千葉市の産廃富士問題終結へ

高さ18mに及ぶ千葉市の不適正保管事案が、総額6億500万円で9,300立方メートルの廃棄物を撤去した状態で終結するそうです。

2014年7月11日 毎日新聞 「千葉・緑区の産廃放置:処分代執行、千葉市が6億円投じ終了

 千葉市は、緑区平川町に大量に不法投棄されていた産業廃棄物処理の行政代執行を終えた。2012年1月から今年3月まで2年間以上にわたって実施し、投じられた費用は総額約6億500万円。市負担額は約2億2500万円になる見込みだ。

 元々は産廃の中間処理場だったが、適切に処理されないまま不法投棄された産廃が、自主撤去後も約4万6000立方メートル、高さ18メートルにわたっていた。

 代執行では、約9300立方メートルを搬出し、有害ガスが飛散するのを防ぐためガス抜き管を設置。残った産廃は土で覆って緑化する作業を行った。

 今後、市は費用の納付命令に従わなかった企業やその役員らに対し強制徴収手続きをするが、資金力がなく、回収は困難な状況だ。そのため、産業廃棄物処理事業振興財団の支援金(約3億8000万円)を除いて、市が負担する。台風、豪雨による地滑りなどがあり、当初予定より市負担が約1億円膨らんだ。

全量撤去ができれば一番理想的なのだろうと思いますが、総額で20~25億円の撤去費がかかる計算となります。

そのため、9,300立方メートルの撤去とガス抜き管の設置を約6億円で終わらせた千葉市の措置は、妥当かつ現実的な選択であったと評価できます。

今回の事案の場合は、千葉市は排出事業者にも自主撤去や行政代執行費用の納付を命令済みですので、今後事業費をさらに回収できる見込みはほとんどなさそうです。

ちなみに、排出事業者の大部分は自主撤去に応じ、行政代執行費用の納付を命じられた企業のほとんども費用を納付しました。

排出事業者責任追及の理由として、千葉市は下記の違反があったためと説明しています。

(2)産業廃棄物処理委託契約書に係る規制違反
ア 作成義務違反
イ 法定記載事項記載義務違反
ウ 保存義務違反
(3)産業廃棄物管理票(マニフェスト)に係る規制違反
ア 法定記載事項記載義務違反
イ 保存義務違反
ウ 措置義務違反
例:返却されてきた産業廃棄物管理票の写し(E票)の最終処分場の欄に産業廃棄物中間処理業者であった株式会社千葉福祉建設公社の名称等が記載されていたにもかかわらず、処理状況を調査等の上千葉市長に報告しなかった。

いずれも、委託基準の一番基本的な部分ですが、ただ単に返ってきたマニフェストを保存するだけでは危険という教訓になります。

最後に、行為者の中間処理業者とその役員への費用賠償請求についてですが、
これも記事にあるとおり、現実的には非常に困難と思われます。

このようなケースにおいては、通常、税の滞納時に準じた求償請求が行われます。

1.求償対象者の財産確定
2.求償対象者の財産への差し押さえ
3.求償対象者の財産の換価
4.費用回収終了

という流れになりますが

1の財産確定作業をした結果、対象者にろくな財産が無いことが判明するケースがほとんどです。

現代では、「不適正処理で大儲けし、豪邸で暮らす」というようなわかりやすい豪遊ができる人は皆無と言えます。

まさに、「貧すれば鈍する」で、
資金に窮して不適正処理⇒産廃の取扱量が増えて困る⇒さらなる不適正処理に依存⇒あとは臨界点に達するまで不適正処理が拡大
というサイクルをたどりますので

不適正処理によって金儲けをするタイミングが無いというのが実情です。

中小企業においては、オーナーや経営者の資産状況が経営に如実な影響を与えます。

そのため、現地確認を行った際には、会社の雰囲気だけではなく、経営者等の精神状況に余裕があるかないかを確認しておきたいところです。

資金調達に苦戦していることがあからさまにわかるようであれば、それはかなりの危険信号と言えます。

あるいは逆に、豪奢すぎる(大部分は悪趣味な)事務所の内装や高級車に凝りだした始めた時も、同様に危険と言えます。

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