事業化の順序と手段の間違い

当ブログ2018年2月15日付記事 「米国テレビドラマの観すぎ」で取り上げた、行政によるドローン活用計画に関する続報が入りました。

2018年4月23日付 Net IB News 「応募者辞退相次ぎ、福岡県職員のドローン研修業務コンペ中止

 福岡県が募集し、きょう(23日)予定されていた県職員のドローン操作研修業務の企画コンペが中止になったことがわかった。担当の福岡県環境部監視指導課によると、「先週末までに応募者の辞退が相次いだため」という。

 募集されていた業務は、県環境部の目玉事業の1つ。産業廃棄物処理施設の立入検査にドローンを導入することを目的として、県職員にドローンの操作研修を実施し、初年度は15名、次年度から10名ずつ、ドローンの操作を覚えてもらうという内容だった。

 しかし、ドローン関連業者によると、「県の仕様書で指定されているドローンの機体やソフトウェアなどの費用で3,000万円ほどかかるのに対し、単年契約のうえ、支払われる金額は1年あたり853万円が上限。単純計算でトントンになるまで最低4年。途中で契約が切れたら元が取れない」という。応募を検討する業者などからの問い合わせもあったが、県は、「最長で5年間の契約になるが、契約更新は予算の関係で約束ができない」としていた。

まず、3年程で異動をする県職員に、総額で1千万円超の予算をかけてドローン操作を覚えさせる意味があるのかどうかです。

せっかくドローンの操作を覚えさせたとしても、翌年度には廃棄物と関係の無い部局に異動してしまうという事態が頻繁に起きることが、簡単に予想できます。

この現実を前提にすると、福岡県はドローン導入直後のみならず、永遠にドローン操作の研修委託を行い続けることが必要となります。

およそ民間企業では考えられない手順ですが、ドローン導入のそもそもの目的は、「人が立ち入りにくい場所を空撮する」という単純なものです。

であるならば、「赤外線カメラ」等の不必要に高度な機能は必要なく、通信販売で買えるレベルの安いドローンでも必要十分なはず。

Amazonでは、1万円以下で買えるようです(笑)。

ドローンをロストしてしまうリスクを考えると、1台数十万円(桁が一つ違う可能性が高いですが)の高機能ドローンよりも、機能は限定されるが安いドローンを複数導入する方がはるかに経済的です。

人跡未踏のチョモランマを空撮するのではなく、人間が近くまで立ち寄ることが可能な不適正処理現場を撮影するだけなのですから。

10年ほど前に、地方自治体で監視カメラの導入が流行したことがありましたが、2010年代に入り、その対象がドローンに移っただけとも言えます。

悪質な不法投棄事件が増加し続けているのであれば、今までと違う手段を試す必要があるかもしれませんが、不法投棄が大幅に減少している状況下で、「自分では使いこなせないオモチャ」を税金で買うのはいかがなものでしょうか?

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