の排出事業者とみなす=下請に委託基準の遵守義務

※理解に苦しむ条文ですが、環境省の本音としては、例外中の例外を規定したが、絶対に使わせたくない条文という位置づけのようです。
 具体的には、元請が廃棄物の管理を一切放棄し、下請が代わりに契約やマニフェストの交付を代行するようなケースを想定しているようです。

 現実的にはほとんどあり得ないケースですね。

 その他、建設廃棄物をその発生場所の外の300平方メートル以上の場所で保管する場合は、あらかじめ都道府県知事に届出ることが必要になりましたが、これは前回のメルマガで詳しく解説しましたので、そちらをご参照ください。

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2010年廃棄物処理法改正の解説(2) 事業場外の保管届出

 第2回目は、事業場外の保管届出の詳細を解説します。

 
 改正法の条文からは、事業場外で産業廃棄物を保管する場合の届出義務だけは規定されていましたが、「どんな廃棄物が届出対象なのか」「どれくらいの規模が対象なのか」といった、肝心の詳細がわかりませんでした。

 8月3日に開催された、第13回廃棄物処理制度専門委員会において、届出義務の対象(案)の詳細が初めて公開されました。

 http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0320-13/mat02.pdf

 (案)と書きましたのは、今後パブリックコメントの募集後に、改めて政省令の改正が行われ、はじめて確定となるためです。

 ただ、今回解説する内容については、ほとんどの方にとっては、改正に反対する理由が無いと思いますので、この原案どおりに決まる気配が濃厚と考えられます。

 産業廃棄物が発生する事業場の「外」で産業廃棄物を保管する際に、「事前」の届出義務の対象となるのは、

1.建設系廃棄物(特別管理産業廃棄物の場合も含む)で、
2.300平方メートル以上の場所で保管をする  場合のみとなりそうです。

 逆に、事業場の外で産業廃棄物を保管する場合でも、それが建設廃棄物でなければ、届出をする必要が一切無いとも言えます。

 建設工事に携わる人にしか関連しない改正となります。

 上記の2つの条件に当てはまる場合は、

 「あらかじめ」都道府県知事に届出ないと、
 「6月以下の懲役、または50万円以下の罰金」という非常に重い刑事罰の適用対象となってしまいます。

 改正内容に追加された背景を考えると、廃棄物保管場所の事前届出義務は、廃棄物の不法投棄対策であることに疑いの余地はありません。

 2011年4月1日からは、この規制がかかることになりますので、建設関連業界の方は、今から社内に改正情報の周知をしておくのが良さそうです。

 肝心の届出すべき事項については、
 「保管場所の所在地」「保管場所の面積」など、それほど難しい内容のものではないので、「あらかじめ」届出ることだけを忘れなければ、それほど恐れる必要はない義務です。

 専門委員会では、「届出の対象が300平方メートル以上というのは緩すぎではないか?」という意見が出ていましたが

 環境省側の回答は、「既に条例などで同内容の規制を行っている自治体の例を参考にして決めた」とのことでした。

 個人的には、300平方メートル以上というのは、まずまず妥当な線ではないかと思っています。

 条件をあまりに狭めすぎると、建設会社から提出する書類件数が増える一方、自治体には立入検査などで対応できる限界があるからです。

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下請が自ら運搬できる条件が明らかに

先にお伝えしている、「第13回廃棄物処理制度専門委員会」において、改正法の条文からはわからなかった、政省令の詳細案が明らかにされました。

上記の委員会では、「帳簿の作成対象事業所の拡大」や「産業廃棄物収集運搬手続きの合理化」など、様々な論点が挙げられていましたが、今回は、多くの方が注目しているであろう「建設廃棄物を下請が運搬する際の取扱い」について解説します。

専門委員会では、環境省から、下請が産業廃棄物収集運搬業の許可無しに、即ち「自ら運搬」できる廃棄物の条件として、施行令を次のように改正したいという提案がされました。

