企業が便利屋事業に進出することの可否

 9月14日付の日本経済新聞で、奇しくも「便利屋」事業に進出しようとする企業2社に関する記事が掲載されました。

 リロ・ホールディング
 防府通運
 の2社です。

 記事では、リロ・ホールディングは「不要家具買取」、防府通運は「不要品処分」を、便利屋事業の一環としてやる予定と書かれています。

 まずはリロ・ホールディングについて
 完全に、常時不要家具の買取ができるのであれば、廃棄物処理法の範疇からは外れますが、
 未来永劫、そのような事業を継続できるのかどうかは疑問に思います。

 そう遠くない将来、処分費用を徴収しなくては引き取れない家具が、たくさん現れることになるのは間違いありません。

 「家中の不要家具全部ひっくるめて1円」という、限りなくブラックに近い価格設定で乗り切る可能性がありますが、おそらく、それでは利益がほとんど出ません。

 現実的には、パソコンや電気製品などの、転売可能な家財のみの買取になろうかと思いますが、
 事前に線引きをしておかないと、扱うものが「廃棄物」になる可能性が高いものばかりなので、株式公開企業としては、実務のオペレーションを相当しっかりしないと危険です。

 株式公開企業としては、便利屋稼業に乗り出すメリットよりも、なにかあったときに被るデメリットの方がはるかに大きいと思います。

 各地で無許可の廃品回収業者が問題となっている現状では、少し配慮にかける事業立案と言わざるを得ません。 

 続いて防府通運。

 ここは地場大手企業であるためか、最初から地域の廃棄物処理業者との連携を念頭に置いているようです。

 しかしながら、産業廃棄物処理業と一般廃棄物処理業はまったく別の事業許可になりますので、
 単なる産業廃棄物処理業者では、一般家庭の廃品を引き取ることはできません。

 このあたりの法律上の問題をクリアした、地域とは言え、広域で廃品回収ができる事業者があるのかどうかが問題です。

 「細かいことばかり気にするな」と言われてしまいそうですが、
 その重要な細かい詰めをおざなりにした結果が、各地の無許可回収事業者の跳梁跋扈につながっています。

 なにか問題があった際、一番最初に被害者になるのは、お年寄りや一人暮らしの女性になります。

 その時、企業に対して湧き起こる反感は、今想像できる以上に苛烈なものになるのは間違いありません。

 くれぐれも、廃棄物処理法の問題をおろそかにすることなく、誠実に事業化を検討していただきたいものです。

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