廃品回収業者が全国初の強制捜査を受ける(岐阜市)

NHKニュース 無許可で家電回収の疑い 警察が強制捜査

「無料回収」をうたい、使用済みの家電製品を無許可で回収していたとして、岐阜県警察本部は、廃棄物処理法違反の疑いで岐阜市の業者を捜索しました。
使用済みの家電製品を巡っては、国が去年、取締りを強化していて、こうした業者が強制捜査を受けるのは初めてだということです。

捜索を受けたのは、岐阜市の業者「ファイブエス」で、岐阜県警察本部は18日、この業者の家電製品の保管場所などを検証しました。
警察の調べによりますと、この業者は去年11月以降、先月にかけて、一般家庭から市の許可を得ずにテレビや冷蔵庫など使用済みの家電製品を無料で回収し、屋外に野ざらしで積んでいたとして、廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。
使用済みの家電製品を巡っては、一部に法律で定められたリサイクルに回されずに「無料回収」をうたう業者によって集められ、その後、スクラップにされ、海外に不正輸出されるケースが相次ぎ、問題となっています。
このため環境省が、去年3月、屋外に野ざらしで積まれている家電製品などについては、「廃棄物」とみなして取締りを強化するよう、全国の自治体に通知していました。
警察によりますと、こうした業者が強制捜査を受けるのは全国で初めてだということで、警察はこの業者の27歳の経営者らから事情を聴くなどして、回収の目的やいきさつなどについて調べることにしています。

ローカルニュースであるにもかかわらず、大阪のFM曲でもこのニュースが流れていました。
「全国初の強制捜査」という点にニュースとしての価値があったものと思われます。

廃棄物処理業の無許可営業ですので摘発されて当然の違反となりますが、
いざこうして事件報道がされるのを見ると、今後同様に他の違反を取締れるのかどうかについては、少し疑問に思いました。

無許可営業行為自体は悪質な犯罪と言えますが、全国でそれが必ず逮捕されているかというと、報道を見る限りでは、毎日どこかで逮捕されているというわけではありません。

廃品回収業者の場合、非常に数が多いのが現実なので、限られた警察の取締能力では、全部を捜査することは非常に難しいのではないかと思われます。

今回のように警察に捜査してもらうのも必要不可欠な手段ではありますが、
事業規模が小さいうちに、行政機関の積極果敢な指導によって、強制捜査や逮捕される可能性を指摘した上で、事態が小さいうちに収めることが必要だと思います。

警察頼みではなく、自治体(市町村)にもできることはたくさんあります。

一番良いのは、このような廃品回収業者に廃棄物処理業の許可を出し、法律の規制下で事業を行わせることだと考えます。

ただし、一般廃棄物処理業の許可を市町村長は出したがりませんので、非常に難しいのが現実です。

また、廃品回収事業が流行るということは、実質的な日本の最低賃金が他のアジア諸国レベルの低さに近づいている証拠なのかもしれません。

この手の事業の場合、無料(か低廉な価格)で回収する以上、廃棄物のオペレーションコストを極限まで下げる必要があります。

一昔前なら、外国人を低賃金で使用している業者が多かったのですが、最近は日本人も結構な割合で働いているようです。

日本全体の趨勢として、今後は賃金の下落傾向に入るという予測がありますので、廃品回収業者はその先駆けなのかもしれません。

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コメント

  1. 匿名です より:

    日々興味深く拝見しております。最近、不用品回収業者のちらしが、朝刊広告と一緒にはさまってくることがあります。手元には「××新聞をお読みのお客様へ、特別価格でご奉仕・・・」「××新聞販売店のご協力により、この価格で回収」と、書かれています。ブラウン管テレビ、液晶テレビ等、いくつ出しても2000円だそうです(回収できないものもあります)。ちらしの中に大手新聞社の名前が出ていると、何も知らない人は、つい安心してしまいますよね。もちろん一廃の収集許可は持っていない業者でした。本社は、自社の新聞販売店が無許可業者のアシスト(幇助?)をしていることを、きっと知らないのでしょうネ。

  2. 尾上雅典 より:

    コメントいただき、ありがとうございました。

    新聞社の広告審査を無許可業者が通過できるというのも皮肉な話ですね。

    なかなか巧妙な広告手法ですが、ご投稿いただいた内容が広がれば、新聞社も広告を規制するようになるかもしれませんね。

    ありがとうございます。


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