措置命令とは

「廃棄物処理法」における「措置命令」とは、

①廃棄物処理基準に適合しない廃棄物の処分が行われ
②生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる時に

市町村長や都道府県知事が期限を決めて、その処分を行った者などに対し、支障の除去や被害の発生防止措置を取るよう命じることです。

(法律の根拠)
廃棄物処理法第19条の4(一般廃棄物)
廃棄物処理法第19条の4の2(一般廃棄物)
廃棄物処理法第19条の5(産業廃棄物)

実務においては、産業廃棄物の処理委託の際、委託先の処理業者が不法投棄などを行えば、
「不法投棄実行者」に対して、不法投棄した廃棄物の撤去などを命令されることになります(第19条の5に基づく措置命令)。

しかし、もしその不法投棄実行者が死亡したり、破産したりしたために、措置命令を実行することが不可能となった場合、不法投棄実行者に廃棄物の処理を委託した事業者に対して、措置命令が発出されることになります。
その結果、場合によっては、
「数百万円単位で廃棄物の撤去費用を負担する必要が生じた・・・」などという悲劇が実際に起こるようになりました。

排出事業者はお金を払って処理を委託しているのに、ゴミの撤去費用まで負担させられるのか?

そうなんです。

2000年度の廃棄物処理法改正に伴い
「委託基準」に反する方法で委託をしていた場合、委託者(排出事業者)も、上記の措置命令の対象となることが明記されました。

第十九条の五  産業廃棄物処理基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準)に適合しない産業廃棄物の処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事(第十九条の三第三号に掲げる場合及び当該処分を行つた者が当該産業廃棄物を輸入した者である場合にあつては、環境大臣又は都道府県知事。次条及び第十九条の八において同じ。)は、必要な限度において、次に掲げる者(次条及び第十九条の八において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
一 略


第十二条第三項若しくは第四項、第十二条の二第三項若しくは第四項、第十四条第十四項又は第十四条の四第十四項の規定に違反する委託により当該処分が行われたときは、当該委託をした者

排出事業者の立場で「措置命令」を整理すると、
いい加減な委託をしていると、いつ何時不法投棄に巻き込まれるかわからず、
場合によっては、高額の撤去費用を負担させられることになります。

言い換えると、適切な委託を心がけ、危ない処理業者を事前に見抜くことができれば、措置命令を恐れる必要はまったくありません。

委託契約書の見直しや、マニフェストの管理徹底など、自社でできる事から始めてみてください。

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