シップリサイクル体制では中国が先行か

認証をしているのは日本の組織ですが、現時点で認証を取得しているのが中国企業が3社、日本企業が1社と、差が大きく開きつつあるようです。

2013年12月11日(水) 16時30分 Response. 日本海事協会、中国の江蘇長栄鋼鉄にシップリサイクル条約適合を鑑定して適合証を発給

日本海事協会は、中国江蘇省の江蘇長栄鋼鉄に対して、世界で4例目となる、シップリサイクル条約への適合鑑定を行い、適合証(SOC)を発給した。

長栄鋼鉄は、揚子江河岸の江蘇省靖江市にある船舶リサイクル施設で、中国国営造船グループ(CSSC)、三井物産などが出資する中船澄西新栄船舶の全面的な支援を受け、安全・環境に配慮した大型船のリサイクルを行うための施設拡張、改善に取り組んでいる。

同社は、シップリサイクル条約で、所管官庁による船舶リサイクル施設承認の際に要求される「船舶リサイクル施設計画(SRFP)」の作成を条約発効に先駆けて実施した。今回、同協会は、作成されたSRFPが条約の要求事項を満たしており、それに従ったリサイクルが実施されていることを、第三者認証機関として確認し、同社に対して適合証を発給した。

長栄鋼鉄への適合証の発給は、昨年12月のJiangmen Zhongxin シップブレーキング&スチール(中国・広東省)、9月のDalian・シップビルディング・インダストリー・マリン・サービス(中国・遼寧省)、11月の宮地サルベージ(日本・香川県)に続き、世界で4例目となる。

もちろん、今回の認証が即、シップリサイクル体制の確保となるわけではありませんが、
中国が国家として、シップリサイクルの重要性や競争優位性を重視していると考える必要があります。

日本でも、室蘭その他の地域で地場企業のコンソーシアムといった形式で実証実験が進められていますが、「船舶リサイクル施設計画(SRFP)」の認証数としては、中国が数歩先を進んでいる状態です。

日本でも認証取得の準備が着々と進められているのかもしれませんが、中国の一気呵成な行動力に危機感を感じてしまいました。

シップリサイクルは国家的戦略に直結する事業であるため、日本でも政府の後押しが必要なのではないでしょうか。

日本の関係者の皆様には、ここからの巻き返しを期待しております!

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