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  • 2019年4月23日 · · · 砂利採取所で発生する脱水ケーキ(大阪府Q&Aの注釈)
  • 2019年4月22日 · · · 再委託された後の手続き
  • 2019年4月18日 · · · 「動物の死体」の野外焼却で書類送検
  • 2019年4月17日 · · · 産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成28年度実績)
  • 2019年4月16日 · · · 悪いのは異物を混入させた人間
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    砂利採取所で発生する脱水ケーキ(大阪府Q&Aの注釈)

    大阪府が公開している「よくあるご質問」の注釈をします。

    Q20 山砂利の採取場において排出される沈砂池の堆積物や脱水ケーキは産業廃棄物になるか?

    A20
     当該廃棄物の組成が、天然の岩石の微粉末であるとしても、山砂利の採取という事業活動に伴って生じた泥状物であることから、産業廃棄物の汚泥に該当します。
     ただし、総合判断説(A15参照)に従って判断した結果、有価物と判断される場合は、この限りではありません。

    ※注釈
    「岩石由来云々」は、おそらく具体的に説明をするための工夫だと思いますが、逆にその表現を入れなかった方が理解しやすかったように思います。

    「泥状物」である以上、有価物ではない不要物はすべて廃棄物になるわけですので。

    「脱水ケーキ」が汚泥になるのは当然ですが、
    「沈砂池の堆積物」の場合は、水分を飛ばした場合の取り扱いが微妙となる場合があります。

    が、この疑義解釈でそこまで深入りすると混乱しますので、「事業活動で発生した泥状物で、他の産業廃棄物の種類に該当しない物は『汚泥』」という基本を押さえておきましょう。

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    2019年4月23日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    再委託された後の手続き

    前回の「排出事業者にとっての再委託されるリスク」では、

    再委託された場合に排出事業者に発生するリスクとは、この「(産業廃棄物管理票に関する)措置内容報告」です。

    と述べました。

    リスクとは言え、「措置内容報告書」を都道府県等に提出しさえすれば、排出事業者は廃棄物処理法上の義務を果たしたことになります。

    しかしながら、「たかが産業廃棄物管理票の修正ミスでしょ」あるいは、再委託されたことに気づけない場合が相当多いものと思われます。

    その結果、排出事業者の措置義務違反として、不法投棄などに巻き込まれた場合には、廃棄物処理法第19条の5に基づく措置命令の対象になる事態が生じます。

    では、そもそもなぜ「措置内容報告書」を提出する義務が発生するのでしょうか?

    その根拠は、廃棄物処理法第12条の3第8項になります。

    廃棄物処理法第12条の3
    8 管理票交付者は、環境省令で定める期間内に、第三項から第五項まで若しくは第十二条の五第五項の規定による管理票の写しの送付を受けないとき、これらの規定に規定する事項が記載されていない管理票の写し若しくは虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき、又は第十四条第十三項、第十四条の二第四項、第十四条の三の二第三項(第十四条の六において準用する場合を含む。)、第十四条の四第十三項若しくは第十四条の五第四項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該委託に係る産業廃棄物の運搬又は処分の状況を把握するとともに、環境省令で定めるところにより、適切な措置を講じなければならない。

    前回も述べましたが、「法第12条の3」でいうところの「虚偽の記載」とは、
    「実際の廃棄物処理状況」について虚偽ではなく、
    「契約上、あるいは法律上許容される記載かどうか」が判断の基準となろうかと思います。

    無断で再委託された際の虚偽の記載例としては、

    産業廃棄物管理票のB2票に、
    「氏名又は名称 株式会社下請商店 適当処理株式会社」

    というイメージとなります。

    もちろん、「無断の再委託」ではなく、「事前に委託者の承諾を受けた上での再委託」であれば、
    上記のような記載に至った経緯を委託者が把握していますので、委託契約と廃棄物処理法に則った修正として、虚偽の記載と扱う必要はありませんね。

