2017年廃棄物処理法改正案の解説(Vol.1 電子マニフェスト関連)

環境省が公表した法律改正の理由に則って解説を進めていきます。

最初は、「電子マニフェスト使用義務者」の創設についてです。

法第12条の5第1項にこの定義を挿入するため、現行法の第12条の5第1項以下が、改正後は一つずつ後ろにずれる格好になります。

新しく挿入される予定の、改正法(予定)第12条の5第1項は下記のとおりです。

 第十二条の三第一項に規定する事業者であつて、その事業活動に伴い多量の産業廃棄物(その運搬又は処分の状況を速やかに把握する必要があるものとして環境省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)を生ずる事業場を設置している事業者として環境省令で定めるもの(以下この条において「電子情報処理組織使用義務者」という。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合(第十二条の三第一項に規定する環境省令で定める場合及び電気通信回線の故障の場合その他の電子情報処理組織を使用して第十三条の二第一項に規定する情報処理センター(以下この条において単に「情報処理センター」という。)に登録することが困難な場合として環境省令で定める場合を除く。)には、運搬受託者及び処分受託者(その使用に係る入出力装置が情報処理センターの使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続されている者に限る。以下この条において同じ。)から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め、かつ、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物を引き渡した後環境省令で定める期間内に、電子情報処理組織を使用して、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を情報処理センターに登録しなければならない。この場合において、当該電子情報処理組織使用義務者は、運搬受託者及び処分受託者から報告することを求め、かつ、情報処理センターに登録したときは、第十二条の三第一項の規定にかかわらず、当該運搬受託者又は処分受託者に対し管理票を交付することを要しない。

長い!なおかつ読みにくいので、「以下この項において同じ」等の表現を取り除いて簡略化します。

 第十二条の三第一項に規定する事業者であつて、その事業活動に伴い多量の産業廃棄物(その運搬又は処分の状況を速やかに把握する必要があるものとして環境省令で定めるものに限る。)を生ずる事業場を設置している事業者として環境省令で定めるもの(以下この条において「電子情報処理組織使用義務者」という。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合(第十二条の三第一項に規定する環境省令で定める場合及び電気通信回線の故障の場合その他情報処理センターに登録することが困難な場合として環境省令で定める場合を除く。)には、運搬受託者及び処分受託者(その使用に係る入出力装置が情報処理センターの使用に係る電子計算機と電気通信回線で接続されている者に限る。)から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め、かつ、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物を引き渡した後環境省令で定める期間内に、電子情報処理組織を使用して、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を情報処理センターに登録しなければならない。この場合において、当該電子情報処理組織使用義務者は、運搬受託者及び処分受託者から報告することを求め、かつ、情報処理センターに登録したときは、第十二条の三第一項の規定にかかわらず、当該運搬受託者又は処分受託者に対し管理票を交付することを要しない。

まだ長いですか?では、完全な正確性には目をつむり、「電子マニフェスト使用義務者」の定義を明らかにすることを目的とし、さらに条文を簡略化します。

 第十二条の三第一項に規定する事業者であつて、その事業活動に伴い多量の産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。)を生ずる事業場を設置している事業者として環境省令で定めるもの(以下この条において「電子情報処理組織使用義務者」。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合(一定の除外規定が置かれる予定)には、運搬受託者及び処分受託者(電子マニフェストの運用可能な者に限る。)から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め、かつ、当該委託に係る産業廃棄物を引き渡した後3日(環境省令で定める期間)内に、電子情報処理組織を使用して、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を情報処理センターに登録しなければならない。この場合において、当該電子情報処理組織使用義務者は、運搬受託者及び処分受託者から報告することを求め、かつ、情報処理センターに登録したときは、第十二条の三第一項の規定にかかわらず、当該運搬受託者又は処分受託者に対し管理票を交付することを要しない。

要点は、「一定量以上(=多量)の環境省令で定める産業廃棄物を排出する事業場の設置者」で、さらに「環境省令で定める条件にあてはまる者」に、電子マニフェストの運用を義務付けるという条文になっています。

「環境省令」は、改正法案が国会で可決されてから閣議決定されるものですので、現時点ではその詳細は明らかにされていません。

ただし、一部報道では、「一定量以上」とは「年間100t以上」を指し、「環境省令で定める産業廃棄物」とは「特別管理産業廃棄物」を指すと報じられていました。

報道のとおりだとすると、年間100t以上の特別管理産業廃棄物を排出する事業場の設置者に、電子マニフェストの運用が義務付けられるということになります。

それを前提にすると、多量排出事業者の場合は、年間50t以上の特別管理産業廃棄物を排出する事業場の設置者が対象となりますが、
電子マニフェスト使用義務者の対象となるのは、その倍となる年間100t以上が裾切りラインとなります。

この規模で特別管理産業廃棄物を排出する事業者が個人事業主というのは非常に考えにくいのですが、環境省のパブリックコメントへの返答を読むと、「環境省令で定める事業者」として、個人事業主や高齢者(?)を電子マニフェスト使用義務者の対象から外すという除外規定が置かれるようです。

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