 下請が排出事業者として自ら運搬できる廃棄物は、次のすべての条件に該当する場合のみとする

  1. 建築物に係る修繕維持工事(新築、増築、解体を除く)、又は工事完成引渡し後に工事の一環として行われる軽微な修繕工事で、請負代金が500万円以下の工事
  2. 特別管理産業廃棄物以外の廃棄物であること
  3. 1回に運搬する廃棄物の容積が1㎥以下であることが明確な廃棄物
  4. 積替えのための保管を行わないもの
  5. 運搬先が元請業者の指定する保管場所又は処理施設で、廃棄物が排出される現場と同一の都道府県内にあること
  6. 下請が自ら運搬する廃棄物の種類、性状及び量、廃棄物が排出された現場、及び運搬先、廃棄物の運搬を行う期間を具体的に記載した「別紙」(元請と下請の両方の押印が必要)と、「請負契約の写し」を携行すること
    ※瑕疵補修工事の場合は、建築物その他の工作物の引渡しがなされた事実を確認できる資料も必要

というものでした。

ご覧いただくとわかるように、工作物の維持修繕工事などの場合にしか認められない条件となっていますので、世の中のすべての建設会社が恩恵を受けられるわけではありません。

事実上、「3」の条件にあるとおり、フレコンパック1袋分(1立方メートル)という、非常に少量の廃棄物をささやかに運ぶような場合しか想定していません。

現行案のまま施行令が改正されると、実務上大きな混乱が予想される条件としては、「5」と「6」に注意が必要です。

専門委員会でも、建設業界の委員から苦言が呈されていましたが、「5」の建設現場と同一の都道府県の保管場所か処理施設に運搬する場合に限るという制約をしてしまうと、県境のぎりぎりの場所で工事をしている場合、例えば東京都の江戸川区で工事をしているような場合は、隣県の千葉県で保管をした方が効率的な場合が多いのに、それが(収集運搬業の許可無しに)できないということになります。

環境省はこの条件を、「都道府県の監視の実効性を担保するため」と説明し、変更するつもりが無いと回答しましたが、まったく意味不明な論理です(笑)。

東京都と千葉県の間には関所や壁があるわけではないので、無理矢理行政管轄で分類する意味は本来ありません。
千葉県に東京都の現場で発生した廃棄物が流入することに何の問題があるのでしょうか?
(実際のところは、千葉県はそれを問題視し、流入規制をしていますが・・・)
注:あくまでも、廃棄物を自ら運搬する場合に限っての話で、収集運搬業の許可が無意味だと言っているのではありません。

同一の都道府県内に限るという条件は、現実無視の机上の空理空論に過ぎません。

不適切な保管や流入を防ぎたいのであれば、「発生場所から30km内の距離にある保管場所に限る」など、少量の廃棄物を運搬するのに無理がない範囲を指定する方が実効的です。

「6」の「保管場所等を記載した別紙」や「請負契約の写し」の携行という条件も厳しすぎます。

産業廃棄物の収集運搬車両には、委託契約書の写しの携行を義務付けていないのに、自ら運搬には、「請負契約の写し」の携行を義務付けるというのはアンバランスです。

これでは規制緩和ではなく、純然たる規制強化です。

環境省にそのような意図は無いのかもしれませんが、現実的に非常に使いにくい条件をわざわざ設定し、法律違反を増やそうとしているように感じられます。

これから、8月下旬から9月上旬にかけて、政省令の改正に関するパブリックコメントが募集されるそうですので、関係する業界の方は一致団結してコメントを提出する必要がありそうです。

色々な意味で、2010年の廃棄物処理法改正は、実務や日本の廃棄物処理制度に大きな影響を与えることになりそうです。

その他の政省令改正素案は、当ブログでも順に解説してまいりますが、明日発行するメルマガでは、一足先に総合的に解説いたします。

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2010年改正の逐条解説 第21条の3第2項

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
2 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物について当該建設工事を他の者から請け負つた建設業を営む者から当該建設工事の全部又は一部を請け負つた建設業を営む者 (以下「下請負人」という。)が行う保管に関しては、当該下請負人もまた事業者とみなして、第十二条第二項、第十二条の二第二項及び第十九条の三(同条の 規定に係る罰則を含む。)の規定を適用する。