    なお、「法に則った修正」と書きましたが、廃棄物処理法で産業廃棄物管理票の記載修正のやり方を定めているわけではありません。

    大切なことは、「産業廃棄物管理票の記載を恣意的に書き換えないこと」です。

    そのための手順が、「再委託することへの承諾書」になりますが、それについては後日また別の機会に。

    さて、「措置内容報告書」の書式についてですが、自治体がHPで様式を公開していることも多いため、産業廃棄物発生場所を管轄する自治体にお問い合わせください。
    例 大阪府の記載例

    この報告書を、「無断の再委託を知った時」すなわち「産業廃棄物管理票の虚偽記載を知った時」から「30日以内」に提出しなければなりません。

    報告する内容としては、
    ・産業廃棄物管理票の交付番号
    ・現在の産業廃棄物の状況(未処理なのか、それとも最終処分が終わったのか等)
    ・排出事業者として講じた措置
    等になります。

    本記事は連載の一部ですので、過去記事もお読みいただくと、より理解が進みます。

    (第1回)委託先業者に無断で再委託された場合の対応
    (第2回)再委託されたことに気づくタイミング
    (第3回)再委託の違法性の整理

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    「動物の死体」の野外焼却で書類送検

    セミナー等で産業廃棄物の具体的な種類の説明をする際、
    「動物の死体」は、畜産農業から発生した動物の死体に限定されるため、「一般企業の方にはほとんど関係ありません」と説明していますが、畜産農家が、産業廃棄物となる死んだ豚を野外焼却したために書類送検されたという報道がありました。

    「牛さんや豚さんの死体が“産業”廃棄物になるなんて納得できないわ」と感じた方が多いかもしれませんが、ここでいう「産業」とは、工業的なイメージの「industry」というよりも、より広義の事業としての「business」という方が正確かと思います。

    2019年4月17日付 NHK 「死んだブタ無許可焼却し書類送検

    ことし2月、愛知県の許可を得ずに、死んだブタ約15頭を燃やしたなどとして、愛西市の養豚場の経営者が書類送検されました。
    警察によりますと、「豚コレラの可能性もあったが、獣医師に診せるのが面倒だった」などと供述しているということです。

    書類送検されたのは愛知県愛西市にある養豚場の60歳の経営者で、警察によりますと、ことし2月、死んだブタ約15頭を県の許可を得ずに燃やしたなどとして、廃棄物処理法違反などの疑いが持たれています。
    当時、愛知県内の養豚場では、豚コレラへの感染が確認されるケースが相次ぎ、養豚業者は、ブタに異常が見られた場合は県に報告するよう求められていました。
    今回、経営者が燃やしたブタは、その後の県の検査で、豚コレラには感染していなかったということです。
    警察によりますと、経営者は「豚コレラの可能性もあったが、死んだブタを獣医師に診せるのが面倒で、費用を払うのも嫌だった。10年前から約1000頭を燃やしていた」と供述しているということです。

    畜産農家になったつもりで考えてみると、
    牛や豚の死体は、かなりの重量物となり、一度に大量に頓死した場合、処分のコストや手間が大変であることは容易に想像できます。

    もちろん、大変だからといって、不法投棄や野外焼却が許容されるということは有り得ませんが、
    零細事業者が大部分と思われる畜産農業の現状は、
    費用負担を嫌がる人による不適正処理が起こりやすい構造にあるとも考えられます。

    医療保険のように、一定額の保険料を関係者に負担してもらうと良いかと思いましたが、
    そうなると、頻繁に頓死させる農家が得をし、逆に衛生管理をしっかりとしている農家が損をする仕組みになってしまいますので、およそ実現性がありません(苦笑)。

    やはり、現状では、畜産農家のモラルに期待するとともに、今回のようなズルをする人には廃棄物処理法の重罰をもって処していくしかなさそうです。

    養豚場における豚の平均死亡率は知りませんが、1年あたり100頭も頓死するものなのでしょうか?

