黄金の国ジパング

現在、地球上にある金の総量は50メートルプール約3杯分の17万トンで、そのうちの約6800トン(16%)が、日本にあると言われています。

しかしながら、その大部分は、電子機器等に含まれる微量な金の推計値となっているため、金の延べ棒を政府が大量に保有しているわけではありません。
(ちなみに、日本政府の金の保有量は先進国の中でも非常に少ない部類に入ります。代わりに、米国債という紙切れを大量に保有しています)

それゆえ、都市鉱山と称した電子機器に含まれるレアメタルを回収するために、小型家電リサイクル法が制定されたわけですが、
国外からも効率的にレアメタルを集めることを目的とした、バーゼル法改正の動きがあるようです。

2016年10月6日付 日本経済新聞 「アジア「都市鉱山」に的 政府、廃スマホ輸入迅速に

 経済産業省と環境省は廃棄されたスマートフォン(スマホ)やノートパソコンを輸入しやすくする規制緩和に踏み切る。こうした電子機器に含まれる希少金属は「都市鉱山」と呼ばれ、リサイクルすれば再び電子部品の材料になる。スマホやパソコンの廃棄量は世界的に増えている。輸入審査手続きを大幅に短縮し、希少金属の確保と再利用の促進をめざす。

 現在、国内では香港や台湾、タイなどアジア各国・地域から、年3万~4万トン程度の廃棄スマホ・パソコンを輸入。金やタングステン、ニッケルなどの希少金属を取り出し、再利用している。

 廃棄された電子機器の輸入については、不法投棄やいいかげんなリサイクルを防ぐため「特定有害廃棄物の輸出入規制法(バーゼル法)」で国が輸出入業者やリサイクル工場を事前にチェックするルールを定めている。

 経産・環境両省は来年の通常国会にバーゼル法の改正案を提出。アジア各国から輸入する際には、審査に最短2カ月、最長で1年程度かかっているのを、数週間から1カ月程度に縮める。

 現行法ではアジアから廃棄スマホを輸入する場合、日本政府は現地の輸出業者とリサイクル工場から廃棄物の量や処理方法などの書類を受け取り両方の情報をつきあわせて確認したうえで輸出を許可するため、時間がかかっている。法改正後は事前に認定したリサイクル工場であれば、輸出元が契約書類を示すだけで輸入できるようにして、審査期間を短縮する。

 欧州連合(EU)では最短数週間で手続きが終わるため、審査に時間がかかる日本を避け、欧州にアジアの廃棄スマホが流れているという。このため国内のリサイクル工場は十分な“原料”を確保できていない状況だ。

バーゼル法のみならず、不必要に厳格な書類審査はまだまだ多く存在していますが、
外国との競争条件を考慮したうえで、審査手続きの緩和化に動くというのは、今までの行政には見られなかった動きではないでしょうか。

日本には高いリサイクル技術がありますので、それを活用することは世界的にも望ましい施策となります。

是非とも実現していただきたい法律改正です。

でも、他にも手続きの簡素化をして欲しい事務は星の数ほどあるのですが・・・
国外勢との競争とはほぼ無関係な分野ばかりなので、無理かな?

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