産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)

2024年12月6日に、環境省から「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和5年度)について」が発表されました。

環境省の発表内容によると、

(1) 令和5年度に新たに判明した不法投棄事案
 ・不法投棄件数  100件    (前年度134件)    [-34件]
 ・不法投棄量   4.2万トン  (前年度4.9万トン)   [-0.7万トン]

(2) 令和5年度に新たに判明した不適正処理事案
 ・不適正処理件数 121件    (前年度107件)    [+14件]
 ・不適正処理量  5.0万トン  (前年度2.6万トン)   [+2.4万トン]

(3)令和5年度末における不法投棄等の残存事案
 ・残存件数    2,876件   (前年度2,855件)    [+21件]
 ・残存量     1011.2万トン(前年度1013.5万トン)  [-2.3万トン]

でした。

不法投棄の件数と量ともに、前年度よりも減少しました。

ただし、不法投棄ではない「不適正処理」については、件数と量ともに前年度よりも増加しています。

毎年書いていることですが、
本統計は

1件あたりの投棄量が10t以上の事案(ただし、特別管理産業廃棄物を含む事案は全事案)を集計対象

としているため、「10トン未満の不法投棄」は集計の対象になっていません。

そのため、不法投棄実体に関する正確な統計というよりも、「“比較的大規模な”不法投棄事案に関する統計」として受け止めていただく必要があります。

令和5年度も、「投棄件数」別の内訳で見ると、「排出事業者」がトップでした。

令和5年度の「投棄量」では、これまで比較的少量に留まっていた「複数」による不法投棄が、全体の74.6%に急増するという不気味な変化を見せています。

「排出事業者」であり、「許可業者」あるいは「無許可業者」という複数の属性を持つ実行者による不法投棄が増えたということになりましょうか。

不法投棄された産業廃棄物の内訳としては、令和5年度は全体の72.6%が建設廃棄物でした。

建設系ではない「汚泥」の不法投棄量が6,440トンとかなり多かった点も少し気になります。

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