レジ袋を使う人間は悪人!?

平成が間もなく終わり、令和になろうとしている瞬間に、戦中の「隣組」を想起させる、行政としては極めて不適切な規制を市民・事業者にかけようとする暴挙に関する報道がありました。

2019年4月12日付 京都新聞 「罰則付きレジ袋禁止条例、初会合 京都・亀岡市

 京都府亀岡市の罰則付きプラスチック製レジ袋禁止条例について、さまざまな立場から審議する協議会が11日、初会合を開いた。市側が保津川の景観や環境保全の必要性を説明し、条例化に理解を求めた。月1回のペースで開催し、市は来年3月議会への提案を目指す。

 市は本年度中に全760店舗でレジ袋有料化を実現した上で、来年夏には禁止条例を施行し、違反者には氏名公表の罰則を設ける方針。店舗や市民への影響が大きいため、業界団体や市民団体を含めた35団体で協議会を設立した。

 会合の冒頭、桂川孝裕市長が「海洋ごみ問題に対し、地方都市から一石を投じる。子どもたちに誇れるまちにするため、建設的な議論をお願いする」とあいさつした。会長に保津川遊船企業組合の豊田知八代表理事、副会長は条例化へのアドバイザーを務めたNPO法人プロジェクト保津川の原田禎夫代表理事と、亀岡商工会議所の岸親夫専務理事の2人を選任した。次回は5月下旬を予定。有料化、禁止するレジ袋の定義など具体的な条例案の内容について議論する。

レジ袋の規制を亀岡市が地方自治体の中で先陣を切って行っていくという、前向きな姿勢自体は評価しますが、
「条例違反者は氏名公表をする」というのは明らかに行き過ぎです。

レジ袋を無料で配ることが、地方自治体による氏名公表の対象となるほどの犯罪行為なのでしょうか?

また、条例化を検討する協議会の会長に、レジ袋の規制推進派と思われる保津川遊船企業組合の代表理事が就任するということは、最初から「規制、あるいは使用禁止ありき」が見え見えのお手盛りではありませんか。

普通なら、形だけでも、中立的な学識者等を会長にするところですが、その当然の配慮すら必要ないほどに、亀岡市の市民の大部分は、レジ袋の使用禁止に前向きなのでしょうか?

日本初という独自性を発揮したいのであれば、
「氏名公表」という極めて強権的な暴力性によってではなく、
「亀岡市民全体でレジ袋の使用中止に臨みました」という、より難度が高いが、挑戦する価値のある目標によって、名乗りを上げるべきではないでしょうか?

レジ袋を使う人が悪 ではなく
レジ袋を捨てる人が悪 なのですから 

このような「環境対策」の名を借りた、「環境ファッショ」が今後増えてきそうです(怖)。

■「年度内の有料化、困難」コンビニ側

 コンビニ各社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会の西山純生環境委員長が11日の会合後、報道各社の取材に応じ、市の求める本年度中のレジ袋有料化について「レジのシステム変更や客とのトラブルが想定され、難しい」との考えを明らかにした。

 西山氏は、禁止条例に「成立すれば従う」と述べた。その上で、有料化や禁止が亀岡市だけで徹底されることに抵抗感を示し、「禁止も有料化も反対ではないが、国と歩調を合わせてほしい。2、3年かけて議論するなら違った協力もあるが、このままではオーナーの負担が増し、消費者の理解も得られない」と指摘。1年半後に全面禁止を目指す市の方針が拙速だとの考えを示した。

今回は、日本フランチャイズチェーン協会の言い分がもっともだと思います。

亀岡市は焦る必要はまったくないですぞ!

もう少し落ち着いて議論を進めなされ!

天正10(1582)年に、愛宕山で「ときは今 あめが下しる(←最近の研究では「下なる」とも) 五月かな」という歌を詠んだ後「本能寺の変」で蜂起した、明智光秀(現在の亀岡市を含む丹波国を治めていた)の最期をお忘れではありますまい。

明智光秀が三日天下で終わったのは、細川藤孝その他の有力武将に対する事後調略が失敗したからでした。

住民の権利義務を制限するという重大事を拙速で進めることは非常に非常に危険です。

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