PCBの記事一覧

やはり流出していたPCB

当ブログでもお伝えしていた、静岡県教育委員会のPCB廃棄物の誤廃棄の続報です。
※関連記事 絶対に経年劣化する人間の注意力

産経ニュース 工場から基準値上回るPCB 静岡

 静岡市の中学校で保管していたポリ塩化ビフェニル廃棄物(PCB)を含んだ機器が誤って廃棄処分された問題で、処理にかかわった工場の汚染状況を調査した同市教育委員会は26日、一時保管していた工場の一部から、廃棄物処理法で定められた基準値(1リットル当たり0・03ミリ)を超えるPCBが検出されたと発表した。ただ、基準値を超えるものの微量で、工場近くの河川への流出や人体や環境への影響はない。

 PCBは、敷地内の排水から油分を取り除くコンクリート製水槽型の装置内にたまった水から、1リットル当たり0・20ミリが検出された。工場の敷地内で一時保管していた廃棄物から流れ出した液状のPCBが、排水と混ざって水槽に流れ込んだとみられ、市は汚染水を回収する方針。

 おそらく、中間処理業者が設置していた油水分離槽に貯まった水を採取し、その水の中に、PCBが1リットル当たり0.2ミリグラム含まれていたということになるようです。

 記事では、「河川への流出や人体や環境への影響はない」と言い切っていますが、その根拠となる測定値が、ミリグラムではなく、ミリですので、本当にそう思っているのか甚だ疑問です。

 これでは、静岡市教育委員会の発表を疑うことなく、事実確認を一切せずに書いた単なる「提灯記事」です。

 まず、「廃棄物処理法で定められた基準値(1リットル当たり0・03ミリ)」という基準の引用自体が間違いです。
 この基準値は、(ミリじゃなくてミリグラムなのですが)ある産業廃棄物が、特別管理産業廃棄物であるか、特別管理産業廃棄物でないかを判別するための基準であり、「排水にPCBを混入させても良い限度」のような数値ではありません。

 そもそも、1リットルあたりのPCB含有量ですので、大量の水を投入し分母を大きくする、つまり希釈されてしまえば、含有率はいくらでも下げられます。

 また、油水分離槽は、排水中に含まれた油分を分離させ、油分分離後の水を排水するための設備です。
 排水を保管し続ける設備ではなく、一定量の排水を流しつづけるための設備なのです。
 事件発生が7月28日で、それから1月近く立った状態であるにもかかわらず、油水分離槽内にPCBが残っていたということは、それまでに相当大量のPCBが流出しているということになります。

 PCBが環境中に拡散した今となっては取り返しがつきませんので、「周辺の土壌を全部改良せよ」などとは申しませんが

 少なくとも、間違った基準で間違った説明を行うのではなく
 正しい事実を、正しい基準に基づいて説明をする必要があるはずです。

 水は川から海へと流れます。
 そのため、水に流した汚れは、いつかは目の前から消えてなくなります。

 しかし、だからといって、PCBなどが地球から消えうせてしまうわけではなく、
 魚やプランクトンに吸収され、やがては人間のところにブーメランのように帰ってきます。

 
 「工場近くの河川への流出や人体や環境への影響はない。」という結論は、
 環境の常識的な知識を知らないのか、
 事実を隠蔽するための言い訳のどちらなのでしょうか?

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絶対に経年劣化する人間の注意力

産経ニュース PCB含む機器を誤廃棄 静岡の中学、大型ごみと一緒に破砕

PCBを使用した安定器や蛍光灯などを、電気室という安易に入れない施設で保管していたのは正しい取組みでしたが、
時が経つうちに、電気室が「押入れ」のようなゴミ置きスペースに変わってしまったため、PCB廃棄物が椅子と一緒に回収されたものと思われます。

学校の中で、教頭しかPCB廃棄物の存在を知らなかったのも問題です。

情報を共有していなかったことよりも、「移動禁止」の張り紙など、誰もがわかる状態でPCB廃棄物を保管していなかったことが、不祥事の引き金になりました。

来年になると、「PCB特措法」が制定されてから10年が経過することになります。

1年に1回しか保管状況を調べないという、普通の人間の感覚からすると、存在自体を忘れてしまいがちな手続きですから、
今一度、「人間は誰もが忘れる生き物である」という前提に立ち、知識を持っていない人でも、間違った処理をしないような方策を考え、誰でもそれがわかる状態を維持し続けることが重要です。

あなたの企業では、PCBの保管は適切に行われていますか?

「俺がいるうちは大丈夫!」ではなく、誰が見ても間違えないような管理を継承できるよう、今のうちに工夫をしておいてくださいね。

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リスクマネジメントとしての廃棄物管理

YOMIURI ONLINE PCB廃棄物を違法処分

アサヒビール吹田工場が、工場内に保管していたPCB廃棄物を、普通の廃棄物として違法に処理してしまったというとんでもない事件です。

広告を大量に発注している大手企業であるためか、責任の追及が甘い感じがいたしますが、どの処理業者のところで、PCBを処理してしまったかを明らかにする必要があります。

PCBは人の健康に甚大な影響を及ぼす有害物質ですので、それを処理した中間処理業者のところで、PCBの飛散や流出が無いかを真っ先に調査・公表するべきです。

産廃を処理している以上、「行方が分からない」というのはあり得ません。
工事業者がモグリの無許可業者に委託していない限りは、契約書やマニフェストが存在している「はず」です。

大阪府は、この点を見過ごすようでは「不作為」とみなされるほどの過失になりますので、しっかりと調べ上げて欲しいものです。

最悪なのが、アサヒビールの担当者が、毎年報告しなければならないPCBの保管状況に関して、2年連続で虚偽の報告をしていたことです。

はっきり言って、PCB廃棄物に関して虚偽の報告をすることは、商品の原産地を偽ったり、成分濃度を偽ることよりも、重大な違反です。

事件発生後から2年もたってしまうと、さすがにPCB廃棄物(コンデンサかトランスと思われる)が、そのまま残っていることはほとんどあり得ません。

誰が処理したかを遡って調査することは可能ですが、
どこにPCB廃棄物が眠っているかを探し出すのは、非常に困難です。

アサヒビールは、すぐに対処をするべきでした。

事件が起こった経緯と、事件が起こった後の対処法のすべてに問題があるケースです。

「極めて重大な事案と認識し、再発防止と管理体制の強化などを図りたい」というとおりいっぺんのコメントでお茶を濁すのではなく、企業文化の見直しに至る徹底的な体質改善が必要と思います。

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