疑問がかき立てられる報道
事件としてはありふれた家電の不法投棄ですが、報道を見ても、疑問が解消するどころか、逆に謎が深まってしまいました。
2023年2月6日付 メ~テレ 「風俗店勤務の男性、ごみ1トンを大晦日に不法投棄の疑いで書類送検」
愛知県知多市の空き地に家電などおよそ1トンを不法投棄したとして、26歳の男性が書類送検されました。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の疑いで書類送検されたのは、半田市の会社員の男性(26)です。
警察によりますと男性は去年の大晦日、知多市内の空き地に洗濯機2個や冷蔵庫、パソコンなどのごみおよそ1トンを捨てた疑いがもたれています。
「半田市在住の男が、知多市の空き地に不法投棄した」ということですが、廃棄物を発生させた風俗店はどこにあったのでしょうか?
知多市にあったのか?
名古屋市等の繁華街にあったのか?
仮に名古屋にあったとすると、
なぜ従業員が1トンもの廃棄物を、自宅のある半田市方面に運んでいたのか?
また、運んでいた廃棄物が洗濯機2台と冷蔵庫という、「家電リサイクル法」の対象品目ですので、
男性は容疑を認め、警察の調べに「指定場所で処分するのが面倒だったので捨てた」などと話しているということです。
「指定場所」という意味がよくわかりません。
「家電リサイクル法」に基づく「指定引取場所」のことかもしれませんが、パソコンをそこに持ち込むことは通常できません。
※金属リサイクラーが、指定引取場所を兼業している場合は可能かもしれませんが。
常識的には、店舗から発生した廃棄物である以上、店舗側のコスト負担により、専門の廃家電回収業者に依頼をする方が断然楽ですが、
件の風俗店においては、「指定引取場所」への自主持ち込みにこだわる理由があったのでしょうか?
従業員に対して、店舗が発生させた廃家電の運搬や処分をさせていたのであれば、件の風俗店はなかなかのブラック企業と言えますが、
不法投棄実行者が「単なる会社員」ではなく、「店長」等の店舗運営の統括的な責任者、または「経営者」であった可能性もあります。
一番納得できる(?)答えは、不法投棄実行者が風俗店のオーナー経営者だった場合です。
それならば、自己と店舗のコスト削減が密接に関連しますので、衝動的に不法投棄を行った理由が理解できます。
しかしながら、パソコン内のデータ消去をせずにそのまま不法投棄するという、「一刻も早く捨てたかった!」という情熱も感じられますので、「店長」以下の従業員であった可能性も捨てきれません。
結局のところ、廃家電の排出事業者たる風俗店の責任に関して一言も言及されていないために、こうした報道を見た後、後味の悪さがずっと残ることとなります。
後味の悪さを共有していただけた方は、廃棄物処理法に関して「意識高い系」であることを自認していただいてよろしいかと思います(笑)。
タグ
2023年2月8日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:news