行政のメンツと責任

1月25日付愛媛新聞 産廃処分場施設不備 県に費用負担要求へ

 ずさんな管理で周辺環境への影響が懸念される愛媛県松山市菅沢町の産業廃棄物処理会社「レッグ」の最終処分場問題で、市は24日、多額に上る対策費用について、処分場設置当時の監督権者だった県に、一定の負担を求める考えを明らかにした。
 24日の市議会環境下水委員会で、大町一郎環境部長が述べた。
 委員会では、処分場内で見つかった埋め立て禁止の廃油の投棄時期が、監督権限が県から移管された98年6月以前だったことから、県の責任を指摘する声が上がった。大町部長は「県と協議中で、応分の費用負担を求めたい」と説明した。

松山市内に設置された管理型最終処分場の問題に関し続報が入りましたのでご紹介。

記事では経緯が大幅に省かれているため、補足しておきます。

当該最終処分場が松山市内に設置されたのが昭和61(1986)年度。
当時は松山市ではなく、愛媛県が許可権者でした。

その後、平成10(1998)年4月1日から松山市が保健所設置市になったため、当該処分場に関する権限が愛媛県から松山市に移行しました。

そして、最近の掘削調査によって、松山市が指導監督権限を引き継ぐ以前に、本来は埋めてはならない廃油などが処分場内に埋められていることが判明しました。

こういった経緯があるために、記事の「応分の費用負担」につながるわけです。

その他の詳しい背景を勝手に書くわけにはいきませんので、論点の整理だけをしておきます。

「愛媛県に松山市の代執行費用などを法的に負担する責任があるかどうか」となると、
「ない」と言わざるを得ません。

愛媛県が処分場への廃油の埋立を推奨していたわけではなく、職員の目前で廃油が埋められていたわけでもないため、愛媛県の明確な故意や過失があったわけではないからです。

そのため、松山市側の「応分の負担」という、法的な意味での責任追及ではなく、愛媛県側の自発的な費用負担を期待するコメントと思われます。

ただし、愛媛県側にしても、法的に明確な責任はないとしても、規制権限を有していた当時に現在につながる不適正処理の芽が発生し、それを見過ごしたという責任があります。

そのため、「法的な責任は無い」との一点張りで、愛媛県が費用負担を拒絶し続けるのもあまり格好の良いものではありません。

幸運にも、愛媛県は産業廃棄物税を導入しているようですから、費用の財源自体は確保できそうです。

後は、産業廃棄物税の使用目的としての理由づけや、「責任は無いもののお見舞金として費用の一部を補てん」というような愛媛県側のメンツも立てていけば、市民や県民のためにも費用負担がやりやすくなるものと思います。

ここから先は、首長が決断するためのお膳立てといった事務方の「根回し力」がものをいいます。

関係各位の頑張りに期待をしております。

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