    廃棄物処理法違反とは無関係に、怖さを感じた部分でした。

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    2019年4月18日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成28年度実績)

    2019年4月15日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成28年度実績)について」が発表されました。

    1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

    産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも272施設増加しています。

    前年度よりも施設数が増えたのは、

    「廃油の油水分離施設(+3【前年度の施設数との比較、以下同様】)
    「シアン化合物の分解施設(+4)」
    「PCB廃棄物の分解施設(+1)」
    「PCB廃棄物の洗浄施設又は分離施設(+1)」
    「廃プラスチック類の破砕施設(+41)」
    「木くず又はがれき類の破砕施設(+343)」
    「その他の焼却施設(+10)」
    の7施設でした。

    2.産業廃棄物処理業の許可件数

    事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。

    2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減しています。

    しかしながら、平成28年度はこれまでの微減傾向から一転し、前年度よりも許可件数が6,443件増加しました。

    「許可件数=新規許可+更新許可+変更許可」ですが、このうち「変更許可」については微々たる数値と思われますので、実質的には「新規許可+更新許可」と考えられます。

    「新規許可」は、各都道府県で新たに産業廃棄物処理業を営む人
    「更新許可」は、それまで許可を持っていた都道府県の許可を再更新する人
    となります。

    自主的に業許可を廃止する「廃止届」は2,098件と、前年度よりも416件増加しています。

    3.取消処分件数の推移


    こちらも「許可件数」と同様に、平成23年度から許可取消件数が激減しています。

    その理由は、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

    平成21年度の1,249件という最高記録は、もはや隔世の感がいたします。

    4.最終処分場の状況

    平成28年度は、最終処分場の残余容量(埋立可能な容積)が前年度よりも増加しました。

    管理型最終処分場のみが、前年度よりも残存容量を増やしていますので、平成28年度の間に大規模な管理型最終処分場の新規設置が重なったものと思われます。

    その結果、最終処分場にあとどれくらいの期間埋立てられるかの目安となる「残余年数」が、平成28年度は全国平均17.0年と、前年度よりも0.4年延びました。

    また、昨年度の統計の際に予想したとおり、「最終処分量」がとうとう1千万トンを下回り、989万トンとなりました。

    その他

    やはりと言うべきか、「法第19条の6に基づく措置命令」は1件もありませんでした。

    「法第19条の5に基づく措置命令」はたったの3件と、最近の最小値だった平成27年度の5件をさらに下回る結果となりました。

    措置命令が必要ないほどに、本当に平和であれば良いのですが、実態はどうなのでしょうか?

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    2019年4月17日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:統計・資料

    悪いのは異物を混入させた人間

    「なんでも行政を批判すれば良い」というわけにはいきません。

    清掃工場の火災で周辺住民の方たちは嫌な思いをされたことと思いますが、
    一番悪いのは、地方自治体ではなく、不燃ごみへの混入を禁止された異物を混入させた人間です。

    2019年4月12日付 信濃毎日新聞 「長野ごみ処理施設火災1週間 問われる再発防止策

     長野市松岡のごみ処理施設「市資源再生センター」での火災発生から1週間となった11日、市は中止している不燃ごみ、瓶、乾電池の収集を15日から再開すると発表した。原因の調査に時間がかかり、収集後の処理は当面、廃棄物処理業者に委託する。不燃ごみを巡ってはスプレー缶などの混入で収集車から出火する例が今年も1月に上田市で起きるなど各地で後を絶たない。センターの地元は、再発を防ぐ抜本的な対策を求めているが、長野市による検討はこれから。当面は市民に分別の徹底を求めるしかなさそうだ。

     火災は、硬いプラスチック製品やガラスなど、破砕処理する前の不燃ごみを一時的にためるピットで4日未明に起きた。電源ケーブルが焼けたため、ピットからごみを搬出するクレーンが動かなくなり、消火作業が長引き、鎮火したのは7日午前8時。11日もクレーンは動かせず、原因調査に時間がかかっている。

     ピット内の燃えたごみには、本来は別に分けて回収するはずのスプレー缶やリチウム電池もあった。市消防局は「発火を誘発する何らかの物品」から出火した可能性があるとみている。

     鎮火まで約3日間、地元住民は煙や臭いに悩まされた。地元からは、住民に分別徹底の協力を求めるだけでなく、受け入れた後も出火の危険がある物を取り除く方法、万一センターで火災が起きた場合でも動かせる耐火機能を備えたクレーン配備などを求める声が上がる。市は現在、センター内の破損箇所などの確認を続けており「被害状況が分かり次第、再発防止策を検討していく」とする。

    再発防止策といっても、「異物混合の有無の徹底的なチェックと除去」くらいしかないと思われます。

    究極的には、ゴミを捨てる人のモラル次第と言わざるを得ません。

    「耐火機能を備えたクレーン」という代物は、現実世界には存在しないのではないでしょうか?

