リスクマネジメントとしての廃棄物管理
YOMIURI ONLINE PCB廃棄物を違法処分
アサヒビール吹田工場が、工場内に保管していたPCB廃棄物を、普通の廃棄物として違法に処理してしまったというとんでもない事件です。
広告を大量に発注している大手企業であるためか、責任の追及が甘い感じがいたしますが、どの処理業者のところで、PCBを処理してしまったかを明らかにする必要があります。
PCBは人の健康に甚大な影響を及ぼす有害物質ですので、それを処理した中間処理業者のところで、PCBの飛散や流出が無いかを真っ先に調査・公表するべきです。
産廃を処理している以上、「行方が分からない」というのはあり得ません。
工事業者がモグリの無許可業者に委託していない限りは、契約書やマニフェストが存在している「はず」です。
大阪府は、この点を見過ごすようでは「不作為」とみなされるほどの過失になりますので、しっかりと調べ上げて欲しいものです。
最悪なのが、アサヒビールの担当者が、毎年報告しなければならないPCBの保管状況に関して、2年連続で虚偽の報告をしていたことです。
はっきり言って、PCB廃棄物に関して虚偽の報告をすることは、商品の原産地を偽ったり、成分濃度を偽ることよりも、重大な違反です。
事件発生後から2年もたってしまうと、さすがにPCB廃棄物(コンデンサかトランスと思われる)が、そのまま残っていることはほとんどあり得ません。
誰が処理したかを遡って調査することは可能ですが、
どこにPCB廃棄物が眠っているかを探し出すのは、非常に困難です。
アサヒビールは、すぐに対処をするべきでした。
事件が起こった経緯と、事件が起こった後の対処法のすべてに問題があるケースです。
「極めて重大な事案と認識し、再発防止と管理体制の強化などを図りたい」というとおりいっぺんのコメントでお茶を濁すのではなく、企業文化の見直しに至る徹底的な体質改善が必要と思います。
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2010年7月30日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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