罰則から見る委託基準の詳細Vol.2

前記事 「罰則から見る委託基準の詳細Vol.1」 の続きです。

今回は、より重い罰則の第25条違反の委託基準違反について解説します。

委託基準違反に関する廃棄物処理法第25条の罰則は以下のとおりでした。

第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一~五 (略)
六 第6条の2第6項、第12条第5項又は第12条の2第5項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
七~十六 (略)

第25条の罰則の対象となる行為は、「(法)第6条の2第6項」「第12条第5項」「第12条の2第5項」の3つであることがわかります。

このうち、
「第6条の2第6項」は一般廃棄物の委託基準、
「第12条第5項」は産業廃棄物の委託基準、
「第12条の2第5項」は特別管理産業廃棄物の委託基準 となります。

まずは、「第6条の2第6項」の条文を見てみましょう。

廃棄物処理法第6条の2第6項

 事業者は、一般廃棄物処理計画に従つてその一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合その他その一般廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第七条第十二項に規定する一般廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する一般廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

「事業者が一般廃棄物の処理委託をする場合は、収集運搬は一般廃棄物収集運搬業者等に、処分は一般廃棄物処分業者等に委託をしなければならない」と書かれていますので、「一般廃棄物収集運搬業者等ではない無許可業者に委託をしてはいけない」という意味になります。

※参考
一般廃棄物委託基準違反としての事件実例は下記
同志社大学のリスク管理の問題点

一般廃棄物収集運搬業者と書いたのは、廃棄物処理法施行規則第1条の17及び第1条の18に、「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集又は運搬を業として行う者」等の、一般廃棄物処理業の許可が無くとも一般廃棄物処理が可能な者が限定列挙されているためです。

今回は許可不要な者の類型を語ることは控えますが、その詳細を知りたい方は、拙著「知らなきゃ怖い!廃棄物処理法の罰則」のp65からp71までをご覧ください。

残りは産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の委託基準となりますが、条文の表現的にはほぼ同様ですので、産業廃棄物の「第12条第5項」の条文のみを紹介します。
なお、産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物についても、一般廃棄物と同様に、処理業許可の取得が不要な者の類型がありますが、これも詳細の解説を省きます。

廃棄物処理法第12条第5項

 
 事業者(中間処理業者(発生から最終処分(埋立処分、海洋投入処分(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた海洋への投入の場所及び方法に関する基準に従つて行う処分をいう。)又は再生をいう。以下同じ。)が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第七項並びに次条第五項から第七項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除くものとし、中間処理産業廃棄物(発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第七項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第十四条第十二項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

カッコ書きが多用されているため、読む気を失せさせる条文だと思います。

そのため、エッセンスのみを抽出して、読みやすくしてみます。
廃棄物処理法第12条第5項

 
 事業者(中間処理業者を含む)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第14条第12項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

一般廃棄物の委託基準と同様に、「許可業者等以外に委託をしてはいけない」という条文であることがわかります。

ただし、産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物の場合は、「中間処理業者を含む」と書かれているとおり、中間処理業者が処理残さを別の業者に委託をする際には、中間処理業者にも「排出事業者」として委託基準が適用される点に留意が必要です。

まとめ

無許可業者に対し、一般廃棄物または産業廃棄物の処理委託を行うと、法第25条の委託基準違反(「5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金に処し、又はこれの併科」)となります。

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