    存在している場合は、謹んで筆者の不明をお詫び申し上げますが、クレーン自体は燃えなくとも、クレーンを動かすケーブルを火の熱から完全に防護することは不可能なように思えます。

    あるとすれば、アスベストで徹底的(←いやこの場合テッテ的というのが正しい文法だbyねじ式)に防護する方法でしょうか?

    もちろん、現代日本において、そのような加工を機械に施すことは不可能ですが・・・

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    2019年4月16日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    レジ袋を使う人間は悪人!?

    平成が間もなく終わり、令和になろうとしている瞬間に、戦中の「隣組」を想起させる、行政としては極めて不適切な規制を市民・事業者にかけようとする暴挙に関する報道がありました。

    2019年4月12日付 京都新聞 「罰則付きレジ袋禁止条例、初会合 京都・亀岡市

     京都府亀岡市の罰則付きプラスチック製レジ袋禁止条例について、さまざまな立場から審議する協議会が11日、初会合を開いた。市側が保津川の景観や環境保全の必要性を説明し、条例化に理解を求めた。月1回のペースで開催し、市は来年3月議会への提案を目指す。

     市は本年度中に全760店舗でレジ袋有料化を実現した上で、来年夏には禁止条例を施行し、違反者には氏名公表の罰則を設ける方針。店舗や市民への影響が大きいため、業界団体や市民団体を含めた35団体で協議会を設立した。

     会合の冒頭、桂川孝裕市長が「海洋ごみ問題に対し、地方都市から一石を投じる。子どもたちに誇れるまちにするため、建設的な議論をお願いする」とあいさつした。会長に保津川遊船企業組合の豊田知八代表理事、副会長は条例化へのアドバイザーを務めたNPO法人プロジェクト保津川の原田禎夫代表理事と、亀岡商工会議所の岸親夫専務理事の2人を選任した。次回は5月下旬を予定。有料化、禁止するレジ袋の定義など具体的な条例案の内容について議論する。

    レジ袋の規制を亀岡市が地方自治体の中で先陣を切って行っていくという、前向きな姿勢自体は評価しますが、
    「条例違反者は氏名公表をする」というのは明らかに行き過ぎです。

    レジ袋を無料で配ることが、地方自治体による氏名公表の対象となるほどの犯罪行為なのでしょうか?

    また、条例化を検討する協議会の会長に、レジ袋の規制推進派と思われる保津川遊船企業組合の代表理事が就任するということは、最初から「規制、あるいは使用禁止ありき」が見え見えのお手盛りではありませんか。

    普通なら、形だけでも、中立的な学識者等を会長にするところですが、その当然の配慮すら必要ないほどに、亀岡市の市民の大部分は、レジ袋の使用禁止に前向きなのでしょうか?

    日本初という独自性を発揮したいのであれば、
    「氏名公表」という極めて強権的な暴力性によってではなく、
    「亀岡市民全体でレジ袋の使用中止に臨みました」という、より難度が高いが、挑戦する価値のある目標によって、名乗りを上げるべきではないでしょうか?

