排出事業者にとっての再委託されるリスク

今回は、「排出事業者にとっての再委託されるリスク」についてです。

前回の「再委託の違法性の整理」では、

排出事業者についてですが、
無断で再委託をされているため、再委託されたことに関する罰則はありません。

しかしながら、先の「再委託受託者」と同様、別の方面から廃棄物処理法違反が発生する可能性があります。

と述べました。

ここで、収集運搬業務を無断で再委託され、収集運搬業者が勝手に産業廃棄物管理票の「運搬受託者」を書き換えた場合を考えてみましょう。

排出事業者が交付した産業廃棄物管理票の運搬受託者欄には、
「氏名又は名称 株式会社下請商店」と記載されていたにもかかわらず、

株式会社下請商店が委託者に無断で再委託をし、産業廃棄物管理票のB2票に、
「氏名又は名称 株式会社下請商店 適当処理株式会社」
と、ご丁寧にも自社名を見え消しで消した上で、再委託をしたと産業廃棄物管理票に正直に記入してくるケースがあります。

そして、B2票のその下の「運搬の受託(者)←ドライバーの氏名等を書く欄」には、「株式会社下請商店」ではなく、排出事業者と契約がない「適当処理株式会社」の名称が記載されることになります。

排出事業者としては、この時点で、株式会社下請商店が契約違反をし、無断で再委託をしたことを覚知することになります。

そのため、「無断で契約とは違う方法で運搬を行われた」結果、
「産業廃棄物管理票には、排出事業者が了解していない事実が記載されている」
すなわち、「(契約とは異なる)虚偽の記載がある」ことを、排出事業者が知ったことになります。

もっとも、
返送されてきたB2票に記載された情報としては、実際は「適当処理株式会社」が運搬を行っているため、虚偽ではないとも考えられますが、

廃棄物処理法施行規則第8条の29(管理票交付者が講ずべき措置)で定められた
「虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき」の「虚偽の記載」とは、
「実際に行った産業廃棄物処理」が、そのまま「産業廃棄物管理票」に記載されているかではなく、

「廃棄物処理法に違反しないか」
「委託契約に違反しないか」
という観点から、「虚偽」か「真実」かを判断すると考えた方が合理的です。

そう考える理由は、
例えば、産業廃棄物管理票E票の「最終処分を行った場所」欄に、「不法投棄をしました」と正直に(?)書いてきた場合、「事実としてはそのとおりなので、排出事業者は何もアクションしなくて良い」とはならないことを、万人にご納得いただけると思うからです。

実際に、過去の措置命令事例として、
不法投棄案件に関し、「産業廃棄物管理票E票の最終処分場の場所に、中間処理業者の事業所が記載されていたが、排出事業者が措置内容報告をしなかった」という理由で、排出事業者に措置命令が発出された実例があります。

再委託された場合に排出事業者に発生するリスクとは、この「(産業廃棄物管理票に関する)措置内容報告」です。

次回、措置内容報告書の詳細を解説します。

本記事は連載の一部ですので、過去記事もお読みいただくと、より理解が進みます。

(第1回)委託先業者に無断で再委託された場合の対応
(第2回)再委託されたことに気づくタイミング
(第3回)再委託の違法性の整理

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