公営設置最終処分場の後始末コスト

2009年度からの操業開始後わずか4年で閉鎖の憂き目にあった、山梨県の公営設置明野処分場の問題がようやく一つの区切りを迎えました。

2018年2月23日付 産経ニュース 「明野処分場訴訟 山梨県が上告断念、事業費55億円全額負担

 県環境整備事業団(理事長・後藤斎知事)は22日、産業廃棄物の最終処分のため整備した明野処分場(北杜市明野町浅尾)で検知システムの誤作動が起き、平成26年の施設閉鎖に及んだとして、施工業者など4社に約14億2900万円の損害賠償を求めた訴訟について、上告を断念する方針を発表した。

 東京高裁が8日の控訴審判決で、原告側の請求を棄却し、県側の対応が注目されていた。

 事業団の広瀬久文専務理事は22日、甲府市内で会見し、上告断念の理由を「高裁で事実認定の請求を棄却されたため」と説明。県による明野処分場への拠出は、当初の整備費や現状の汚水処理費などを合わせ、総額約54億8千万円に達するという。

 県はすでに約45億7千万円を支払い済みで、36年度までに完済する計画。巨額の県民負担について、広瀬氏は「大変申し訳なく、深くおわびします」と謝罪した。後藤知事は「可能な限り赤字縮減に努める」などとコメントした。

 1審・甲府地裁判決は県側の主張を一部認め、施工業者1社に約1億7430万円の賠償を命じ、他3社への請求は退けた。2審では県側の主張がすべて棄却された。

区切りと言っても、単に「失敗のコストを誰が負うか」という問題の結論が出たに過ぎませんが、最終的には、総額約55億円を山梨県が全額負担することになりました。

住民や自然保護団体からの強硬な反対を受けながら設置をした施設ですが、そもそもの事業計画からして、「約28万立方メートルを5.5年で埋め尽くす」という、民間では考えられない贅沢な(?)計画でしたので、操業後のトラブルが無くとも、莫大な赤字が発生していたのは確実です。

関わる者すべてを不幸にした疫病神のような処分場となってしまいましたが、そうした種類の施設は逆に稀有なので、「負の文化遺産」として保存すべきかもしれません・・・

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