    レジ袋を使う人が悪 ではなく
    レジ袋を捨てる人が悪 なのですから 

    このような「環境対策」の名を借りた、「環境ファッショ」が今後増えてきそうです(怖)。

    ■「年度内の有料化、困難」コンビニ側

     コンビニ各社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会の西山純生環境委員長が11日の会合後、報道各社の取材に応じ、市の求める本年度中のレジ袋有料化について「レジのシステム変更や客とのトラブルが想定され、難しい」との考えを明らかにした。

     西山氏は、禁止条例に「成立すれば従う」と述べた。その上で、有料化や禁止が亀岡市だけで徹底されることに抵抗感を示し、「禁止も有料化も反対ではないが、国と歩調を合わせてほしい。2、3年かけて議論するなら違った協力もあるが、このままではオーナーの負担が増し、消費者の理解も得られない」と指摘。1年半後に全面禁止を目指す市の方針が拙速だとの考えを示した。

    今回は、日本フランチャイズチェーン協会の言い分がもっともだと思います。

    亀岡市は焦る必要はまったくないですぞ!

    もう少し落ち着いて議論を進めなされ!

    天正10(1582)年に、愛宕山で「ときは今 あめが下しる(←最近の研究では「下なる」とも) 五月かな」という歌を詠んだ後「本能寺の変」で蜂起した、明智光秀(現在の亀岡市を含む丹波国を治めていた)の最期をお忘れではありますまい。

    明智光秀が三日天下で終わったのは、細川藤孝その他の有力武将に対する事後調略が失敗したからでした。

    住民の権利義務を制限するという重大事を拙速で進めることは非常に非常に危険です。

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    2019年4月15日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:news

    排出事業者にとっての再委託されるリスク

    今回は、「排出事業者にとっての再委託されるリスク」についてです。

    前回の「再委託の違法性の整理」では、

    排出事業者についてですが、
    無断で再委託をされているため、再委託されたことに関する罰則はありません。

    しかしながら、先の「再委託受託者」と同様、別の方面から廃棄物処理法違反が発生する可能性があります。

    と述べました。

    ここで、収集運搬業務を無断で再委託され、収集運搬業者が勝手に産業廃棄物管理票の「運搬受託者」を書き換えた場合を考えてみましょう。

    排出事業者が交付した産業廃棄物管理票の運搬受託者欄には、
    「氏名又は名称 株式会社下請商店」と記載されていたにもかかわらず、

    株式会社下請商店が委託者に無断で再委託をし、産業廃棄物管理票のB2票に、
    「氏名又は名称 株式会社下請商店 適当処理株式会社」
    と、ご丁寧にも自社名を見え消しで消した上で、再委託をしたと産業廃棄物管理票に正直に記入してくるケースがあります。

    そして、B2票のその下の「運搬の受託(者)←ドライバーの氏名等を書く欄」には、「株式会社下請商店」ではなく、排出事業者と契約がない「適当処理株式会社」の名称が記載されることになります。

    排出事業者としては、この時点で、株式会社下請商店が契約違反をし、無断で再委託をしたことを覚知することになります。

    そのため、「無断で契約とは違う方法で運搬を行われた」結果、
    「産業廃棄物管理票には、排出事業者が了解していない事実が記載されている」
    すなわち、「(契約とは異なる)虚偽の記載がある」ことを、排出事業者が知ったことになります。

    もっとも、
    返送されてきたB2票に記載された情報としては、実際は「適当処理株式会社」が運搬を行っているため、虚偽ではないとも考えられますが、

    廃棄物処理法施行規則第8条の29(管理票交付者が講ずべき措置)で定められた
    「虚偽の記載のある管理票の写しの送付を受けたとき」の「虚偽の記載」とは、
    「実際に行った産業廃棄物処理」が、そのまま「産業廃棄物管理票」に記載されているかではなく、

    「廃棄物処理法に違反しないか」
    「委託契約に違反しないか」
    という観点から、「虚偽」か「真実」かを判断すると考えた方が合理的です。

    そう考える理由は、
    例えば、産業廃棄物管理票E票の「最終処分を行った場所」欄に、「不法投棄をしました」と正直に(?)書いてきた場合、「事実としてはそのとおりなので、排出事業者は何もアクションしなくて良い」とはならないことを、万人にご納得いただけると思うからです。

    実際に、過去の措置命令事例として、
    不法投棄案件に関し、「産業廃棄物管理票E票の最終処分場の場所に、中間処理業者の事業所が記載されていたが、排出事業者が措置内容報告をしなかった」という理由で、排出事業者に措置命令が発出された実例があります。

