滋賀県が破産会社を不法投棄容疑で告発

当ブログで紹介済みの事案ですが、自社敷地内に大量の産業廃棄物を不法投棄したまま破産をした中間処理業者(許可取消済み)に対し、不法投棄容疑で滋賀県が刑事告発を行いました。

2016年11月22日付 滋賀県発表 「有限会社甲賀建設による不法投棄事案に係る関係者の刑事告発について

有限会社甲賀建設(破産手続中。以下「甲賀建設」という。)が行った不法な産業廃棄物の埋立てに関し、本日、下記のとおり滋賀県警察本部長に対し、刑事告発を行いましたのでお知らせします。
1 被告発人
有限会社甲賀建設 元代表取締役
同 元取締役
同 従業員 以上3名

2 告発事実
被告発人らは、共謀の上、平成26年10月18日ころから平成27年4月30日ころまでの間、継続して多数回にわたり、滋賀県甲賀市水口町嶬峨字西山2533番ほか4筆の山林等において、陶磁器くず、コンクリート片、廃プラスチック類等の産業廃棄物約1万4千トンを埋め立てるなどし、もってみだりに廃棄物を捨てたものである。

3 罪名および罰条
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)違反
同法第16条(みだり投棄)
同法第25条第1項第14号(5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金またはこれらの併科)
(参考)これまでの経緯
平成27年7月27日 甲賀建設に対し、廃棄物処理法第19条の3に基づく改善命令の発出
30日 甲賀建設の産業廃棄物処分業等の許可取消し
12月11日 甲賀建設等が大津地方裁判所に破産手続開始の申立て
16日 甲賀建設等の破産手続開始決定
平成28年6月30日 甲賀建設その他関係4者に対し、廃棄物処理法第19条の5に基づく措置命令の発出(併せて改善命令は取消し)
7 月29日 措置命令で命じた措置の着手期限
8 月2日 措置命令で命じた措置の履行を督促
17日 措置の履行の督促に係る着手期限

最初に発出された改善命令には驚きましたが、その後自ら改善命令を取消し、措置命令を改めて発出した真摯な姿勢は評価します。

今回の刑事告発は、措置命令が履行されないことに対する最終強制(的)手段となります。

事件化されるかどうかは滋賀県警と検察の判断次第となりますが、告発されたからといって措置命令が履行されることはほぼありません。

それでも、あらゆる手段を尽くして行為者の責任追及をすることが行政の責務である以上、刑事告発をせざるを得ない状況にあります。

問題は、現場に残された不法投棄物の後始末についてですが、
生活環境保全上の支障がある、あるいはそのおそれがあるという理由で措置命令が発出された以上、このまま行為者による廃棄物の撤去が進まなければ、滋賀県は「委託者への措置命令」か「滋賀県による行政代執行」のいずれか(場合によっては両方)を選択しなければならない状況となりました。

もっとも、事ここに至っては、滋賀県は行政代執行を覚悟されているものと思いますが。

皮肉ではなく、真面目にこうしたCMを制作する滋賀県が最近好きになりました(笑)。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