荒稼ぎするモグリ業者

※産経新聞 「不用品片づけます」…高額請求 警視庁、無許可ごみ収集業者8人逮捕 から記事を抜粋、転記します。

無許可でごみを収集運搬したとして、警視庁生活環境課などは廃棄物処理法違反の疑いで、不用品回収会社社長(61)と元従業員ら計8人を逮捕した。
同課によると、同社は民間の収集業者の約72~3倍にあたる高額料金を請求し、都にも多数の苦情が寄せられていた。平成20年7月以降、約3億5千万円を売り上げたとみられる。8人は容疑を認めている。
逮捕容疑は、同年7月16日ごろから昨年4月20日ごろにかけ、市区町村長の許可を得ずに、同区の無職女性(67)方など計13カ所からベッドなどの一般廃棄物を計1130万円で収集し、同社の不用品回収センターなどに運搬したとしている。
同課によると、同社は「不用品すぐ片付けます。見積もり無料」などと書かれたチラシで宣伝。依頼を受けると、見積もりを取らずに処分品をトラックに積み込み、高額な料金を請求していた。中には、依頼者に必要以上に話しかけて注意をそらしている間に荷物を運搬し、「もうキャンセルできない」などと支払いを迫るケースもあった。
冷蔵庫などの処分を依頼して237万円を請求された男性(47)や、ピアノなどの処分で105万円を請求された男性(61)もいたという。
同社をめぐっては、都が昨年8月に6カ月の一部業務禁止命令を出していた。

1年少しで3億5千万円の売り上げということは、モグリ業者ならではの荒稼ぎです。

営業手法も非常に荒っぽいものだったようで、依頼を断りづらくすることに長けていたようです。

冷蔵庫の処分で237万円の請求とは、常識では考えられない水準の料金です。

廃品回収にはご注意を」という記事でも解説しましたが、モグリの廃品回収業者には、仕事を頼まないのが一番安全です。

「当社は許可業者です」と名乗っている場合でも、その業者のHPをよく見ると、「許可」というのは、「産業廃棄物収集運搬業」の許可であり、一般家庭の廃品を回収できる許可を持っていない、つまり「無許可業者」であることがほとんどです。

「産業廃棄物収集運搬業」と「一般廃棄物収集運搬業」の許可はまったく別物です。

いまだに、「産業廃棄物収集運搬業」の許可しか持っていないのに、一般家庭のゴミも回収できると喧伝している業者がたくさんあります。

東京都のみならず、全国的にこのようなモグリ業者との間でトラブルが続発していますので、くれぐれもご注意ください。

今回の事件のような天文学的?な暴利を要求されるケースは稀かもしれませんが、正式な市町村の回収ルートの料金以上に請求されるケースがほとんどです。

「高い」かつ、「不法投棄されるかもしれない」モグリ業者に仕事を頼むメリットはゼロです。

各自治体が定めたルールに従い、安心して仕事を頼める先に引取ってもらうことが肝心です。

余談ですが、産経新聞の場合は、逮捕された業者を、「不用品回収業者」と報道しているため、事実を正確に伝える姿勢を評価したいと思います。

産経新聞以外の新聞各紙は、無許可業者であるのに、「廃棄物収集運搬業者」と表現しています。

※例:日本経済新聞 一般廃棄物を無許可で収集の疑い 警視庁、社長ら8人逮捕

「廃棄物収集運搬業者」とは、廃棄物処理法に基づく収集運搬業の許可を受けた業者のことですので、無許可業者を収集運搬業者と呼ぶのは大きな間違いです。

言葉を正確に使わなくてはいけない新聞社がこの体たらくというのは、大変情けない事態と思います・・・

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