土地所有者への措置命令
土地所有者に対して措置命令が出されるという珍しいケースが出ました。
“元”処分業者という表現が秀逸です。
産業廃棄物の不適正保管
↓
H23.2.2 改善命令
↓
H23.12.20 改善命令が履行されなかったので処分業の許可取消
↓
H25.5.15 それでも現場が片付かないので、行為者に措置命令
という流れですが
産業廃棄物が放置された事業場の土地所有者(法人と個人)も、措置命令の対象になっている点に注意が必要です。
(被処分者)事業場には、平成25年4月15日現在において4,623.15立方メートルの産業廃棄物が放置され、風にあおられ飛散し、又は崩落のおそれが大きい状況にあり、生活環境の保全上の支障が生じるおそれがあると認められる。(被処分者)は廃棄物を放置している当事者であり、M重機及び個人Kは事業場の土地所有者でありながら、適正に土地を管理せず、不適正処理を助けたため。
本来なら、土地所有者は措置命令の対象になることはありません。
土地所有者が「俺っちの土地で産業廃棄物を不適切に保管したら儲かるぜ!」という、違法行為を積極的に助けた証拠があるのであれば、措置命令の対象とすることが可能となります。
廃棄物処理法第19条の5 第五号(措置命令の対象者)
当該保管、収集、運搬若しくは処分を行つた者若しくは前三号に掲げる者に対して当該保管、収集、運搬若しくは処分若しくは前三号に規定する規定に違反する行為(以下「当該処分等」という。)をすることを要求し、依頼し、若しくは唆し、又はこれらの者が当該処分等をすることを助けた者があるときは、その者
土地所有者に対して措置命令をかけるという事例はあまり見たことがありません。
措置命令の対象として、「積極的に助けた」という証拠を固めることが非常に困難であるためです。
行政処分をする以上、豊田市は事実関係を綿密に調べ上げたものとは思いますが、自治体の方は土地所有者に措置命令をいつでもかけられるとは思わないようにお願いします。
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2013年5月24日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:行政処分