久々の古典的廃液垂れ流し事案

2014年6月16日付 毎日新聞

不法投棄:鉄工所と社長ら3人を書類送検 愛知・蒲郡

◇三河海上保安署が地検豊橋支部に水質汚濁防止法違反容疑で

 塩素系有機溶剤のジクロロメタンを海に不法投棄したとして、三河海上保安署は16日、愛知県蒲郡市浜町、精密機器加工製造「豊昭鉄工所」と男性社長(57)ら3人を、水質汚濁防止法違反の疑いで名古屋地検豊橋支部に書類送検した。

 ほかに送検されたのは同社専務(74)と契約社員(73)。

 容疑は昨年12月4、11、17日、金属配管の洗浄に使ったジクロロメタンを、最大で国の排出基準(1リットルあたり0.2ミリグラム)の365倍の濃度で三河港に排出したとされる。

 同署は昨年5月の巡視中に排水口から白濁した液体が出ているのを確認し、捜査を進めていた。社長らは調べに対し「処理施設の設置には資金がかかり、毎日流すのではないからばれないと考えた」などと話しているという。

最近ではあまり耳にすることがなくなった「毎日ではないのでばれないと思った」という言い訳を久しぶりに聞きましたので、記事として取り上げます。

小規模零細な町工場のような事業者かと思いましたが、蒲郡駅にほど近い三河湾を埋め立てて造成した工業地帯に立地する事業者です。

Googleマップで見てみると、少なくとも5千平方メートル以上の敷地面積がありそうです。

鉄工所の操業開始から廃液を海に捨てていたわけではないと考えられます(すぐに発覚するため)ので、以前は処理業者に委託をしていたものと思われます。

なんらかの事情で経営状況が悪化し、処理業者に委託をするコストが惜しくなり、さりとて排水処理施設を設置する金も無い
だったら海に垂れ流すしかない

と、安易な結論に飛びつくまでの時間は早かったのか、あるいは遅かったのか・・・

いずれにせよ、廃液の垂れ流しに手を染めてからは、2週間で3回も廃液を海に垂れ流す状態になっていたようです。

ちなみに、今回は廃棄物処理法違反ではなく、水質汚濁防止法違反の容疑で逮捕されています。

ジクロロメタンによる洗浄施設は水質汚濁防止法の特定施設に該当しますので、廃液の処理については、廃棄物処理法ではなく、水質汚濁防止法の規制を受けるためです。

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