仁和寺にある不法投棄

個人的には、仁和寺と聞くと、「桜の名所」として、あるいは「吉田兼好が頻繁にディスっていた法師」を連想します。

言わずと知れた「世界遺産」であり、嵐山や金閣寺・竜安寺から観光客がたくさん訪れる名所でありますが、創建は仁和4(888)年と、千年を超える歴史を持つ真言宗のお寺です。

さて、多くの人の信仰の対象となっている御室八十八か所霊場の参拝道に、ゴミが不法投棄され続けているため、寺と近隣住民の方々が大変困っておられます。

2021年2月13日付 読売新聞 「仁和寺参拝道、不法投棄絶えず…地元住民がカメラ設置へ

 世界遺産・仁和寺(京都市右京区)の境内にある霊場に、大型家電や家具などが大量に不法投棄されている。僧侶や地元住民らが撤去しても、次々と捨てられる状況が長年続いている。「このままでは信仰の場が台無しだ」。住民らは近く、投棄場所に監視カメラを設置し、警察に通報する構えだ。

 不法投棄されているのは、寺の北側の成就山(標高236メートル)にある御室八十八か所霊場。約3キロの参拝道にお堂(札所)があり、本尊の弘法大師もまつられている。

 参拝道は江戸時代後期、四国八十八か所霊場を巡拝できない民衆のために、各霊場の砂を持ち帰って作られた。「お遍路さん」と同じ御利益が得られるとして、毎日多くの人が入山するが、プラスチックごみのほか、電子レンジやソファ、車のタイヤなども散乱する。

 参拝道脇は斜面になっており、10メートルほど上には市道が通る。車で来た人が、市道からごみを投げ捨て、それらが参拝道付近まで転がってきているという。

京都市右京区は山がちの場所であり、人目を気にせずに不法投棄することが可能な場所が散在しています。

仁和寺の参拝道付近の市道も、どうやらその場所に含まれる模様。

読売新聞のサイトには、かなりの年代物と思われる電子レンジが、参拝道に捨てられている様子を撮影した画像が掲載されています。

捨てられた物の状態から推測すると、数十年前以上から現在に至るまで、繰り返し不法投棄されている様子。

監視カメラの設置もやむなしと言えるでしょう。

最近は、太陽光発電可能な「モーションセンサーライト」が安く市販されておりますので、監視カメラと組み合わせて使用すると、不法投棄の抑止効果がさらに高まることでしょう。

↓一例

私自身、京都市右京区をトレッキングで何度か訪れていますので、不法投棄されやすい現場の状況をすぐに思い浮かべることができます。

改めて「不法投棄されやすい場所の条件」を考えてみると、
「人目が無い」のみならず、「車で近づきやすい場所」という二つの条件が重なる場所が、
特に不法投棄されやすい場所という結論になりました。

夜間の山間地においては、車を通行止めにすることは困難ですから、「人の目を意識させる」対策が不可欠と言えます。

そのためには、不心得者が忍び寄ってきた瞬間に、「明るい光」や「撮影しているという警告」「音」を組み合わせて警告をするのが良さそうです。

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