店頭回収前後でやってはいけないこと
当ブログ2023年1月12日付記事「店頭回収された廃棄物は産業廃棄物か(大阪府Q&Aからの抜粋)」の実務的な補足をします。
上記の記事では、店頭回収された廃棄物の種類に関する大阪府の解釈を紹介しましたが、
今回は、店頭回収した前後でやってはいけないことを列挙したいと思います。
まず、店頭回収以前の話です。
- 「ゴミ処理費用」を徴収
この場合は、明確に廃棄物処理費を徴収していることになりますので、一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業の両方の許可が不可欠となります。 - 無差別・無制限に廃棄物を受入れる
これだけでは法律違反とは言えませんが、無差別・無制限に回収を引き受けると、100%の確率で処理困難、あるいは高額な処理コストが掛かる廃棄物を投入されることになるので、無償でこのような受入を続けることは不可能です。
次は、店頭回収後の話です。
- 商品の配送車両にゴミを持って帰ってもらう
この場合、「廃棄物を運搬する」ことになるため、廃棄物運搬業者か、店舗自らが運搬するのでなければ、配送業者には廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
仮に、配送業者が産業廃棄物収集運搬業の許可を所持していたとしても、通常は一般廃棄物収集運搬業の許可は所持していないことがほとんどですので、少なくとも、一般廃棄物に該当する廃棄物の運搬は不可となります。 - 持ち帰った廃棄物を配送業者の敷地で一定期間預かってもらう
他者が発生させた廃棄物を保管する場合は、積替え保管を含む収集運搬業の許可が必要となりますので、その許可を持たない配送業者は保管できません。 - 産業廃棄物運搬委託契約を締結しない
産業廃棄物の運搬を他者に委託する場合は、産業廃棄物収集運搬契約を締結しないと、店舗側の法律違反となります。 - 産業廃棄物管理票を交付しない
上記のとおり、産業廃棄物管理票の交付は、産業廃棄物の排出事業者たる店舗の責任となります。
このように、店頭回収は、販促手段としては一定の効果があるかもしれませんが、やり方に気をつけないと、店舗側に大きな損失が発生したり、法律違反を起こすことがよくあります。
無償回収という折角の店舗側の善意が踏みにじられることにもなりがちですので、できるだけ事態をコントロールできるように、細心の注意を払って実施をしたいところです。
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2023年1月17日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:疑義解釈