排出事業者が措置命令の対象になるケース Vol.4
排出事業者が措置命令の対象になるケース Vol.1
排出事業者が措置命令の対象になるケース Vol.2
排出事業者が措置命令の対象になるケース Vol.3 の続きです。
今回は第19条の5の措置命令に対する具体的な注意ポイントです。
前回の記事では、第19条の5の条文を具体的に意訳しました。
その結果は下記のとおりです。
第十九条の五 産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事は、必要な限度において、次に掲げる者(「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
- 一 不適正な処理を行つた者
- 二 許可業者への委託若しくは委託基準違反、または再委託により当該収集、運搬又は処分が行われたときは、当該委託をした者(=排出事業者)
- 三 マニフェストに係る義務について、次のいずれかに該当する者があるときは、その者
- イ 管理票を交付せず、又は法定記載事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票を交付した者
- ロ 管理票の写しを送付せず、又は法定記載事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票の写しを送付した者(収集運搬業者)
- ハ 処理業者に管理票を回付しなかつた者(収集運搬業者)
- ニ 管理票の写しを送付せず、又は法定記載事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をして管理票の写しを送付した者(処分業者)
- ホ 管理票又はその写しを保存しなかつた者
- ヘ 所定の期間内にマニフェストの返送を受けない、法定記載事項の不記載や虚偽記載があるマニフェストの返送を受けた際に取るべき措置義務に違反して、適切な措置を講じなかつた者
- ト マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の引渡しを受けた者
- チ 虚偽のマニフェストの送付又は報告をした者
- リ 電子マニフェストに虚偽の登録をした者
- ヌ 電子マニフェストに報告せず、又は虚偽の報告をした者
- ル 電子マニフェストの処理完了報告を受けない、または虚偽の報告を受けた、あるいは処理困難通知を受け取った際に適切な措置を講じなかつた者
- 四 前三号(第19条の5の一号から三号のこと)に掲げる者が(工事契約の)下請負人である場合における元請業者(当該運搬又は処分を他人に委託していた者を除く。)
- 五 不適正な処理を行った者若しくは前三号(第19条の5の二号から四号のこと)に掲げる者に対して不適正処理若しくは前三号(第19条の5の二号から四号のこと)に規定する規定に違反する行為をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、又はこれらの者が当該処分等をすることを助けた者があるときは、その者
条文の長さからすると、措置命令の対象が広範に及んでいるように見えますが、押さえておくべきポイントはシンプルです。
不適正処理を行った場合や、他者にそれを依頼や唆しをした場合に措置命令の対象になるのは当然の話ですので、ポイントの解説からは除外します。
では、排出事業者が(第19条の5の)措置命令の対象にされないための注意点をお示しします。
- 無許可業者に委託をしないこと
- 委託基準違反をしないこと
- マニフェストを正しく運用すること
- マニフェストの未返送や虚偽記載があった場合には、適切な措置を講じた上で措置内容報告書を提出すること
この4点だけです。
1の「無許可業者に委託をしないこと」は、直罰の対象となる違反行為ですので詳細の解説は必要ないと思います。
実際には、2から4の簡潔に書かれたポイントを、実務でいかに間違いなく行うかが重要になります。
特に、2の「委託基準違反をしないこと」が根本的に重要なポイントです。
そこで、次回の解説記事では、委託基準違反をしないための注意点を具体的に解説します。
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2014年1月10日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:委託基準