    再委託された場合に排出事業者に発生するリスクとは、この「(産業廃棄物管理票に関する)措置内容報告」です。

    次回、措置内容報告書の詳細を解説します。

    本記事は連載の一部ですので、過去記事もお読みいただくと、より理解が進みます。

    (第1回)委託先業者に無断で再委託された場合の対応
    (第2回)再委託されたことに気づくタイミング
    (第3回)再委託の違法性の整理

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    期間到来前の更新(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

    (期間到来前の更新)
    問51 更新期限が到来するよりもはるかに早く更新許可申請を提出してきた場合、更新許可を行ってよいか。また、その場合、当該更新許可の次の更新期限は、当該更新許可から5年と解してよいか。
    答 お見込みのとおり。

    ※注釈
    「はるかに早く」とは、具体的に「許可期限の何日前」を指すのかよくわかりませんが、
    現在では、許可期限の60日程前に申請することが多くの地方自治体によって推奨されています。

    手続き的には、許可期限の前日、あるいはギリギリのタイミングで許可期限の日までに申請すれば、更新許可申請としては有効ですが、そうなると、許可期限内に次の更新許可が下りることはありませんので、許可が下りるまで延々と待たねばならなくなります。

    そして、排出事業者から、「許可期限が過ぎたけど、新しい許可証はまだできあがらないのか?」と督促を受けることになります。

    また、上記のようなタイミングで更新許可申請をした場合、自治体によっては、
    更新許可日を、「更新許可の開始日」ではなく、「実際に更新許可の決裁が終わった日」とするところがあり、
    許可日から更新期限までの間が満5年間とならない、若干気持ちの悪い日付となることがあります。

    いずれにせよ、産業廃棄物処理事業を営む上では支障となりませんが、
    行政庁の内部事情を正確に表現するよりも、「更新許可の開始日」で書いてくれた方が、許可証自体は断然見やすくなります。

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    2019年4月10日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    道路側溝の堆積物(大阪府Q&Aの注釈)

    大阪府が公開している「よくあるご質問」の注釈をします。

    Q19 道路側溝の堆積物は産業廃棄物になるか?

    A19
     道路管理者が道路側溝の堆積物を除去し排出する場合は、その性状により判断します。
     具体的には、道路側溝に堆積した泥状物は、産業廃棄物の汚泥となり、紙、木、草、落葉などは一般廃棄物となります。なお、一般家庭や町内会が清掃作業をして排出した場合は、泥状のものであっても一般廃棄物となります。
     ただし、泥状とはとらえられない土砂については、廃棄物処理法の対象外です。

    (注) 「港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの」は、廃棄物処理法の対象とする不要物ではありません。これは、港湾、河川等で発生する浚渫土砂は、埋立て用の有用物として実際に使われているという実態があり、その物の性状からみて発生現場で適宜移動するものであり、廃棄物の概念にはなじみにくい性格を有していることから、運用上、廃棄物処理法の規制対象とはしないという取り扱いをしてきたものです。しかし、この考え方は、工場内の側溝や道路の側溝にまで適用されるものではありません。

    ※注釈
    実務で問題となるのは、「産業廃棄物か一般廃棄物か」よりも、「道路側溝の堆積物の排出事業者は誰か」です。

    道路清掃に伴う産業廃棄物(大阪府Q&Aの注釈)」で、既に大阪府が見解を示しているとおり、「道路管理者が排出事業者となる」が、もっとも現実に即した合理的な考え方だと思います。

    「泥状とはとらえられない土砂」とは、すなわち「土砂」となりますので、大阪府の解説のとおり、廃棄物処理法の適用対象外となります。

    「堆積物から水分を蒸発させたらどうなるのか?」という疑問が当然湧きますが、
    蒸発に至る過程(発生場所なのか、それとも別の場所に運ぶのか等)が千差万別となり、結論は一つとはなりませんので、今回はこれ以上の深入りをしないことにします。

