施行規則改正に基づく17年改正法の詳細 Vol.1(電子マニフェストの義務付け対象)

施行規則改正で明らかになった2017年改正法の詳細を取り上げていきます。

全部で4回シリーズとなる予定です。

初回は、「電子マニフェストの義務付け対象」についてです。

関連する条文は、「廃棄物処理法施行規則第8条の31の3(新設)」となります。

パブリックコメント原案のとおり、「前々年度の特別管理産業廃棄物発生量が年間50トン以上(PCB廃棄物を除く)の事業場」が義務化の対象となりました。「事業者」ではなく、「事業場」が対象という点がポイントです。

例えば、大阪工場(年間60トンの特別管理産業廃棄物を排出)と兵庫工場(年間1トンの特別管理産業廃棄物を排出)の2工場をもつ事業者の場合、電子マニフェスト義務化の対象となるのは、年間60トンの特別管理産業廃棄物を排出している大阪工場のみとなります。

この部分に関する施行は、2020(平成32)年4月1日からです。

ということは、2018(平成30)年4月1日から2019(平成31)年3月31日までの1年間で、特別管理産業廃棄物を年間50t以上発生させた事業場は、2020(平成32)年4月1日から電子マニフェストを運用しなければなりません。

では、電子マニフェストは、特別管理産業廃棄物のみならず、その事業場で発生するすべての産業廃棄物についても運用する義務がかかるのかどうか?

実務的には、特別管理産業廃棄物に電子マニフェストの運用が義務付けられる以上、産業廃棄物についても電子マニフェストを運用する方が楽かと思いますが、
法的には、「特別管理産業廃棄物のみが義務化の対象」となりますので、産業廃棄物については、紙マニフェストで問題無しとなります。

その根拠は、廃棄物処理法第12条の5で、電子マニフェスト義務化の対象が、
「事業活動に伴い多量の産業廃棄物(その運搬又は処分の状況を速やかに把握する必要があるものとして環境省令で定めるものに限る。以下略)」と定められているところですが、

そのすぐ直後の条文で、
その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、運搬受託者及び処分受託者から電子情報処理組織を使用し、情報処理センターを経由して当該産業廃棄物の運搬又は処分が終了した旨を報告することを求め」
と、「その」という限定が産業廃棄物の前に置かれているためです。

言わずもがなかもしれませんが、「その産業廃棄物」とは、環境省令(施行規則第8条の31の2)で定めるところの「特別管理産業廃棄物」となります。

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