第21条の3第2項のエッセンスを抽出すると、次のような意味になります。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
2 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物について、元請から当該建設工事の全部又は一部を請け負った下請が行う保管に関しては、当該下請もまた(排出)事業者とみ なして、第12条第2項(保管基準)、第12条の2第2項(保管基準)及び第19条の3(改善命令の対象)の規定を適用する。

2010年5月20日付の事務連絡 建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化について(事務連絡) では、21条の3第2項の趣旨を次のように解説しています。

(2) 改正法第21条の3第2項について
本項は、下請負人が産業廃棄物が排出された建設工事現場内で運搬されるまでの間産業廃棄物の保管を行う場合の保管基準及び改善命令の規定の適用を定めるものであり、当該保管行為について元請業者及び下請負人の双方に産業廃棄物保管基準が適用されることとなる。

第21条の3第1項では、「元請が建設廃棄物の排出事業者である」と規定しているのに、第2項でいきなり「下請も排出事業者とみなす」という規定が出てきたことに混乱する人が多いと思います。

環境省の思いとしては、下請に対して無制限に保管行為の自由を認めるものではなく、あくまでも、「建設現場での適切な保管を徹底させたい」ということに、本条の設置理由があるようです。

そのため、本条を実務的に分析すると、建設現場で工事を行っている下請業者にも、廃棄物の保管に関する現場の管理責任を求めるもので、下請け業者にとっては、規制強化と言わざるを得ません。

保管基準違反をすると、従来とは違い、措置命令の対象にもなりますので、基本的な保管基準をおさらいしておくことが重要です。

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2010年改正の逐条解説 第21条の3第1項

※関連記事 2010年廃棄物処理法改正 建設廃棄物の取扱い(2)

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3 土木建築に関する工事(建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する工事を含む。以下「建設工事」という。)が数次の請負によって行われる場合にあっては、当該建設工事に伴い生ずる廃棄異物の処理についてのこの法律(第三条第二及項及び第三項、第四条第四項、第六条の三第二項及び第三項、第十三条の十二、第十三条の十三、第十三条の十五並びに第十五条の七を除く。)の規定の適用については、当該建設工事(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者から直接建設工事を請け負った建設業(建設工事を請け負う営業(その請け負った建設工事を他の者に請け負わせて営むものを含む。)をいう。以下同じ。)を営む者(以下「元請業者」という。)を事業者とする。

第21条の3第1項のエッセンスを抽出すると、次のような意味になります。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3 土木建築に関する工事が数次の請負によって行われる場合にあっては、当該建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理についてのこの法律の規定の適用については、当該建設工事の注文者から直接建設工事を請け負った建設業を営む者(以下「元請業者」という。)を事業者とする。

2010年5月20日付の事務連絡 建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化について(事務連絡) では、21条の3第1項の趣旨を次のように解説しています。

2 各規定の趣旨
(1) 改正法第21条の3第1項について
本項は、廃棄物処理法上、建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する排出事業者に係る規定の適用については、建設工事の元請業者を「事業者」とするものである。
これにより、元請業者は、発注者から請け負った建設工事(下請負人に行わせるものを含む。)に伴い生ずる廃棄物の処理について排出事業者として自ら適正に処理を行い、又は廃棄物処理業者等に適正に処理を委託しなければならないこととなる。
また、下請負人は廃棄物処理業の許可がなければ廃棄物の運搬又は処分を行うことはできないこととなり、許可を取得した下請負人に対する都道府県知事等による適時適切な指導監督や無許可の下請負人による建設系廃棄物の不適正処理に対する厳正な取締りが可能となる。
なお、建設工事とは、土木建築に関する工事であって、広く建築物その他の工作物の全部又は一部の新築、改築、又は除去を含む概念である。解体工事については含まれることを入念的に明らかにしている。

