私の人生を変えてくれた上司 Vol.2

初めにお断り。
この記事の大部分は筆者の実際の経験を元に執筆していますが、守秘義務の関係から一部フィクションを交えています。
また、この記事は筆者の独断と偏見で記述しておりますので、当然ながら、現在の兵庫県その他の行政見解を代表するものではありません。

(前回のあらすじ)
県庁から地方機関に異動となり、気楽な公務員生活を夢見ていた私。
しかし、上司から産業廃棄物の担当を仰せつかったため、赴任早々その夢が崩れることに・・・
そして、さらに追い打ちをかけるかのように、窓口には強面の2人組がアポなしで訪問してきて、一触即発の状態に。

それでは、第2回目のはじまりです。

「お前ら 不法投棄している業者を放置する気か!」

強面の2人組は、受付テーブルの向こうにいる面々の反応がないため、さらに顔と口調に凄みをきかせます。

「ここは不法投棄を取り締まる役所と違うんかい!」

それでも、私を含めた気持ちの準備ができていない職員たちは金縛りにあったように、強面の言葉に反応できません。

環境課の向かいに位置する土木事務所の職員まで、「もっともめろ」と言わんばかりに、好奇の視線を一斉に環境課の受付に向け始めています。

そんな混乱状況の中、Bさんが慌てることなく、スタスタと受付カウンターに歩み寄り、
「どこの現場ですか?部屋の中でじっくりと聞かせてください」と、自ら強面2人を室内に招きよせました。

そして、環境課のベテラン職員Cさんをその場に呼び寄せ、室内のテーブルで強面2人と差向いになりました。

Bさんは落ち着いた様子で、「それでは現場を詳しく教えてもらえますか」と口火を切りました。

強面の年長の方が、「××政治連盟 ■■」という名刺を差し出し、簡単に自分が苦情を言いに来た経緯を説明した後、若い方に現場の説明をするように促しました。

若い方は現場の写真を取出し、「●●町の▲山の現場や」と語気強く吐き捨てました。

「●●町ですか。パトロールで重点的に回ってる地域ですが、写真も持って来ていただいたので、早速現場を調査しに行きますわ。調査した結果はまたお知らせします。」
とBさんが言うと、強面2人組は納得して帰っていきました。

「初日からこんな怖い思いをする職場で、1年間も担当が務まるかなぁ」と不安に思い始めていたときに、
Bさんは思い切りよく「尾上さん 今から現地調査に行くから準備して」と指示を出されました。

「え?現場に行くって、山の中やで?まだ書棚の片づけも終わってないのに、今すぐ行かないとダメなのか!?」と、それまでの公務員人生で培われた、準備なしには動かないという反応パターンが首をもたげました。

Bさんは、そんな私の反応には頓着せず、
「そうや 赴任初日やからパトロールコースをついでに教えるから、はよ準備して車庫に集合!」と、矢継ぎ早に指示を出し始めました。

(続く)

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コメント

  1. 矢板橋@ミダック より:

    尾上先生、待ちに待ったVol.2拝見しました。

    読みながら情景が浮かんでしまうのは、私だけではないと思います。(笑)

    もう次のVol.3が待ち遠しくてなりません。

    一日も早くアップして下さることを期待しております!

  2. 尾上雅典 より:

    矢板橋社長 コメントありがとうございました。

    調子に乗って書き続けてしまいそうですが、ネタが枯渇した時の切り札に温存しておきます(笑)。

    私のこれからたどる心境変化については、完全にノンフィクションのドキュメントです。

    今後ともご愛読よろしくお願いします!


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