厚労省が保育所におむつの処分を推奨へ

遅すぎの感はありますが、やった方が良い施策であることは間違いありませんので、国として明確に姿勢を示したことは評価したいと思います。

令和5年1月23日付厚生労働省事務連絡 「保育所等における使用済みおむつの処分について

2.使用済みおむつの園処分の推奨について
○ 調査の結果、保護者の負担軽減等を理由に、多くの自治体がここ数年の間に使用済みおむつの処分を保育所で行うよう方針を示しており、多くの保育所で実際に使用済みおむつの処分を保育所で行っていることが判明した。その際の処分費用等の取扱いについては、園の運営費の中で負担する場合や、自治体等の補助を活用する場合のほか、保護者からの実費徴収等により行われている(なお、事前に保護者に対して実費徴収の使途や理由等について丁寧な説明をしたうえで保護者の同意を得ることで、実費徴収とすることは差し支えない)。
○ 使用済みおむつの持ち帰りがなくなることは保護者にとっては大きな負担軽減になるとともに、保育士や保育教諭にとっても使用済みおむつをこども毎に振り分ける業務がなくなることで、負担軽減にもつながることから、保育所等において使用済みおむつの処分を行うことを推奨することとする。
○ その際、保育所、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所(居宅訪問型保育事業所を除く。)において保管スペースの確保や衛生面の管理が課題となる場合等には、「保育環境改善等事業」(感染症対策のための改修整備等事業)(参考2参照)により、使用済みおむつの保管用ゴミ箱の購入等の費用の補助を行うことが可能であるため、積極的にご活用いただきたい。
○ なお、使用済みおむつの処分の方針にかかわらず、保育所等においては、引き続き便の状態や回数等を保護者へ伝える等、こどもの健康状態等の共有に配慮をお願いしたい。

我が家もかつては公立保育所にお世話になりましたが、当時子どもを預けていた市立保育園では、使用済おむつは園が処分してくれていました。

そのため、「児童ごとにおむつを分別」して、わざわざ「臭いおむつを保護者に持ち帰らせる」必要性がいまだに理解できていませんが、それを強制する保育園においては、保育士と保護者の双方に多大な負荷が掛かっていることになります。

厚生労働省は、上記の事務連絡の中で、「認可保育所における使用済みおむつの処分について(調査結果)」というスライドを掲載しています。

「持ち帰りを強制していた理由」としては、スライドの左下部分「保護者が持ち帰ることとしている理由」に保育所からの回答内容がまとめられていますが、これがなかなかひどい内容です(苦笑)。

該当部分を拡大しました

もっとも多かったのが、「こどもの体調把握のため」ですが、
ウ○チそのものを見せずとも、口頭やメモで「今日はいつもより柔らかかったです」等と伝えれば済む話なのではないでしょうか?

「親たる者、ウ○チを直接吟味すべし!」という信仰にも似た強迫性が感じられます。

一番ひどいと思ったのが、「昔からの慣習」です(涙)。

もう、「前例は変えてはいけない」という信仰ですね(号泣)。

率直に申し上げて、このようなひどい理由で無意味な作業を保育士と保護者に強制していた保育所及び市区町村関係者は、人間としての理性を持ち合わせていないとしか思えません。

保護者の心理的・身体的負担、保育士の(無意味な)作業時間増を強制して得られるメリットとは一体何だったのでしょうか?

「保管スペースの問題」も実際に多いとは思いますが、スペース自体は工夫次第でどうにかできたはずです。

「昔からの慣習」だけで、誰も幸せにならない作業を強制する場は、ディストピアそのものですね。。。

本当なら、国に言われずとも、現場の人間の裁量だけで解決できた問題だと思いますが、この通知(単なる事務連絡ですが 苦笑)を機に、ディストピアを抜け出すきっかけとしていただきたいものです。

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