第21条の3第1項は、建設廃棄物の排出事業者は、「元請事業者」であると定めています。

「これが廃棄物処理法の原則である」と宣言しています。

第1項だけは、従来の法律解釈・行政運用とも整合性が取れています。

ではなぜ、第21条の3第2項から第4項までは、その原則とは異なる例外を規定しているのかというと

上掲の事務連絡文書の

これにより、元請業者は、発注者から請け負った建設工事(下請負人に行わせるものを含む。)に伴い生ずる廃棄物の処理について排出事業者として自ら適正に 処理を行い、又は廃棄物処理業者等に適正に処理を委託しなければならないこととなる。
また、下請負人は廃棄物処理業の許可がなければ廃棄物の運搬又は処分を行うことはできないこととなり、許可を取得した下請負人に対する都道府県知事等による適時適切な指導監督や無許可の下請負人による建設系廃棄物の不適正処理に対する厳正な取締りが可能となる。

に、全ての答えが集約されています。

つまり、環境省としては、相次ぐ建設廃棄物の不法投棄を重大視し、条文が複雑化することをいとわず、「あるときは元請」、「またあるときは下請」という、不法投棄実行者の二枚舌を封殺するため、下請にも複雑怪奇な網の目をかぶせることにした

ということです。

実際の不法投棄現場では、「これは元請として施工した工事で発生した廃棄物なので、すべて自社物なのだ」と主張されてしまうと、それ以上行政が強力な指導をすることができず、二の足を踏むことが多かったのですが、今回の法律改正により、元請=排出事業者には、「保管基準」や「保管場所の事前届出」の遵守が新たに科せられることになり、行政にとっては、指導する根拠=武器が充実したことになります。

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2010年改正内容の公布

 バタバタとしていたため、ブログで触れることはできませんでしたが、
 廃棄物処理法の改正が、5月12日の参議院で可決、5月19日に公布されました。

 環境省の発表内容 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の公布のお知らせ

 改正される条文は、当ブログでも解説してきたとおりで変更はないのですが、条文の解釈や運用方法については、早くも各地で混乱の声が上がっており、環境省は改正公布の翌日、5月20日に早速ある連絡文書を発送しています。

 建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理責任の元請業者への一元化について(事務連絡)

 上記の事務連絡文書には、法律の条文からは読み取れない、環境省の法改正にかけた思惑が説明されているため、法律の条文と同じく重要な解釈資料となりそうです。

 次回から、建設廃棄物に関する改正点について、複数回に分けて、最新版の改正情報を解説してまいります。

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2010年廃棄物処理法改正 建設廃棄物の取扱い(5)

(新)廃棄物処理法第21条の3第4項

第5回目は、「下請業者の義務」についてです。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
4 建設工事に伴い生ずる廃棄物について下請負人がその運搬又は処分を他人に委託する場合(当該廃棄物が産業廃棄物であり、かつ、当該下請負人が産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物収集運搬業者若しくは特別管理産業廃棄物処分業者である場合において、元請業者から委託を受けた当該廃棄物の運搬又は処分を他人に委託するときを除く。)には、第六条の二第六項及び第七項、第十二条第五項から第七項まで、第十二条の二第五項から第七項まで、第十二条の三並びに第十二条の五の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、第一項の規定にかかわらず、当該下請負人を事業者とみなし、当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす。

第21条の3第4項のエッセンスは次のとおりです。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
4 建設工事に伴い生ずる廃棄物について下請負人がその運搬又は処分を他人に委託する場合(再委託を除く。)には、当該下請負人を排出事業者とみなし、下請人に対し、委託基準の遵守と、マニフェストの運用を義務付ける。

