1988年の漫画で予言されていた画期的ふん害対策

注:今回の記事は、食事時には読まないことを強くお奨めします。

飼い犬のふんの放置することは、一般廃棄物の不法投棄に該当します。

しかしながら、ゲリラ的、かつ日常的に行われる犯罪であるため、それを効果的に抑止する方法がなかなかありませんでしたが、
京都府宇治市において、ふんの周りをチョークで囲い、日付や時間を地面に書き込むだけで、ふんの放置が激減したそうです。

2017年5月31日付 京都新聞 「ふん放置、黄色チョークで警告 京都、激減地域も

 道に放置されている犬のふんを減らす方法として、京都府宇治市が呼び掛けている「イエローチョーク作戦」が効果を上げている。ふんの周囲を黄色のチョークで囲うことで飼い主に警告する取り組み。ふん害に悩まされてきた地域では、激減したところもあるという。

 同市では近年、世帯数の増加に伴って飼育される犬が増えており、2016年4月時点で1万1168匹に上る。市に寄せられる犬に関する苦情も増加し、16年度で約90件。そのうち約8割がふん害関連という。

 特に同市宇治-広野町を結ぶ市道下居大久保線(通称カムループス通り)ではふんの放置が多かったため、環境企画課の職員が駐車違反の取り締まりを参考にイエローチョーク作戦を発案した。効果を試すために16年1月から職員が週に2、3回、早朝や夕方に巡回して放置されたふんをチョークで囲い、日付や時間を書いている。ふんは回収しない。

 作戦開始前は約30カ所でふんが放置されていたが、現在はほとんど見られない。同課によると、チョークで強調されたり、日時が記されたりすることで、実際に迷惑を被っている人の存在やその意志が飼い主に伝わり、放置の歯止めにつながっているとみられる。

 市が広報紙や回覧板などで方法を紹介したところ、同年6月からは住民が自ら取り組む地域も出始めており、現在は5カ所ほどで続けられている。効果を聞いた府内のほかの自治体からも問い合わせが来ているという。

 作戦を発案した同課の柴田浩久主査(50)は「ふん害防止の看板を立てるより費用がかからず、住民が手軽に取り組める方法として考えた。全市的に広めていきたい」と話している。

宇治市の職員は「ふんは回収しない。」とのことですので、ふんの放置を見かねた地元の方が善意で回収しているものと思われます(涙)。

チョークで囲うだけで放置が減るのであれば、少なくとも日本においては、非常に効果的なふん害対策と言えましょう。

ただし、誰かが回収しないことには、地面へのチョークの書き込みばかりが増えるという、おぞましいカオス状態になる恐れがありますが、
宇治市においてはそうならなかったということは、善意で回収する人の犠牲もさることながら、それまで放置をしていた人にも一定の良心が残っていたお蔭なのかもしれません。

さて、この「コロンブスの卵」的な手法を考え出した宇治市の職員の方のアイディアは、もちろん素晴らしいと思います。

しかしながら、新聞記事を読んで個人的にすぐ思い出したのが、
1988(昭和63)年に発表された、山下和美さんの「天才柳沢教授の生活」第2話の一シーンでした。

主人公の柳沢教授が、道端に落ちたふんを持参したチョークで囲っています。

柳沢教授は、作者の山下和美さんの実父古瀬大六教授がモデルとのことですので、実際には、古瀬教授は1988年よりもはるか前から既にチョークをお使いになっていたのかもしれません。

そうなると、数十年以上も前に、時代を先取りした方法を独自に考え出したまさに「天才」と言えます。

もっとも、漫画では、チョークで書くのは日付や時間ではなく、「犯犬をつかまえろ」という少々過激な表現になっていますが(笑)。

AmazonのKindle(ソフトをダウンロードすれば、iPadやPCでも閲覧可能)ですと、現在、「天才柳沢教授の生活」の第1巻を無料で読めますので、関心を持たれた方は是非作品の方もお読みください。

ちなみに、私は全巻を所有しております(笑)。

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