オリンパスがアルティスの清算を決定

一連の不祥事が発覚するきっかけとなったアルティスの清算をオリンパスが決定しました。

子会社の解散に関するお知らせ

プレスリリースが4月27日付と、連休突入前であった点が趣深いところです(笑)。
世間の関心をいたずらに集めないための工夫として、他の企業にも参考になります。

ちなみに、5月1日付で、子会社の解散に関するお知らせの一部訂正 が再発表されていますが、貸倒引当金の金額訂正だけですので、清算そのものには変更ありません。

さて、せっかく買収したアルティスの清算を決定したのは、
不祥事の原因だから ではなく、
債務超過に陥っているから という至極まっとうな理由のようです。

上掲のオリンパスのリリース資料より抜粋

資本金が4億8,793万円であるにもかかわらず、直近の平成23年3月期で売上高が1億6,400万円しかありません。
営業利益と経常利益ともに赤字ですので、債務超過の状況が年々悪化しています。

不祥事がなくとも整理の必要があったわけですが、産業廃棄物処理業の場合は簡単に事業譲渡ができるわけではないため、資産としての流動性に欠けます。

そのまま施設を使い続けるためには、アルティスの株式譲渡をするしかありませんが、数十億円の負債を抱えた企業の株式を買ってくれる会社はないと思われますので、「債権放棄」や「民事再生」などの手続きが不可欠となります。

しかし、オリンパスの発表では、来年3月末までに清算する方針とのことですので、スッパリと産業廃棄物処理事業から撤退する、つまりこのまま清算する公算が高いものと思われます。

あるとすれば、オリンパス側の債権放棄後に、他社に株式譲渡くらいでしょうか。
営業力に自信がある会社にとっては、二束三文で施設と業許可が手に入るチャンスになるかもしれません。

優勝劣敗ですので、技術力は高かったとしても、市場のニーズに対応していないサービスが消えていくのは仕方がありません。

近いうちに消えると思うので、「オリンパスグループの一員です」と記載されたアルティス社のトップページをキャプチャーしておきました。

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