またもやマニフェストの運用違反で行政処分

昨日、岡山県の行政処分事例を取り上げたところですが、
昨日付で東京都でも同様の行政処分事例が発生しましたので、再度解説します。

東京都 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について から、処分の内容を引用します。

1 次の産業廃棄物処理業者は、東京破砕工場において、処理を受託した産業廃棄物について、処分が終了していなかったにもかかわらず、産業廃棄物管理票の写しの処分終了日欄に日付をいれて、産業廃棄物の処理を委託した者に送付した。
 このことは、産業廃棄物管理票の取扱いを定めた法第12条の4第3項の規定に違反しているため、事業の停止命令の行政処分を行います。
名称 前田道路株式会社(まえだどうろ)
代表者氏名 圓尾龍太
住所 東京都品川区大崎一丁目11番3号
処分内容 東京破砕工場(施設の場所:東京都江戸川区東葛西三丁目17番11)に許可した産業廃棄物処分業(許可番号:13-20-006048号)の事業の全部停止30日間

2 次の産業廃棄物処理業者は、産業廃棄物管理票を交付しなければならないこととされている場合において、同管理票の交付を受けていないにもかかわらず、上記1の者から、産業廃棄物の引渡しを受けた。
 このことは、産業廃棄物管理票の取扱いを定めた法第12条の4第2項の規定に違反しているため、事業の停止命令の行政処分を行います。
名称 略
代表者氏名 略
住所 略
処分内容 産業廃棄物収集運搬業の許可の事業の全部停止30日間
事業停止期間 平成24年4月9日から同年5月8日まで

中間処理業者のみならず、中間処理残さの運搬を受託した収集運搬業者も処分されています。
もっとも、収集運搬業者に対する処分は、「マニフェストの交付を受けていないのに、産業廃棄物の引渡しを受けた」ためです。

前田道路株式会社は東証一部上場企業です。

東証一部上場企業であっても、このような稚拙なマニフェストの運用をしているというのが現実のようです。

前田道路株式会社にとっては、恥ずべき汚点と言わざるを得ません。

しかしながら
事業規模が大きいためか、今回の行政処分が株価に与えた影響は軽微なものに止まっているようです。

とはいえ、30日間も操業をストップしないといけないということは、損失が大きいのも事実。

処理困難通知も当然出さなければなりません。

こういった事後処理のみが得意になっても、企業活動にはほとんど役立ちません。

「予防」というレベルの話以前に、
「当たり前の義務を正確に実行する」ことが大原則です。

昨日訪問した顧問先の処理企業の皆さんに、処理終了年月日の記載手順を尋ねたところ、
行政処分を受けた会社のような稚拙な手順ではなく、
「受入時に記入するのではなく、正確な処理終了年月日を記載しています」とお答えいただいたので、大いに安心したところです(笑)。

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コメント

  1. さくパパ より:

    前田道路はこりていないようですね。
    http://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/sangyohaikibutsu/shobun_H23.html

  2. 尾上雅典 より:

    さくパパ様 他の処分を教えていただき、ありがとうございました。

    短期間で同じようなミスを繰り返すのはいけませんね。

  3. さくパパ より:

    度々申し訳ございません。

    2次の産業廃棄物処理業者は、産業廃棄物管理票を交付しなければならないこととされている場合において、同管理票の交付を受けていないにもかかわらず、上記1の者から、産業廃棄物の引渡しを受けた。

    ということは、前田道路㈱は、管理票交付義務違反にも該当するということでしょうか?

    中間処理業者も、中間処理産業廃棄物を他人に委託する場合は、委託基準を順守しなければなりませんよね。(当たり前のことだけど・・・。)

  4. 尾上雅典 より:

    さくパパ様

    行政処分の理由を説明した文書を読む限りでは、ご指摘のとおりの違反があったものと思われます。

    中間処理業者が残さ物の処理を委託する際には、委託基準順守が義務であることもご指摘のとおりです。


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