「正解は一つ」ではないことの方が多い

「企業存続には人材育成が不可欠」というのは、誰もが同意する命題です。

問題はそれをどうやって実行していくかです。

「人材育成と一言で言っても、採用から教育まで色々な内容に分かれるよなあ」と思った方
大正解です。

他人様からお金を頂戴し、その対価として講演を行う仕事を始めて12年になりますが、
時々悩むのは、「人材育成というテーマで90分間講演してください」という抽象度が高すぎるご依頼があったときです。

社会保険労務士の方なら、労働法や各種の助成金制度を絡めた話をする場合が多いのかもしれません。

しかし、それはあくまでも「人材育成」のほんの一つの側面にしか過ぎず、企業規模や事業形態によっては、まったく使えない話ということが多々あります。

特に、「従業員教育をどうやって行うべきか」という一点においては、
それぞれの企業によって長所や弱点が異なりますので、教育をすべき分野やその方法も千差万別となります。

研修の主催者側は、本心から参加者の利益になると思い、そのような提案をなさっていることは間違いありませんが、
実際に話をする当人からすると、「それぞれの会社によって状況はまったく異なるのに、とある一つの成功事例を金科玉条のごとく振りかざすのはいかがなものか…」と、いつも悩みます。

そんな小さなことにこだわらず、黙って依頼どおりに講演内容を組み立てる方が角が立たないのかもしれません。

しかしながら、私は、「人材育成に関する方程式というものは存在しないので、2・3の成功事例を参考例として挙げることはできますが、『この方法しか無い』という決めつけで話はできません」と、いつも正直に答えてしまいます(笑)。

「行政処分の背景やそれを受けないための改善手法」とは異なり、「人材育成」というテーマは抽象度が高すぎるのです。

もちろん、重要なテーマであることは間違いありませんが、それを方程式化して、「こんな方法で教育をすればOK」と言い切るのは、講師として逆に不誠実だと思うのです。

そもそも、人間は機械ではありませんので、画一的に教育をするだけでは、個々人の成長が望めないということは、大人なら誰でも知っていることです。

研修や教育というものは、講師から受講者への一方通行ではあまり意味がありません。

「どうすれば受講者が行動できるようになるか」というレベルにまで問題を具体化し、そのためのステップを用意する必要があります。

意味のある研修を行うためには、講師だけではなく、研修の主催者や事務局自身が、「現状の問題点」と「その解決策」を具体的に考えることが不可欠ですね。

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