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    2019年4月8日 | コメント/トラックバック(0) |

    カテゴリー:疑義解釈

    再委託の違法性の整理

    今回は、再委託の違法性の整理です。

    (第2回)「再委託されたことに気づくタイミング」で登場した企業に再登場していただきます。

    ・排出事業者(建設工事の元請事業者)
    ・株式会社下請商店(建設工事の下請事業者であり、産業廃棄物収集運搬業者でもある)
    ・適当処理株式会社(株式会社下請商店から再委託を受けた産業廃棄物収集運搬業者)
    の3者です。

    これから、各関係者ごとに、「再委託」に関する廃棄物処理法違反の有無を考察します。

    再委託を無断で行った処理業者

    まずは、一番わかりやすい、再委託を排出事業者に無断で行った株式会社下請商店から

    廃棄物処理法第14条
    16 産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。

    完全にアウトです。

    刑事罰としては、

    廃棄物処理法第26条
     次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
    一 第6条の2第7項、第7条第14項、第12条第6項、第12条の2第6項、第14条第16項又は第14条の4第16項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者

    「3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金」と、なかなかに重い罰が規定されています。

    ちなみに、第12条第6項は、「産業廃棄物の委託基準」ですので、契約書を作成せずに委託をした場合も、第26条の対象となります。

    また、排出事業者に無断で再委託を行った処理業者に対する行政処分としては、環境省は「許可取消が妥当」という判断を示しています。(実際には、事業停止処分でお茶を濁す自治体も多い・・・)

    再委託を受けた処理業者

    では次に、再委託を受けた「適当処理株式会社」はどうか?

    少なくとも、適当処理株式会社は産業廃棄物収集運搬業者ですので、「無許可処理」をしたことにはなりません。

    また、「再委託を無断で行った者」への罰則は先述したとおりですが、「再委託を受けた者」への「再委託を受けたこと」に関する罰則はありません。

    ここで注意が必要なことは、「再委託を受けたこと」に関する罰則が無いだけで、廃棄物処理法違反が一切成立しないとは言い切れないことです。

    たとえば、マニフェストの収集運搬業者欄には、排出事業者が別の業者(今回の例だと「株式会社下請商店」)を記載しているのに、排出事業者と無関係な業者が収集運搬をしても良いかという問題です。

    「適当処理株式会社」に対するマニフェストは交付されていないとも言えますので、その場合は、「マニフェストが交付されていない産業廃棄物の引受禁止義務違反」に抵触することになります。

    再委託受託者の違法性を問うのが難しいケースとしては、
    再委託受託者(適当処理株式会社)も排出事業者の委託先の一つであり、
    排出事業者がマニフェストを空欄のまま下請に交付し、下請にマニフェストの記入を委託した場合です。

    この状況下では、下請が排出事業者に無断で、収集運搬業者として「適当処理株式会社」を記載すると、マニフェストの外形的には、適当処理株式会社が収集運搬受託者のように見えます。

    こうなると、ドライバーが個別の契約状況を把握していることはほとんどありませんので、マニフェストも外形的には適正であるため、そのまま産業廃棄物を回収してしまうことがあり得ます。

    また、外形的には、自社を収集運搬受託者と指定するマニフェストの交付も受けていますので、「マニフェストが交付されていない産業廃棄物の引受禁止義務違反」にも抵触しないことになります。

    ゆえに、排出事業者としては、再委託を無断で行われないためにも、最低限、マニフェストの委託先業者は自分自身で記載をし、委託先業者欄を空欄のままでマニフェストを交付しないことが不可欠です。

    排出事業者

    最後に、排出事業者についてですが、
    無断で再委託をされているため、再委託されたことに関する罰則はありません。

    しかしながら、先の「再委託受託者」と同様、別の方面から廃棄物処理法違反が発生する可能性があります。

    その詳細は次の記事で。

    本記事は連載の一部ですので、過去記事もお読みいただくと、より理解が進むと思います。

    (第1回)委託先業者に無断で再委託された場合の対応
    (第2回)再委託されたことに気づくタイミング

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