レオパレス21への引取義務違反の勧告

2023年3月23日付 環境省発表 「家電リサイクル法に基づく引取義務違反に係る勧告を行いました

1.環境省及び経済産業省は、賃貸物件オーナーに家電4品目を販売する株式会社レオパレス21(本社:東京都中野区)に立入検査等を行った結果、賃貸物件オーナーから排出された特定家庭用機器廃棄物(以下「廃家電4品目」という。)を引き取っていない事実を確認しました。

2.本件は、特定家庭用機器再商品化法(以下「家電リサイクル法」という。)第9条に基づく小売業者の引取義務違反(※)に該当することから、両省は第16条第1項に基づき、同社に対し、排出者から廃家電4品目の引取りを求められたときは、これらを引き取るべき旨の勧告等を行いました。

※ 小売業者は、家電リサイクル法第9条に基づき、自らが過去に販売した、又は買換えの際に引取りを求められた家電4品目について、排出者から引取りを求められたときは、これらを引き取らなければならない。

個人的には、「なぜ今頃になっての勧告?」という疑問がまず湧きました。

と言いますのも、レオパレス21自身が、2022年7月4日付で、不適正な処理実態を公表していたからです。
6月30日付の一部報道について

 一部の報道機関において、6月30日付で当社の廃棄家電の処理手続きに関する報道がございました。
 本件につきましては、2022年6月29日(水)開催の第49期定時株主総会においてご説明させていただきましたが、当社の賃貸事業における廃棄家電の処理手続きに関して、特定家庭用機器商品化法(家電リサイクル法)の観点から是正すべき点が存在したことを確認しております。
 具体的には、当社の賃貸事業においては、家電をリサイクルする場合その所有権を外部事業者へ移転し、費用を支払った上で、メーカーへの引渡やその他処分についてはその外部事業者が行っておりました。環境省に確認したところ、この点が法令に定める小売業者としての排出者からの引取義務と製造業者等への引渡義務に合致していない可能性があることが確認されました。なお、報道されているリサイクル費用に関しては、外部事業者において支払っております。
 当社は現在、事実関係及び処理手続きの確認・整理を進めており、すでに環境省をはじめとする所管省庁にご相談しているところです。当社といたしましては、所管省庁にご指導いただきながら調査および対応の検討を継続し、是正を図ってまいります。
 なお、本件が業績に与える影響はございません。

レオパレス21の公表内容によると、家電リサイクル対象製品を、レオパレス21ではなく「外部事業者」にリサイクル費用(?)を払ったうえで、「外部事業者」に処分(委託?)をさせていた、とのことです。

しかしながら、環境省の発表に記載されているとおり、

■ 経緯・事実関係
 株式会社レオパレス21(以下「レオパレス21」という。)は、自らが管理する賃貸物件オーナーに対して家電4品目の小売販売を行っており、家電リサイクル法上の小売業者に該当する者です。
 同社から家電リサイクル法上の小売業者に該当するか否かの疑義照会を受けたことなどをきっかけに、レオパレス21本社(東京都中野区)に対して、環境省及び経済産業省が立入検査を行ったところ、賃貸物件オーナーから排出された廃家電4品目について、同社が家電リサイクル法の小売業者としての引取義務を果たしていないことが判明しました。
 具体的には、令和2年4月以降、レオパレス21は、テレビ4,616台、冷蔵庫18,290台、洗濯機10,146台、エアコン66,388台(※)について、小売業者としての引取義務を果たしていませんでした。
 ※ テレビ・冷蔵庫・洗濯機は令和4年8月までの台数、エアコンは令和4年7月までの台数

家電リサイクル法の「小売業者」に該当する者は、「賃貸物件オーナーに家電を販売したレオパレス21」となりますので、
同社は小売業者としての引取義務を果たしていなかったことになります。

過剰なコスト削減や小売業者としての責任放棄の意図は無かったものと思いますが、
家電リサイクル法上の「小売業者」は、一般的な「小売業者」よりもかなり広い意味となりますので、「消費者に特定家電を最終的に販売する事業者」は、小売業者に該当する可能性が高いことに注意が必要ですね。

※画像は、経済産業省及び環境省が制作した「賃貸管理業者の皆様へのお願い」から転載

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