産業廃棄物処理業者が商号変更した際の委託契約書の取扱い

今回は、産業廃棄物処理企業に商号変更(社名の変更)が生じた場合の対応を解説します。

合併等の処理業者の組織体制に変更が生じるケースについては、次回の記事で解説します。

行政への届出(処理業者のみ)

産業廃棄物処理企業が商号変更をした場合、都道府県等に対し社名の変更届の提出が必要となりますが、許可証の書換え自体は処理業者の義務ではありません。

変更届の提出は義務ですが、許可証の法人名称を書き換えるかどうかは処理業者の自由なのです。

一部、兵庫県のように、許可証の書換えに関する手数料(千円)を徴収する自治体もありますので、更新許可申請と社名の変更届を同時に出すような場合は、更新後の許可証の到達を待つという選択もあり得ます。

もっとも、大部分の自治体においては、許可証の書換え手数料は無料であることが一般的ですので、その場合は何も悩むことはなく、商号変更前の許可証を提出し、新しい許可証を交付してもらえば良いです。

旧商号時の契約書の効力

単なる社名の変更場合、産業廃棄物処理業の許可を与えられた主体(法人格)自体は変動しませんので、それまで旧社名で締結していた契約書の内容は、社名変更後もそのまま有効になります。

従前の契約内容をそのまま維持するのであれば、処理業者の新たな法人名称に基づき契約をやり直す必要はありません。

対応方針

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ただし、後日契約事務の担当者が変わった際に、新しい担当者が「(商号変更後の)処理業者との契約書が無い!」と大騒ぎせずに済むように、「処理業者の社名が変更された時期や経緯を記した書類」を契約書と一緒に保存しておきましょう。

契約書の処理業者の部分に、「○○年▲▲月□日より、〇〇株式会社から△△株式会社に商号変更」と鉛筆で付記しておくだけでも結構です。

処理業者の場合は、社名変更をした場合に、顧客には封書でその事実をお知らせするのが通例だと思います。

許可証の書換えを行った場合は、許可証のコピーをFAXやメールで送る、あるいは会社のHPに新しい許可証のPDFファイルをアップロードし、顧客にそのアップロード先のURLをメールで連絡すると、社名変更の事実を迅速、かつ明瞭に伝えることができます。

念のために、「後日の契約更新やマニフェストのチェックを円滑に行っていただくために、この書面(社名変更のお知らせ)を契約書と一緒に保存しておいてください。」などの説明を付け加えると、より親切な対応となります。

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