世界経済と直結した循環資源リサイクル

日本経済新聞に、ペットボトルと空き缶のリサイクルが低迷しているという記事が掲載されていました。

ペットボトルの場合は、今年の夏の猛暑で消費量が増えたため、リサイクル市場がだぶついてしまったことが原因と書かれています。

たしかに、それも大きな原因の一つであろうと思います。

しかし、元々ペットボトルの再生が、衣類や車の内装材などの特定の製品に限られている以上、
日本国内の需要のみで、再生品がはけていたわけではありません。

諸外国で再生品が売れる、あるいはペットボトルの輸出が高値で行われていたお蔭で、支えられていた側面もあります。

世界的な景気減速に伴い、半ば無理矢理回していたペットボトルのリサイクルが滞るのも当然と言えます。

同じように、鉄くずのリサイクルについても、やはり世界的な景気の減速の影響が大きく出ています。

こちらの方は、補助金や行政が介在することなく、市場原理オンリーで値が動く世界ですから、ペットボトル以上にダイナミックに世界情勢が反映されています。

昨日取り上げた 資源ごみの抜取りにも結び付く話ですが、
資源ごみの持ち去りを規制できるか否か
今後一層の鉄くず価格の下落が進めば、アパッチの収奪行為も少しはましになるかもしれません。

手間をかけて廃棄品を収奪しても、スクラップ業者が引き取ってくれなくなる可能性があるからです。

あるいは、逆に収奪行為に磨きをかけ(?)、さらにエゲツナイ持ち去り行為に発展させることも考えられます。

今後、循環資源リサイクル業者の中で淘汰が進むのは避けられない状況と言えるでしょう。

そうなると、今までのように、「有価物に廃棄物を混ぜて出してくれれば、有価物扱いで廃棄物を無償で引き取りますよ」という、脱法的な営業が影を潜めていくものと考えられます。

適切な廃棄物処理と資源リサイクルのためには、むしろ望ましい流れになると思います。

資源リサイクル業者の方はあと数年耐え抜くことが必要ですが、耐え抜いた先には、今とは違った組織に生まれ変わっていることと思います。

組織のみならず、組織で働く個人も、世界経済の動きを無視できない時代になりました。

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