今回の改正は、建設廃棄物の扱いについて非常に丁寧に設計しており、例外的な解釈が生じないよう、できるだけ具体的に義務と責任が規定されています。

下請業者が排出事業者として独自に委託契約ができるようになる以上、それに付随する義務として、委託基準の遵守やマニフェストの運用が義務付けられるものです。

法律の整理としては大変良い方向性なのですが、現実問題として、多くの下請業者がいきなりこのような正しい運用ができるかと言われると、「かなり難しい」と言わざるを得ません。

いずれにせよ、法律を知っているかどうかにかかわらず、下請業者にはこのような義務が発生することは間違いありませんので、今のうちに廃棄物処理法を正しく理解しておくことが重要です。

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2010年廃棄物処理法改正 建設廃棄物の取扱い(4)

(新)廃棄物処理法第21条の3第3項
第4回目は、「下請業者が排出事業者としてできること」についてです。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)

21条の3
3 建設工事に伴い生ずる廃棄物(環境省令で定めるものに限る。)について当該建設工事に係る書面による請負契約で定めるところにより下請負人が自らその運搬を行う場合には、第七条第一項、第十二条第一項、第十二条の二第一項、第十四条第一項、第十四条の四第一項及び第十九条の三(同条の規定に係る罰則を含む。)の規定の適用については、第一項の規定にかかわらず、当該下請負人を事業者とみなし、当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす。

例によって、第21条の3第3項のエッセンスを抽出します。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
3 建設工事に伴い生ずる廃棄物について下請負人が自らその運搬を行う場合には、第7条第1項(一般廃棄物の収集運搬許可)、第12条第1項(産業廃棄物処理基準)、第12条の2第1項(特別管理産業廃棄物処理基準)、第14条第1項(産業廃棄物の収集運搬許可)、第14条の4第1項(特別管理産業廃棄物の収集運搬許可)及び第19条の3(改善命令)の規定の適用については、(第21条の3)第1項の規定にかかわらず、当該下請負人を(排出)事業者とみなし、当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす。

改正法が実現すれば
下請として入った工事で発生した廃棄物については、下請業者が排出事業者として自ら運搬する場合には、下請業者には収集運搬業の許可が不要となります。

ここが従来の行政運用とは大きく異なる点で、従来は、元請業者が排出事業者として一律に定義・運用されていたため、下請が建設廃棄物を運搬する際には、他者の廃棄物を運搬する以上は収集運搬業の許可が必要とされていました。

今回の法律改正によって、下請業者が自由に行える行為が増える一方で、保管場所の事前届出義務など、建設系廃棄物に関する規制が強化されます。

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2010年廃棄物処理法改正 建設廃棄物の取扱い(3)

(新)廃棄物処理法第21条の3第2項

第3回目は、「下請業者の位置づけ」についてです。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
2 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物について当該建設工事を他の者から請け負つた建設業を営む者から当該建設工事の全部又は一部を請け負つた建設業を営む者(以下「下請負人」という。)が行う保管に関しては、当該下請負人もまた事業者とみなして、第十二条第二項、第十二条の二第二項及び第十九条の三(同条の規定に係る罰則を含む。)の規定を適用する。

これまたカッコ書きや、「者」という記述が多いため、一読しても意味がわかりにくい条文となっています。

第21条の3第2項のエッセンスを抽出すると、次のような意味になります。

(建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外)
第21条の3
2 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物について、元請から当該建設工事の全部又は一部を請け負った下請が行う保管に関しては、当該下請もまた(排出)事業者とみなして、第12条第2項(保管基準)、第12条の2第2項(保管基準)及び第19条の3(改善命令の対象)の規定を適用する。

元請が建設廃棄物の排出事業者として原則は規定されますが、今回解説した第21条の3第2項の規定により、下請も自社が施工した工事に関する廃棄物については、排出事業者として保管が行えるようになります。

従来の行政運用では、元請が発生させた廃棄物を、他人である下請が処理業の許可なしに保管することが認められていませんでしたので、現実に合わせて法律改正が成された好例と言えそうです。

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